2024年11月3日(日)、東京・世田谷で、 るるぶKids体験便の第三弾「食べて学んでおうちで観察 みそづくり体験教室」を開催しました。
講師は発酵デザイナーの小倉ヒラクさん。味噌づくりはもちろん、発酵についてクイズ形式で学んだり、味噌づくりの工程がわかるダンスを踊ったり、日本各地の味噌を試食したりと内容盛りだくさん!発酵や味噌をテーマにした、楽しいワークショップの様子をレポートします。
「発酵って何だろう?」をクイズ形式で学ぶ
参加してくれたのは、5歳(年長クラス)~小学3年生の子どもたちと保護者の皆さん。午前・午後の各回12組を先着順で募集し、すぐに定員に達するほど応募が集まりました。
参加理由を伺うと、「うちの子の将来の夢はおにぎり屋さんなので、味噌にも興味を持ってくれるかなと思って」というお母さんや、「枝豆を育てて、大豆を作ったので、大豆から味噌が作れることも知ってほしくて」という親子も。
講師は発酵デザイナーの小倉ヒラクさん。発酵文化の伝道師として活動し、今まで数千人に味噌づくりをレクチャーしています。「ツボさえおさえれば、味噌づくりは絶対に失敗しないので!」という心強い言葉から体験教室がスタートです。
講師:小倉ヒラクさん
発酵デザイナー。「見えない発酵菌たちのはたらきを、デザインを通して見えるようにする」ことを目指し、全国の醸造家や研究者とプロジェクトを展開。2020年4月に下北沢に店舗「発酵デパートメント」オープン。著書に『発酵文化人類学』『アジア発酵紀行』など。YBSラジオ「発酵兄妹のCOZY TALK」、Podcast「#ただいま発酵中」パーソナリティ。
» 小倉ヒラクInstagram
おいしい味噌ができるのは発酵の力のおかげ。味噌づくりの前に、そんな発酵についてクイズ形式で学びます。「どんな菌を知っているかな?」、「発酵食品を挙げてみよう」と質問を投げかけると、次々と子どもたちの手が挙がりました。実は、デザートのナタデココ、ラーメンに入っているメンマも発酵食品って知っていましたか?
「発酵していると腐っているの違いは、食べた人がおいしいと感じるかどうかなんだ」と先生が説明すると、子どもたちだけでなく大人からも「へぇ~!」と驚きの声があがりました。
当日はるるぶKids特製のワークシートを配布。発酵と味噌について、わかったことや気づいたことを、みんな真剣に書き込んでいます。
発酵について学ぼう♪詳しくはこちらの記事でご紹介
» 発酵って何だろう?腐るとは違う?図でわかりやすく解説!
» 発酵食品の代表例をマップで見てみよう!日本全国地方別で紹介
味噌づくりを「てまえみそのうた」で覚える!
続いて、楽しいダンスの時間。小倉ヒラクさんが企画制作した「てまえみそのうた」は、味噌づくりの工程が歌詞になっていて、口ずさみたくなるキャッチーなメロディに合わせた振り付けもあります。かわいいアニメとともに歌が流れると、子どもたちの目が釘付けに!
先生のお手本を見ながら、「みそ、みそ、みそ、てまえみそ、うちで作ろう、うちの味♪」と夢中で歌って踊る子どもたち。
写真には写っていませんが、後ろで保護者の方たちもみんな踊っています。
体をほぐして笑顔になって、味噌の作り方が楽しく予習できたら、いよいよ味噌づくりのスタートです!
つぶして、まぜて、袋に詰めて、手前味噌を作ろう
今回使用したのは、500g分の味噌ができるキット。味噌づくりは大豆を煮る作業にとっても長い時間がかかりますが、このキットは親子で無理なく作れるよう、大豆が水煮になっています。ほかに入っているのは、塩&麹を合わせた塩こうじと保存用袋。発酵させる際にはキットの箱も使いますよ。
まずは大豆の水煮をボウルに入れて、ポテトマッシャーでつぶします。
「体重をかけて、ぐっと押してみて」、「下の方をすくうと、まだお豆の形が残っているよ」とお母さん、お父さんからのアドバイスを受けて、子どもたちも一生懸命。
大豆の粒がなくなり、ペースト状になったらOKです。
袋に入った塩こうじの匂いをかいでみると、「おいしそうな匂い」、「きのこみたい」、「お酒っぽい?」と、子どもたちから素直な感想が続出。
次はボウルにこの塩こうじを加えて、素手でよく混ぜ合わせます。
「粘土みたいで楽しい~」
よく混ざったら、ハンバーグを作る要領で団子状に丸めるのですが、ここからがポイント。
作ったお団子がベシャッとつぶれるように、塩こうじが入っていた保存袋に投げ入れるんです。これは、空気の隙間があるとカビが生えやすくなるため!さらに、手をグーにして、ドンドンとたたきつけ、空気を抜きます。
袋の角まで隙間がないように平らに詰め、空気を抜いて、ジップを閉めます。板状にできたら、キットの箱に収めます。
箱に日付や名前を書き、今日の作業はここまで。自宅に持ち帰ったら直射日光が当たらない場所に置き、発酵を待ちます。
箱は本棚に立てて並べるのにちょうどいいサイズ。1カ月後だと甘じょっぱいけど深みのない味、3カ月後はバランスがよくなるけど香りが足りない、5~6カ月後には味の調和がとれ、香りのいい味噌が完成するのだとか。
先生から「出来上がったらぜひ、親子で味噌汁を作ってみてください」とお声がけがあると、「楽しみだね~」とみんな完成が待ち遠しい様子でした。
材料の配合や作り方もいろいろ!日本各地の味噌を試食
さらに、家庭で乾燥大豆から味噌を作る時のおすすめスタンダードレシピを教えてもらいました。「ツボをおさえれば絶対失敗しない!」と先生が話したそのコツについても伝授!レシピが書かれたホワイトボートをスマホで撮ったり、「塩の種類は何でもいいですか?」といった質問が飛び交ったり、この場では大人の方が興味津々でしたよ。
左から、白味噌、スタンダードレシピの味噌、豆味噌、麦味噌、キットの味噌
最後はお楽しみの試食タイム。5種類の味噌を盛り合わせたお皿が配られました。
今日のキットは塩こうじの割合が多めなので、子どもも食べやすい甘めの仕上がりになります。スタンダードレシピで作った味噌、塩分4%で麹が3倍の京都の白味噌、愛媛県宇和島の大豆を使わない麦味噌、大豆に直接麹をつけた三重県の豆味噌を試食。匂いをかいだり、なめてみたり…。
「甘い白味噌が好き~」、「キュウリにつけたい」という感想や、大人からは「お酒のアテにしたい」という素直な意見も。旅行に出かけた時に、各地で親しまれている味噌に注目してみると、子どもの興味の幅も広がりそうですね。
最後は「みなさん、ばっちり仕込めたので、半年後を楽しみしていてくださいね」と先生から太鼓判を押してもらいました!ご参加いただき、ありがとうございました!
今回ご参加いただいた方々からは、今後やってほしいイベントについて、パンづくりや卵料理などの調理体験、科学実験、自然体験、日本の行事や季節に関連するものなど、たくさんのリクエストを伺いました。ご要望をもとに、親子で楽しめる「るるぶKids体験版」を今後も開催していきます。お楽しみに!
■第一弾:親子経済教室
» 【イベントレポート】親子経済教室!東京証券取引所×るるぶKids読者限定イベント<るるぶKids体験便>
■第二弾:野菜体験
» 【イベントレポート】野菜を料理&アートで楽しく学ぶワークショップ!<るるぶKids体験便>