【佐藤ママ×脳科学者パパ】中学受験するorしない? なぜ人気なのか 大切な幼児期の過ごし方や習い事など【動画あり】

【佐藤ママ×脳科学者パパ】中学受験するorしない? なぜ人気なのか 大切な幼児期の過ごし方や習い事など【動画あり】

るるぶKidsライターのアイコンるるぶKidsライター

中学受験の受験者数・受験率は、ここ7年増加傾向。最近では、幼児期から「中学受験、する?しない?」と話し合いをはじめるファミリーも多いようです。中学受験が頭に浮かびはじめたら、幼児期から大事にしたいこととは? 子ども4人の中学受験を経験された佐藤ママと、現在お子さんが中学受験の渦中にいる脳科学者の瀧先生によるスペシャル対談です。


佐藤亮子(さとうりょうこ)
子ども4人が東京大学理科三類に進学。その独自の子育て法や教育法、受験テクニックに注目が集まり、著書の執筆や、メディア・講演などで活躍中。著書に『佐藤ママの子育てバイブル 学びの黄金ルール42』(朝日新聞出版)『子育ては声かけが9割』(東洋経済新報社)など多数。

瀧靖之(たきやすゆき)
医師。医学博士。東北大学教授。東北大学加齢医学研究所および東北大学東北メディカル・メガバンク機構で脳のMRI画像を用いたデータベースを作成し、脳の発達や加齢のメカニズムの研究に従事。『脳医学の先生、頭がよくなる科学的な方法を教えて下さい』(日経BP)、『るるぶKids こどもの知的好奇心がすくすく育つ学びスポット 東京周辺』(JTBパブリッシグ)など著書多数。

目次(index)

対談を動画でみよう!

なぜ中学受験するの? 中受のいいところとは?

2022年の首都圏(1都3県)の中学受験率は21.1パーセント。実に5人に1人が中学受験をしています。中学受験の人気は今後も伸び続けると推測されているなか、幼児期から中学受験を考えはじめる家庭も増えてきました。一方で、受験というと「かわいそう」という声が依然として有るのも事実。佐藤ママと瀧先生が考える中学受験のいいところとは?

小学校で学ぶことは、人生の土台になる

人生の土台

佐藤ママ:小学校の6年間で学ぶことは、すべてリアルな社会につながることばかり。子どもたちは将来、リアルな社会で生きていくのだから、小学校の学習をしっかり血となり肉となるように身につけることは「人生の土台」になります。勉強って、テキストじゃなくて、世の中のこと。中学受験は、世の中のことを親子で学ぶ最高の機会ですね。

瀧先生:私は今まさに子どもが中学受験の渦中です。中学受験へのチャレンジは、脳が著しく発達する時期に、小学校の学習をしっかりと習得できる素晴らしい機会だと、実際に受験勉強をしてみてわかりました。今の中学受験は、知識だけでなく意見を問うところまできている。時事問題と知識を結びつけ、どう考えるのか。そういうことって日常の親子の会話で鍛えるのはそう簡単ではないけれど、受験勉強をはじめたことで、親子で一緒に考える機会ができましたね。

佐藤ママ:今ウクライナで戦争が起こっていて、第二のキューバ危機と言われていますけど、キューバ危機を知らないと、それがどういう状況なのかもわからない。ものすごくテストにでるんですよ、キューバ危機(笑) だから知識はとても大事だし、知識を身につけるためには、「基礎学力」が大事。平和が簡単に壊れてしまう世の中で、自分を守る最大の武器になるのは基礎学力だなと思います。

瀧先生:いろいろなことを知らないと、自分がなにをどこまで知っていて、なにを知らないのかの区別さえつきません。情報が溢れる時代で、それが自分に必要な情報か、正確な情報か、自分の意見を変えるような情報かを判断できるのに、知識や教養は本当に大事ですね。

中高一貫校は、勉強が6年間中断なくできる!

佐藤ママ×脳科学パパ 今すぐできる!最強の子育てメソッド

佐藤ママ:中高一貫校の良さは、あらゆることが6年間中断なくできるということ。私は結婚前に英語教師をしていたので、特に英語が途切れることなく学べるのがすごくいいと思いますね。英語って、高校1年から急に難しくなるんですよ。高校の3年間だけで大学入試のレベルにもっていくのは結構大変なので、中学から6年かけて早めに学べるのはいいなと思います。

<中学受験の専門家に聞いた!中高一貫校が人気の理由は?>
日能研本部ディレクター 中学受験情報誌『進学レーダー』編集長 井上修さん
中高6年間をかけて、大学進学の準備も早くから実践できることは中高一貫校の魅力のひとつです。大学選びも現在は多様化し、現在は「大学選び」から「学部学科選び」へとシフトしています。大学との教育連携連携は、従来は大学付属校の利点でしたが、現在は、併設大学を持たない中高一貫校も複数の大学と連携する動きが急速に進んでいます

