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アイヌ伝統料理はSDGsの先駆け!?北海道・阿寒湖で、命や自然の大切さを学ぶ料理作り体験

アイヌ伝統料理はSDGsの先駆け!?北海道・阿寒湖で、命や自然の大切さを学ぶ料理作り体験

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北海道の豊かな自然の中で、動植物を狩猟・採集し、生きてきたアイヌ民族。あらゆる存在にカムイ(神)が宿ると考え、「必要最低限だけ、無駄なく命をいただく」という思想を持って暮らしてきました。SDGsに通じるアイヌの思想や暮らしの知恵は、未来の子どもたちにつなげていきたい大切な教え。
今回は8歳と6歳の姉弟が、アイヌの集落に住むガイドさんと一緒に料理を作りながら、自然への感謝や畏敬を持って暮らすアイヌ文化を学ぶ体験ツアーに参加してきました。

※アイヌ語の表記で「ㇿ」や「ㇷ゚」など小文字で記載している言葉は、日本語にはない発音です。読む際は軽く発音します。

目次(index)

親子で楽しく学べる、アイヌの伝統料理作り体験ツアーがスタート!

アイヌの伝統料理体験ツアー

アイヌ文化ガイド「Anytime, Ainutime!」は、阿寒湖アイヌコタンで暮らす住民がガイドとなって、恵まれた阿寒摩周国立公園の自然散策や、アイヌに伝わるものづくりを楽しむツアーです。
2023年からはアイヌ料理作り体験がスタート。人間だけでなく自然環境のために、必要な時に必要最低限だけ無駄なくいただくというアイヌの考え方は、現代社会に求められるサステナブルの本質につながります。小学4年生以上が対象ですが、保護者の同意があれば1~3年生でも参加できるので、これからSDGsを知っていく子どもたちにもぴったりです。

アイヌ文化ガイド「Anytime, Ainutime!」 創る時間「アイヌ料理作り体験」

場所 阿寒湖アイヌシアター〈イコㇿ〉に集合後、オンネチセで体験
日程・
時間
通年11時~13時30分(所要約2時間30分)
対象
年齢
小学4年生(10歳)以上(保護者の同意で小学1~3年生も参加可能)
料金 大人(中学生以上)6,000円、小人(小学生)5,000円
最少催行人数 3名(定員8名)
申込み 10日前までに公式サイトから予約
※ツアーの詳細・設定日・予約は公式サイトを要確認

※いずれも予定

» 「アイヌ料理作り体験」申し込みはこちらから

体験ツアーに参加!まずはアイヌの伝統と文化が学べる「阿寒湖アイヌコタン」へ

アイヌの伝統料理体験ツアー

いつも元気な仲良し姉弟、8歳のあおいちゃんと6歳のあさひくん。飛行機に乗って、初めての北海道・釧路市へ。羽田空港から釧路空港は約1時間40分のフライト。「釧路は北海道の東側にあるんだね」、「釧路から北、ほらここに阿寒湖を見つけたよ」と、ガイドブックの地図を広げて、ワクワクが止まりません。

アイヌの伝統料理体験ツアー

釧路空港からバスに乗って、約1時間10分で阿寒湖に到着。阿寒湖畔に広がる温泉街の一角に、北海道で最大のコタンである「阿寒湖アイヌコタン」があります。アイヌ古式舞踊などが見られる阿寒湖アイヌシアター〈イコㇿ〉やアイヌの暮らしぶりを学べるアイヌ生活記念館「ポンチセ」、芸術的な木彫の民芸品店が集まっています。

アイヌの伝統料理体験ツアー

コタンとは集落という意味で、36戸、約120人のアイヌが暮らしています。集落には20数軒の民芸品店がずらり。伝統的な木彫作品やアイヌ文様の刺繍作品、ウッドクラフト、アクセサリーなど、個性的なアイテムをお土産にするのもおすすめです。

自然の命を無駄なくいただくアイヌ伝統料理を作ってみよう

アイヌの伝統料理体験ツアー

阿寒湖アイヌコタンのシンボル「オンネチセ」。館内ではアイヌの伝統的な祭具や生活用品を展示

「アイヌは北海道の先住民族で、狩りや漁をして、自然の中で暮らしてきたんだよ」とパパに教えてもらったあおいちゃん&あさひくん。アイヌ文化伝承創造館「オンネチセ」で、アイヌ伝統料理を作る体験に参加してみました。

