2020年度からの学習指導要領の改訂により、小学校では英語教育が一気に前倒しされました。3・4年生では外国語活動が必修となり、5・6年生では成績がつく教科として英語を学びます。
こうした変化の中で、「何歳からから始めればいい?」「家庭ではどんな学習をすればいい?」と悩む人も多いでしょう。この記事では、学校での授業内容から自宅で楽しく身につく英語学習までを紹介します。
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英語は何歳から始めるのがいい?

子どもの英語学習について、「いつから始めるのがよいか」は重要なポイントです。
最近では幼児期から英語に触れさせ始める家庭が増えており、実際の家庭事情やそのメリット・デメリットを知ることが、適切なスタート時期を考えるうえで役立ちます。
英語学習を始める家庭の実態
スキルアップ研究所の調査によれば、幼少期に英語教育を受けた経験のある保護者のうち、9割以上が「英語の幼少期教育を受けてよかった」と感じているとの結果が出ています。
実際には3〜5歳ごろから英語に親しませる家庭が多く、歌や絵本、動画などを活用した「楽しみながら学ぶ」方法が主流です。
- 9割以上の保護者が「幼少期に英語教育を受けてよかった」と回答
- 開始年齢は3〜5歳が最多
- 歌・絵本・動画などを通じて自然に学ぶケースが中心
- 効果として「発音がきれいになった」「物怖じせず話せるようになった」といった声が多い
- 「始める時期よりも継続できる環境づくりが大切」という意見も
このように、早期英語教育では「できるだけ早い時期に始めること」と「楽しみながら続けること」の両立が大切だといえます。
参照:» 幼少期の英語学習に関する実態調査 | スキルアップ研究所
幼児期に英語教育を始めるメリットとデメリット
幼児期に英語教育を始めることには、子どもの感受性や言語発達に合った多くの利点があります。
一方で、学習の進め方や家庭環境によっては注意が必要な点もあります。 幼児期から英語を学ぶ際に押さえておきたい、主なメリットとデメリットを整理しました。
幼児期に英語を始めるメリット
幼児期は、音を聞き分ける力やまねる力が特に発達している時期です。この時期に英語に親しめば、発音やリズムが自然に身につき、将来の学びにもつながりやすくなります。
- 英語の音を聞き分ける力が育つ
- 英語への抵抗感が少ない
- 異文化への理解が広がる
- 将来の英語学習にスムーズにつながる
- 人前で話す力やコミュニケーション力が育つ
幼児期に英語を始めるデメリット
幼児期に英語を始めることで得られる効果は多くありますが、取り組み方によっては注意が必要な点もあります。 特に、日本語の土台づくりや子どもの興味とのバランスを意識しながら進めましょう。
<気をつけたいポイント>
- 英語だけに偏らず、日本語の土台づくりも大切に見守る
- 親の期待が強すぎると逆効果になり得る
- 指導法や教材が合わないと続けにくい
- 費用面や時間的な負担にも注意する
脳の発達段階と英語の関わり方

英語教育の早期化が進んでいるとはいえ、早ければ早いほどいい、というわけではありません。効率的に習得するには、脳の発達段階に合わせた働きかけが大切です。
また、人間の脳には、まったく初めてのことよりも一度でも経験したことに対して「これ知ってる!」と、親しみがわきやすい性質があります。「親しみ=好き」という感情は、何度も経験することでより高まるため、小学校の授業で習う前から適切なタイミングで楽しく英語に接する機会をつくってあげましょう。
◆0〜2歳
この時期に発達するのは、「見る」「聞く」「ぬくもりを感じる」といった五感の領域。とくに6カ月以降は「聴覚」が発達します。
ただし、ここで躍起になって英語に触れさせる必要はありません。この時期は、しっかりスキンシップをして親子の愛着形成を促すことが大事。その上で、まずは母国語の土台をつくることに注力しましょう。そのほうが、その後の外国語の習得がスムーズになるといわれています。
英語に触れさせるとしたら、英語の音楽を流したり歌ったりするなど、あくまで遊びの範囲内がおすすめです。
◆3〜5歳
「運動」に関わる領域が発達する時期。子どもの行動範囲が広がり、たくさんの刺激に触れることで、ますます好奇心が育ちます。
この時期は英語の音楽に合わせて踊ったり簡単な英語のゲームをしたり、体を動かしながら楽しく英語に慣れ親しみましょう。お気に入りのアニメを英語吹き替え版で観る、という方法も。
◆6歳以降
「思考力」や「コミュニケーション力」といった高次認知機能が発達し、8歳ごろからは「言語野」の発達がピークを迎えます。
外国語の習得に最も適している時期なので、学校の授業にプラスして家でも英語学習の機会を増やすと効果的です。ただし、習得よりも子どもが「楽しい」と思えることが大切。無理強いをすると英語嫌いになってしまう可能性があるので注意が必要です。
小学校の英語授業は何年生から?何を学ぶの?

