常設展示化した大阪のシンボル的アート作品・太陽の塔(大阪府)の内部へ潜入!

太陽の塔(大阪府/吹田市)

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知的好奇心がすくすく育つ学びスポット!
1970年、大阪・千里丘陵で開催されたアジア初の万国博覧会、その会場跡地を整備したのが万博記念公園です。当時6,421万人もの観客を集め、戦後日本最大のイベントとなった大阪万博。テーマ館の一部として建てられた、それ自体が巨大なアート作品でもある「太陽の塔」は、テーマ館のプロデューサーに就任した芸術家・岡本太郎氏が展示の構成要素として考案したもので、内部つくられたダイナミックな展示空間が特徴です。大阪万博閉幕後、約半世紀に渡って扉を閉ざしていた太陽の塔が、2018年に再生・復元を果たし、常設展示施設として内部を見ることができるようになりました。

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目次(index)

子どもの知的好奇心は身近な“学びスポット”で育む!

子どもの脳の発達の原動力となり、将来の可能性を広げてくれるのが知的好奇心。その知的好奇心を育むスポットは関西エリアにたくさんあります。脳医学者の瀧 靖之(たき やすゆき)先生、そして宇宙・動物・昆虫・アートなどの各テーマの“達人”たちと選んだ関西エリアにある “学びスポット”を紹介します。どこも、「知るのが楽しい!面白い!」と思わせてくれる、工夫にあふれた施設ばかり。コロナ禍が続くいまだからこそ輝く身近な“学びスポット”へ出かけてみませんか。

瀧 靖之(たき やすゆき)先生監修:瀧 靖之(たき やすゆき)先生
東北大学加齢医学研究所教授
医師。医学博士。東北大学加齢医学研究所および東北大学東北メディカル・メガバンク機構で脳のMRI画像を用いたデータベースを作成し、脳の発達や加齢のメカニズムを明らかにする研究に従事。読影や解析をした脳MRIはこれまで16万人以上にのぼる。

知的好奇心で培われる、8つの“育つ力“

育つ力:各種

子どもの知的好奇心を刺激することで培われる力を、瀧 靖之先生が8つ選定。「洞察力」「思考力」「想像力」「発想力」「思いやり」など、施設ごとに“育つ力”を付記しました。

» 脳医学者の瀧 靖之先生に聞く!「知的好奇心」で育つ8つの力
»「国立科学博物館」は知的好奇心をくすぐる展示や学びの仕掛けが満載!

太陽の塔で育つ子どもの力

知的好奇心が育つと、子どものどんな力が伸びるのかをチェック! 太陽の塔では、とくにどんなところが子どもの好奇心をくすぐるのか見てみましょう。

育つ力:洞察力育つ力:想像力育つ力:発想力育つ力:コミュニケーション力

■ライターコメント

とにかく見た目のインパクトが強烈な「生命の樹」は、子どもたちにとっても強い刺激になるはず。その意味や歴史的な背景などについては、見学後にゆっくり親子で話し合ってみてはどうでしょう?

太陽の塔ってこんなところ!

/太陽の塔(大阪府/吹田市)

おすすめの遊び方&過ごし方

太陽の塔内部に入る前に、同じ万博記念公園の中にあるEXPO’70パビリオンを訪れて、大阪万博について学んでおくのがおすすめです。大阪万博を知ることで、そのテーマ館の一部として建てられた太陽の塔に対してより理解が深まるはずです。内部には高さ約41mの生命の樹があり、階段を上りながらゆっくり鑑賞します。生命の進化の過程を表現したインパクトある姿は、子ども心にも決して忘れることができない強い印象を残すことでしょう。
入館券は、前日までに公式サイトから事前予約が可能。入館は予約優先で、空きがあれば当日券の販売を行う場合もあります。

おすすめのアクセス方法は?

車の場合は吹田ICから5分ほど。万博記念公園の駐車場を利用しましょう。太陽の塔に一番近いのは中央駐車場で、ここから徒歩5分ほどになります。公共交通機関の場合は、大阪モノレール万博記念公園駅から徒歩5分ほど。中央橋を渡って自然文化園中央口で万博記念公園の入園料(260円、中学・小学生80円※自然文化園・日本庭園共通)を支払って入園すれば目の前に太陽の塔が見えます。
公共交通機関の場合は、大阪モノレール万博記念公園駅から徒歩5分ほどで自然文化園中央口に到着します。

所要:1時間
おすすめの年齢:3歳~

住所 大阪府吹田市千里万博公園
電話 0120-197-089
営業時間 10~17時、最終入館は閉館30分前
定休日 水曜(万博記念公園に準ずる)
料金 720円。中学・小学生310円、未就学児無料 ※別途公園入園料が必要
アクセス 大阪モノレール万博記念公園駅から徒歩10分
駐車場 有料971 台(万博記念公園中央駐車場を利用)

