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ペンギンの11種類を解説!生態を学べる・種類が多い水族館のおすすめを紹介

ペンギンの11種類を解説!生態を学べる・種類が多い水族館のおすすめを紹介
長崎ペンギン水族館のフンボルトペンギンたち

佐々木隆のアイコン佐々木隆

日本の水族館・動物園で見ることができる全種類のペンギンについて1種ずつ紹介!ペンギンの生態やカラダの特徴などについても解説します。
また、日本全国でペンギンが見られる90以上の水族館・動物園の中から、おすすめをピックアップ。ペンギンが5種類以上いて違いを比較できる6スポットと、展示方法が魅力的であったり、イベント(エサやり体験・お食事タイム・ペンギン散歩)が充実している7スポットを紹介します。ペンギン好きは見逃せませんよ!

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目次(index)

ペンギンってどんな生きもの

ペンギンとはどんな生きものなのか、なぜ飛ばないのか、可愛い歩き方、食事、繁殖などについて解説しましょう。

ペンギンのキホン

ペンギンは鳥の1種で「鳥網」という分類の「ペンギン目 ペンギン科」の総称です。生息地は種類で異なりますが大きくいうと「南半球にいる海の鳥」です。カラダの大きさや詳しい生息地は、種類別の紹介のところで。

  • 【学名】Spheniscidae(ペンギン科)
  • 【分類】ペンギン目 ペンギン科
  • 【生息地】南半球(種類によって異なる)
  • 【寿命】15~25年
旭川市旭山動物園のオウサマペンギン

旭川市旭山動物園のオウサマペンギン(キングペンギン)とジェンツーペンギン

ペンギンはなぜ飛ばない? 泳ぎは速い!

ペンギンも昔は空を飛べたようです。ただ、生息地の南半球は陸より海が多く、陸より海のほうが襲われるリスクが少なく、エサも海の生物だったため、空を飛ぶ必要がなくなっていきました。そのため、ペンギンの羽は飛ぶためより泳ぐための羽へと変わっていったのです。ペンギンは飛べませんが、泳ぐ能力は抜群に高く、ものすごい速さで泳いでエサを捕獲したり、敵から逃げたりするのです。

空を飛ぶように水中を泳ぐ、サンシャイン水族館のペンギン

空を飛ぶように水中を泳ぐ、サンシャイン水族館のペンギン

ペンギンの口とクチバシについて

ペンギンには歯がありません。エサは丸のみしているわけですが、口の中にギザギザした突起があり、食べた魚を上手に奥へ運んでいく仕組みになっているようです。ペンギンにはクチバシがありますが、オウサマペンギン(キングペンギン)のクチバシの下部分は1年に1回、換羽(かんう)の時期にはがれ落ちるそうです。換羽とは、鳥類の羽毛の抜けかわる現象で、ペンギンも1年に1回、そういう時期があります。

ペンギンが口を開けたときに口の中に注目

ペンギンが口を開けたときに口の中に注目してみてください

ペンギンは何を食べるの?

主に魚類や甲殻類などを食べます。水族館・動物園では、アジ、イワシ、サンマなどをあげていることが多いようです。

旭川市旭山動物園のジェンツーペンギンのエサの時間

旭川市旭山動物園のイワトビペンギンのエサの時間です

ペンギンの繁殖と赤ちゃんについて

ほかの鳥類と同じく、春から夏にかけて繁殖しますが、コウテイペンギン(エンペラーペンギン)は冬の南極で繁殖するそうです。陸上で卵1~3個生んで、オスとメスで卵を守ります。ペンギンの赤ちゃんは水族館・動物園で見られることもあります。ときに「でかっ!」という赤ちゃんがいますが、あれはカラダを覆うフワフワの羽(綿羽)のせいで大きく見えるようです。

オウサマペンギン(キングペンギン)の赤ちゃん

オウサマペンギン(キングペンギン)の赤ちゃん…やっぱり大きい

名古屋港水族館のヒゲペンギン親子

名古屋港水族館のヒゲペンギン親子。とってもキュートです

日本で見れるペンギン11種類

全世界にペンギンは18種いるといわれています。日本の水族館・動物園では、そのうちの9種を見ることができます。その全種類について「身長の高い順」に紹介しましょう。「身長」とは、立っているときの頭のてっぺんから足元までの高さで、体長(クチバシの先から尾の先まで)とは異なります。

