姫路市立水族館(兵庫県)は、播磨地方の海や川で見られる身近な生き物を展示、紹介する水族館です。水槽の中をよく見ると、カワイイ生き物が身近に生息していたんだ、という発見も。
リクガメやウミガメなど、カメが多いのも特徴です。中でも人気者はケヅメリクガメ。サメやエイとふれあいが楽しめるタッチプールや、子どもが楽しんで学べるよう飼育員が工夫を凝らした水槽も必見です。室内展示が多いので、雨の日にもおすすめのレジャースポットです。
駐車場やアクセス、料金、所要時間など
山の斜面を利用して作られた水族館
手柄山の山頂近くにあることから「山の上の水族館」としても知られ、1966年の開館以来、「ひめすい」の愛称で愛され続けている「姫路市立水族館」。新館、本館、屋上ビオトープの3つの施設があり、それぞれが連絡通路でつながっているので、自由に行き来することができます。
手柄山第1立体駐車場から入場するルート
入館ゲートは新館1階にあり、本館から入場することはできないので注意しましょう。ゲートへのルートは2つです。1つめの「手柄山第1立体駐車場」の3階から入るルートでは、水族館出入口へのエレベーター近くに駐車すると便利です。公共の交通機関を利用する場合は、バス停や駅に近いこのルートを利用しましょう。
山頂の「緑の相談所前駐車場」に直結する新館の入り口
2つめの「緑の相談所前駐車場」から入るルートは、ベビーカーや車いすを利用する場合は特におすすめですが、駐車台数が少ないので早めに訪れて。駐車料金は、利用時間に関係なく、どこに止めても1回200円です。入館料が、大人520円、小・中学生210円と良心的なのも魅力ですね。入場チケットは、新館1階インフォメーション横の入場券売り場で購入しましょう。
館内の回り方としては、新館1階→新館2階→本館2階→屋上→本館1階→新館1階というのが王道のコース。リクガメやウミガメ、ペンギンのエサやりタイムは見逃せませんから、それを最優先で回るのがおすすめです。所要時間は、エサやりタイムやタッチプールも楽しみながら一周して約2時間。館内はスロープやエレベーターを完備しているので、ベビーカーで楽々巡ることができ、インフォメーションでは、無料でベビーカーをレンタルできます。
※2021年2月現在、エサやりは行っていますが、飼育員の解説やアクアラボ(生き物の紹介)などは休止しています。
【アクセス】
電車 | 阪神大阪梅田駅から約1時間30分、山陽電車手柄駅下車徒歩約10分 |
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バス | JR大阪駅からJR姫路駅まで約63分、JR新大阪駅からJR姫路駅まで新幹線のぞみ利用で28分 JR姫路駅南口から神姫バス95・96番路線「姫路市文化センター前」まで約5分、下車徒歩約5分 ※土・日曜、祝日は97番路線(手柄山ループバス)も運行 |
自動車 | 大阪から中国縦貫自動車経由で約2時間 神戸から山陽自動車道または阪神高速3号線から姫路バイパス経由で共に約1時間 姫路バイパス中地ICから2km、手柄山第1立体駐車場まで約5分 |
播磨地方の淡水魚をリアルに観察[新館]
では、ルートに沿って館内を巡ってみましょう。
新館は、播磨地方の里地の生き物(淡水魚など)を中心に展示しています。
田んぼやため池から始まり、淡水の生き物を下流、中流、上流とそれぞれ紹介しています。
さかのぼる魚たちが見えるよ
中流の水槽は、30分ごとに水位を高くしたり低くしたり。水位が下がった時には、ピョン!と流れをさかのぼって飛び越えていく魚たちを見ることができます。
リクガメやドクターフィッシュが人気[新館]
リクくん(30歳オス)
新館で見逃せないのは、ケヅメリクガメのえさやり。1日1回、13時30分からです。
子どもたちに人気のリクくんは、2003年に水族館にやってきた30歳のオスで、体重は70㎏。社交的で人懐っこい性格です。エサはニンジンや小松菜、チンゲンサイといった野菜。歯を持たず、「ガシガシガシ」と大きな音を立てて、くちばしで食べていきます。野菜をかみちぎったらほぼ丸呑みするのだそう。
ゴンくん(19歳オス)