小学校での英語教育は、近年の学習指導要領改訂によって早期化が進んでいます。これまで中学校から始まっていた英語が、現在では3年生から段階的に取り入れられ、5年生からは成績がつく教科として学ぶようになりました。
以下の表では、必修化された「外国語活動」と教科化された「外国語科」の違いを整理しています。学年ごとのステップアップをつかむ参考にしてください。
| 3・4年生(外国語活動) | 5・6年生(外国語科) | |
|---|---|---|
| 名称 | 外国語活動(活動) | 外国語科(教科) |
| 授業時間 | 35単位時間 (週1回程度) |
70単位時間 (週2回程度) |
| 評価 | なし (文章による所見) |
あり (成績評価) |
| 学習目的 | コミュニケーションの素地を養う | コミュニケーションの基礎を養う |
| 主な活動 | 聞く・話す (音声中心) |
聞く・話す・読む・書く (4技能を総合的に) |
【1・2年生】楽しく触れることからスタート
学習指導要領では必修ではありませんが、日本国際教養学会の調査によると、多くの学校で独自に年間10時間前後の英語活動が行われています。
◆1・2年生の授業内容(一例)
授業では、音や動作を組み合わせた活動を通じて、自然に英語に触れる工夫がされています。
- HelloやGoodbyeなどの基本的なあいさつの練習
- 英語の歌やリズム遊び(例:「Head, Shoulders, Knees and Toes」など)
- 色や動物など身近な単語を使ったカードゲーム
- アルファベット探しやジェスチャー遊び
【3・4年生】楽しみながら学び、英語に対する興味アップ
「外国語活動」として、週1コマ、年間で35コマ(目安)の授業が行われます。3・4年生の間は教科ではないので評価はつきません。「聞く・話す」を中心にした授業で、楽しく英語に親しむことを目的にしています。
▼授業で使われる教材と評価のポイント
- 使用教材
文部科学省が作成した「Let’s Try!」などを使用。教科書ではないため、家庭での予習・復習は不要で、授業中のアクティビティを通して学びが完結します。 - 評価の視点
通知表には「外国語への興味・関心、意欲、態度」などを文章で記載。数値評価は行わず、学びへの姿勢を重視します。 - 指導体制
学級担任と専科教員、ALT(外国語指導助手)が連携し、ティームティーチング形式で授業を実施。特にALTとの交流は、生きた英語に触れる貴重な機会となります。
◆3年生の授業内容
「Let’s Try!」を使いながら、英語の音やリズムに慣れ、簡単なあいさつや自己紹介を中心に学びます。
- アルファベットの読み、書きの練習
- 歌やゲームを通じた楽しい遊び
- 基本的なあいさつや短いフレーズの習得
◆4年生の授業内容
「Let’s Try!」を中心に、3年生で学んだ内容をもとに会話や聞き取りを発展させます。
- 簡単なフレーズを使った日常会話
- 日常生活で使用する単語を学ぶ
参照:
» 新学習指導要領全面実施に向けた 小学校外国語に関する取組について 文部科学省初等中等教育|文部科学省
» 外国語活動・外国語編|文部科学省
【5・6年生】「読み・書き」や文法も。教科としての授業がスタート
「国語」や「算数」と同じように、「外国語」という教科になり、成績がつくようになります。授業数は週2コマ、年間で70コマ(目安)に。実用的な英語表現や文法の習得に加え、「読む・書く」をより重視した授業を行い、中学校での英語学習に向けて準備を整えます。
▼授業で使われる教材と評価のポイント
- 使用教材
