新たに開発が進む神戸市中央区のウォーターフロント・新港突堤(しんこうとってい)。大手通販会社のフェリシモが新社屋Stage felissimo 2階に、2021年10月、「felissimo chocolate museum(フェリシモ チョコレート ミュージアム)」をオープンしました。新しいステージの創造を目的とした、日本初となるチョコレートをテーマとしたミュージアム。さっそく行ってみましょう!
フェリシモ チョコレート ミュージアムって?
チョコレートを「しあわせの象徴」として発信してきたフェリシモ。人々に愛され、人々を笑顔にするチョコレートや原料のカカオの可能性をユニークな視点で新たな価値を発見できる場にしていこうとオープンしたのが「フェリシモ チョコレート ミュージアム」です。
ミュージアム入口(フェリシモ本社(西側) Stage Felissimo 2F)
フェリシモで1996年から取り組んでいるプロジェクトが「幸福(しあわせ)のチョコレート」。世界中から輸入した250ブランド、2500種ものチョコレートを「LOVE&THANKS基金」付き商品として販売し、利益の一部をカカオ農家の経済的支援や児童労働をなくす活動の支援に充てるもの。こういった活動も行っているのです。
ミュージアムへのアクセス・予約方法は?
「新港町」停留所に到着のポートループ
【公共交通】
電車:JR三ノ宮駅または、阪急・阪神神戸三宮駅各西口から徒歩約20分。
バス:ポートループ・神姫バスに乗車の場合は、三宮駅前の神戸阪急北側のバス停三宮駅前からポートループ・神姫バスで8分、バス停新港町下車徒歩約3分。
【車】
阪神高速3号神戸線「京橋出入口」から約1分。
※専用駐車場はありません。近隣のコインパーキングを利用しましょう。
例)タイムズ神戸新港町(駐車台数約400台)
ミュージアム入口の印象的なロゴ。ロゴにあしらわれた「CHOCOLATE」の文字は、宝石のように美しいチョコレートのひと粒、ひと粒を表現し、全体で宝石箱のようなパッケージの姿を現している
ミュージアムの観覧には、事前予約とチケットの購入が必要です。フェリシモチョコレートミュージアムの公式サイトから予約しましょう。
» 公式サイトから予約・購入
※観覧日の30日前の0時から予約・購入が可能です。
※平日・月~金曜の16時から1日1回のみ、ミュージエンヌ(ミュージアムスタッフ)によるミュージアムガイド(約20分・無料)が実施されています。希望する場合は、16時に予約をし、当日に受付でガイドの申し込みをしましょう。
- 料金:一般1500円、学生(中学・高校・大学生)1200円、小学生500円、小学生未満無料
※2022年9月21日までは開館記念価格(一般1000円、学生800円、小学生300円)
隣接するátoaと回るお得なチケットもチェック
写真左がフェリシモチョコレートミュージアム、右がátoa(アトア)
チョコレートミュージアムのすぐ隣には、複合文化施設「神戸ポートミュージアム(略称:KPM)」があり、1階がフードホール、2~4階が新感覚の都市型水族館「átoa(アトア)」になっています。両施設の入口は2階通路をはさみ向かい合わせのため移動も便利。
チョコレートミュージアムの予約サイトからは、チョコレートミュージアムとátoa(アトア)への入場がセットになったプレゼント付きのお得なチケットが購入できます。
KPMの1F フードホール「TOOTHMART」
チョコレートミュージアムの所要時間は撮影しながらゆっくり回って1時間弱。オープンと同時に入るとちょうどランチタイムです。KPMのフードホールで食事をして、午後にゆっくり「átoa(アトア)」を楽しむのもおすすめです。(アトア所要時間は1時間半~2時間です)
átoa(アトア)の取材記事
» 神戸の新しい劇場型アクアリウム「átoa(アトア)」って?見どころ・所要時間・ランチなど
オブジェや1万3000点超えのパッケージコレクションに圧倒
エリアの中央に置かれた大きなオブジェ
チョコレートミュージアムの館内は8つのエリアで構成されています。ミュージアム最初の展示エリア「prelude(プレリュード)」に入ると、出来立ての高級ミルクチョコレートのような優しく甘~い香りが、全身を心地よく包みます。照明を抑えた部屋は、チョコレートの館に迷いこんだような不思議な気分に。
オブジェの下からのあかりでより神秘的に
中央には、「日常」から「チョコレートの世界」へと気持ちを切り替えるインスタレーションが展示されています。ポリエチレンという物質を特殊な技法で糸状にして成型したアーティスト・木村浩一郎氏の作品。うつわ状のオブジェの中には、カカオ豆の種皮(カカオハスク)が盛られています。
アート作品なので手を触れるのは禁止ですが、全館写真撮影OKです。触れる代わりにさっそく、パチリ!
