子どもが苦手になりがちな野菜には、苦い、辛いといった理由があることが多く、切り方や調理法のちょっとした工夫が実は大切。この記事では苦手野菜を克服できる調理法やレシピを、子ども料理研究家のごはんさんが伝授！
第五弾は、栄養満点だけど苦手な子も多い「にんじん」です。子どもが好きなしょっぱめ、甘めの味付けにしてあげるのが克服への第一歩！
子ども料理研究家 ごはん
予約のとれない訪問調理師として大人気。1500軒件以上のお宅を訪問し、好みやアレルギーの有無、家族構成に合わせた身体に優しい料理を日々提案中。
にんじん嫌いな子どもが食べるレシピを動画で紹介！
にんじんせんべい
にんじんスコーン
にんじん嫌いな子どもが多いのは、香りや土っぽい甘さ、歯ごたえから
にんじんの苦手ポイントは、香草に近い強い香りや土っぽさもある独特の甘み、鮮やかな色などさまざま。生ならゴリッとした固さ、もそもそとした歯ごたえ、加熱したものならグニュッとした柔らかさが苦手と感じる子が多いようです。大人向けの煮物や市販品は大きめのカットが多く、口に入らない、口いっぱいに広がるのが嫌という声も。
にんじんの克服ポイント 塩味もしくは甘みに振り切るのがコツ
■塩味をしっかりつける
にんじん独特の甘みは、子どもによっては、野菜らしくなく気持ち悪いと認知されてしまうようです。塩味をしっかり感じられるようにして、野菜という意識を高めて、食べやすくします。
■甘みをしっかりつける
上記と正反対ですが、甘みに振り切るのも手。大人は甘みと塩味のバランスや複雑な味わいを感じられますが、子どもは甘い、しょっぱいなどの単純な味付けから認知していきます。にんじんは野菜でありながらも甘みが強いので、中途半端に味付けすると混乱してしまうのです。にんじんを甘くする際は、しっかりと甘みを加えておやつ感覚にするのが◎。
■柔らかくする
芯の残った、ゴリッとした歯触りで苦手になってしまった子も多いかも。柔らかいと見た目でわかるように細切りにしたり、子どもがひと口で食べられるサイズにしたりして、とにかく食べやすくしてあげてください。
◆知ってる？にんじんが特産物の都道府県
各都道府県には特産物として知られる野菜がいろいろあります。旅行に出かけた時に、その土地の食べ物をおいしく感じるのは、気分だけではなく、作るのに適した土地で栽培され、採れたてで新鮮なものが多く出回っているため。いつもは苦手な食材も旅先で食べたり、産直センターなどで買ったり、通販で取り寄せてみたりすると、克服できるかもしれません。
＜にんじんの収穫量ランキング＞
1位：北海道
2位：千葉県
3位：徳島県
ごはんさんが伝授！子どもがにんじんをおいしく食べた！人気レシピ
これから紹介するのは、ごはんさんが実際に訪問調理先で子どもたちに大人気だったレシピばかり。「今まで全然食べなかったのにこれは食べてくれた！」という親御さんの声も多いのだとか。簡単に作れて、なるべく材料が少ないレシピを選定しています。
親子で一緒にできる工程には、写真にこのマークをつけています。子どもが自分で作ると、達成感から克服のきっかけになるかも！
1.にんじんせんべい
ピザ用チーズを敷き詰めたフライパンに、千切りにしたにんじんをたっぷりのせ、チーズが焦げてカリカリになるまで焼きます。ひっくり返すのも楽なので、迫力が出るフライパンサイズで作るのがおすすめ！
＜調理時間＞約15分
＜材料＞※親子4人分の目安です
にんじん 1本
塩 小さじ1/2
片栗粉 大さじ1/2
ピザ用チーズ 100ｇ
＜作り方＞
① にんじんはスライサーにかけるか、短めの千切りにする。塩を揉み込み、5分置いてキッチンペーパーで水気をよく絞り、片栗粉をまぶしておく。
② フライパンにピザ用チーズを入れて中火にかけ、大きな泡がふつふつするくらいチーズが溶けたら、①を上からまんべんなく散らす。
【ポイント】
チーズに油分があるので、基本的に油は不要です。くっつきやすいフライパンの場合は、ちょっとだけ油を入れてください。
③ 下のチーズが固まって、とろっとした感じがなくなったらひっくり返し、フライ返しで押し付けるようにして3分焼いたら完成。
【ポイント】
押し付けることでパリパリ感がアップ！おやつ感覚で食べられるおかずになります。
2.にんじんスコーン
すりおろしたにんじんと米油、ホットケーキミックスだけで作る簡単スコーン。子どもが大好きなチョコチップ入りです！にんじんはかなりの量を使いますが、子どもが苦手とするえぐみはありません。
＜調理時間＞約20分
＜材料＞※親子4人分の目安です
にんじん 120ｇ
米油 大さじ4（サラダ油でも可）
ホットケーキミックス 250ｇ
チョコチップ 15ｇ
＜作り方＞
① にんじんはよく洗って、皮付きのまますりおろし、軽く水気を絞る。
② ボウルに①と米油を入れて混ぜ合わせてから、ホットケーキミックスを入れ、ゴムベラで切るようにさっくりと混ぜ合わせる。生地がまとまってきたらチョコチップを入れる。
【ポイント】
さっくりとした食感を出すために、油を入れます。米油がない場合はサラダ油でも問題ありませんが、オリーブオイルだと苦みが出てしまうので要注意。
③ 生地を12～15個程度に分けて丸め、1200wのオープントースターで、15分焼いて完成。
【ポイント】
子どもと一緒に丸める作業をしてみて！きれいに丸めすぎない方が、表面がカリカリになっておいしいので、実は子どもの手の方が向いています。チョコチップは製菓用の溶けないものでも、溶けるものでもどちらでもOK。板チョコを入れてもおいしいですよ。
また、焼く時間は目安なので、様子を見ながら調整してください。
カリカリのチーズ焼きと、おやつにぴったりのスコーン。チーズの塩気や甘いおやつ感覚のメニューで、にんじんが苦手な子も喜んで手を伸ばしてくれるはず！
子どもが食べる野菜レシピ！リンク
ピーマン／トマト／なす／玉ねぎ／にんじん／しいたけ／ほうれん草／ゴボウ／小松菜／ブロッコリー