文部科学省が検定した教科書「We Can!」を使用。3・4年生で培った表現力を土台に、「読む・書く」力を伸ばす構成になっています。 - 評価の視点
「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「学びに向かう力・人間性など」の3観点で評価。文章での記述に加え、成績(観点別評価)として数値化されます。 - 指導体制
専科教員を中心に、ALTと協働して授業を行います。ペアワークや発表を取り入れ、子どもが自分の考えを英語で伝える機会を多く設けています。
◆5年生の授業内容
教科書を使いながら、文の構成や短い文章づくりに挑戦します。
- 教科書を使いながら、文章の読解や作成
- 自己紹介や簡単なやり取り(実生活で役立つ英語表現の習得)
◆6年生の授業内容
学んだ語句や表現を使って、自分の考えを文章や会話で表現する練習を行います。
授業では、600〜700語程度の基本語彙を扱い、英語の語順や簡単な文法を理解する練習も行われます。 「I want to 〜」「Can I 〜?」といった表現を使いこなせるようになることを目指します。
- 4技能「読む・書く・聞く・話す」(小学校の英語の総仕上げ)
- 基礎的な文法の習得
中学受験・英検を見据えた目標設定
英語学習は、学校での授業から語彙力の強化、そして英検や受験対策へと段階的に進むことが多いです。授業内での成長を短期的な目標にしつつ、試験や資格取得といった中期の目標も意識しておくとよいでしょう。
» 英検で中学受験が有利になる?小学生の英検取得のメリットや効果的な勉強法、費用感まで徹底解説
日常的に英語に触れる方法は?

おうちの中でも、英語を楽しむきっかけはたくさんあります。子どもの「これ好き!」を大切にしながら、アニメや絵本、歌、アプリなどを生活の中に少しずつ取り入れてみましょう。
好きなアニメの英語吹き替え版を観る
お気に入りのアニメを英語吹き替えで観ることは、リスニング力や発音の感覚を育てるうえでも効果的です。
映像と音声を同時に処理すれば、英語を「音」と「意味」として結びつけやすくなり、子どもの英語の耳を育てる基礎づくりにつながります。
キャラクターの会話や音のリズムをまねることで、子ども自身が楽しみながら英語を吸収していけるでしょう。
おうち時間に気軽に取り入れられる、おすすめの英語アニメ教材を紹介します。
| 教材名 | Goomiesシリーズ | うっかりペネロペ |
|---|---|---|
| 対象 | 0〜7歳 | 0〜6歳 |
| 特徴 | ・リズム感のある英語ソングや短いアニメで構成 ・英語の音や表現を自然に覚えられる |
・NHK Eテレの人気キャラクターが登場 ・やさしい発音とゆっくりした会話が特徴 |
| おすすめ ポイント |
・英語のリズムやイントネーションを「耳で覚える」教材として人気 ・親子で楽しみながらリスニング力を育てられる |
・小さな子どもでも安心して取り組める内容 ・日常会話を通して自然な英語表現が身につく |
英語の絵本を読みきかせる
英語の絵本は、子どもが英語を「音」と「意味」で結びつけるのにぴったりの教材です。イラストを見ながら物語を聞くことで、単語の意味を自然に理解でき、リズムやイントネーションも耳から吸収していけます。
英語の絵本を活用すると、音と意味のつながりがより深まり、家庭でも英語に親しむ時間をつくりやすくなります。読み聞かせの時間がそのまま学びにつながるのも魅力です。
英語に初めて触れる子どもにも取り入れやすい、おすすめの絵本教材を紹介します。
| 教材名 | ディズニー 英語システム(DWE) |