手前の左でエサをもらっているのがイワトビペンギン、その奥にいるのがジェンツーペンギン、右の大きい2尾がオウサマペンギン(キングペンギン)

手前の左でエサをもらっているのがイワトビペンギン、その奥にいるのがジェンツーペンギン、右の大きい2尾がオウサマペンギン(キングペンギン)

旭川市旭山動物園の「ぺんぎん館」

旭川市旭山動物園の「ぺんぎん館」には、18種ペンギンの大きさや生息地の分布がわかりやすく展示されています

コウテイペンギン(エンペラーペンギン)

和名で「皇帝」、英名で「エンペラー」と名付けられた、世界で一番大きなペンギンの種類です。一見して大きいので迫力があります。耳周辺の橙色と、クチバシ下部に黄色やピンク色の筋模様があるのが特徴。立っている姿に威厳があります。

  • 【属】オウサマペンギン属
  • 【生息地】南極大陸沿岸部
  • 【身長】約90~110cm
  • 【体重】約30~45kg
名古屋港水族館のコウテイペンギン(エンペラーペンギン)

名古屋港水族館のコウテイペンギン(エンペラーペンギン)。日本ではココとアドベンチャーワールドでしか見られません

オウサマペンギン(キングペンギン)

2番目に大きいのが、和名で「王様」、英名で「キング」と名付けられたペンギンで、こちらも姿勢がよくて威厳があります。19世紀まではコチラが最大種といわれていましたが、南極大陸でもっと大きいペンギンが発見され「皇帝=エンペラー」という名前になったようです。形態や色合いなどはコウテイペンギン(エンペラーペンギン)に似ていますが、大きさがひと回り小さいんです。ノドのあたりのオレンジ色が強いのもひとつの特徴。

  • 【属】オウサマペンギン属
  • 【生息地】南大西洋・インド洋南部
  • 【身長】約75~80cm
  • 【体重】約15~18kg
旭川市旭山動物園のオウサマペンギン(キングペンギン)

旭川市旭山動物園のオウサマペンギン(キングペンギン)。日本で約20の水族館・動物園にいます

ジェンツーペンギン

中型のペンギンの1種で3番目に大きい。ペンギンの中でもっとも泳ぐのが速いといわれています。カラダの特徴としては、頭部分で両目をつなぐように白い帯模様があることと、クチバシの両側が赤色か橙色なこと。また、足はピンク色か橙色です。

  • 【属】ジェンツーペンギン属
  • 【生息地】南極周辺の海域
  • 【身長】約65~70cm
  • 【体重】約4.5~6kg
旭川市旭山動物園のジェンツーペンギン

旭川市旭山動物園のジェンツーペンギン。亜種としてキタジェンツーペンギンとミナミジェンツーペンギンがいます。日本では約20の水族館・動物園で会えます

ヒゲペンギン

明らかに顔周辺の形態や色合いが違うヒゲペンギン。顔は白く目は黒く、ノドを通る黒い帯状の模様があります。和名の「ヒゲ」は、この黒模様が「あごひげ」のようだったからだそうです。

  • 【属】ジェンツーペンギン属
  • 【生息地】南極周辺の海域
  • 【身長】約60~65cm
  • 【体重】約3.5~5kg
アドベンチャーワールドのヒゲペンギン

アドベンチャーワールドのヒゲペンギン。ほかに、名古屋港水族館と長崎ペンギン水族館で見られます

マカロニペンギン

目の上のオレンジ色の羽が大きな特徴のマカロニペンギン。和名の「マカロニ」は「伊達男」の意味があり、18世紀のイギリスで流行した言葉のようです。その羽がおしゃれに見えた、ということでしょう。

  • 【属】イワトビペンギン属
  • 【生息地】南極周辺の海域
  • 【身長】約55~65cm
  • 【体重】約3.5~6kg
長崎ペンギン水族館のマカロニペンギン

