動物園の定番アニマルのひとつといっていいのがゾウです。「ゾウを見ること＝動物園に来た～」という感覚になる人も多いでしょう。そんな人気者のゾウの背中に乗ったり、エサをあげたりできる動物園がいくつかあるので代表的なところを紹介します。そして、気になるゾウがどんな動物なのかも解説します。ゾウの種類や、鼻や耳などのカラダについて、さらに生態などにも迫ってみましょう。
- ゾウのキホン
- ゾウの種類は2種？ 3種？
- アジアゾウとアフリカゾウの違い
- 日本とゾウの関係と歴史
- ゾウのカラダ
- ゾウの鼻はなぜ長いの？
- ゾウの耳はどうして大きいの？
- ゾウは目がいいの？ 悪いの？
- 牙のあるゾウとないゾウがいる
- ゾウの足の裏はとっても繊細
- ゾウの生態
- ゾウは水浴びが大好き
- ゾウのコミュニケーション方法は？
- ゾウの1日の食事量は？ 何を食べる？
- ゾウはとっても知能が高い
- ゾウの繁殖と子育て
- ゾウのイベント・プログラムがある動物園
- 八木山動物公園フジサキの杜（宮城県）
- 那須ワールドモンキーパーク（栃木県）
- アニマルワンダーリゾウト 市原ぞうの国（千葉県）
- 富士サファリパーク（静岡県）
- アドベンチャーワールド（和歌山県）
- 宮崎市フェニックス自然動物園（宮崎県）
- まだある！ ゾウのイベント・プログラムがある動物園
ゾウのキホン
まずは、ゾウにはどんな種類があるのかなど「ゾウのキホン」について。また、日本の動物園にとってゾウがどんな存在なのかも解説します。
ゾウの種類は2種？ 3種？
ゾウには「アジアゾウ」と「アフリカゾウ」がいます。「アジアゾウ」には「インドゾウ」「セイロンゾウ」「スマトラゾウ」「マレーゾウ」と4つの亜種があります。そして「アフリカゾウ」には「サバンナゾウ」と「マルミミゾウ」の2亜種があるといわれていましたが、近年は「マルミミゾウ」を別種とする研究事例も多く、ゾウの種類は「アジアゾウ」「アフリカゾウ」「マルミミゾウ」の3種というのが一般的になってきました。
広島市安佐動物公園のマルミミゾウ。日本では、マルミミゾウはココでしか見られません
アジアゾウとアフリカゾウの違い
日本の動物園で多く見られる「アジアゾウ」「アフリカゾウ」の違いはなんでしょう？ まず、アフリカゾウのほうがアジアゾウよりひとまわり大きく、牙が大きくなるのもアフリカゾウ。あとは、耳や鼻先、頭などの形で違いがわかります。以下、データを比べてみてください。
●ゾウ（共通）
- 【学名】Elephantidae
- 【分類】ゾウ目 ゾウ上科 ゾウ科
- 【寿命】60～70年
●アジアゾウ
- 【生息地】インドなどのアジア
- 【体の高さ】約2.5～3ｍ
- 【体重】約4～5トン
- 【牙の長さ】オス2ｍ以下
- 【耳の形】小さい四角形
- 【鼻先の形】突起が上に1つ
- 【頭の形】コブが2つある
●アフリカゾウ
- 【生息地】アフリカ
- 【体の高さ】約3～4ｍ
- 【体重】約6～7.5トン
- 【牙の長さ】オス3ｍ以上
- 【耳の形】大きい三角形
- 【鼻先の形】突起が上下に2つ
- 【頭の形】丸くなっている
耳の形が四角形で頭にコブがあるのでアジアゾウです
耳の形が三角形で頭は丸いのでアフリカゾウですね
日本とゾウの関係と歴史
ゾウが日本にやって来た最初は15世紀初頭、室町幕府四代将軍の頃でした。その後、豊臣秀吉や徳川家康、徳川吉宗に献上されています。動物園では、明治21年（1888）に上野動物園でアジアゾウを飼育されたのが最初で、アフリカゾウが飼育されたのは多摩動物公園で昭和40年（1965）になってからです。現在、日本ではアジアゾウが約35カ所、アフリカゾウが約15カ所、マルミミゾウが1カ所の動物園で見ることができます。
日本の動物園にはアジアゾウを飼育・展示しているところが多いんです
ゾウのカラダ
鼻や耳など、かなり特徴的なゾウのカラダ。ほかにも、目、牙、足の裏などに注目してみましょう。
ゾウの鼻はなぜ長いの？