こちらはゴンくん。2001年生まれの19歳。ちょっぴり怖がりのゴンくんは体重55㎏で、ゴーヤが苦手です。2頭は、野菜を食べた後、干し草も食べます。
ドクターフィッシュもいるよ
リクガメコーナーの前に、「スキンケア・フィッシュ(ガラ・ルファ)」とのふれあいが楽しめる水槽があります。「ドクターフィッシュ」とも呼ばれるこの魚は、西アジアの川や池に生息し、10cm程度に成長します。水に手をつけると、人間の古い角質を食べにドクターフィッシュが集まってきます。子どもでも安心して体験できるタッチプールです。また、油分で魚たちが弱ってしまうので、水槽に手を入れる前にはすぐそばにある手洗い場で手を洗うのを忘れずに。
ゲンゴロウの水槽
アカハライモリはお腹から見るとかわいい
オオサンショウウオもいるよ
「身近な生きもの・はりまの水生昆虫」のコーナーでは、昔はあちこちで目にしたけれど今ではなかなか見つけられないような生き物を展示。タガメやゲンゴロウなど、水族館で繁殖させている生き物もいます。
世界最大の両生類で日本固有の生き物「オオサンショウウオ」もいますよ。夜行性なので、普段はあまり動いているところを見ることができないようです。もし見ることができたらラッキーですね。
殻が透明のヤドカリなど、学んで楽しもう[本館]
透明な殻に入ったヤドカリ
新館1階へ下りて、次は連絡通路を通って本館2階へ。本館は、播磨地方の里海の生き物(海水魚など)を中心に展示しています。
「ふれて学んで楽しもう!」のコーナーは、生き物の生態について子どもたちが楽しんで学べるようなしかけがいっぱい。ヤドカリの殻のなかがわかるように、ヤドカリにプラスチックの透明の殻を背負わせています。
モクズショイやヘイケガニ
海藻などを付けて自然に溶け込むようにくらすカニの仲間であるモクズショイの生態がわかるように海藻の代わりに水槽に毛糸を入れたり、カニの穴の模型で穴のなかを観察しやすくしたりと工夫がいっぱいなんです。
標本とせいくらべをしてみよう
ペンギンやオオサンショウウオとせいくらべができるような標本もありますよ。これらは、飼育員さんの手作りというから、ビックリですね。
3種のウミガメとペンギンの餌やりも必見[本館]
8頭のウミガメがエサを求めて集まってきます
イカをぱくっ!
僕にもちょうだい!
ウミガメのエサやりも必見ですよ(14時~)。先ほどのリクガメと違って、海で生活するウミガメたちのエサはアジ、イカ、貝などが中心。エサ用の魚介が足りないときはキャベツもあげるそうですよ。
ここでは、アオウミガメ、アカウミガメ、タイマイと3種類8頭のウミガメが泳いでいて、エサを食べる様子も迫力があります。こちらの水槽は、階段を下りると水中の様子を観察することができるので、ぜひ見てみましょう。
次は、ペンギンプールに行ってみましょう。6羽のペンギンは、「フンボルトペンギン」という種類で、胸元の黒い線や、くちばしの根元がピンク色になっている点などが特徴です。個体識別ができるようにヒレにリングを付けています。
アピール合戦をするペンギンたち
エサを持った飼育員さんがやって来ると、ペンギンたちは大興奮!エサを求めて一生懸命口を開けて、猛烈アピールが始まります。その動きもかわいくて、見ているだけで癒されます。ペンギンのエサやりの時間は、10時~/15時~と、2回あります。
スリリングなサメやエイのタッチプール[本館]
サメやエイのタッチプール
本館1階の見どころは、まだまだあります。生き物を実際に触ることができる「タッチプール」です。
プールのうえには大きな口をあけたサメの模型。「かまれます!」の看板に注意しながら挑戦です。
ここからゆっくり手を入れて
アカエイの背中をやさしくタッチ
サメもいるよ
ここは、泳いでいるエイやサメに直接、素手でタッチできる、なんともスリリングなタッチプール。
プールの周りに設置された口にゆっくり手を入れて、泳いでいるエイの背中を触ってみましょう。エイの針は抜いてあるので、刺される心配はありません。サメも口元に手を近づけないように、やさしく背中をタッチしてみましょう。
ヒトデやウニ、ナマコもいるよ
ヒトデやウニなどに直接触ることができるタッチプールもあります。
淡水カメ池
本館1階には、淡水カメ池があり、5月中旬から8月上旬のシーズンにはカメの産卵風景を見ることができます。早朝と夕方の産卵が多いのですが、曇りや雨の日は日中産卵することもあるのだそう。
