知的好奇心がすくすく育つ学びスポット!
2006年8月、丹波市在住の足立さんと村上さんの手によって発見された化石は、すぐに恐竜のものであることがわかりました。そして丹波市山南地区で発見されたことから「丹波竜」の愛称で親しまれるようになりました。丹波竜化石工房「ちーたんの館」では、丹波竜の全身骨格模型や実物の化石をはじめ、さまざまな恐竜の骨格模型などを展示し、恐竜や化石発掘作業などについて多くの情報を提供しています。
子どもの知的好奇心は身近な“学びスポット”で育む!
子どもの脳の発達の原動力となり、将来の可能性を広げてくれるのが知的好奇心。その知的好奇心を育むスポットは関西エリアにたくさんあります。脳医学者の瀧 靖之(たき やすゆき)先生、そして宇宙・動物・昆虫・アートなどの各テーマの“達人”たちと選んだ関西エリアにある “学びスポット”を紹介します。どこも、「知るのが楽しい!面白い!」と思わせてくれる、工夫にあふれた施設ばかり。コロナ禍が続くいまだからこそ輝く身近な“学びスポット”へ出かけてみませんか。
監修:瀧 靖之(たき やすゆき)先生
東北大学加齢医学研究所教授
医師。医学博士。東北大学加齢医学研究所および東北大学東北メディカル・メガバンク機構で脳のMRI画像を用いたデータベースを作成し、脳の発達や加齢のメカニズムを明らかにする研究に従事。読影や解析をした脳MRIはこれまで16万人以上にのぼる。
知的好奇心で培われる、8つの“育つ力“
子どもの知的好奇心を刺激することで培われる力を、瀧 靖之先生が8つ選定。「洞察力」「思考力」「想像力」「発想力」「思いやり」など、施設ごとに“育つ力”を付記しました。
» 脳医学者の瀧 靖之先生に聞く!「知的好奇心」で育つ8つの力
»「国立科学博物館」は知的好奇心をくすぐる展示や学びの仕掛けが満載!
丹波竜化石工房「ちーたんの館」で育つ子どもの力
知的好奇心が育つと、子どものどんな力が伸びるのかをチェック! 丹波竜化石工房「ちーたんの館」では、とくにどんなところが子どもの好奇心をくすぐるのか見てみましょう。
【恐竜の達人】林大智さん
はやしだいち●2006年大阪府生まれ 恐竜・古生物イラストレーター。YouTube チャンネル『チャンネルD』にて、古生物学にまつわる様々な情報発信を行なっている。
■林大智さんコメント
丹波竜の化石の、発見されている部位とされていない部位が一目でわかる全国的にも珍しい展示も。じっくり観察してみてください。
丹波竜化石工房「ちーたんの館」ってこんなところ!
おすすめの遊び方&過ごし方
展示室は1フロアで、コンパクトなスペースに見ごたえある展示物がぎっしり詰まっています。一つ一つの展示物をゆっくり見て回っても1時間程度で回れるので、子どもたちにとってもちょうど良いかもしれません。時間に余裕があれば、館から車で約10分の「丹波竜の里公園」に立ち寄るのがおすすめ。化石が発見された現場で、現在は公園として整備され、遊具なども設置されています。
おすすめのアクセス方法は?
車の場合は舞鶴自動車道丹南篠山口ICから約25分、施設前に専用駐車場があります。公共交通機関の場合は、JR福知山線谷川駅から徒歩約25分、タクシーなら約5分です。
所要:1時間
おすすめの年齢:3歳~
住所 | 兵庫県丹波市山南町谷川1110 |
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電話 | 0795-77-1887 |
営業時間 | 10~17時(11〜3月は〜16時) |
定休日 | 月曜(祝日の場合は翌平日) |
料金 | 210円。中学・小学生100円 |
アクセス | 舞鶴自動車道丹南篠山口ICから県道77号経由で約18km |
駐車場 | 193台 |
<施設データ>
- 子ども用トイレ:✕
- おむつ替え:〇
- 授乳室:✕
- ベビーカー利用:〇
- ベビーカー貸出:✕
- コインロッカー:✕
- 館内飲食店:✕
- 館内売店:〇
- 持ち込み:✕
<主なイベント・体験プログラム>
- 恐竜復元ワークショップ:不定期開催/500円
建物の壁を突き破って丹波竜が登場!
恐竜ファンの聖地ともいえる丹波竜化石工房「ちーたんの館」は、舞鶴自動車道の丹南篠山口ICから、のどかな里山風景の中を車で25分ほど走った場所にあります。到着後すぐに目に付くのが、インパクト大の建物の外観です。壁面を突き破って丹波竜が顔をのぞかせており、建物の側面には尻尾が飛び出しています。
ミュージアムの入口では、館のキャラクター・ちーたんがお出迎え!こちらは地層をモチーフにした可愛らしいキャラクターです。
丹波竜の実物大骨格標本とウォールマウントを観察!