絵本ナビえいご |
|---|---|---|
| 対象年齢 | 0〜12歳 | 小学生 |
| 特徴 | ・ディズニーキャラクターと一緒に英語の物語を楽しめる教材 ・歌や会話表現が豊富 |
・英語絵本1000冊が読み放題 ・AI発音ゲームでネイティブの発音を聞きながら学べる。 |
| おすすめ ポイント |
・遊びながら英語を吸収できる ・発音・リズム・語彙を自然に身につけたい家庭におすすめ |
・「読む+聞く」を組み合わせた学習が可能 ・リーディングと発音練習を両立できる |
英語のアプリを活用する
スマホやタブレットで使える英語学習アプリは、遊び感覚で学べるのが魅力です。 ゲームやクイズを通して英単語や発音を学べるものが多く、「できた!」という達成感が学びの継続につながります。
AIや音声認識を使ったアプリなら、発音チェックや会話練習もでき、自分のペースで繰り返し練習できる環境が整っています。通学やおうち時間のすき間を使って、自然と英語に触れられる手軽な学習ツールです。
ゲーム感覚で楽しみながら学べる、人気の英語アプリを紹介します。
| 教材名 | モコモコイングリッシュ | Miraico English |
|---|---|---|
| 対象年齢 | 0〜12歳 | 0歳〜 |
| 特徴 | ・アニメーションで英語のリズムや単語を楽しく学べる ・ネイティブ音声のみで自然な発音に慣れられる |
・NHK講師監修 ・DVD+アプリ併用型の英語教材 ・1日30分の反復学習で語彙力・リスニング力を育てる |
| おすすめ ポイント |
・親子で楽しめるアニメ形式の教材 ・短時間でも英語に触れられ、家庭学習にも最適 |
・自宅で体系的に学べる総合教材 ・英検や中学受験準備にも活用できる |
日常的に英語に触れる機会があると、英語が勉強ではなくあそびの延長として身近になり、子どもの「英語って楽しい!」という気持ちが育っていくはずです。
いま最も注目されているのはオンライン英会話

アニメや絵本、アプリのほかにも、近年人気を集めているのがオンライン英会話です。自宅で受けられる手軽さや、送迎が不要な点、続けやすい料金設定が支持を集めています。
①英会話教室より安く続けやすい
通学型の英会話教室と比べて、オンライン英会話は料金が手ごろで家計にもやさしいのが魅力。入会金がかからないスクールも多く、費用を抑えて始めやすいのが特徴です。
また、送迎にかかる交通費などの負担もなく、トータルで見ると出費をぐっと減らせます。
②送迎の手間がいらない
子どもの習い事には送り迎えがつきもの。仕事をしていてなかなか対応できない、という人も多いのでは?その点、オンラインなら送迎の手間がなく楽ちん。雨の日も雪の日も外出することなく自宅でできるのは、オンラインレッスンの最大の魅力です!
③ほかの習い事との両立も可能
「ECCジュニア オンライン教室」の場合、レッスン時間の設定(※)は平日16〜21時30分、土曜日9〜12:時(小学生のレッスンは週1回、60分)と、ほかの習い事の後に受講することも可能。暗くなってから子どもを外出させるのは心配だけど、自宅なら安心です♪
(※)レベルによって時間帯は変わります。
④レッスンの様子を見ることができる
新しい習い事を始めると、「どんな様子で受講しているのかな?」と気になりますよね。自宅で授業を受けるオンラインレッスンなら、家事の合間に様子を見ることも。親が近くにいることで、子どももリラックスしてレッスンに臨めます。
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