雲にはさまざまな色や形があり、その形とできる高さで大きく10種類に分けられます。このような雲の分類の仕方を「十種雲形(じゅっしゅうんけい)」と言います。今回はその中でも上層雲の「巻雲(すじ雲)」について詳しく解説します。

巻雲とはどんな雲? 特徴は?

巻雲とは空の高いところにでき、透き通った薄い雲のことです。同じ高さにできる巻積雲とは異なり、ほうきで掃いた跡や鳥の羽根のような形のものや、チョークで黒板に線を引いたかのような形のものなど線状の形が多いのが特徴です。名前や別称については、後程くわしく解説します。
巻雲の特徴
●高さ
空の一番高い所(対流圏上部、高度約5,000~13,000メートル)のところに現れます。
●成分
上空は氷点下(-25℃~-40℃以下)の猛烈な寒さのため、すべて氷の粒(氷晶)でできています。
●見た目
ほうきで掃いた跡やチョークで線を引いた模様など、線状の形が多いです。
●天気への影響
低気圧の温暖前線が近づくと真っ先にできる雲なので、雲が時間とともに濃くなっていくと、そのあと天気が下り坂になる可能性があります。
巻雲はどうやってできるの?
巻雲は、上空の空気が上昇して冷却される過程で、水蒸気が直接氷に変わる昇華によって形成されます。氷晶は落下しながら上空の風に流され、刷毛で描いたような細長い形状や羽根状の模様を作ります。このため、地上から見るとふわっとした繊維状の雲として観察されます。
巻雲の影響は? できると天気はどうなる?
巻雲は直接雨を降らせることはありませんが、前線面付近や低気圧の上空で発生することが多く、天気の変化の前兆として観察されることがあります。濃密な巻雲が増える場合は、天気が下り坂になる可能性がありますが、通常は数時間から12~24時間程度は晴天が続くことが多いです。
巻雲の別称は?「すじ雲」「はね雲」「しらす雲」など
巻雲はいろいろな別称が付いていますが、巻雲の別称で一般的に広く知られているのが「すじ雲」です。刷毛で描いたように細長く、透き通った白色が特徴です。そのほか、鳥の羽や筋のような形に由来した「はね雲」、天気が下り坂になる時に現れることから「知らす(雨を知らせる)雲」という意味で「しらす雲」などとも呼ばれます。
写真で見る! さまざまな形の巻雲
同じ「巻雲」でも、実は形によってさらに細かく分類されています。写真で見ると、どうしてその名前になったのかが分かりやすいですね。
放射状巻雲

画像提供:PIXTA
放射状巻雲とは、巻雲が地平線の先の一点から扇状にパッと広がっているように見える現象です。雲自身が放射状に発生しているわけではなく、空の中でほぼ平行に並んでいます。
毛状巻雲

画像提供:PIXTA
刷毛や筆でサッと払ったような、先端が曲がっていない直線やゆるやかなカーブが特徴の雲です。天気の下り坂のサインとして見られることがあります。
かぎ状巻雲

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すじの先端が、釣り針やフック、コンマ(,)のようにキュッと曲がっている雲です。風によって氷の粒が流され、落ちていく途中で風の強さや向きが変わることで、このような特徴的な形になります。
もつれ状巻雲

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白い糸くずや毛糸がぐちゃぐちゃにからみ合ったような、不規則なすじ状の形をした雲のことです。上空の風が比較的弱く、かつ少し乱れて不規則な動きのときに現れやすい雲です。
房状巻雲

画像提供:PIXTA
房状巻雲は、雲の形が房のように丸みを帯びたものがコロッと集まっているのが特徴です。上空の風が比較的穏やかなときに現れやすい雲です。
雲の種類は10種類ある!巻雲と他の雲の違いは?
雲はできる高さやその形で大きく10種類に分けられます。それぞれの違いは、下記記事をチェック!
▼雲の種類は10種類ある!それぞれの特徴・高さ・天気との関係を解説!
こうして雲の詳細を調べてみると、昔の人が雲を見ながら、いろいろと想像して名前を付けていたのが分かりますね。家族で雲を眺めながら、それぞれ新しく名前を考えるのも楽しそうです。

