昭和のくらし博物館(東京都・大田区)で、昭和30年代の庶民の暮らしを体感!

昭和のくらし博物館(東京都/大田区)

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知的好奇心がすくすく育つ学びスポット!
「昭和のくらし博物館」は1951年(昭和26)に建てられた古民家を、そのまま残した”暮らし“の資料館。大人には懐かしい昭和の住宅も、子どもにとってはテレビや絵本のなかでしか見たことがないもの。ちゃぶ台や火鉢が置かれた茶の間、すり鉢や桶が並ぶ台所、井戸を備えた中庭など、どれも新鮮に感じられることでしょう。館内の展示は季節ごとに変えられ、現代の生活風景と比べられるのが面白い。食卓に並んだ料理や子ども部屋のおもちゃなど、子どもが等身大の視点で昭和の暮らしを体感できる工夫が随所に見られます。

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目次(index)

子どもの知的好奇心は身近な“学びスポット”で育む!

子どもの脳の発達の原動力となり、将来の可能性を広げてくれるのが知的好奇心。その知的好奇心を育むスポットは東京周辺にたくさんあります。脳医学者の瀧 靖之(たき やすゆき)先生、そして宇宙・動物・昆虫・アートなどの各テーマの“達人”たちと選んだ東京周辺にある “学びスポット”を紹介します。どこも、「知るのが楽しい!面白い!」と思わせてくれる、工夫にあふれた施設ばかり。コロナ禍が続くいまだからこそ輝く身近な“学びスポット”へ出かけてみませんか。

瀧 靖之(たき やすゆき)先生監修:瀧 靖之(たき やすゆき)先生
東北大学加齢医学研究所教授
医師。医学博士。東北大学加齢医学研究所および東北大学東北メディカル・メガバンク機構で脳のMRI画像を用いたデータベースを作成し、脳の発達や加齢のメカニズムを明らかにする研究に従事。読影や解析をした脳MRIはこれまで16万人以上にのぼる。

知的好奇心で培われる、8つの“育つ力“

育つ力:各種

子どもの知的好奇心を刺激することで培われる力を、瀧 靖之先生が8つ選定。「洞察力」「思考力」「想像力」「発想力」「思いやり」など、施設ごとに“育つ力”を付記しました。

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昭和のくらし博物館で育つ子どもの力

知的好奇心が育つと、子どものどんな力が育つのかをチェック!昭和のくらし博物館では、とくにどんなところが子どもの知的好奇心をくすぐるのでしょう?

育つ力:洞察力育つ力:想像力育つ力:思考力育つ力:語彙力

建物だけでなく、なかの家財道具もそのまま公開されているので、戦後の庶民の暮らしぶりが自然とイメージできます。「このスペースは何のため?」「この道具は何に使ったの?」など考える力も伸びそう。玄関脇の書斎やちゃぶ台を中心とした茶の間、日当たりのよい子ども部屋など、現代との違いを探してみましょう。

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昭和のくらし博物館ってこんなところ!

昭和のくらし博物館(東京都/大田区)

東急池上線久が原駅から徒歩8分の、閑静な住宅街のなかに立つ昭和のくらし博物館。昭和26年に建てられた小泉家の住宅がまるごと博物館になっており、家電が登場する前の昭和30年代の暮らしの知恵を体感できます。戦後に住宅金融公庫の融資を受けて建てられた約18坪の主屋は国の登録有形文化財です。館長は小泉家の長女で、生活史研究家の小泉和子さん。両親と娘4人が暮らした昭和の息吹が感じられます。

所要:1時間30分
おすすめの年齢:6歳~

住所 東京都大田区南久が原2-26-19
電話 03-3750-1808
営業時間 10~17時(金~日曜、祝日のみ開館)
定休日 月~木曜(祝日は開館)※9月上旬に臨時休館あり
料金 500円(小学~高校生は300円)※併設の画家吉井忠の部屋は400円(中学~高校生は200円)、2館入館割引700円(中学~高校生は400円)
アクセス 東急池上線久が原駅または東急多摩川線下丸子駅から徒歩8分
駐車場 なし

<施設データ>

  • 子ども用トイレ:
  • おむつ替え:
  • 授乳室:
  • ベビーカー利用:
  • ベビーカー貸出:
  • コインロッカー:
  • 館内飲食店:
  • 館内売店:

おすすめのアクセス方法は?

