お手伝いも立派な「体験」⁈ 子どもの成長に効果大!「やらせる」から「やりたい」に変える方法

お手伝い

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「さまざまな体験を通して子どもは成長する」と聞くほど、どんな体験をさせればいいのかと親は悩みがち。教育専門家の中山先生のおすすめの体験は、ずばり「家のお手伝い」!子どもが主体的に、かつ成長につながるお手伝いにするためのヒントを教えてもらいました。

中山先生監修 中山芳一先生
1976年岡山県生まれ、3児の父。岡山大学准教授。専門は教育方法学。大学生のキャリア教育に加え、幼児から小中高生の非認知能力やメタ認知能力育成についても研究。新刊の『「やってはいけない」子育て 非認知能力を育む6歳からの接し方』(日本能率協会マネジメントセンター)のほか『学力テストで測れない非認知能力が子どもを伸ばす』(東京書籍)など、著書多数。

<こちらの中山先生の記事も参照!>

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目次(index)

1.「体験止まり」はもったいない! 体験を成長につなげるには?

体験「させる」ではなく、子どもが「やりたい」ことを

よく「子どもにどんな体験をさせたらいいですか?」と聞かれますが、体験ってなにも特別なことばかりではなく、日々のあそびも習いごとも家の中でのことも、すべてが体験といえます。

まずお伝えしたいのは、体験は親が子どもに「やらせる」ものではない、ということ。何を選ぶにしても、お互いに合意できていること、そして子どもが「やりたい」と思っていることが大切です。いくらお金をかけたり、遠出をしたりしても、親が一方的に強制したのものでは、子どもにとって成長につながる豊かな体験にはなりがたいんですね。

「体験」を成長につなげるには、「ふり返り」がマスト!

また、体験は量ではありません。「とにかくたくさん体験させなきゃ!」と量をこなしても、体験止まりにしてはもったいない!それよりも、ひとつひとつの「体験」を「経験」にかえることが大切です。具体的には、「その体験は、自分にとってどういう価値(いいところ)があったのかな」と、後から子ども自身がふり返って考えることです。そうすると自分の行動を客観的に見ることができ、体験が経験(学び)にかわり成長につながります。

「ふり返り」には〇〇がおすすめ

体験を経験にかえるのに、特におすすめしたい方法は「日記」。たくさん書く必要はなく、「今日の出来ごと」と「それについて思ったこと」を書ければ十分。自分のことを客観的に見る習慣づくりですね。しかし、ここでも親が強制的に「書かせる」のはNG。子どもが書きたくないという場合は、夕飯の時などに「今日はこういうことがあったね。どうだった?」など、ふだんの会話の中でふり返りをする習慣をつけましょう。

2.お手伝いだって、立派な「体験」。メリットもたくさん!

お手伝いって、ネガティブなもの?

お手伝いは毎日手軽にできるうえに、「これ以上の体験はない!」というくらいたくさんメリットがあります。「洗濯物をキレイにたたんだらお母さんが喜んでくれた」とか「片付けをしてから掃除をしたらスムーズだった」など、行動の価値に気づきやすい点も魅力です。

「お手伝い=子どもがいやがるもの」と決めつけずに、お手伝いは、親子にとって最高の体験なのだと、まずは親御さんが捉えてみてください。

お手伝いをするといいこと

  1. さまざまなスキルがアップする!
    家事では手や頭をよく使うため、手先が器用になったり、段取りや工夫、効率化を考えて行動ができるように。
  2. 親にたくさん褒められ、感謝される
    「仕事がていねいでびっくりしちゃった! 助かったよ、ありがとう」など、褒めと感謝をセットでもらえるのもお手伝いならでは!
  3. 大人になる前に、家の中で社会勉強!
    子どもはまず「自分」のことができるようになり、最終的には「社会」で働くようになります。この「自分」と「社会」の間にあるのが「家族」。家族のために働けるようになったら、次は社会のために…と、社会に出る前の練習にもなります。

子どものお手伝い、子は「当たり前」に、親は常に感謝を!

