ラクダに乗れる・エサがあげられる動物園は?ラクダの生態やコブについても解説

ラクダに乗れる・エサがあげられる動物園は?ラクダの生態やコブについても解説
カメラを向けるとポーズをとってくれたりする(?)ラクダ

佐々木隆のアイコン佐々木隆

砂漠を歩いているイメージが強いラクダですが、日本でも約20の動物園で見ることができます。まずは、そんなラクダがどんな動物なのかを学び、続いて、ラクダのコブや口などのカラダについても解説します。ラクダに会える動物園もそんなに多くはないのですが、ラクダに乗ったり、エサをあげたりできるところはさらに少ないんです。そんな貴重な5つの動物園もあわせて紹介します。

目次(index)

ラクダってどんな動物?

ラクダとはどんな動物なのか、キホンから生態、繁殖などについて解説しましょう。

ラクダのキホン

ラクダは種類によって生息地が異なるようですが(一部を除く)、おおまかには、アジアとアフリカの砂漠地帯に暮らしています。一般的に、メスよりオスのほうがやや大きいようです。

  • 【学名】Camelus
  • 【分類】鯨偶蹄目 ラクダ科 ラクダ属
  • 【生息地】中央・西アジア、北・東アフリカの砂漠地帯など
  • 【体の高さ】約2m
  • 【体重】350~700kg
  • 【寿命】20~40年(野生と飼育下で異なる)
フタコブラクダの全身カット

フタコブラクダの全身カット。コブのてっぺんから足元までが体の高さです

ラクダの種類はコブの数で決まる

上の写真はコブが2つあってフタコブラクダ、下の写真はコブが1つでヒトコブラクダ。つまり、ラクダの分類はコブの数によります。ただ、フタコブラクダには家畜型と野生型の2種があり(和名での分類はない)、ラクダとしては種類は3種あることになります。日本の動物園には、約15カ所にフタコブラクダ、約5カ所にヒトコブラクダがいます。

ヒトコブラクダ

世界に生息しているラクダで約9割がヒトコブラクダといわれています 画像提供:よこはま動物園ズーラシア

ラクダが暑さに強いのはなぜ?

ラクダのコブに断熱の効果があるんです。つまり、砂漠などでの直射日光の熱をコブで受け止めて体温の上昇を防いでいます。また、体温も自分で調節できるようです。気温が高いときは体温を上げて体内の水分を逃がさないようにします。つまり、汗をあまりかかないようにするわけです。だから、暑さに強いんですね。

砂漠の砂塵を避けるために鼻の穴を閉じることもできます

砂漠の砂塵を避けるために鼻の穴を閉じることもできます

ラクダは水を一度に約100リットル飲める!?

砂漠で生きていく手段のひとつとして、ラクダは水を一気に80~100リットルくらい飲むことができます。そして、水を飲まずに数日間は耐えられるようです。暑い砂漠で暮らすための機能が揃っているんですね。

砂漠を生き抜くために、いろいろと特技を備えているラクダ

砂漠を生き抜くために、いろいろと特技を備えています

ラクダの歩き方について

ラクダは、右前肢と右後肢が同時、左前肢と左後肢が同時、つまり、同じ方向の前肢と後肢がペアになって同時に動きます。これは「側対歩(そくたいほ)」といわれ、キリンやゾウもこの歩き方です。

右前肢と右後肢が同時に動いている「側対歩」

右前肢と右後肢が同時に動いています。これが「側対歩」です

ラクダの繁殖について

ラクダの寿命は20~40年くらいですが、オスの交尾が可能になるのは6歳から、メスも成熟に時間がかかります。しかも、発情期は年に1回しかないので、繁殖には苦労しています。メスの妊娠期間は約1年です。

野生のフタコブラクダは世界中で約1000頭しかいないといわれている

野生のフタコブラクダは世界中で約1000頭しかいないといわれています

ラクダのカラダに注目

特徴的なカラダが印象的なラクダ。コブや口、歯、目、ヒヅメについて解説しましょう。

ラクダのコブには何が入っているの?