バレンタインというギフトスタイルは、1932年にモロゾフからスタート
常設展「creative walk(クリエイティブ ウォーク)」では、「Morozoff ―90年の記憶―」と題して、神戸のチョコレートブランド、Morozoff(モロゾフ)社のアーカイブより、創業から現在までの代表的なパッケージが展示されています。
通路をはさんで両サイドに設置された展示ケース。左側には、90年間にわたるMorozoffの歩みが、右側には2021、2022年の最新のパッケージが年代順に並びます。
ここでしか見られない、創業当時の一点ものの木の箱のパッケージから始まり、アルミ缶から紙のパッケージへと進化。どれも凝ったデザインや面白い形のものばかり。時代ごとの流行や人々のニーズが反映されています。
最新のパッケージでは、人気のアートやデザイン、キャラクターなどとコラボレーション。これまでと印象が違いますね。
次は企画展の「art square(アート スクエア)」 のエリア。チョコレートやそのルーツであるカカオに関連する様々なアート作品などが展示されます。
2022年9月25日まで展示されているのは、イタリアのアーティスト、Valerio Berruti(ヴァレリオ・ベッルーティ)氏の「AMAI(アマイ)」と題された作品です。AMAIは、イタリア語の「愛(いと)おしい」と日本語の「甘い」というダブルミーニングを表現。
ベッルーティ氏は、カカオ豆を運搬する際に使用されるジュート(黄麻)をキャンバスとして、「子ども時代」をテーマとしたフレスコ画を多く描いています。
この展示のために、チョコレートバーを包むアルミ箔に自身の愛娘を描いた新たな作品を製作。日本の文房具に興味があるというベッルーティ氏本人が日本で選んだ筆ペンで描きました。
art square(アート スクエア)のとなりは、天井までガラス張りになった「チョコレートやパッケージに関する書籍のエリア」。ここにおかれた本は、自由に手にすることができ、子どもが読める絵本もあります。
ミュージアムのメインとなる展示エリアが「symphonic forest(シンフォニック フォレスト)」。世界中のチョコレートパッケージ500種以上、1万3000点以上が収蔵されています。一般的なミュージアムではバックヤードとなる「収蔵庫」を可視化し、天井までびっしり並ぶ個性豊かなパッケージに圧倒されます。
パッケージの素材やデザイン、イラストからは、チョコレートが製造された時代や各国の特徴、流行などが見て取れます。
パパやママが昔食べていた懐かしいもの、可愛いらしくキュートなもの、オシャレなもの、珍しいもの、どんどん変わりゆくチョコレートパッケージを見ていると、時間を忘れてしまいそう。
背丈よりも高い展示ケースは、定期的に入れ替えが行われます。企画展が変わるたびにミュージアムをリピートして、新たなパッケージとの出会いを楽しむのもいいでしょう。
メイン展示室の中央に設置された「island gallery(アイランド ギャラリー)」では、「6 Essences(6エッセンス)―チョコレートを表現する6人の知覚―」と題された企画展(~2022年9月25日)が行われています。
世界で活躍し続ける日本人ショコラティエやカカオプロデューサー6名の、おいしいチョコレート作りに欠かせない思想・哲学、道具やアイテム、ルーティンワークなどを展示。少し驚く意外なもの展示されています。楽しみながら鑑賞しましょう!
<6名のショコラティエ・カカオティエ>
- 三枝 俊介氏(PALET D‛OR)
- 吉野 慶一氏(dari K)
- 辻󠄀 口 博啓氏(LE CHOCOLAT DE H)
- 土屋 公二氏(MUSÉE DU CHOCOLAT THÉOBROMA)
- 小山 進氏(PATISSIER eS KOYAMA)
- ユミコ サイムラ氏(Yumiko SAIMURA Piccola Pasticceria)
アイランド ギャラリーの壁面に書かれた「Magic spells(マジック スペルズ)」。ショコラティエやチョコレートを愛する人々から、ミュージアムに寄せられたチョコレートへの想いや、映画や小説、詩などに登場するチョコレートにまつわる言葉が紹介されています。よくテレビでも見かけるタレントさんのメッセージも。知っている人はいるかな?