それはカラダが大きいからです。鼻が短いと、水を飲むにも食べ物を食べるにも、いちいち、しゃがまないといけなくなります。だから、進化の過程で、長いほうが便利だから長くなったのです（鼻の長いゾウだけが生き残ったといわれています）。長い鼻は、元々、上唇と鼻に相当する部分が発達したようです。
鼻が長いのはゾウが生きていくための手段だったんですね
ゾウの耳はどうして大きいの？
映像などでゾウが耳をバタバタさせているのを見たことがありませんか？ あれは、カラダの熱を逃がすために耳を動かしているんです。つまり、耳で体温調節をしているのです。イヌなどは口でハアハアと息をして体温調節しますが、ゾウは鼻が長すぎてこれができません。そのため、耳を使うわけです。
アフリカゾウの耳がアジアゾウより大きいのは、アフリカがアジア以上に暑いからのようです
ゾウは目がいいの？ 悪いの？
ゾウの視力はそれほどよくないようです。また、ほかのヒト以外の哺乳類と同じく「2色型色覚」つまり、色つきでは見えません。ただ、夜でも薄明かりがあれば視力は維持されるようです。
実は色は見えていないというゾウのつぶらで可愛い目
牙のあるゾウとないゾウがいる
牙のあるゾウとないゾウを見かけると思いますが、牙が外にしっかり見えているのはオスのゾウです。メスは、牙がないことはないのですが短くて外からは見えません。
立派な牙を持ったゾウはなんだか強そうですね
ゾウの足の裏はとっても繊細
ゾウは足の裏から、30～40km離れたところの音も認識することができます。足の裏がとても繊細で、その刺激が耳まで伝達されるわけです。また、足の裏がひび割れているのは滑り止めの役割があるようで、個体によりひび割れの模様は違うようです。まるで、人間の指紋のようですね。
この足の裏がそんな大事な役割をしているなんて意外ですね
ゾウの生態
今度は、ゾウが好きなこと、コミュニケーション方法、食事、繁殖といった生態などについて探ってみましょう。
ゾウは水浴びが大好き
ゾウが長い鼻を使って、うれしそうに水浴びをしている姿をよく見かけます。これは、熱くなったカラダを冷ましたり、皮膚が乾燥するのを防ぐためなのだそうですが、どう見ても楽しそうです。そして、水浴びの後、今度は泥や砂をカラダにかけます。これ実は、ダニや寄生虫を防ぐ殺虫効果があるようです。
楽しそうな水浴びにも、ちゃんと意味があったんですね
ゾウのコミュニケーション方法は？
ゾウは、人間には聞こえない低周波音で会話をしているといわれています。その鳴き声はかなり大きく、約10km先まで届いた例もあるそうです。これを、さきほど「ゾウの足の裏はとっても繊細」のところで書いたような方法でキャッチするわけです。
もちろん、顔と顔や鼻と鼻をくっつけたりしてコミュニケーションをとる場合も多いようです
ゾウの1日の食事量は？ 何を食べる？
1日約100kgの食事が必要で、起きている時間のほとんどが食べているようです。草や果物、野菜などを食べますが、動物園によっては、竹やおから、白米・玄米などをあげるところもあります。
ゾウは草が大好き。鼻を使って上手に食べます
ゾウはとっても知能が高い
ゾウは人間を見分けることができるほど高い認知能力を持っているといわれています。鼻で絵を描いたり、パフォーマンスを見せてくれたりするのも知能が高い証拠といえるでしょう。
市原ぞうの国の「ぞうさんのパフォーマンスタイム」では、さまざまな技を披露してくれます
ゾウの繁殖と子育て
妊娠期間は約22カ月と、哺乳類の中でも最長といわれています。通常、2～4年ごとに出産します。野生のゾウはメス10頭くらいの群れで生活し、その群れ全体で子育てをします。しかし、動物園で生まれたゾウは子育てを知らず、自然哺育が難しい場合もあります。その場合はスタッフも手助けをして子育てをします。
市原ぞうの国のゾウファミリー
ゾウのイベント・プログラムがある動物園
全国でゾウがいる動物園は約40くらい（アジアゾウとアフリカゾウの両方がいる場合もあり）ですが、ゾウに乗ったり、ゾウにエサやり体験ができるなど、イベントやプログラムを実施しているところは限られています。そのいくつかを紹介しましょう。
八木山動物公園フジサキの杜（宮城県／仙台市）
やぎやまどうぶつこうえんふじさきのもり