子どもにお手伝いをしてもらうと、親がうれしいのは言うまでもありませんね。それだけではなく、「こんないいところもあったのね」「こんな一面があったんだ」とわが子の新たな魅力を発見できることもあります。

もちろん成長につなげるには、子どもにとって「お手伝いすること」を当たり前にしていく必要があります。ですが、親は当たり前にせず、常に「有難し(ありがたい)」という気持ちを持って、感謝の気持ちを言葉にして伝えましょう。

3.お手伝いを「やらせる」から「やりたい!」にする声がけは?

子どものタイプ別、お手伝いしたくなる声がけ

そうは言っても、子どもが自主的に「お手伝いしたい!」とは、なかなかなりません。まずはお手伝いの入り口から。わが子はどんなタイプかな?と考えて、自らお手伝いしたくなるような声がけをしてみましょう。

●タイプ① 論理的思考タイプには…

「〇〇だから、やる責任がある」と論理的に説明する
(例)「あなたは〇〇家の一員だよね。チームのひとりとして(家の仕事をやる)責任を果たそう!」

●タイプ② やさしい・しっかりものタイプには…

子どもにSOSを出す!
(例)「家のことをひとりで全部やるのは大変なんだ。だから手伝ってくれるとうれしいな」

●タイプ③ 好奇心旺盛・甘えん坊タイプには…

一緒に楽しみながらやるというイメージを与える
(例)「お母さんと一緒に、〇〇(家の仕事)しない?」

「お手伝い=仕事」にする方法もあり!

子どもが「家事は親の仕事だから自分がやることではない」と思っている場合は、声がけくらいではびくともしないかもしれません。その場合は、お手伝いを「仕事」にしてしまうのもおすすめの方法です。家の仕事をするかわりに報酬(おこづかい)を得る。仕事とは本来そういうものなので、ひと足先に社会の仕組みを知ることもできて一石二鳥です。

「仮病ギミック」でやらざるを得ない状況をつくる

それでも「やらない!」という場合は、必殺「仮病ギミック」を使ってみましょう。その名の通り、大人が仮病を使うという方法です。家の中がキレイ、時間になるとごはんが出てくるといった「いつもの当たり前」をなくしたら、子どもだって自主的にやるしかありません。

これは極端な例かもしれませんが、子どもがお手伝いを始めるためのきっかけづくりは、いくらでもあります。「どうせ言ってもやらない」とあきらめる前に、ぜひいろいろな方法を試してみましょう!

4.お手伝いで「やり抜く力」を育てよう!

本当の意味での「やり抜く力」とは?

お手伝いをしている途中で子どもが飽きてしまうことも、もちろんありますよね。最初のうちは「ここまで手伝ってくれてありがとう」で終わらせてもいいのですが、最終的には「最後までやり抜く」ことを目指してほしいと思います。

「やり抜く」ためには、意欲や情熱が必要な一方で、「ここでやめたら家族を困らせる」という責任感や、「もうちょっと頑張ろう」といった忍耐力を持ち合わせていないとできません。そうしたときに役立つのは、最初にお話しした「ふり返り」や「日記」。ふり返りをすることで、子ども自身が客観的に考えることができるようになります。

「やり抜いた」経験が子どもの大きな自信になる!

「やりたくない」というネガティブな感情をコントロールしながら「やり抜く」のは大人でも難しいことですが、一度でも「やり抜いた」経験は子どもにとって大きな自信になります。親が見本となるような姿勢を見せたり、言葉で伝えたりしながら、子どもの「やり抜く力」を育んであげましょう。そして、ふり返りを習慣にして、お手伝いという「体験」をよい「経験」へと昇華させてあげてください。

5.お手伝いを「ホームプロジェクト」に! 家族みんなでミッションを達成しよう

お手伝いをゲーム感覚にして、家族みんなのイベントとして楽しむ方法もおすすめです。この夏、『るるぶkids』では、「夏のお手伝い ホームプロジェクト」を実施。お子さんの興味・関心を簡単な調査で診断し、個性に合った「ホームプロジェクト(お手伝い)」をご提案する楽しいプロジェクトです。モニターとして参加してくださる方を大募集します!詳細はこちら!ぜひご応募ください。

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» るるぶKids「夏のお手伝い ホームプロジェクト」