子どもの英検(実用英語技能検定)受験に関して、「本当に中学受験で役立つの?」「何級まで取ればいいの?」「いつ受けけたらいいの?」と迷う人も多いはず。実際、最近では英検取得者に加点や英語試験免除などの優遇措置を設ける学校が増えており、英検は受験を有利にする手段のひとつとして注目されています。
英検が中学受験にどう影響するのか、目指すべき級や合格までの勉強法、おすすめの教材やサービスまで、詳しく解説していきます。
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どうして中学受験で英検が注目されるの?
英検は日本英語検定協会が実施する国内最大級の英語資格試験で、2025年度から準2級と2級の間に新設された準2級プラスを含めて1級から5級まで8つの級があり、4技能をバランスよく測ります。
算数・国語・理科・社会の勉強で手いっぱいなのに英検まで必要なのか、どの級が中学受験に役に立つのか、迷う方も多いでしょう。最近は英語力を評価する入試や英検取得者を優遇する学校が増え、英検のおかげで出願枠が広がったり、加点・試験免除を受けられる場面が増えています。
さらに、パソコンで受験ができる英検S‑CBT((Computer Based Testing)が登場し、4技能(リーディング・リスニング・スピーキング・ライティング)を1日で受験でき、試験日も毎週土日に設けられているため挑戦しやすくなりました。
英検で中学受験がぐっと有利に!どんな優遇制度があるの?
最近では国際コースだけでなく、一般入試枠や特待生選抜でも英検を評価する学校が増えており、資格を持っていることで出願のチャンスが増えたり、判定に有利になったりする機会が多くなっています。
英検の優遇制度には、大きく次の4つがあります。
- 特定級以上で受験資格を得られるタイプ
- 合格級に応じて点数を加算するタイプ
- 英語科目試験が免除されるタイプ
- 高い級を持つと奨学金など経済的な優遇を受けられるタイプ
どの制度も学校ごとに条件が異なるため、志望校の最新情報を確認しながら、英検をうまく活用して受験の選択肢を広げてみてください。
どれくらいの中学校が活用しているか?英検優遇校の増加と基準の変化
首都圏の公立・私立中学校では、英語を評価対象とする入試(英語選択・帰国生以外)を導入する学校が年々増加しています。

英検優遇校は年々増え、国際コースに限らず一般入試や特待生選抜まで評価の範囲が広がっています。個別相談会や学校説明会で英検活用について積極的に情報提供する学校も多く、保護者も相談しやすくなりました。基準級も3級から準2級以上へと引き上げる学校が増え、制度や加点基準は学校ごとに異なります。
入試制度は年度ごとに変わる場合があるため、常に最新情報を確認し、学校説明会で不明点を質問しておきましょう。
何級から有利になるか?優遇制度のボーダーライン
多くの学校では、英検3級以上で初めて加点や英語試験免除などの優遇対象となります。一部では4級でも出願資格や基礎的な加点が得られるので、まずは4級に合格し、次に3級へステップアップするのがおすすめです。
ただし、英語重視の難関校では2級以上が条件になることもあり、小6までに準2級取得を目指すのが現実的かつ効果的な目標といえるでしょう。
具体的な優遇制度の4パターン
英検を利用した中学入試の優遇制度には、主に4つのタイプがあります。ここでは、それぞれの仕組みと代表的な学校例を紹介します。
◆パターン1:出願資格
特定の級以上の取得を出願条件とする制度で、主にインターナショナルコースなど英語力を重視する入試枠で採用されています。
【学校例】
広尾学園(インターナショナルAG)
広尾学園小石川(インターナショナルコースAG)
【条件】
英検2級以上を出願のための最低条件として設定。
◆パターン2:加点・得点換算
合格級に応じて筆記試験に加点されたり、英語科目の得点を満点換算する制度です。学校ごとに配点の設定が異なり、級が高いほど加点幅が大きくなる傾向があります。
【学校例】
豊島岡女子学園中(算数・英語資格入試)
【条件】
英検3級(CSE 1456以上)でみなし得点50点、準1級で100点と換算されるなど、級に応じた得点換算制度が設定されている。
◆パターン3:試験免除・別枠入試
英語の筆記試験が免除されたり、「英語特別入試」など別枠の受験機会が設けられる制度です。英検の高いレベルを持っていれば、英語試験の負担を減らすことができます。
【学校例】
三田国際科学学園(インターナショナルクラス・ISC)
【条件】
英検準1級以上を保有することで、一般の4科受験とは異なる英語特化型入試の英語筆記試験が免除される優遇措置を設けている。
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◆パターン4:特待生制度・奨学金制度
英検2級以上など高い級を取得している受験生が、入学後の授業料免除や奨学金給付を受けられる制度です。英語力をアピールすることで経済的なメリットが得られます。
英検を受けるメリット・デメリット