断熱の効果があるというラクダのコブですが。中には何が入っているのでしょう? 水が入っている、といわれていた時期がありましたが、これは迷信のようなもので、実は、脂肪が入っています。カラダに必要な栄養を脂肪にかえてコブに蓄えているというわけです。これも、砂漠で長期間、食べ物を食べなくても生きていくためなのです。

立派なコブにはエネルギーが蓄えられている

この立派なコブにはエネルギーが蓄えられています

ラクダの特徴的な口の動き

ラクダが口をモグモグさせている印象があるかたも多いと思います。これは反芻(はんすう)といって、消化の悪い草などを栄養として取り入れるため何度もすりつぶしているわけです。よく噛んで一度、胃におくり、また口に戻して、再度よく噛むことを繰り返しています。ラクダのほか、ウシやヤギ、ヒツジなども同じ食事の仕方をしています。

ラクダの特徴的な口の動き

ラクダが口をモグモグしていたら要チェック

ラクダは歯で年齢がわかる

ヒトコブラクダは歯を見れば年齢がわかるといわれています。生まれたときは乳歯で、齢を重ねるごとに歯が生えかわっていき、7歳で完全に永久歯になります。その生えかわり方が、ほぼ決まっているので年齢がわかるわけです。ただ、永久歯になってからは、歯の減り具合で判断するため、わりと正確に年齢がわかるのは7歳までのようです。

草を食べているラクダ

草を食べているラクダ。生まれて7年くらいは歯に注目です 画像提供:よこはま動物園ズーラシア

ラクダの目について

ラクダの目はつぶらで可愛いですが、この目を二重・三重のまぶたと長いまつげによって、砂漠の日差しや砂ぼこり、乾燥などから守っています。まぶたからは、脂肪分を含んだ粘液を分泌しているため、ラクダはいつもうるんだ瞳なのです。

うるんだつぶらな瞳

うるんだつぶらな瞳をこちらに向けて見せてくれました

ラクダの足元について

足先にあるヒヅメは小さめで指は2本。ただ、足の裏に外側が硬く内側が柔らかい脂肪でできた蹠球(しょきゅう)があります。これのおかげで、砂漠でも上手に歩くことができるようです。ちなみに「肉球」の正式名称が「蹠球」です。

ヒヅメは5本あった指が退化して2本になったといわれている

ヒヅメは5本あった指が退化して2本になったといわれています

ラクダに乗れる&エサをあげられる動物園

まずは、ラクダの背中に乗ったり、エサをあげたり、2つの体験ができる動物園を紹介しましょう。

神戸どうぶつ王国(兵庫県/神戸市)

こうべどうぶつおうこく

屋外のアウトドアパークに「ホース&ラクダライド」ゾーンがあり、その「キャメルコーナー」でフタコブラクダに乗ったり、エサをあげたりできます。想像以上の高さと心地よい揺れを楽しんでみてください。

●ラクダライド

  • 場所:アウトサイドパーク「ホース&ラクダライド」
  • 実施:毎日1~2回(時期により異なる)
  • 受付:当日受付で各回定員20名
  • 制限:身長100cm以上&体重85kg未満
  • 料金:800円

●ラクダの給餌体験

  • 場所:アウトサイドパーク「ホース&ラクダライド」
  • 実施:毎日1回(2回目のラクダライド終了後)
  • 受付:当日受付
  • 料金:1カップ100円
2つのコブの間に乗る「ラクダライド」/神戸どうぶつ王国(兵庫県/神戸市)

「ラクダライド」は2つのコブの間に乗るので、ラクダのカラダやコブの感触なども体感できます

問合先 078-302-8899
住所 兵庫県神戸市中央区港島南町7-1-9
料金 【入園料】大人1800円/小学生1000円/4~5歳300円/3歳以下無料/65歳以上1300円

スポット詳細・MAPはるるぶ&more.へ

ラクダに乗れる2つの動物園

動物園でラクダに会えて、しかも背中に乗ることができる2施設を紹介しましょう。

那須どうぶつ王国(栃木県/那須町)

