令和の子育て資金術をシリーズでお届け!投資を賢く活用することで、借金地獄から抜け出し、その後もお金を増やし続けている一児の親が、その実体験から熱弁をふるいます。第2回は、今さら聞けない「NISAってなに?」を解説。押さえておきたい基本のポイントと、口座開設までをご紹介します。
▼まだ間に合う!はじめての子育て投資術シリーズ
» 第1回 教育費や住宅費はいくらかかる?
(著者)ないとーえみ
福岡県生まれ。過去に借金1000万円を背負うも投資の活用で完済し、その後もお金を増やし続けている一児の親。著書に、お金や経済のことを学ぶ小学生向けの学習ノベル『俺のマネースキルが爆上げな件』(1、2巻。ともに税別1100円、JTBパブリッシング)などがあります。元新聞記者。初インタビューは故・浜田幸一(通称ハマコー)元衆議院議員でした。
NISAとは?本当に利益がでるの?
NISAは正式には「少額投資非課税制度」といいます。Nippon Individual Savings Accountの略です。イギリスのISA(Individual Savings Account=個人貯蓄口座)がモデルの日本版です。
NISAは、「18歳以上で日本に住んでいる人」が使えます。2014年に始まり、2024年に大きく制度が変わってより使いやすく、お得になりました。以前のものを旧NISA、現在のものを新NISAということもあります。
さてNISAについて、2024年12月25日の日本経済新聞(web版)によると、利用しているのは全体の3割ほどだそうです。このうち利益が出ている人は回答者の約7割で「プラス10%以上30%未満」が3割ほどともっとも多かったといいます(QUICK資産運用研究所調べ)。私自身の昨年の成績を振り返っても、だいたいこのくらいです。もともと金融リテラシーが低く、好きな言葉は「リボ払い」と「キャッシング」だった私でさえ平均値ということは、きっとみなさんなら、もっとすばらしい成果を得られるのではないでしょうか。
NISAが良いとされる理由は?
さて本題に入ります。NISAとは何か?すでにご存じの方も復習を兼ねてぜひご一読を!
NISAをやろう!と世間で言われる理由は、そのしくみにあります。
NISAは税金がかからない!
普通、株や投資信託といった金融商品を買って、値上がりした際に売った利益や株を持っていると企業から年に数回もらえる(もらえない場合もあります)配当金などには、約20%の税金がかかります。ところがNISAを使うと税金がかかりません。しかも無期限です。大切なことなので、もう一度書きます。「無期限」です。
例えば100万円分の株を買って10年後に600万円になったので売った場合、NISAだと売った後の利益500万円が全て懐に入ります。一般的な買い方だと500万円×20%ですので100万円が税金として引かれ、手元には400万円しか残りません。
NISAで使える金額は?
そんなNISAですが、使える金額が決まっています。1年間に360万円、生涯で1800万円です。これらの金額は買ったときの金額(簿価)です。ですので買ったとき100万円だった株が急騰して1億円になっても、NISAで使った枠は100万円にとどまります。ちなみにNISAで買った株や投資信託などの金融商品はいつ売っても構いません。「あ、今月お金がない!」という理由で売っても大丈夫。売った場合、その枠は翌年復活します。つまり上限内であれば一生、非課税で投資ができるというわけです。まさに「神制度」といえます。
NISAなら投資が怖くない?基本的な3つの柱
非課税でお得とはいえ、投資への不安はつきものですよね。投資は時には思いもよらない利益や損失を生みます。そこでNISAでは、これを緩やかにする「長期・積立・分散」が柱になっています。
NISAの基本①「長期」