東急池上線久が原駅または東急多摩川線下丸子駅から徒歩8分。スロープがありベビーカーでも移動できます。昭和のくらし博物館は住宅地のなかにひっそりとたたずむ古民家なので、向かう途中にある案内を見落とさないように注意して。
駐車場はないので、車の場合は周辺のコインパーキングを利用します。一方通行の道路が多いので、カーナビにあらかじめ最寄りのコインパーキングを設定しておくと安心です。

おすすめの遊び方

展示室は18坪の本館(主屋)と新館からなり、それぞれ1階と2階に部屋があります。本館の玄関から入るとすぐに書斎があり、奥に茶の間、台所、座敷が並ぶ間取り。本館の2階に子供部屋と企画展示室があり、新館の2階には小泉家の次女、小泉知代さんのグラフィックデザインなどの作品が展示されています。展示をていねいに見て、談話室や縁側、中庭などでのんびり過ごす時間も含めても1時間~1時間30分ほどを考えておけばよいでしょう。
希望をすればスタッフが館内を案内してくれます。家を建てたときのエピソードや小泉家の姉妹の関係などが聞け、展示がより楽しく見られます。

玄関脇にあるレトロモダンな書斎

応接間を兼ねた書斎/昭和のくらし博物館(東京都/大田区)

玄関の引き戸を開けると、脇にあるのは応接間を兼ねた書斎。和洋折衷の6畳ほどの空間は、建築技師だったお父さんの小泉孝さんが自ら設計したものです。机や椅子、本棚などの家具も、孝さんが家に合わせて設計したものだそう。

机上の道具類/昭和のくらし博物館(東京都/大田区)

机がまたおしゃれなんです。すべて手書きの時代、細かい作業が求められる建築技師の道具へのこだわりが垣間見られます。机の脇からサイドテーブルを引き出せたり、本棚の後ろを収納スペースにしていたり、小さな家ならではの上手なスペース使いが印象的。見学した人から、この机を譲って欲しいなんていわれることもあるのだそう。

靴箱/昭和のくらし博物館(東京都/大田区)

玄関を入って左側は書斎ですが、右側には靴箱があります。中をのぞくと草履や下駄が並び、傘立てには竹の骨に紙を張った蛇の目傘が見られます。時代劇のワンシーンのような、そんな風情のある玄関です。

生活の中心となる茶の間

茶の間/昭和のくらし博物館(東京都/大田区)

暖簾をくぐると家族団らんの部屋、茶の間があります。畳の上に座布団に囲まれたちゃぶ台が置かれ、脇には鉄瓶をのせた火鉢も。小さな部屋ですが、居心地のよいおさまり感。夜はちゃぶ台を片付け寝室として使っていました。

卓上の日常食の一例/昭和のくらし博物館(東京都/大田区)

卓上には戦前の日常食の一例として、朝食、昼食、夕食がのっています。主食は朝・昼・晩ともご飯で、麦飯のことが多かったよう。素朴ですが一汁一菜のバランスが考えられており、何よりもおいしそう!

台所/昭和のくらし博物館(東京都/大田区)

茶の間の隣にあるのは台所。棚や壁など限られたスペースを有効に使って、収納に工夫をこらしていました。床下にも収納スペースがあり、炭などがしまわれています。温もりが感じられる道具をひとつずつ見るだけでも面白い!
ガスや水道がなかった時期は、土間にあった井戸やかまどで調理をしていたそうです。

2階の子供部屋は夢が詰まった宝部屋

子供部屋/昭和のくらし博物館(東京都/大田区)

主屋の急な階段を上った左側にあるのが、小泉家の4人姉妹が過ごした子供部屋。4畳間に昭和初期のおもちゃや人形などが展示されています。
年配のお客さんが雑誌の付録を見ながら懐かしそうに「これでよく遊んだわ♪」なんて話していて、子どもも大人も楽しめる博物館であることを実感。子どもたちが描いた絵も飾ってあって、なんだかほっこりします。

子供部屋/昭和のくらし博物館(東京都/大田区)

取材時はほかの家から寄贈された人形が展示されていました。手作りの洋服がずらりと並び圧巻!華やかなドレスやかわいい浴衣も細かいところまでていねいに作られていて、思わず見入ってしまう素敵なコレクションでした。

個性的な企画展も楽しみ

企画展示室/昭和のくらし博物館(東京都/大田区)

季節ごとに館内の生活風景を変えるほか、昭和の庶民生活をテーマにした企画展や美術・工芸の特別展を開催。2階の奥にある、下宿人が暮らしていた部屋が企画展示室になっています。
取材に訪れた日は、戦時中の暮らしをテーマにした企画展が開催されていました。「平和の大切さ」を伝えるのもこの博物館のテーマのひとつ。戦時中の食事や防空壕のレプリカが見られるほか、実際に使われていた生活用品なども展示されています。

ほかにも知的好奇心をくすぐる貴重な体験の数々!