来場者参加型のイベントも開催!
館内で行っている参加型のイベントが「パッケージハンティング」。受付横とアイランドギャラリーの壁に貼られたポスターの写真と同じパッケージを収蔵庫の中から見つけましょう。
ハンティング対象のパッケージには合言葉が添えられています
収蔵庫で見つけたパッケージに添えられた「合言葉」を覚えておいて、出口でミュージエンヌに合言葉を伝えるとプレゼントがもらえます。(定期的にハンティング対象物は変わります)
前述した「書籍エリア」横の白い壁一面に設置された、「巨大チョコ」のフォトスポット。館内で一番の人気スポットがこのエリア。SNS映えするとほとんどの人が足を止めます。
チョコレートのかけらにはマグネットの仕掛けが。好きなかけらを丁寧に剥がして色々なポーズで撮影を!
無事に撮影が終わったら、もとのように戻しましょう。
ミュージアムのパッケージコレクションに参加しよう
チョコレート寄贈BOX
収蔵されたパッケージは、チョコレートの製造関係者だけでなく、チョコレートを愛する個人の方々から寄贈されたもので成り立っています。寄贈は常時受け付け中。協力したい方はミュージアムを訪れる際にこのBOXに寄贈するか、ミュージアムの公式サイトから参加しましょう!
» 公式サイト:お手持ちのチョコパッケージで、あなたもミュージアムづくりに参加しませんか?
ミュージアムショップ、人気のお土産は?
最後のエリアは、「museum holic(ミュージアム ホリック)」というミュージアムショップ。展示に関係するショコラティエの方々やミュージアムオリジナルのチョコレート、企画展に関連した期間限定のグッズなどさまざまなアイテムを購入できます。
カラフルな可愛いパッケージの板チョコやおしゃれなデザインのブランドチョコまで、お土産やプレゼントにピッタリ。どれを買おうか迷ってしまいます。もちろんお味もバッチリです!
ミュージアムロゴが入ったランチトートバッグ(2750円)や、エコバッグ(2530円)も人気だそう!
館外の「ギャラリー」にも立ち寄って
ミュージアムを出ると目の前にあるのが、フェリシモ商品の「ギャラリー」のコーナー。フェリシモが「最大級で最大級のしあわせ」を理念に創り出すアイテムの中から、数ヶ月ごとに変わるテーマやコンセプトに沿った素敵な商品が展示されています。
筆者が訪れたこの時期は、「YOU+MORE!(ユーモア)」という造語で最上級の「ユーモア」を表現した、自然といつもの生活に笑いや笑顔がもたらされる、ユーモアたっぷりの楽しいアイテムがたくさん並んでいました。
触りごこちや抱きごこちがよい動物のぬいぐるみや、カラフルで可愛いパラソル、雑貨など。この空間にいるだけでも笑顔になってしまいます。
ここでは商品は買えませんが、商品横に置かれた2次元バーコードを読み取って、その場でオーダーができるシステムです。ほしいアイテムが見つかれば、手荷物にならず購入でき、後日おうちに届くのでサプライズ感もあって嬉しいですね!
1階へ続く階段
ミュージアムのトイレは1階にあるため、利用する場合は一度ミュージアムから出ます。当日の再入館は可能なので、受付でチケット裏にスタンプを押してもらいましょう。
階段かエレベーターで1階へ。多目的トイレには、おむつ交換台やベビーチェア、フィッティングボードなどが設置されているので、乳幼児や子ども連れのママも安心です。
チョコレートミュージアムのすぐ目の前には、大型客船やフェリーが行き交う海があり、西側には、ハーバーランドやメリケンパークが広がる素晴らしいロケーション。
大人も子どもも満足できる楽しい一日を、神戸のベイエリアでゆっくり過ごしてみませんか?
■felissimo chocolate museum(フェリシモ チョコレート ミュージアム)
住所 | 兵庫県神戸市中央区新港町7-1 Stage Felissimo 2F |
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問合先 | 078-325-5767 |
営業時間 | 11~18時(入館は17時30分まで) |
定休日 | 年2回の展示替えの時期と年末年始 |
料金 | 一般1500円、学生(中学・高校・大学生)1200円、小学生500円 小学生未満無料 |
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