動物たちに直接おやつをあげられる「えさやり体験」を実施しています。アフリカゾウはもちろん、ニホンザル、ヤギ、ウサギ、カバにもエサをあげられます。
●アフリカゾウえさやり体験
- 場所：アフリカゾウ屋外展示場（ガン生態園側）
- 実施：1日1回
- 受付：当日先着順
- 料金：1回100円
棒の先にエサをつけてアフリカゾウのほうに向けると、ゾウのほうから鼻をのばしてくれますよ
| 問合先 | 022-229-0631 |
|---|---|
| 住所 | 宮城県仙台市太白区八木山本町1-43 |
| 料金 | 【入園料】大人480円／小・中学生120円／未就学児無料 |
那須ワールドモンキーパーク（栃木県／那須町）
なすわーるどもんきーぱーく
サルとたくさんふれあえる「那須ワールドモンキーパーク」ですが、ゾウに乗れたり、エサをあげられたりします。周囲の環境も緑が多く、東南アジアでゾウに乗っている気分を味わえるかも。
●ゾウライド
- 場所：ゾウの森
- 実施：営業時間中随時
- 受付：当日受付
- 料金：1組2000円（1組最大3名）※うち大人は2名まで
- ※幼児は自力または抱っこヒモで
親子3人で一度にゾウに乗れるのも魅力です
●エサやり
- 場所：ゾウの森
- 実施：営業時間中随時
- 受付：当日受付
- 料金：1バケツ500円
ゾウへのエサやり体験は気軽に楽しめます。バケツには果物などのゾウのおやつが入っています
| 問合先 | 0287-63-8855 |
|---|---|
| 住所 | 栃木県那須郡那須町高久甲6146 |
| 料金 | 【入園料】大人2100円／3歳～小学生1200円／2歳以下無料 |
アニマルワンダーリゾウト 市原ぞうの国（千葉県／市原市）
あにまるわんだーりぞうと いちはらぞうのくに
日本でもっともゾウに親しめる、大接近できるスポットがこちら。「エレファントスクエア」で実施される「ぞうさんのパフォーマンスタイム」は日本でも珍しいゾウのパフォーマンスが見られます。パフォーマンスのあとには「ぞうさんリフト」「ぞうさんライド」などのアクティビティも多数。またとない貴重な体験ができますよ。
このスポットのおすすめ記事
» アニマルワンダーリゾウト 市原ぞうの国でゾウさんに大接近（配信：2022/5/18）
ゾウたちの水遊び場「エレファントスプラッシュ」もあります
●ぞうさんのパフォーマンスタイム
- 場所：エレファントスクエア
- 実施：毎日1日1～3回
- 受付：見学自由
- 料金：無料
お絵描きなどのパフォーマンスを披露。見事な絵を描くんです
●ぞうさんリフト
- 場所：エレファントスクエア
- 実施：毎日1日1～3回
- 受付：当日受付（ネット事前予約あり）
- 料金：1回2500円
子どもも大人もゾウの鼻にぶら下がれます（1回に1名です）。6名まで一緒に並んで記念撮影もできます
●ぞうさんライド
- 場所：エレファントスクエア
- 実施：毎日1日1～3回
- 受付：当日受付（ネット事前予約あり）
- 料金：1周4000円
- ※2名まで同乗可能、未就学児2名は不可
ゾウの背中に乗って広場を1周。1組2名まで同乗できます
●ぞうさんのおやつタイム
- 場所：エレファントスクエア
- 実施：毎日1日1～3回
- 受付：当日受付
- 料金：1バケツ500円
広場でゾウに直接おやつをあげられます
| 問合先 | 0436-88-3001 |
|---|---|
| 住所 | 千葉県市原市山小川937 |
| 料金 | 【入園料】大人2200円／3歳～小学生900円／2歳以下無料／65歳以上1800円 |
【関連記事】
» アニマルワンダーリゾウト 市原ぞうの国（千葉県）でゾウさんに大接近すればゾウへの興味が倍増！
富士サファリパーク（静岡県／裾野市）
ふじさふぁりぱーく
サファリゾーンは前半、ライオンやトラなどの肉食動物で、後半がキリンなどの草食動物。その草食動物の最初に登場するアジアゾウは、富士山をバックにゾウが暮らす様子を見られる最高のロケーションです。そして、夏限定で実施する「泳ぐゾウ」も必見。
天気のいい日は、数頭のアジアゾウの背景にクッキリと富士山が見えます。この景色はココだけのもの!!