まず「長期」は、長いスパンで株や投資信託などの金融商品を購入・運用することで、好況や不況の波にもまれても一定の利益が出ることを見込みます。長らく低迷していた日本の株式市場が近年盛り上がってきたように、下がることもあれば上がることもあるのが投資の世界です。また長期にわたって投資を続けることで「複利的効果」を得やすいとされます。投資で得た利益を再び投資することで、利益が利益を生みます。当初100万円を投資して毎年10%の利益が出るとすると最初の年は110万円、翌年は110万円の10%なので121万円、翌年は…と雪だるま式に増えていきます(あくまで理想で、そうならないこともときにはありますが)。
NISAの基本②「積立」
「積立」は、例えば好況のときに有り金をはたいて金融商品を高値でごっそり買ってしまい、その直後に不況が来て大幅に値下がりしてしまっては目も当てられません。将来、値上がりする可能性があるとはいえ、無一文では値上がりまで待てないでしょう。そうならないように、こつこつと良い時も悪い時も買い続けます。すると悪い時は安く買えて、それが良い時には高くなります。もちろんその逆もありますが、こうして一定の利益を見込みます。
NISAの基本③「分散」
よく投資の世界では「一つのかごに卵を盛るな」といわれます。一社の株に全財産を突っ込んで、その会社がつぶれたら、全財産を失うことになってしまいます。そんなことがないように、さまざまな会社の株などに分散して投資する投資信託をはじめ、リスクを抑えた金融商品を購入するのがよいといわれます。
この3つが柱となっていることをまず理解しておくと、実際にNISAを運用する段階においても不安が軽減できるでしょう。
「つみたて投資枠」と「成長投資枠」とは?
NISAをちょっと調べたことがある方なら必ずや目にしたことがある言葉だと思います。先ほど、NISAで1年間に使える金額は360万円とお話しました。この360万は、120万円は「つみたて投資枠」、240万円は「成長投資枠」と内訳が決まっています。
「つみたて投資枠」とは
「つみたて投資枠」では金融庁の基準を満たした、リスクを抑えた投資信託をこつこつ購入していくことが可能です。毎月10万円ずつ購入していけば1年で満額使い切る計算になります。
「成長投資枠」とは
「成長投資枠」では、投資信託のほかに株なども買えます(こちらもリスクが高いものは制限されています)。なおNISAの生涯投資枠1800万円のうち成長投資枠は最大で1200万円までです。
NISAの第一歩!口座はどこがいい?
NISAを利用するには、口座を開く必要があります。
一般的には、ネット証券が原則手数料無料だったり、取り扱っている投資信託などの金融商品が豊富だったりするので、ネットリテラシーに特に不安がない人はこちらを選ぶ傾向にあります。SBI証券と楽天証券が2強といわれています。提携するカードのポイントでお得になるなどするため、口座開設の際に確認してください。
もちろん野村証券や大和証券など一般的な証券会社でも構いません。あるいは投資信託のみであれば銀行や郵便局(ゆうちょ銀行)でも大丈夫です(株は買えません)。
ちなみに私自身はというと、日本のネット証券のさきがけ「松井証券」を主に利用しています。取り扱う商品の数やコールセンターの対応など十分に満足しています。まだ何も知らなかったころ「あのー、株って税金がかかるんですか?」といった質問に、ていねいに答えてくれたコールセンターの方には、ただただ感謝しかありません。
次回は2/6配信!口座開設をして準備をしておいてくださいね。
NISA無双への近道は?
投資のことを深く知りたい方は、私が尊敬してやまない投資の師匠・東山一悟さんの著書『投資で2億稼いだ社畜のぼくが15歳の娘に伝えたい29の真実』をぜひご覧ください。なぜ投資なのか、なぜ株(投資信託)なのか、きちんと理解するのがNISA無双への近道です。
子どもにもマネースキルを!
生きる上で大切なお金。でも学校ではなかなか学べません。子どものうちからお金や経済を知るための学習ノベル『俺のマネースキルが爆上げな件』1,2巻。さくさく読める爆笑の物語でお金も経済も丸分かり。毎日小学生新聞の好評連載の書籍化で、中学受験にもぴったりです。
※当記事は投資を勧めたり投資の利益を約束したりするものではありません。投資は自己責任で行ってください。