埼玉県北西部、群馬県との県境にもなっている荒川のほとりに広がる「埼玉県立川の博物館」は、荒川を中心とした埼玉の川、水と人々の暮らしとの関わりをテーマとした博物館です。“かわはく”の愛称で親しまれる施設の夏の一番人気は、川や水について遊びながら学べるウォーターアスレチック「荒川わくわくランド」。服装や利用時の注意点、アクセスやその他の施設まで、詳しくレポートします。
春から秋まで水遊びができる人気スポット
4万平方メートルの広大な敷地には、直径24.2mの日本最大の木造水車をはじめ、展示室やシアターを備える本館、荒川の流れと地形を1000分の1の大きさで表現した日本一の大模型など、見どころが満載。「荒川わくわくランド」のほか、エントランスからすぐの「噴水広場」でも水遊びが楽しめます。
■水遊びの情報
- 期間:2022年春分の日~11月中旬
- 時間:9~17時(夏休み期間の土・日曜、祝日、8月11~15日は~18時)
- 料金:博物館入場料:大人410円、高校・大学生200円、中学生以下無料、荒川わくわくランド利用料:大人210円、4歳~中学生100円
- 定休日:月曜(祝日、夏休み期間は開館)
- 水深:噴水広場:約5cm
- その他:更衣室あり、水遊び用オムツ着用可
アクセスは?電車でも行ける?
車でのアクセスは関越自動車道花園ICから国道140号バイパス、国道254号を経由して8分ほど。写真のように、駐車場(1回300円)からエントランスまですぐなのも、家族連れにうれしいポイントです。
電車の場合は東武東上線の鉢形駅から徒歩20分か、JR八高線、東武東上線、秩父鉄道の寄居駅からタクシーで約7分。タクシーが常駐していない鉢形駅に対して、寄居駅はタクシー乗り場も整備されていて、比較的すぐにつかまるのでおすすめですよ。
服装・年齢制限など行く前にチェック
「荒川わくわくランド」は基本的に4歳以上の子どもを対象としています。3歳以下も保護者同伴で利用できますが、遊べない遊具が多いので注意しましょう。
服装について、「荒川わくわくランド」はプールではなく水上アスレチックなので、水着のみや素足での利用はできません。服を着て、ウォーターシューズやかかとがおさまるサンダルを履いて利用しましょう。とはいえ、かなり濡れる可能性が高いので、着替えや履き替え用の靴などの用意も必須。水着の上から濡れても大丈夫な服を着て遊ぶのがおすすめで、できれば長袖だと危険防止にもつながります。
また、土・日曜、祝日、夏休み期間中は、時間ごとの入れ替え制です。1日6回(夏休みの土・日曜、祝日と8月11~15日は7回)で、現在は感染症対策のため通常1時間のところを45分に短縮されています。
事前予約はできず、受付は当日エントランスの入場券売り場で申し込みます。先着順で繁忙期は先の回まで埋まっていることもあるので、早めの来場がおすすめ。午後の早い段階で、最終の回まで埋まってしまうこともあるそうですよ。
「荒川わくわくランド」の人気アトラクション
いよいよ入場!園内にはスリリングで楽しく学べるアトラクションがいっぱい!
まずは浮き島を上手に行き来する「ドンブラゴッコ」。水の浮力を感じながら、うまくバランスを取りながら進むのがポイントです。
奥にはネット遊びやトンネルくぐりもできる、船の形のアスレチックも。足こぎ水車は自転車のペダルをこぐと回る仕組み。水車が回ると音も鳴ります。
そしてこちらが、手で車を回して船を進める子ども用ボートで、水の抵抗が体感できる「ザブンドーレの池」。
その隣りの「ガッチャガン」では、大きな水鉄砲で赤・青・黄色の3つの的を狙います。見事命中!
アメンボ型のボートに乗って、ロープを引っ張って進むことで水の摩擦が体感できる「スイスイアメンボ」と、水に浮かんだフロートの橋で浮力の体験ができる「ふらふらフロート」。
「ジャブジャブ広場」ではスタッフさんと一緒に実験して、堤防や水門など治水について遊びながら学べます。こちらは2本の川が合流するところに突き出すことで、増水時に小さい川への逆流を防ぐ背割堤[せわりてい]。
さらにこちらは増水時に川の流れに対して垂直に動かすことで、流れを弱める効果がある横堤[よこてい]。
堤防の護岸を模した「ワイワイ堤防」にはネットやロープ登りにすべり台、さらにその先にはターザンロープの「スルスルカーゴ」もありますよ。
ロッククライミングや縄ばしごで岩山を登る「わくわくクライミング」と、ネットの橋ですぐそばを滝が勢いよく流れ落ちる「ドキドキばし」。
強い日差しから守ってくれる屋根付き東屋風の休憩スポット「ユッタリモッタリ」もありますので、疲れたら無理せず利用しましょうね。
幼児・赤ちゃんも遊べる「噴水広場」
大水車を見上げる「噴水広場」は、エントランスからすぐの場所でさまざまな噴水が来場者を出迎えてくれます。広場にある「ちゃぷちゃぷ島」と「たきたき島」は、3歳以下の子どもたちを対象にした水遊び場になっています。
水深5cmの「ちゃぷちゃぷ島」は、小さなすべり台もあって楽しい!