勉強が親子のコミュニケーションツールになる

瀧先生:私は家族が大好きで、ずっと仲良くしたいので、いかにコミュニケーションを増やして温かな家庭を作るかということを大事にしています。一緒に楽器を弾いたり、共通の趣味を持つことでも存分に楽しんでいるのですが、受験勉強をはじめたら、さらに親子の会話が100倍増えました。もちろん、すごく大変なんです。親が子どもの勉強と向き合う時間を捻出するのは、やはり覚悟が入ります。だけど、楽しさも倍増ですね。

佐藤ママ:中学受験は、親子が二人三脚で挑める受験なんですよ。中学受験をしなくても子どものサポートはできるけど、受験という親子の目標を持って一緒に走ると、毎日が濃密になりますよね。

瀧先生:家族みんなで勉強する時間って、中学受験をしなければ私は出合えなかったので、とても尊いものなんだなと思います。知的な喜びを分かり合えるって幸せですよね。親子で算数の証明がわかった瞬間の喜びといったら!(笑)

佐藤ママ:わかります!感動しますよね! 受験をコミュニケーションツールと捉えて、家族みんなで楽しむっていう関わり方は一番いいと思います。

佐藤ママ×脳科学! 中学受験を考えたら幼児期から大切にしたいこと

佐藤ママ×脳科学パパ 今すぐできる!最強の子育てメソッド

中学受験をするとなると、小4から受験勉強をスタートするのが一般的です。その時期を迎えたときに、自らいきいきと頑張れる子になるように、幼児期から大切にしたいことは? 佐藤ママの実践メソッドを、瀧先生が脳科学の観点から分析してみました!

【親子の信頼関係】スキンシップはまめに!

佐藤ママ:私はとにかくスキンシップのチャンスは逃さないぞ!と思ってました。とことん触れ合うと、心の距離も近くなる。年齢で区切らず、幼児期に好きなだけ親とくっつく経験は大事だと思います。うちの子たちは、大きくなっても、コタツの中でちょっと足が触れたりすると、わざわざ足の上に自分の足を乗せたりしていましたね(笑)

瀧先生:親子で触れ合うと、信頼感のベースとなるオキシトシンが脳内で分泌されます。オキシトシンは触れられた方だけではなく、触れた側にも分泌するので、スキンシップをすることで、お互いに信頼関係を育めるのです。ちょっとくっついたり、隣に座ったりするだけでも立派なスキンシップ。親子関係は、子どもの心の安全基地になり成長に大きく寄与します。親が意識的に働きかけるといいですね。

【楽しむ力】どうしたらウケるかな?親が面白がる

楽しむ力

佐藤ママ:「私はいつも、どうやったら子どもにウケるか」を考えていました。たとえば、何度やっても覚えられなかった『8+7=15』をA4の紙に30枚書いて、あちこちに貼ったんです。どこに貼ったらウケるかな?と考えて、冷蔵庫に貼ったり、エアコンに貼ったり、天井に貼ったり。子どもたちが「こんなところにも!」って大喜びするのが、私も嬉しくて。

瀧先生:脳の「楽しい」という感情を司る領域と、「記憶」を司る領域は、隣り合わせにあり、密な情報交換をしていて仲良しです。つまり、楽しく覚えたことは「これは大事だから脳の貯蔵庫にしまっておこう」と脳が判断して、定着しやすいんですね。
もうひとつ着目すべきなのは、子どもを楽しませることを、佐藤さんご自身が心から楽しんでいること。脳には、身近な人の感情や行動を「模倣」する特性があります。親が楽しそうに自分の勉強に目を向けてくれることは、子どもも勉強を楽しめるようになる大切な要素です。

【メタ認知】天井に目を置いて客観視!

メタ認知

佐藤ママ:子どもって親が思ったことはしてくれないじゃないですか。こちらの意に反したことばかりするので、つい感情的になって叱ってしまう。私はそういうとき、自分の目を天井に置くようにしていました。そうすると叱っている自分を客観視してみえるんです。

瀧先生:それはメタ認知というものですね。自分のことを俯瞰的に捉えて、客観的な判断を下す力のことで、人が幸せに生きていくうえで、ものすごく重要な力です。

佐藤ママ:最近ではよく耳にしますが、当時は「メタ認知」という言葉も知らなかった。子どもが非効率な行動をするのを面白がる自分を天井から見たら『感情的になっていなくて、なかなかいいなあ』と思えたんです。忙しいときに“ママ抱っこ〜”と言ってくる子どもを受け入れて、『自分のことより、子どもを優先する方が幸せと思う自分』を天井から見ると『そんな自分もなかなか素敵だな』と思えるんですよ。

【親子あそび】あそびと勉強を地続きに

佐藤ママ:幼児期は勉強のためになにかをやらせるのではなく、お絵かきや折り紙など、いろいろなあそびを親子でとことん楽しんでいました。それがだんだんと平仮名や足し算に変わり…と自然にシフトしていくと、勉強という意識なく習慣化しやすいですよね。子どもにとっては、親が横にいてくれて『できた!』という達成感が味わえるのは同じです。机の上でのあそびは座る練習にもなりますね。

瀧先生:うちは、絵本の読み聞かせから読書になり、それが学校の教科書になっていったという感じですね。物心がつく前から楽しくやっていたことが、だんだんとシフトしていくというのは大事ですね。あとはやっぱり、親が楽しんでいる姿を見せること!ですね

習い事はどうする?