長崎ペンギン水族館のマカロニペンギン。日本では、ほかに、下関市立しものせき水族館 海響館でしか飼育・展示していません

マゼランペンギン

胸の模様が、上から「白→黒→白→黒」の帯になっているのが大きな特徴のマゼランペンギン。基本的に白黒のツートンカラーで、白い腹に黒い斑点がまばらにあります。

  • 【属】ケープペンギン属
  • 【生息地】南米の太平洋沿岸・大西洋沿岸など
  • 【身長】約58~62cm
  • 【体重】約3.8~4kg
すみだ水族館のマゼランペンギン

すみだ水族館のマゼランペンギン。日本の約20の水族館・動物園で会えます

ケープペンギン

南アフリカで唯一見られるケープペンギンはアフリカンペンギンともよばれます。胸の黒い帯が1本で細いのが大きな特徴。マゼランペンギンの黒い帯が2本なので、いい見分けるポイントになります。白い腹に黒い斑点はマゼランペンギンと同じようにあります。

  • 【属】ケープペンギン属
  • 【生息地】南アフリカ沿岸
  • 【身長】約55~60cm
  • 【体重】約3~3.5kg
アドベンチャーワールドのケープペンギン

アドベンチャーワールドのケープペンギン。20以上の水族館・動物園で見ることができます

アデリーペンギン

ちょっと顔つきが違うアデリーペンギン。顔周辺は黒く、目の周りだけ白いのが特徴です。クチバシが小さいように見えますが、これ実は先端近くまで羽毛で覆われているからなんです。口を開くと目の前まで開きます。ほかのペンギンに比べて尾の羽が長いため「身長」でなく「体長」で比較すると3~4番目にランクアップします。

  • 【属】ジェンツーペンギン属
  • 【生息地】南極大陸周辺
  • 【身長】約55~60cm
  • 【体重】約3.5~5kg
アドベンチャーワールドのアデリーペンギン

アドベンチャーワールドのアデリーペンギン。ほかに見られるのは横浜・八景島シーパラダイス、名古屋港水族館、海遊館だけです

フンボルトペンギン

「ペンギン」のイメージは、このフンボルトペンギンの姿を思い浮かべる人多いはず。なんと、60以上の水族館・動物園で飼育・展示している“日本のペンギン”ともいえる種類なのです。ケープペンギンと同じく胸の黒い帯が1本ですが、帯が太いので見分けはつきます。さらに、目のあたりから白い帯状の模様があるのも特徴。

  • 【属】ケープペンギン属
  • 【生息地】南米のチリとペルー
  • 【身長】約55~58cm
  • 【体重】約3.5~4kg
長崎ペンギン水族館のフンボルトペンギン

長崎ペンギン水族館のフンボルトペンギン。日本でもっとも見られるペンギンの種類です

イワトビペンギン

小型のペンギンで、マカロニペンギンと似たような頭の羽が特徴で、目のうしろで大きく広がっている飾り羽になっています。目が赤く足はピンク色で、なんだか見た目は少しヤンチャな感じです。

  • 【属】イワトビペンギン属
  • 【生息地】南米のチリ・ペルー
  • 【身長】約40~52cm
  • 【体重】約2~4kg
旭川市旭山動物園のイワトビペンギン

旭川市旭山動物園のイワトビペンギン。キタイワトビペンギンとミナミイワトビペンギン合わせて15以上の水族館・動物園で見られます

コガタペンギン(フェアリーペンギン)

全18種のペンギンの中でも最小種。和名で「小型」、英名で「フェアリー=妖精」と名付けられるほど、小さくて可愛いペンギンです。オーストラリアなどに生息しており、民家の縁の下に住む場合もあるとか。リトルペンギンとよぶ場合もあります。

  • 【属】コガタペンギン属
  • 【生息地】オーストラリア南部、ニュージーランド
  • 【身長】約32~35cm
  • 【体重】約1kg
長崎ペンギン水族館のコガタペンギン(フェアリーペンギン)

長崎ペンギン水族館のコガタペンギン(フェアリーペンギン)。日本ではほかに、東京都葛西臨海水族園、横浜・八景島シーパラダイス、アドベンチャーワールドにいます

ペンギンといっても、いろいろな種類や特徴があるものです。複数種を展示している水族館・動物園に行ったら、比較して違いを探したりするとおもしろいと思います。次のページでは、たくさんのペンギンが見られる施設を紹介しています。

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