
2025年3月28日(金)、東京・世田谷で、 るるぶKids体験便の第5弾「酵母のひみつにせまる!親子でベーグルづくり体験教室」を開催しました。
発酵デザイナーの小倉ヒラクさんが講師となって、パンのなかでも比較的発酵時間が短いベーグルを作りました。生地の発酵を待つ間には、発酵やパンの種類、歴史についての楽しいレクチャーがあり、ラストには焼きたてベーグルの実食も。子どもも大人も夢中になったワークショップの様子をレポートします。
前半戦は材料を混ぜて、とにかく頑張ってこねる!

前回の「るるぶKids体験便」、味噌づくり体験教室が大好評だったため、今回は東京のリアル会場と、全国どこからでも参加できるオンラインの2回を開催。
東京のリアル会場には5歳(年長クラス)~小学校6年生の親子が参加してくれました。参加理由を伺うと、「ホットケーキは作ったことがあるけど、パンはどうやって作るのか知りたくて」という男の子や、「料理のお手伝いをしてくれるので、興味の幅が広がるかなと思って」というお母さんも。

講師は発酵デザイナーの小倉ヒラクさん。発酵文化の伝道師として活動し、世界中のパンの作り方や歴史についても精通しています。「ベーグルは作るのに慣れたら、1時間くらいで鼻歌を歌いながらでもできちゃいますよ」という言葉に励まされて、体験教室が始まりました。
講師:小倉ヒラクさん
発酵デザイナー。「見えない発酵菌たちのはたらきを、デザインを通して見えるようにする」ことを目指し、全国の醸造家や研究者とプロジェクトを展開。2020年4月に下北沢に店舗「発酵デパートメント」オープン。著書に『発酵文化人類学』『アジア発酵紀行』など。YBSラジオ「発酵兄妹のCOZY TALK」、Podcast「#ただいま発酵中」パーソナリティ。
» 小倉ヒラクInstagram
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ベーグルの材料は、小麦粉(強力粉)、砂糖、ドライイースト、塩、そして水だけ。普段使う頻度の少ない強力粉ですが、もっちりとした弾力のあるベーグルには強力粉が欠かせません。

すべての材料をボウルに入れ、粉と水分がなじむように手で混ぜ合わせます。
「ねちゃねちゃで手にくっつくよー」、「これがベーグルになるの?」と子どもたちから声が上がります。

ボウルに粉が残らないくらいに生地がまとまったら、打ち粉を敷いた台の上でこねていきます。先生のお手本を真似しながら、親子でこねこね。

「右・左と順番にのばすと均等にのばせるよ」、「指や手にくっついている粉もきれいにまとめてね」、「全体重をかけて頑張れ!」と、先生からアドバイスや激励を受けて、子どもたちも真剣!

最初はパサパサしていた生地が、次第につるつるとなめらかに。慣れてきたら10分程度で完了することができます。

継ぎ目や隙間がないように、きれいな球状にしたら、ラップをして発酵タイムへ。寒い時期などはフライパンにお湯をはり、お湯の上に生地を入れたボウルをのせても発酵できるとのこと。ここまでで前半戦が終了。
発酵タイムを利用して、発酵やパンについてレクチャー

発酵の時間を利用して、発酵やパンについてのレクチャーが始まりました。
「パンが膨らむのはどうしてかわかるかな?イースト菌という酵母のおならのおかげなんだよ」と先生から聞くと、「えー、おならだってー」と子どもたちからくすくすという笑い声が。
イースト菌は小麦粉のでんぷん質や砂糖をエサにして活発に働きます。イースト菌が増殖し、発生した炭酸ガス(=おなら)は、小麦粉と水を練ってできたグルテンというたんぱく質の網目に閉じ込められ、ふっくら香ばしいパンが出来上がるというわけ。

日本で食べられているパンには、牛乳や卵を使ったアメリカ型、ライ麦を多く使ったドイツ型、ルヴァン種で発酵させるフランス型などがあること、中国や中東で親しまれているパンについて、ベーグルの本場がニューヨークといわれる理由などのお話しに大人も興味津々。
「ベーグルを茹でるのはなぜ?」、「具入りベーグルを作る時はどのタイミングで具材を入れるの?」、「パンを作る時に必要なキッチングッズは何?」といった質問も飛び交いました。
リング状に成型して、ゆでて、焼いたら完成

発酵が進み、写真左の生地が写真右のように約2倍に膨らみました。「ラップが曇っているよ」、「大きくなったねー」、「パンの匂いがする」と子どもたちもびっくり。横に膨らむよりも、縦の山型に膨らむのが理想的で、グルテンがよく形成されている印になります。

スケッパーやフライ返しなどを使って、三等分にカット。発酵で発生した炭酸ガスが逃げないように優しく扱うのがポイントで、手でちぎるのはNGです。3分割した生地を3つのお団子状に丸め、ボウルに入れ、ラップをかぶせ、生地を少し休ませます。


リング状に成型する工程が一番のポイント!みんな先生の説明を聞きながら、真剣な表情で輪っかを作ります。この間にも発酵が進むため、リングの穴は大きめに、そして炭酸ガスが抜けないように優しく手早く行うのがポイント。

もっちりとした食感にするために、焼き上げる前にゆでるのがベーグルづくりの特徴です。フライパンで沸騰させたお湯の中に、みんなの生地を入れると表面がつやつやに!「わー、もうベーグルに見えるね」、「甘い匂いがするよ」とテンションアップ。

オーブントースターもしくはオーブンで焼き上げること、約10分。カウントダウンとともに、トレーが引き出されると、こんがり焼き上がったベーグルを目にした皆さんから歓声が上がりました。

表面はなめらかでつやつや、香ばしく焼き上がったベーグルの出来上がり!

熱々のベーグルをみんなで実食します。

「もちもちでおいしい!」、「上手にできたね。将来はパン職人だ」、「持って帰って、お父さんにも食べさせてあげよう」と子どもも大人も大満足でした。

午後のオンラインは全国から参加があり、画面越しに作った生地を見せてくれたり焼きあがったベーグルを「おいしい!」と嬉しそうに食べる様子が見られたりと、和気あいあいと時間が過ぎていきました。
たくさんのご参加、誠に有難うございました!
参加者の方に今後やってほしいイベントについて伺ったところ、調理体験、科学実験、工作体験、釣りなどのアウトドア系、未就学児&小学生の兄弟で楽しめるものといったリクエストをお聞きしました。ご要望をもとに、親子で楽しめる「るるぶKids体験便」を今後も開催していきます。お楽しみに!
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