「英検を受けさせたほうがいいのかな、それとも今は4教科に集中すべき?」
そんな悩みを抱える保護者の方は多いのではないでしょうか。
ここでは、英検を受けることのメリットとデメリットを整理します。「どんな効果があるのか」「どんな点に注意すればいいのか」を知っておくと、英検受験と4教科の勉強とのバランスを上手にとるヒントが見つかります。
中学受験につながるメリット
- 合否判定で点数が僅差のとき、英検の加点が合格の決め手になることがある
- 英検を評価する学校が増えており、併願校の選択肢も広がる
- 「英検合格」という成功体験が自信につながり、受験に余裕をもって臨める
長期的なメリット(高校・大学まで活きる価値)
- 内申点の評価でも有利になる
- 高校・大学の推薦・AO入試、単位認定に活用できる
- 目標に向かって努力する姿勢や計画的な学習習慣が身につく
デメリット
英検学習は子どもの成長に効果的ですが、デメリットもあります。受験にあたっては無理のない計画を立て、以下の点に注意しましょう。
- 小5以降は4教科の内容が難しくなるため、学習負荷が増える
- 不合格が続くと、モチベーション低下や親子間のストレスになる場合がある
- 受験料や教材費、サービス利用料などコスト面の負担
いつ受けたら間に合う? 小6秋までに準2級を目指すスケジュール

英検を受けるタイミングは、中学受験との両立を考えるうえで重要なポイントです。出願に間に合わせるには、小6の第2回(10月)までに準2級を取得するのが理想的でしょう。
ここでは、学年別の目標設定や、便利なS-CBT活用のコツまで、効率的に合格を目指すスケジュールを解説します。
英検取得のデッドラインは「小6の10月」
中学受験の出願に英検の合格証明書を間に合わせるには、小6の第2回(10月)受験が実質的な最終チャンスです。証明書の発行には数週間を要するため、夏休み前には受験準備を整えておくことが望ましいでしょう。
第3回(1月)は入試直前と重なるため避けるのが安全です。早めにスケジュールを立てておけば、試験日変更や再受験にも柔軟に対応できます。焦って直前に詰め込みをするのは避けましょう。
【学年別】理想的な目標設定とスタート時期
英検対策は、学年に応じて段階的に進めることが大切です。無理のないペースで進めれば、受験勉強との両立もしやすくなります。
| 学年 | 目標級 | 学習のポイント |
|---|---|---|
| 小4 | 5級・4級 |
・基礎を固め、英語学習を習慣化する ・「英語を楽しむ」ことを重視し、音やリズムに親しむ導入学習を行う |
| 小5 | 3級 |
・中学レベルの単語・文法に慣れておく ・基礎文法と単語の集中学習で理解を深める |
| 小6 | 準2級(春〜夏までに) | ・4教科との両立を意識し、アウトプット中心の対策で4技能を仕上げる |
便利な英検S‑CBT、どう使いこなす?
英検S-CBT(Computer Based Testing)は、忙しい受験生にも取り入れやすい新しい試験形式です。ほぼ毎週土日に受験できるため、中学受験の模試や塾の予定と重なりにくく、日程調整がしやすいのが特徴です。
従来型では年3回しかなかった受験機会が大幅に増え、不合格でもすぐに再挑戦できます。また、1日で4技能すべての試験が完了するため、受験勉強の時間を大きく削ることがないのも大きなメリット。計画的に活用すれば、英検対策と4教科学習の両立がしやすくなります。
参照:英検S-CBTについて|公益財団法人 日本英語検定協会
忙しくてもできる!効率的な英検勉強法

英検対策は、毎日コツコツ続けることが合格への近道です。
受験勉強や習い事で忙しくても、効率よく成果を上げるための学習ポイントを紹介します。限られた時間を上手に使って、楽しみながらステップアップを目指しましょう。
ポイント1:単語・文法の基礎固め
英検の得点源となる単語と文法の基礎固めは、毎日の積み重ねが鍵です。4教科の合間を縫って、単語暗記を1日10〜15分のルーティンとして定着させましょう。
文法は細かい暗記よりも、過去問や問題集を通じて実践的に理解することが大切です。
ポイント2:リスニングとスピーキングの習慣化
英語の4技能のうち、リスニングとスピーキングは早い時期から生活に取り入れることが大切です。通学や食事の時間に英語音声を流すなど、耳慣らしを日常的に続ける工夫をしましょう。
オンライン英会話でアウトプットの習慣をつけると、実践力がぐんと伸びます。また、アニメや歌などを通じて「勉強」と感じずに楽しみながら学ぶのもおすすめです。
ポイント3:読解力と英作文力を鍛える
英検準2級以上では長文読解力と英作文力の両方が求められます。まずは過去問や洋書を活用し、内容を正確に読み取る練習を重ねましょう。
3級以上で出題される英作文では、「導入→理由→まとめ」の構成を意識して書くことがポイントです。さらに、読んだ文章を自分の言葉で要約したり、意見を書いたりする練習を通じて、論理的思考を養いましょう。
ポイント4:英検Jr./英検 for Kidsの活用
英検Jr.や英検 for Kidsは、英語に親しみながら基礎力を育てる導入ステップとして最適です。小学生低学年のうちは、リスニング中心の英検Jr.で英語の音やリズムに慣れることから始めましょう。
さらに、英検 for Kidsの「英検デビューチェックシート」で目標や進度を確認すると、自信をもって次の級に進めます。ゲーム感覚で楽しく取り組めるため学ぶことが自然と習慣化し、英語への苦手意識を防げます。
参照:英検Jr. / 英検 for Kids
英検対策に役立つ教材とサービス