屋上ビオトープとじゃぶじゃぶ小川
じゃぶじゃぶ小川
ビオトープ
本館2階から屋上に上がると、播磨地方の自然の池を再現したビオトープと、子どもたちが魚と遊べるじゃぶじゃぶ小川があります。
※2021年2月現在、じゃぶじゃぶ小川への立ち入りは休止しています。
入場無料の「モノレール展示室」が隣接
ロッキード式モノレール(鉄車輪を用いたタイプ)としては、世界唯一の現存車両
姫路大博覧会と姫路モノレールの模型
新館2階は、入場無料の「モノレール展示室」と隣接していて、水族館と行き来することができます。というのも、ここ姫路市立水族館は、使われなくなったモノレール駅舎を再利用して建てられたから。展示室には、1966(昭和41)年「姫路大博覧会」の開催に合わせて姫路に登場したモノレールの実物車両と、当時の「手柄山駅」をそのまま展示施設として保存しています。昭和復興期の姫路の華やかな時代を紹介し、当時を懐かしむ大人から、当時を知らない子どもまで幅広い世代が楽しめます。
持ち込みのお弁当でランチするならどこ?
本館1階
本館2階
新館は飲食禁止ですが、本館の屋外エリアは飲食OKです。1階のウミガメのプールやペンギンプールの周りや本館2階にたくさん用意されている、木製のベンチとテーブルを利用しましょう。天気がよければ、屋上ビオトープでもお弁当を広げられます。板場にピクニックシートを敷いて座ってもいいし、ベンチもありますよ。
お土産にしたいグッズや人気の缶バッチ
ひめすいぬりえ 各300円
オリジナルグッズを扱っているのが新館の総合案内所。お土産探しにぜひ立ち寄ってみてください。
「ひめすいぬりえ」は、「危険生物編」と「水中の鬼たち編」の2種類があり、それぞれ魚の説明も添えられています。
クリアファイル 各200円
「クリアファイル」は、裏返すと魚の骨が見えるものが3種類あります。
上の2枚は見本です。表が魚の表面(左)で、裏が魚の骨(右)になってるんです。
缶バッジ 各300円
「缶バッジ」は、ヘビとカメがかわいくデザインされており、それぞれ12色あります。
3Dうちわ 各400円
3Dうちわは、ネコザメ、カミクラゲ、ひめすいアニメの3種類がありますよ。
人気の缶バッジガチャガチャ1回100円
新館1階と本館2階にあるガチャガチャの缶バッジも人気商品。全部で11種類あり、何が出てくるかはお楽しみ。人気はペンギン、アナゴなど。特にペンギンは全24色あり、本物のペンギンの羽を台紙(イラストの上)に貼り付けて使っているというレアものです。これも飼育員さんの手作りなんですよ。
手柄山中央公園には遊具も!一日遊ぼう
姫路市立水族館がある手柄山中央公園は、文化教育施設やスポーツ施設、遊戯施設などが集まる市民公園。約38ヘクタールの敷地に、緑深い樹木と花壇を彩る花々が咲く、オアシス的な場所で、一日楽しむことができます。
公園内にある「手柄山温室植物園」は、水族館の半券を持参で入館料が割引されるサービスが。大小2つの温室ほか、ロックガーデン、ハーブ園、花壇などがあり、年間を通じて、花と緑の企画展を開催しています。
多目的広場
野球場から道を隔てて西側にあるのが「多目的広場」。赤いグネグネとしたトンネルのような複合遊具や三角形のロープのジャングルジムのような遊具などで思いっきり体を動かしましょう。1周300mの陸上競技用のトラックがあり、自由に走ったり、かけっこをすることもできます。
水族館のエサやりタイムは午後からが多いので、午前中は公園で遊んで、午後から水族館で過ごすのもおすすめです。家族みんなで1日楽しむことができますよ!
姫路市立水族館
問合先 | 079-297-0321 |
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住所 | 兵庫県姫路市西延末440(手柄山中央公園内) |
料金 | 大人520円、小・中学生210円 |
開館時間 | 9~17時(入館は16時30分まで) |
休館日 | 火曜(祝日の場合は翌日)、12月29日~1月1日 |
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