脳の発達

幼児期は脳の発達が著しく、言語や運動に関する領域が発達します。早くから中学受験を考えはじめたとしても、勉強の先取りばかりでなく、いろいろな習い事を経験するのにとてもいい時期です。

運動系、芸術系、学習系の3分野がおすすめ!

佐藤ママ:うちは4人とも、くもん(1歳~)、バイオリン(3歳~)、水泳(4歳~)をやっていました。進学塾は上3人は小4、末っ子の娘は小2で入りました。

瀧先生:うちの子は、ピアノと英会話(3歳~)、空手(4~5歳)、剣道(6~7歳)、ウクレレ(9歳~)。進学塾は小4からです。今も続けているのは、ピアノ、英会話、ウクレレです。

佐藤ママ:私は、運動系・芸術系・学習系の習い事をするのがいいと思って、スイミング、バイオリン、くもんをやらせていたんですけど、全部つながっているなあと思ったんです。楽器ってちょっと体育会系じゃないですか?

瀧先生:楽器とスポーツはとても近いところがありますね。脳の観点から言うと、スポーツは体全体を動かしていく粗大運動で、楽器は指先などの細かい巧緻(こうち)運動。私は楽器もスポーツも好きですが、楽器は運動神経で弾いている感じがします。

佐藤ママ:それと、勉強も体育会系だなって。進学塾では小6の秋以降、分単位で問題を解いたりするんですね。アスリートが、すべての無駄を省いてタイムを縮めるために鍛えるのと同じだなと感じました。

瀧先生:その通りだと思います。今のやり方が本当に正しいのか、どうしたらもうちょっとうまくなるのかと試行錯誤を繰り返す。それは、運動も音楽も勉強も同じですよね。陸上だったら、どうやったらこの踏み切りで高くとべるのか、ピアノならどうしたらこの速いパッセージが弾きこなせるのか。受験勉強もどうしたらあと5点の点数が取れるのか。試行錯誤の繰り返しです。

受験期がきたら、整理も必要

佐藤ママ×脳科学パパ 今すぐできる!最強の子育てメソッド

佐藤ママ:私は、小学校の学習を中学受験のレベルに持っていくには、3年はかかるなと思ったんです。だからうちは習い事は3年生できっぱりやめて、4~6年生は進学塾だけに絞りました。関東の友人の話を聞いていると、5年生でピアノを続けている子もいたりして、関西の方がこのへんは厳しい気がしますね。それでも、5年生の後半ぐらいからは、整理していくのがいいと思います。

瀧先生:わが家は現在5年生ですが、受験のスタートが遅かったので、進学塾はまだ通いはじめたばかり。習い事も平行しています。これからどう絞っていくか、子どもと相談しながら決めていこうと思います。塾の宿題は量が多いし、今すでに両立は大変ではあるのですが、習い事がいいリフレッシュにもなっているようです。

佐藤ママと瀧先生による62の最強メソッドを掲載!『佐藤ママ×脳科学者パパ 今すぐできる 最強の子育てメソッド』

佐藤ママ×脳科学パパ 今すぐできる!最強の子育てメソッド

佐藤ママと瀧先生がタッグを組んだ最強の子育て本が、全国書店にて発売中です!“佐藤ママはすごいと思うけど、私は同じようにできない…”と思うママパパも多いことと思います。本書では、瀧先生が脳科学的な見地から佐藤ママのメソッドをよりわかりやすく解説し、今すぐに実践しやすいポイントも掲載。
「佐藤ママの子育ての本質は、深い『愛情』と『覚悟』、そして心から『楽しむ力』。ノウハウだけでなく、その根底を理解することで、きっとうまくいくと思います
と瀧先生は語ります。中学受験を考えはじめたり、子どもの能力を最大限に伸ばしてあげたいと思っているママパパに、ぜひ読んでほしい一冊です。

書誌概要

書名 『佐藤ママ×脳科学者パパ 今すぐできる 最強の子育てメソッド』
定価 1650円(10%税込)
仕様 A5変形、240ページ
発売日 2022年8月1日(月)
発行 JTBパブリッシング

» 詳細・購入はコチラ(Amazon)

佐藤ママの関連記事
» 全国書店にて好評発売中!“佐藤ママ”おすすめ!『るるぶマンガとクイズで楽しく学ぶ!日本の歴史』
» 佐藤ママ直伝! 子どもの将来につながる「おうちあそび」

瀧先生の関連記事
» 「国立科学博物館」は知的好奇心をくすぐる展示や学びの仕掛けが満載!<瀧先生の問いかけポイント付>
» 脳医学者の瀧 靖之先生に聞く!子どもの成長に必要な「知的好奇心」と「8つの力」
» おりがみ遊びがすごい!脳科学者に聞く子どもへの効果 [ハシビロコウの折り方付き]
» 外遊び・アウトドアに育脳効果!何歳から?公園・キャンプなど脳科学者のおすすめは?