丹波竜は正式名称をタンバティタニス・アミキティアエといい、2006年に丹波市山南地域で骨化石が発見された大型の恐竜です。竜脚類という種類に分類される丹波竜は、全長が約十数mで、長い首が特徴的な植物食恐竜です。日本で見つかった中では最大級の陸上生物で、恐竜の進化の歴史など、さまざまな方面の研究に役立つことが期待されています。
このミュージアムでは丹波竜の実物大の骨格標本の展示とあわせて、復元作業の状況がひと目で分かるウォールマウントも展示しています。これまでの発掘調査で保存状態の良い歯や背骨、肋骨などが発見されています。
恐竜の全身骨格標本がズラリ!
館内には、丹波竜以外にもさまざまな恐竜の実物大骨格標本が展示されています。写真のタルボサウルスは、後期白亜紀の終わりにモンゴルと中国に生息していたとされる、有名なティラノサウルスの一族です。
アメリカのユタ州で発見された鎧竜類の恐竜・ガストニアの全身骨格のレプリカです。鎧竜類はその名のとおり体の表面が鎧状の皮骨(皮膚の中にできる骨)で覆われている植物食恐竜です。
角竜類に分類されるズニケラトプスの全身骨格標本です。額に2本の大きな角があり、頭部の後ろ側に大きなフリルが備わっているのが特徴です。
大きな脳を持ち高い知能が備わっていたと考えられているデイノニクスは、身体的構造から運動能力もまた大変優れていたと考えられています。後肢の第2指に大きな鋭いかぎ爪を持つ肉食恐竜です。館内にはここで紹介したもの以外にもまだまだ多くの恐竜やその他古生物の骨格標本などが展示されているので、じっくり観察してみましょう。
発掘現場を再現した展示も!
展示品の中には、実際の発掘調査の現場を再現したものもあります。現地では2006年の大発見から約6年間に渡る本格的な発掘調査が行われました。
恐竜の化石が発見された丹波地域の大地や、大地の中に含まれる岩石の紹介などもあります。丹波市山南町周辺の大地には篠山層群という地層が分布しており、前期〜後期白亜紀に形成されたものだといわれています。
化石クリーニングの作業を見学
実際に本物の化石をクリーニングしている作業風景をガラス越しに見学することもできます。拡大鏡をのぞきこみながらのデリケートな作業は、見ているこちら側にも緊張感が伝わってきます。
丹波竜化石工房「ちーたんの館」ならではの体験にトライ!
●恐竜復元ワークショップ
館内では、恐竜の模型を作ったり、フィギュアを塗装したりして楽しみながら恐竜について学べるワークショップが不定期で開催されています。予約が必要ですので、公式ホームページでスケジュールと内容を確認してぜひ参加してください。
まだあるさまざまな体験展示!
●立体パズル
館内には立体パズルなどゲーム感覚で楽しみながら学べるコーナーもあります。
本物の恐竜の化石に触れることができる体験展示も人気です。
子連れにおすすめ!館内の立ち寄りスポット
フィギュアなど恐竜に関するさまざまなグッズが買える「ミュージアムショップ」。丹波竜に関するものをはじめ、その他の恐竜やマスコットキャラクター・ちーたんのグッズなども揃っています。
一番人気は丹波竜のフィギュアです。大小さまざまなものがあるので、チェックしてみてください。
- 【場所】ミュージアム入口
- 【営業時間】施設に準ずる
小さい子ども連れファミリーに嬉しい、施設や設備
館内にはオムツ替え台が設置された多目的トイレがあります。フラットなフロアでベビーカーも利用しやすいのも嬉しいポイントです。
子どもたちにとって、ロマンの対象として古くから大人気の恐竜。その本物の化石が発見された地で見る恐竜の全身骨格標本や、ウォールマウントなどの展示物は、子どもたちをよりリアルな世界へと誘ってくれることでしょう。恐竜が実際に存在した証を目の前にすることで高揚感が増し、興味の幅がさらに広がることも期待できます。丹波竜の化石が発見された現場に立ち寄ったり、スケジュールをあわせて発掘体験にもぜひ挑戦してみて。
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『るるぶKids こどもの知的好奇心がすくすく育つ学びスポット 関西』
子どもたちの知的好奇心を刺激してくれる“学びスポット”全83施設をピックアップ。図鑑などでもお馴染みの「恐竜」「動物」「昆虫」「宇宙」「乗り物」、日常の延長として親子のコミュニケーションを楽しめる「アート」「絵本・アニメ」「にほんの歴史」「学べる工場」を加えた9テーマに分けて紹介しています。
監修者である脳医学者の瀧 靖之先生、そして各テーマの“達人”たちと選んだ“学びスポット”は、どこも子ども心をくすぐる工夫にあふれた施設ばかり。また巻頭には、瀧 靖之先生による「知的好奇心の伸ばし方」も収録していますよ。
子どもの成長にとって大事な知的好奇心を育てるスポットの数々。本書を参考に家族でおでかけしてみませんか。