●泳ぐゾウ（7月下旬～9月下旬）
- 場所：サファリゾーン「ゾウゾーン」
- 実施：時間は決まっていない
- 受付：見学自由
- 料金：入場料でOK
ゾウが泳ぐ様子を横から見るなんて…ほかでは見られません
| 問合先 | 055-998-1311 |
|---|---|
| 住所 | 静岡県裾野市須山藤原2255-27 |
| 料金 | 【入場料】大人2700円／4歳～中学生1500円／3歳以下無料／65歳以上2000円 |
アドベンチャーワールド（和歌山県／白浜町）
あどべんちゃーわーるど
アドベンチャーワールドには、動物に関するふれあい・体験・大接近といったアトラクションやツアーがいっぱいです。動物にエサをあげられるのは、カバやキリン、サイ、ライオン、イルカ、アシカと多種多彩。ゾウにもエサをあげられます。「アジアゾウフィーディング」に加え、アフリカゾウにエサをあげられる体験のほかアミメキリンやシロサイにも大接近できる、サファリ「WOW！ツアー」もあります。
●アジアゾウフィーディング
- 場所：ゾウの森（集合）
- 実施：毎日1日1回
- 受付：事前予約（空きがある場合のみ当日実施時間より現地受付）
- 料金：1皿（エサ2切れ）500円
●サファリ「WOW！ツアー」
- 場所：サファリワールド「アフリカゾウエリア」（集合）
- 実施：毎日1日2回
- 受付：事前予約（空きがある場合のみ当日実施時間より現地受付）
- 料金：1カップ3000円
長い鼻をのばすアジアゾウに野菜や果物などをあげることができる「アジアゾウフィーディング」
| 問合先 | 0570-06-4481 |
|---|---|
| 住所 | 和歌山県西牟婁郡白浜町堅田2399 |
| 料金 | 【入園料】大人4800円／中学・高校生3800円／4歳～小学生2800円／3歳以下無料／65歳以上4300円 |
宮崎市フェニックス自然動物園（宮崎県／宮崎市）
みやざきしふぇにっくすしぜんどうぶつえん
アジアゾウは動物園で一番の人気者。「ゾウさんのお散歩と記念撮影」や、ゾウさんのことを学べる「ゾウさんガイド」といったイベントも実施しています。
●ゾウさんのお散歩と記念撮影
- 場所：アジアゾウ展示場～ゾウさん広場
- 実施：毎日1日1回
- 受付：参加自由
- 料金：無料
ゾウさんが歩くうしろを一緒にお散歩できます。記念撮影は「ゾウさん広場」にて、自分のカメラでスタッフに撮ってもらうスタイル
●ゾウさんガイド
- 場所：アジアゾウ展示場
- 実施：毎日1日1回
- 受付：見学自由
- 料金：無料
アジアゾウについて飼育員さんが解説する「ゾウさんガイド」。説明にあわせてゾウがパフォーマンスもします
| 問合先 | 0985-39-1306 |
|---|---|
| 住所 | 宮崎県宮崎市塩路浜山3083-42 |
| 料金 | 【入園料】大人840円／中学生420円／小学生310円／未就学児無料 |
まだある！ ゾウのイベント・プログラムがある動物園
ほかに「ゾウに乗れる」「ゾウにエサをあげられる」「飼育員さんによるゾウのガイド解説がある」動物園もいくつかあります。
■その他のゾウに乗れる動物園
■その他のゾウにエサをあげられる動物園
■その他のゾウのガイド解説などがある動物園
日本の動物園を代表する動物「ゾウ」。背中に乗れたり、エサをあげられたり、パフォーマンスを見たりできる施設も魅力的です。でも、カラダや生態のことを学んだあとは、展示されているゾウを見るだけでも、きっと楽しめると思います。大きなゾウさんに家族で会いに行ってくださいね。
●新型コロナウイルス感染症対策により、記事内容・営業時間・定休日・サービス内容（酒類の提供）等が変更になる場合があります。事前に店舗・施設等へご確認されることをおすすめします。
●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
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