東屋も設置されていて、座って近くで遊んでいる様子を見ておけるので、幼い子ども連れでも安心です。
さらに「たきたき島」は、水が滝のように流れ出る放水スポットもあって、こちらも小さな子ども連れにぴったり。
鍵盤を踏むと音楽が鳴り噴水が吹き上がる「音楽噴水」(写真左側)も、多くの子どもたちに人気のスポットです。
更衣室やロッカー、授乳室もあって大助かり!
「たきたき島」の脇には、5室の更衣室も用意されています。
中はこんな感じ。清潔に保たれていて、着替えをするには十分ですね!
さらにそのすぐ脇のトイレには、おむつ交換用のベビーシートも。ベビーシートはここに限らず、ほとんどのトイレに設置されています。
女性用トイレの入口には自由に使えるベビーベッドも置かれていますよ。
また、更衣室横のトイレから階段を上がってすぐのレストハウスのトイレには、コインロッカーも設置されていて、着替えなどで荷物が多いときに便利です。
「荒川わくわくランド」を利用の場合は、入場口からすぐのスタッフさんからすぐ見える場所に荷物置き場も用意されていますので、貴重品以外はこちらを利用するのもよいでしょう。
授乳室は後述の本館の、入口総合案内の右手にあります。
ソファが置かれた個室もあり、安心して授乳できますよ。
大水車やランチスポット、博物館なども充実
大水車は平成9年(1997)の“かわはく”オープンに合わせて作られたシンボル的な存在。完成当時は日本一の木造水車で、一時期その座を岐阜県の水車に譲りましたが、令和元年(2019)の大改修により直径24.2mとなり、日本一の座を取り戻しました。
大水車のすぐ隣りにあるレストハウス。2階はカレーやうどん、夏にはかき氷も食べられるレストラン「ウォーターミル」(夏休み期間中の平日は11時~フードLO15時30分、喫茶LO16時、土・日曜、祝日は10時30分~フードLO16時、喫茶LO16時30分、夏休み期間外は要問い合わせ)です。キッズにはオレンジジュースやぶどうゼリーが付いた「お子さまカレーセット」(500円)がおすすめですよ。
1階と2階外のテラス席は休憩スペースとして開放されていて、空調のきいた過ごしやすい屋内で、お弁当を持ち込んで食べることもできます。
大水車や水遊びスポット、レストハウスがある西エリアから、東エリアに移動してすぐの場所にある「水車小屋広場」。昔は現役で使われていたコンニャク水車(写真)や精米水車、発電用水車が移設されていて、コンニャク水車と精米水車は実際に動いて、水車がどのように活躍していたかを直に見て学べます。
その先にある本館の博物館。
写真のアドベンチャーシアター(高校生以上430円、4歳~中学生210円、3歳以下利用不可)など、さまざまな展示が用意されています。
壮大な展示で荒川と人々のくらしとの関わりをメインテーマに紹介する第1展示室。スタッフさんの解説による鉄砲堰実演をはじめ、さまざまなイベントが毎日開催されています。
第1展示室内のワークショップは、川と水の科学を実験したり、水の性質を体感したり、制作体験もできて、夏休みの自由研究など子どもたちに大人気。
外には、こちらも日本一の規模を誇る「荒川大模型173」もあります。荒川の源流(甲武信岳)から河口(東京湾)までの流れと本流沿いの地形を1000分の1の大きさで表現した大パノラマに驚くばかり。ガリバーになったような気分で地形学習ができる「ガリバーウォーク」も随時開催されています(電話にて要問い合わせ)。
最後に、本館屋上の展望塔から見た眺めがこちら。奥には荒川の流れも眺望できます。
施設全体の所要時間は、水遊びで1時間、見学方法にもよりますがその他の施設で1時間、食事もするならプラス1時間の2~3時間が目安。水遊びはもちろん、いろいろな施設で川を見て、感じて、知ることができるスポットで、ぜひ楽しみながら学んでくださいね!
●埼玉県立川の博物館(さいたまけんりつかわのはくぶつかん)
住所 | 埼玉県大里郡寄居町小園39 |
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問合先 | 048-581-7333 |
料金 | 入館料大人410円、高校・大学生200円、中学生以下無料、ほか荒川わくわくランド・アドベンチャーシアターは別途料金が必要 |
営業時間 | 9~17時(入館は~16時30分) |
定休日 | 月曜(祝日、埼玉県民の日、夏休み期間は開館) |
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