星空の変化や月の満ち欠けに気づいたりなど、子どもは日頃から空に自然と興味をもっています。空の向こうにあるものを想像したり考えたりすることは、子どものみならずワクワクとしますね。数年後には宇宙旅行が実現する可能性があることも、より知的好奇心を刺激するでしょう。宇宙への興味は、理科の学習の素地になるのはもちろん、宇宙にまつわる物語の世界や、宇宙に例えた美しい言葉表現など、国語の分野にも広がりがあります。
そんな宇宙というテーマを通して、宇宙タレントなど幅広い活動をしている黒田有彩さんに、宇宙の魅力やお仕事のことなどを教えてもらいました!
宇宙について聞いたのは、黒田有彩さん!
子どもの頃に宇宙に興味をもち、今では宇宙タレントとしてその魅力を発信する黒田さんに教えてもらいました。るるぶKidsだけに語ってくれたご自身のエピソードは、子育ての参考にもなるはずです!
黒田有彩さん
宇宙の魅力を発信しているタレント。
宇宙飛行士の試験に必要となる専門分野での“ 実務経験” を「タレントとして宇宙の魅力を発信すること」と定め、JAXA 宇宙飛行士試験の受験を目指している。2017 年4 月から文科省JAXA 部会臨時委員を務めているほか、宇宙の魅力を伝えるYouTube 番組「黒田有彩もウーチュー部」の配信など、宇宙の魅力を広めるために幅広く活動している。
ズバリ!宇宙の魅力を教えて!
画像:宇宙ミュージアムTeNQ
大きくて未知で美しいところ!大きさは、私たち人類が想像するには気が遠くなるくらい。そして私たちが知っている物質は宇宙を作るたった4%ほどで、他はまだよく分からないものでできています。何と言っても宇宙は美しい!そう感じられる感性を遠いご先祖から受け継いだのだなと思うと誇らしい気持ちになります。
宇宙を好になったきっかけは?
中学の時にNASAを訪れた時にビビビッと来ました。それまではテレビや映画の中でしか知らなかった宇宙開発の世界でしたが、実際に宇宙へ行って帰ってきたカプセルやとてつもなく大きなロケットを見たりして、未知の宇宙に向かう人類って本当にかっこいいなと思いました。自分も何か宇宙に関わる仕事をしたいなと感じました。
子どものころはどんな子でしたか?
不思議だな、なんでだろう、と思う気持ちが強く、なんでも試してみる子どもでした。テレビで満月の大きさは腕を伸ばして持った5円玉の穴と同じくらいだと聞いて、ベランダに出て実際にやってみた時は「本当だ〜!」と感動しました。遠い月が少し身近になった瞬間でした。
宇宙の仕事でおもしろいと感じるのは?
画像:JAXA相模原キャンパス宇宙科学探査交流棟
科学によって宇宙の新しいことがどんどん分かってくること。行ったこともない星がどんな成分でできているかも分かるんですよ。また、国の機関だけでなく民間企業も宇宙利用に参加できるようになってきたので、宇宙でできることや宇宙に行ける人がもっと増えるだろうなとワクワクしています。
宇宙の仕事で大変なことは?
宇宙で行われている開発や研究は、私たちの日常生活にすぐに影響がないので、もっと違うことにお金を使った方がいいんじゃないか、という意見も多いんです。もっと多くの人に「どうして宇宙開発をするのか」という意義が伝わることが必要です。大変なことですがやりがいのあることでもありますね。
宇宙の達人になるために頑張ったことは?
私が目指すのは『宇宙の学習マンガ』のように難しい言葉を使わずに、楽しくわかりやすく宇宙について伝えられる人になること。そのため、どうやったらそれを実現できるのかというのを常に考えています。また、さまざまな宇宙ニュースが次々に出てくるので(これは素晴らしいことですね!)、日々チェックして学んでいます。
子どもに紹介したい宇宙の取り組みは?
今から50年以上前、人類は初めて月に降り立ちました。そしてまた、月に行く計画が始まろうとしています。今度は少しの滞在ではなく、水を採掘したり基地を作ったり、より長く生活できる環境を作ることを目的にしています。そして、日本の民間企業も関わっていくんですよ。ぜひ注目してください!
お気に入りの宇宙スポットは?
画像:宇宙航空研究開発機構(JAXA)
筑波宇宙センターです!国際宇宙ステーションI S Sで活動する宇宙飛行士と通信ができる管制室があり(不定期開催の見学ツアーでのみ見学可能)、日本の宇宙開発の中心という感じがして、訪れると背すじがピンと伸びるような気持ちになります。私は宇宙飛行士を目指しているので、より憧れの場所ですね。
» 宇宙航空研究開発機構(JAXA)筑波宇宙センター(茨城県)で宇宙開発の最先端を見てみよう
休日は何をして過ごしていますか?
まとまった休日に、星が美しく見える青ヶ島に一人旅をしたことがあります。都会では目立つ星が数個しか見えませんが、どれが何の星か見分けがつかないくらいたくさんの星に包まれました。南半球を旅して、普段とは逆さまに見える月や、南半球でしか見られない星座も見たいなと思っています。
宇宙の達人を目指す子どもたちへメッセージ
宇宙のお仕事は、種類もたずさわる人もこれからどんどん増えていくはずです。みなさんにはぜひ、今はまだない新しい仕事を作ってほしいと思います。地上のあらゆるサービスが、宇宙とかけ合わせができる可能性があるのです。どんなことができる世の中だともっとワクワクするか考えてみてください。それが宇宙へと繋がっていくと思います。
そのほかのテーマの達人によるQ&Aにも注目!
宇宙のほかにも、いろいろなテーマごとにその道の“達人”に話を聞きました。紹介スポットへのコメントに加え、そのテーマ自体の魅力や仕事について、達人たちが子どもの頃のエピソードなどのQ&Aを今後公開していきます。将来何になりたいかについて考え始める時期の子どもたちに伝えたい内容が満載なので、こちらもお楽しみに!
■各テーマの達人
【恐竜】恐竜くん|恐竜専門サイエンスコミュニケーター、イラストレーター
» 【恐竜が大好き!!】
» 【昆虫が大好き!!】
» 【動物が大好き!!】
» 【鉄道が大好き!!】
» 【宇宙が大好き!!】
『るるぶKids こどもの知的好奇心がすくすく育つ学びスポット 東京周辺』
子どもたちの知的好奇心を刺激してくれる“学びスポット”全89施設をピックアップ。図鑑などでもお馴染みの「恐竜」「動物」「昆虫」「宇宙」「乗り物」、そして日常の延長として親子のコミュニケーションを楽しめる「アート」「絵本・アニメ」「にほんの歴史」を加えた8テーマに分けて紹介しています。監修者である脳医学者の瀧 靖之先生、そして各テーマの“達人”たちと選んだ“学びスポット”は、どこも子ども心をくすぐる工夫にあふれた施設ばかり。また巻頭には、瀧 靖之先生による「知的好奇心の伸ばし方」も収録しています。
子どもの成長にとって大事な知的好奇心を育てるスポットの数々。本書を参考に家族でおでかけしてみませんか。