子どもが苦手になりがちな野菜には、苦い、辛いといった理由があることが多く、切り方や調理法のちょっとした工夫が実は大切。この記事では苦手野菜を克服できる調理法やレシピを、子ども料理研究家のごはんさんが伝授! 第二弾は「トマト」を使った作り置きできる万能ソースのレシピをご紹介します。
子ども料理研究家 ごはん
予約のとれない訪問調理師として大人気。1500軒件以上のお宅を訪問し、好みやアレルギーの有無、家族構成に合わせた身体に優しい料理を日々提案中。
トマト嫌いな子どもが食べるレシピを動画で紹介!
基本の簡単ミートソース
記事内での作り方はこちら ⇓
5分トマトソース
記事内での作り方はこちら ⇓
トマト嫌いな子どもが多いのは、酸味や独特の食感から
トマトには酸味からくる刺激があり、青臭さや、グニュッ、ドゥルッとした独特な食感を苦手な理由として挙げる子どもが多いそう。皮や種が口に残る異物感が嫌という意見も。また、口内炎などでトマトの酸味で痛みを感じたことがあり、そのトラウマで食べられない子もいます。
トマトの克服ポイント 酸味を和らげるのは加熱や甘み
■生のトマトにこだわらない
苦手な子の多くは生のトマト(特にプチトマト)が苦手です。なので、加熱をメインにした料理から試してみるのがおすすめです。
■加熱する
酸味は加熱することで和らぎます。見た目が原因で苦手な子には、ペースト状にしたトマトを使う料理から試してみてください。カレーやハヤシライスなど、味が濃い料理にペースト状のトマトを入れて、酸味に慣れさせるといいでしょう。
■皮をむく
湯むき、蒸しむきで、トマトの皮を除去することで食べやすくなります。簡単にむける裏技レシピは後述します!
■甘みを強くする
酸味を和らげるのは甘みです。反対に塩味は酸味を際立たせるので、調味のバランスを少し甘めにします。ケチャップが甘めの味付けなのもそのためです。
◆知ってる?トマトが特産物の都道府県
各都道府県には特産物として知られる野菜がいろいろあります。旅行に出かけた時に、その土地の食べ物をおいしく感じるのは、気分だけではなく、作るのに適した土地で栽培され、採れたてで新鮮なものが多く出回っているため。いつもは苦手な食材も旅先で食べたり、産直センターなどで買ったり、通販で取り寄せてみたりすると、克服できるかもしれません。
<トマトの収穫量ランキング>
1位:熊本県
2位:北海道
3位:愛知県
ごはんさんが伝授!子どもがトマトをおいしく食べた!人気レシピ
これから紹介するのは、ごはんさんが実際に訪問調理先で子どもたちに大人気だったレシピばかり。「今まで全然食べなかったのにこれは食べてくれた!」という親御さんの声も多いのだとか。簡単に作れて、なるべく材料が少ないレシピを選定しています。
親子で一緒にできる工程には、写真にこのマークをつけています。子どもが自分で作ると、達成感から克服のきっかけになるかも!
基本の簡単ミートソース
生のトマトを使って作る超基本のミートソースです。訪問調理を始めてからロングセラーの大人気メニュー。面倒な皮むきも作りながら簡単にできる方法もお伝えします。覚えておくととても便利な技が満載!
<調理時間>約20分
<材料>※親子4人分の目安です
トマト 3個
玉ねぎ 1個
にんじん 1本
にんにく 1かけ
合い挽き肉 200g
サラダ油 大さじ1
塩 小さじ1/2
★ケチャップ 大さじ3
★お好み焼きソース 大さじ1
★塩コショウ 少々
<作り方>
①玉ねぎ、にんじんはみじん切りに、にんにくは薄くスライスする。トマトはヘタをくり抜き、お尻の部分に十字の切り込みを入れる。
【ポイント】
包丁を使ってヘタをくり抜くのが難しい場合は、ステーキナイフやキッチンばさみを使っても。このあとの工程でヘタを取り除くのが格段に楽になります。
②フライパンにサラダ油を中火で熱し、合い挽き肉を炒める。肉の色が変わったら、①と塩を入れて混ぜる。
③トマトのヘタの部分を下にして②の上に乗せ、蓋をして中弱火で10分蒸す。
【ポイント】
トマトは沈めず乗せるだけでOK。蓋は完全にしまらなくても、徐々にトマトが柔らかくなるので問題ありません。
④浮いたトマトの皮を箸などで取り除き、トマトを潰す。★を入れて、中火にして水分を飛ばしながら混ぜて完成。
合い挽き肉入りでボリュームがあるのでパスタやドリア、オムレツ、ピザなどにアレンジできます。
5分トマトソース
冷凍した生のトマトを使って作る、超時短のトマトソースです。トマトのえぐみや酸味を抑える玉ねぎをたっぷり入れて、ベーコンと一緒に作ります。冷凍トマトに水をかけると簡単に皮がむけるなど、覚えておいて損はない裏技も♪
<調理時間>約10分
<材料>※親子4人分の目安です
トマト 3個
玉ねぎ 1個
ニンニク 2かけ
ベーコン 8枚
サラダ油 大さじ1
塩 小さじ1~
<作り方>
①トマトは一晩冷凍庫に入れて凍らせておく。凍ったまま流水をかけて皮をむく。
【ポイント】
カチコチのままの方が、皮はむけやすいですよ。子どもでもかんたんにツルンとむけます。
② 玉ねぎは縦に薄くスライス、ベーコンは5mm幅にカット。ニンニクも薄くスライスする。
③フライパンでサラダ油を中火で熱し、①と②を入れてトマトを潰しながら炒める。
【ポイント】
トマトが凍っていてうまく潰せない場合は、レンジで10秒ずつ様子を見ながら温めると楽に潰せるようになります。
④とろっとしたら火を止めて、塩で味を整えて完成。粉チーズをふりかけてパスタにするのはもちろん、チキンや魚のソテーのソースに使うのもおすすめです。
加熱することで酸味が抑えられ、皮や種の異物感もなくなる2種類のソース。子どもが大好きなパスタにしたり、チーズをかけたりとアレンジも自在です。ぜひ試してみてくださいね。
子どもが食べる野菜レシピ!リンク
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