なすどうぶつおうこく

アルパカやカンガルーなどがいる「王国ファーム」にフタコブラクダが暮らしています。「ライドパーク」にて「ラクダライド」を実施しているので、ぜひ体験してみましょう。

●ラクダライド

  • 場所:王国ファーム「ライドパーク」
  • 実施:毎日(天候不良時は中止)※12月上旬~3月中旬はラクダに会えません
  • 受付:当日受付(受付時間制限あり)
  • 制限:小学生以上&身長120cm以上(体重制限あり)※体重制限はラクダの状態で変動あり
  • 料金:700円
2つのコブの間に座ってコースを1周する「ラクダライド」/那須どうぶつ王国(栃木県/那須町)

2つのコブの間に座ってコースを1周。1人乗りです

問合先 0287-77-1110
住所 栃木県那須郡那須町大島1042-1
料金 【入国料】大人2400円/3歳~小学生1000円/2歳以下無料

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よこはま動物園ズーラシア(神奈川県/横浜市)

よこはまどうぶつえんずーらしあ

ライオンやキリンなどがいる「アフリカのサバンナ」ゾーンで、ラクダに乗ることができます。

●ラクダライド

  • 場所:アフリカのサバンナ
  • 実施:公式サイトを参照
  • 受付:当日受付
  • 制限:5歳以上&身長100cm以上&体重80kg未満
  • 料金:500円
  • ※詳しくは公式サイトで確認を
ラクダライドの様子/よこはま動物園ズーラシア(神奈川県/横浜市)

コブの前に座ってしっかり落ちないようにベルトをするので安心 画像提供:よこはま動物園ズーラシア

問合先 045-959-1000
住所 神奈川県横浜市旭区上白根町1175-1
料金 【入園料】大人800円/高校生300円/小・中学生200円/未就学児無料

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ラクダにエサがあげられる2つの動物園

ラクダに自分でエサをあげる体験ができる2つの動物園を紹介します。エサをあげたら、反芻する様子を観察してみてください。

秋田市大森山動物園 あきぎんオモリンの森(秋田県/秋田市)

あきたしおおもりやまどうぶつえん あきぎんおもりんのもり

入園ゲートの近くにいるフタコブラクダ。エサやり体験ができるのに加え、別の時間には、ラクダについての飼育員さんのどうぶつ解説もあります。エサやり体験は、ほかにヤギやサル山でも実施。

●エサやり体験

  • 場所:「ラクダ舎」前
  • 実施:毎日1回
  • 受付:当日受付でエサは限定20個
  • 料金:1カップ100円
  • ※ラクダの体調で中止の場合あり。公式サイトで確認を
桜の木の下にフタコブラクダ/秋田市大森山動物園 あきぎんオモリンの森(秋田県/秋田市)

桜の木の下にフタコブラクダ。砂漠では見られない光景で、なかなか絵になります

問合先 018-828-5508
住所 秋田県秋田市浜田潟端154
料金 【入園料】大人730円/高校生以下無料

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東武動物公園(埼玉県/宮代町)

とうぶどうぶつこうえん

「ほのぼのストリート」のカピバラやリスザルなどがいるあたりにフタコブラクダがいます。土・日曜、祝日限定ですが、ラクダにエサをあげられる「ラクダのおやつコーナー」を実施しています。

●ラクダのおやつコーナー

  • 場所:ほのぼのストリート「ラクダ舎」前
  • 実施:土・日曜、祝日に各日1回
  • 受付:当日受付で先着30組
  • 料金:300円
ラクダの“ジャン”君に棒に刺したニンジンを3回あげることができる/東武動物公園(埼玉県/宮代町)

ラクダの“ジャン”君に棒に刺したニンジンを3回あげることができます

問合先 0480-93-1200
住所 埼玉県南埼玉郡宮代町須賀110
料金 【入園料】大人1800円/中学・高校生1500円/3歳~小学生800円/2歳以下無料/60歳以上1100円

スポット詳細・MAPはるるぶ&more.へ

ラクダに乗ったり、エサをあげたり、なかなか貴重です。できるところも少ないので、ぜひ体験して、ラクダに大接近し、ラクダのカラダの特徴などもチェックしてみましょう。

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