アイヌの伝統料理体験ツアー

まずは茶葉として使う笹の収穫から。イコㇿの裏手には笹がたくさん自生しています。笹は必要な分だけ採り、煮出した後のお茶殻は大地の神様に感謝の気持ちを込めて、元の場所へ返します。「自然の中にあるものを大切に、無駄なくいただき、カムイ(神)への感謝の気持ちを示す」というアイヌの教えに基づいているんです。

アイヌの伝統料理体験ツアー

教えてくれるのは阿寒湖アイヌコタンで暮らすご婦人がた。優しく、気さくで、ユーモアたっぷりに、料理はもちろん、アイヌの考え方も教えてもらえます。

アイヌの伝統料理体験ツアー

今回教えてもらったのは、チェㇷ゚オハウ(鮭の汁物)、アマㇺ(いなきびの入った炊き込みご飯)、ラタㇱケㇷ゚(かぼちゃの和え物)、チシㇽイモ(じゃがいものお団子)。三平汁のルーツともいわれるオハウは、鮭の塩味を活かした素朴な味わいで、出汁の昆布もそのまま具にして、食材を無駄なくいただきます。

アイヌの伝統料理体験ツアー

野菜や豆類を煮て、魚脂や獣脂と塩で味付けしたラタㇱケㇷ゚は、アイヌの儀式や祭事に欠かせない一品です。シケㇾペ(キハダの実)を使うのが特徴で、実を一粒食べてみたあおいちゃんは「苦~い」とリアクション。シケㇾペは食用の他、薬用、染め物、祈り、生活用品に使われ、二日酔いによく効く胃腸薬にもなったそうです。自然からいただいた命を余すところなく、衣食住に使っていたんですね。

アイヌの伝統料理体験ツアー

ラタㇱケㇷ゚をお皿に盛り付けた後、しゃもじやボールについた分も残さず、指でなぞってきれいにするのがアイヌ流。食べ物を大事にするだけでなく、川や湖を汚さないための工夫なんです。

アイヌの伝統料理体験ツアー

チシㇽイモはガイドの香代子さんのお母さんが、新ジャガの時期に必ず作っていたというアイヌの家庭料理。まず、すりおろしたジャガイモを布袋に入れて、水分をしぼり出します。

アイヌの伝統料理体験ツアー

次にしぼり汁を数分放置して、底に沈殿したデンプンをジャガイモに混ぜて、成形します。「ハート形にしてみよう」、「おうちでパパとママにも作ってあげてね」と楽しく作業が進みます。成形後はフライパンで焼いて出来上がり。

アイヌの伝統料理体験ツアー

囲炉裏を囲んで、完成した4品をいただきましょう。「いただきます」はアイヌ語で「イペアンロー」というのだそうです。どの料理も塩分控えめで、素材本来の味を感じられるものばかり。自分たちで作ると、一層おいしく感じます。

アイヌ料理を作って食べて、子ども&パパ・ママの感想は?

アイヌの伝統料理体験ツアー

「鮭のスープも、ジャガイモのお団子もおいしかった。今、食べ物はいっぱいあるけど、全部自然の命だから、粗末にしちゃいけないって思ったよ」とあおいちゃん。
包丁を握るのは初めてだったあさひくんは、「包丁で野菜を切る時はネコの手みたいに手を添えるんだよ。じゃがいもをコネコネするのも楽しかった」と料理にも興味が湧いたようです。

アイヌの伝統料理体験ツアー

「最近よくSDGsという言葉を耳にしますが、アイヌの方々はSDGsにつながることを昔から当たり前にやっていたというのは驚きでした。子どもたちも楽しく体験しながら、食べ物のありがたみを感じられたと思います」とパパ。
「アイヌ料理に触れる機会はめったにないし、実際に料理を作りながらSDGsに通じるアイヌの考え方を教えてもらえるのはとても貴重。今後、学校でSDGsの授業があった時にも、身をもって経験したからこそ、学びが深まるんじゃないでしょうか」とママも大満足でした。

SDGsに通じるアイヌ料理作り、親子でぜひ体験してみては。

» アイヌ文化ガイド「Anytime, Ainutime!」 詳細はこちら

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