英検対策を効果的に進めるには、目的に合った教材とサービス選びが欠かせません。市販の問題集で基礎を固め、オンライン英会話で実践力を養うなど、段階に応じた使い分けがポイントです。
ここでは、学年やレベル別に活用しやすいおすすめの教材とサービスを紹介します。
英検対策問題集・単語帳
英検対策の基本は、合格実績のある定番単語帳など、信頼できる市販教材を使って基礎を固めることです。過去問は直近のものだけでなく、3年分ほどを繰り返し解くことで出題傾向をつかめます。
また、子どもが「取り組みやすい」と感じる構成やデザインの教材を選ぶことも、継続のコツです。
オンライン英会話
英検のスピーキング力を高めるには、実際に話す機会を継続的に作ることが欠かせません。最近では、自宅で受けられるオンライン英会話が充実しており、英検対策に特化したコースも増えています。
外国人講師とのレッスンを通して、自然な発音や会話表現に慣れることで英語への抵抗感も少なくなるでしょう。
| サービス名 | QQキッズ | モコモコ イングリッシュ |
ワールド アイキッズ |
51Talk |
|---|---|---|---|---|
| 特徴 | ・英検対策コースが充実 ・講師の質が高く、二次試験の面接練習にも対応 |
・かわいいキャラクターとアニメで楽しく英語を学べる ・ネイティブ音声のみで自然な発音に慣れられる |
・幼児〜小学生対応 ・担任制で継続しやすい |
・1回のレッスンが25分と短く続けやすい |
| 対象年齢 | 小学生 | 0〜12歳 | 3〜12歳 | 5〜15歳 |
| 無料体験 | あり | あり | あり | あり |
| おすすめ ポイント |
・外国人講師のマンツーマン指導でスピーキング力を磨ける | ・動画、プリ形式で自宅学習がしやすく、親子で楽しく学べる ・短時間でも英語リズムを身につけやすい |
・発音、表現を楽しく学べる ・初心者でも安心 |
・外国人講師によるマンツーマン指導 ・合格後も会話力を維持・伸ばせる学習環境 |
低学年から使える教材
低学年のうちは、英語を学ぶより楽しむ感覚で取り入れることが大切です。まずは子どもが「英語って楽しい!」と感じるきっかけをつくることから始めましょう。絵本や歌、キャラクター教材など、子どもが興味を持ちやすいものを選ぶのがおすすめです。
| 教材名 | クラウティ English |
ディズニー 英語システム(DWE) |
|---|---|---|
| 特徴 | ・家族6人までシェアできるオンライン英会話 ・10分または25分のレッスンを選べ、ゲーム形式の学習も可能 |
・ディズニーキャラクターと歌・映像を通じて英語に親しめる |
| 対象年齢 | 小学生〜 | 0〜12歳 |
| 無料体験 | あり | あり |
| おすすめポイント | ・家族で英語を楽しみながら続けられる ・ゲーム感覚の「クラウティArcade」で子どもも飽きずに学べる。 |
・英語の音とリズムを重視したプログラムで、発音感覚が自然に身につく |
英検の費用をチェック

英検を受ける前に、級ごとの検定料や対策にかかるコストを知っておくと、無理のないスケジュールと予算計画が立てやすくなります。複数回受験する可能性も含めて予算を組みましょう。
以下は、主要級における、日本英語検定協会の本会場(従来型)と英検S‑CBTの検定料の比較表です。
※2025年度の検定料です。受験料は年度や会場によって変更される場合があります。最新情報は、日本英語検定協会公式サイトをご確認ください。
このように、S-CBT形式では従来型より数百円から千円程度高く設定されている傾向があります。しかし、日程の自由度や1日で4技能受験できる利便性を考えると、コスト以上のメリットを感じる場合も多いでしょう。
英検は中学受験の心強い味方!まずはできることから始めよう
英検は、中学受験を後押しする心強い味方です。
多くの学校では3級が基準ですが、難関校では2級以上が条件となる場合もあり、小6秋までに準2級を目標にすると現実的です。とはいえ、英検はあくまでプラスアルファの評価要素。国語・算数・理科・社会の学習を軸に、計画的に進めましょう。
また、優遇内容は学校ごとに異なるため、最新の募集要項を確認することが欠かせません。英検合格はお子さんにとって大きな達成感と自信を得る経験にもなります。小さな一歩から着実に始めていきましょう。