●縁側のある中庭でのんびり

土間があった場所/昭和のくらし博物館(東京都/大田区)

外に出たら、主屋の脇に回ってみましょう。台所の横あたりに物が置かれており、ここは土間があった場所。かまどで煮炊きをしたり、井戸で水を汲んだりしていました。主屋との間のスペースに棚が作られ七輪や炭などが置かれているほか、隙間を上手に使って工具入れを設けているのも生活の知恵です。

縁側のある中庭/昭和のくらし博物館(東京都/大田区)

柿の木が枝を広げた中庭は、晴れた日には縁台が並べられ、のんびり過ごすのにぴったり。談話室の前には縁側があり、これも子どもにとってはテレビでしか見たことがないシーンです。竹馬やぽっくり、フラフープ、お手玉など昔ながらのおもちゃも置いてあります。

手押し式の井戸ポンプ/昭和のくらし博物館(東京都/大田区)

玄関の横には手押し式の井戸ポンプがあります。後ろには洗濯板とたらいやひしゃくもありますね。これも子どもにとっては新鮮な道具かもしれません。
実際にポンプで水をくんで、洗濯の体験をすることもできます。現在の水は水道水のくみ上げですが、本当の井戸水は今でも土間にある蛇口から出てくるそう。夏は冷たく、冬は暖かい便利な井戸水です。

子連れにおすすめ!館内の立ち寄りスポット

昭和のくらし博物館は小さな施設ですが、受付にミュージアムショップがあります。子どもが喜びそうなおもちゃも売られているので、のぞいてみてくださいね。

●ミュージアムショップ

ギフトショップ/昭和のくらし博物館(東京都/大田区)

ミニギャラリーを兼ねたギフトショップ。館長の小泉和子さんの著書をはじめ、昭和の暮らしに関わる本が置かれています。近所の大工さんが作る布ぞうりや着物の端切れで作った巾着袋、昔ながらのおもちゃなども販売。

セルロイド作家の平井栄一さんが作る人形/昭和のくらし博物館(東京都/大田区)

こちらはセルロイド作家の平井栄一さんが作る人形。昭和30年代まではどこでも見られたセルロイドのおもちゃですが、現在、セルロイドで人形を作っているのは平井さんだけだそうです。貴重な作品は、平井さんのホームページとこの博物館でしか買えません。

  • 営業時間:博物館と同じ
  • 定休日:博物館と同じ

小さい子ども連れファミリーに嬉しい、施設や設備

トイレのドア/昭和のくらし博物館(東京都/大田区)

玄関を入ってすぐにトイレがあり、洋式なので子どもでも安心。おむつ交換台や授乳室はありませんが、お客さんが少なければ、空いた部屋に案内していただけるかもしれないので相談してみましょう。

談話室/昭和のくらし博物館(東京都/大田区)

こちらは中庭に面した談話室。子どもが見学に疲れたら、ここで休憩することもできます。

昭和のくらし博物館は、子どもには新鮮な発見があり、親にとっては懐かしさが漂う場所。親子、もしくは3世代で訪れてもみんなが楽しめる博物館です。現代と昭和の暮らし、道具などを比べてみるのも楽しそうですね!

●掲載の情報は予告なく変更になる場合があります。おでかけ前に各スポットへご確認ください。
●旅行中は「新しい旅のエチケット」実施のご協力をお願いします。

『るるぶKids こどもの知的好奇心がすくすく育つ学びスポット 東京周辺』

るるぶKids こどもの知的好奇心が”すくすく”育つ学びスポット 東京周辺

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監修者である脳医学者の瀧 靖之先生、そして各テーマの“達人”たちと選んだ“学びスポット”は、どこも子ども心をくすぐる工夫にあふれた施設ばかり。また巻頭には、瀧 靖之先生による「知的好奇心の伸ばし方」も収録していますよ。

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