「瞬足を履くと、いつもより速く走れそうな気がする」と、子どもたちから絶大な人気を得る『瞬足』シリーズ。「なぜ速く走れるのかな?」と、靴のことをもっと知りたくなりますよね。瞬足には、そのカッコいい名前のとおり、実際に“思いっきりゴールを目指せるように”と込められた思いがあります。『瞬足』シリーズを作るアキレス株式会社で瞬足のマーケティングを担当されている渡邉さんに、瞬足の秘密をお聞きしました。
<お話を聞いた方>
アキレス株式会社 シューズ事業部 渡邉岳慶さん
昨年5月に20周年を迎えた『瞬足』。渡邉さんは、「10年後20年後も愛されるブランド」を目指し、各種イベントの実施やブランドの周知に力を入れている。
小学生の口コミから人気に火が!
今や小学生の定番シューズといっても過言ではない『瞬足』。昨年、累計販売数が8000万足を突破するなど、発売から20年以上たった今も人気が衰えることはありません。
「実は発売当初はあまり売れなかったんです。でも、おもちゃのようなデザインや漢字を使ったネーミング、“コーナーで差をつけろ“というキャッチコピーから、徐々に小学生の子どもたちや、お母さんたちの間で話題にしてもらえるように。ちょうどブログが流行り始めた時期で、“運動会の靴は瞬足がいいらしい”という口コミが広がったことが大きかったですね。」
なぜ速く走れるの?商品開発の秘話
『瞬足』といえば「速く走れる」というイメージが根強いですが、もともとは「転ばずに走り抜く」ために作られた靴だといいます。
「当時の開発担当者が自分の子どもの運動会を見に行った時、リレー競技のコーナーのところで転んでしまった子がいたそうです。日本の学校の校庭は狭くカーブが急なので、曲がるときにバランスを崩しやすい。そこで、“ゴールまで力いっぱい走り抜ける靴を”という思いで開発されたのが『瞬足』なんです。」
コーナーで減速せずに走り抜く!左右非対称ソールとは?
「日本の小学校のコーナー走は左回り。このコーナリングでしっかり踏ん張れるようにと開発されたのが、瞬足最大の特徴である〝左右非対称ソール”です。“右足の内側”と“左足の外側”に配置されたスパイク(突起)がグリップ力(地面に食いつく力)を発揮することで、バランスを崩しやすい場所でもスピードを落とすことなく安定して走れる。これが“コーナーで差がつく”理由です。」
今は定番ソールをはじめ、よりグリップ力を強化したものや、コーナーでの安定性を高めたものなど、デザインも機能もさまざまに。左右非対称ソールだけではなく、左右対称ソールもあります。
運動会で勝つ!『瞬足』で力を発揮するため3つのポイント
- 正しいサイズを選ぶ
長さだけでなく、幅もチェック! - 正しく履く
かかとをトントンとフィットさせ、しっかりとベルトをしめよう! - 履きなれた靴で
運動会の本番直前に新調するのではなく、ある程度履きならした靴で本番を迎えよう!
子どもの成長は早いので、どうしても「大きめのサイズの靴」を買ってしまいがちですが、靴の中で足が前後に動いてしまっては、『瞬足』の持つグリップ力が存分に発揮できないそうです。
「きちんと足に合った靴を履くことは、運動のパフォーマンスをあげるうえでも、健やかな足の成長のためにも、とても大切です。アキレスでは、お客様に適切な靴のサイズを知ってもらうために、年に数回、販売店で足の測定会を行っています。データを見ると、20年前と今の子どもの足の形は異なるし、成長に伴ってサイズはもちろん足の形状も変わることがわかります。集積したデータをもとに、今の時代や成長に合ったサイズ展開やソールの種類を開発しているので、一番フィットする“自分サイズ”の靴を選んでいただくと、『瞬足』の力もより最大限に生かされるはずです。」
足のサイズというと、長さばかりに気がとられがちですが、足幅もとても大事!正しいサイズや履き方を知るには測定会に足を運ぶのが一番ですが、アキレスの公式サイト内でもわかりやすく紹介していますので、ぜひ参考にしてみましょう。おうちで計れる測定シートもダウンロードできます。
『瞬足』は普段履きしても大丈夫?
〝左右非対称ソール”と聞くと、体への影響を心配する声も聞こえてきますが、実際のところどうなのでしょうか?
「もともと瞬足は、競技でも威力が発揮できる“通学履き”として作られたもの。普通に歩いたり走ったりするときも問題がないように、スパイクの配置やかたさ、大きさ、高さなど、いくつも試作品を作り、開発されています。スパイクは、10㎏ほどの重さでへこむ仕様になっていて、通常の歩行時(アスファルト・コンクリート・タイル等)にはソール全体がフラットになるので、日常生活でも影響を与えることはなく、歩きやすく走りやすい靴として履いていただけます。」
アキレスの上履き愛用者も!一日で一番長く履く靴
『瞬足』シリーズには、上履きもあるのを知っていますか?
「上履きは、子どもたちが一日の中で一番長く履く靴。だからこそ、履きやすく疲れにくいことが大切です。『瞬足@school』は、かかとをしっかりホールドするので、歩くときにパカパカせずかかとがブレません。しかもソール部分がやわらかいため、足の動きにフィットして上履きが脱げにくいという特徴も。また、衝撃吸収材が足への負担を軽減してくれるなど、長く履いていても疲れにくく、足に負担をかけない工夫がたくさん盛り込まれています。」
最近は体育の授業を上履きで行う学校も多いので、安全のためにも上履き選びはサイズも含め、より慎重に行いたいもの。瞬足@schoolは、現代の子どもの足の形状に合わせてスリムな設計になっている点もポイントです。
「瞬足足育ベビー」で、ヨチヨチ歩きから「足育」を!
子どもの健やかな成長のためにはヨチヨチ歩きの時期からの「足」づくりが大切!という考えのもと、アキレスには2才ごろから履ける「瞬足足育ベビー」シリーズも。ベビーシリーズのデザイナーはご自身も小さな子どもを持つママ。足に負担をかけない履きやすさに加え、ママの思いと実体験が随所に生かされています。
「子どもが動いても履かせやすいようにバンドがぱかっと開くようになっていたり、左右を間違えて履かないように左右の靴を合わせるとインソールが猫の顔になったりと、かゆいところに手が届く仕様も人気ですよ。」
瞬足の「なわとび」なら、跳べそうな気がする⁈
瞬足シリーズには、なわとびもあるんです!断面が多面体になっているロープが軽快な風切り音を起こし、リズミカルに跳べる『瞬足なわとび』も、実は隠れた人気者!握りやすさを形にしたグリップデザインで、手にしっかりフィット。握りやすく回しやすいので、「もっと跳べるようになりたい」という子どもの頑張る気持ちを、後押ししてくれます。
子どもの健やかな発育のために、運動は日々かかせないもの。だからこそ、子ども自身が、学校の体育や運動会に苦手意識を抱かず、「楽しい!」「もっとできるようになりたい!」と思えることは親の願いでもあります。子どもの「できた!嬉しい」を、アキレスの瞬足シリーズでたくさん体験してくださいね。