<施設データ>

  • 子ども用トイレ:
  • おむつ替え:
  • 授乳室:
  • ベビーカー利用:
  • ベビーカー貸出:
  • コインロッカー:
  • 館内飲食店:
  • 館内売店:
  • 持ち込み:

「太陽の塔」に潜入する前にEXPO’70パビリオンで大阪万博を知る

万博遺産を公開しているパビリオン/太陽の塔(大阪府/吹田市)

大阪万博当時未公開のものも含む3000点もの万博遺産を公開しているパビリオンで、大阪万博とはいったいどんなものだったのかを知っておきましょう。2階にある約160mの回廊には現物資料や写真、映像資料などが展示されています。

赤い照明に照らされた通路/太陽の塔(大阪府/吹田市)

赤い照明に照らされた通路の壁や天井に、写真やパンフレット、公式グッズなどが展示されており、大阪万博当時の様子が手に取るようにわかります。館内の随所で流されている当時の映像からは、6,421万人もの観客を集めた巨大イベントの熱気が伝わってきます。

「スペースシアター」/太陽の塔(大阪府/吹田市)

旧鉄鋼館だったEXPO’70パビリオン、その中心には世界に類を見ない音響設備を有する「スペースシアター」が造られ、1,000個余りのスピーカーから流れる音楽とレーザー光線によるショーが行われていました。スペースシアターは大阪万博閉幕後長く閉鎖されていましたが、2014年に復活、ガラス越しに見学することができるようになりました。

いよいよ塔の中へ!最初の遭遇は復元された「地底の太陽」

「地底の太陽」/太陽の塔(大阪府/吹田市)

EXPO’70パビリオンを見学したら、いよいよ太陽の塔の内部に入ります。見学順路の最初にあるのが「地底の太陽」です。万博当時は太陽の塔の前段に位置していた地下展示で、大阪万博閉幕後に行方不明になっていましたが当時の資料を元に復元しました。現在は生命の樹が伸びる空間への導入部にあり、その神秘的な雰囲気と独特の存在感で見るものを惹きつけます。

「地底の太陽」/太陽の塔(大阪府/吹田市)

太陽の塔を外から見た時に、頂部の「黄金の顔」、正面の「太陽の顔」、背面の「黒い太陽」という3つの顔を持っています。この「地底の太陽」は4つ目の顔として、大阪万博当時、テーマ館の地下に展示されていました。

太陽の塔の内部に伸びる「生命の樹」

「生命の樹」/太陽の塔(大阪府/吹田市)

太陽の塔の内部にそびえる「生命の樹」は、岡本太郎氏が構想した高さ約41mの巨大造形です。天空に伸びる1本の樹体に、単細胞生物からクロマニヨン人まで生物の進化の過程を表す33種類もの“いきもの”がびっしりと貼り付いています。世界にも類を見ない独創的なインスタレーションで、螺旋状に続く階段を上りながら鑑賞することができます。

「生命の樹」/太陽の塔(大阪府/吹田市)

地下空間に根を張った生命の樹は、ポリプやアメーバなどが生まれた原生類時代から始まります。根源から未来に向かってふきあげる生命のエネルギーがほとばしります。

「生命の樹」/太陽の塔(大阪府/吹田市)
「生命の樹」/太陽の塔(大阪府/吹田市)

美しくライトアップされたクラゲや、原生動物の太陽虫が見られる原生類時代。階段を上って行くと三葉虫時代、魚類時代、両生類時代を経ては虫類時代へといのちの歴史を辿っていきます。

「生命の樹」のドラコドン/太陽の塔(大阪府/吹田市)

は虫類類時代に地球上に君臨した恐竜たちの姿も見ることができます。写真のドラコドンのほかに、ブロントサウルスやプテラノドンなども生命の樹に貼り付いています。

太陽の塔の左腕の内部/太陽の塔(大阪府/吹田市)

太陽の塔の腕にあたる部分には階段が設置されています。写真は左腕ですが、大阪万博当時は、右腕の中をエスカレータで上って外にある屋根に出ることができました。現在はこのように、その近未来的で不思議な光景を下から眺めることができます(入ることはできません)。

生命の樹の最上部にあるネアンデルタール人/太陽の塔(大阪府/吹田市)

生命の樹の最上部では、写真のネアンデルタール人など、さまざまな哺乳類を見ることができます。ついに人間の登場で、いのちの歴史は現在へとつながっていきます。

未来へと続く不思議な空間/太陽の塔(大阪府/吹田市)

階段が終わる場所から見上げると、そこには未来へと続く不思議な空間が広がっています。生命の樹はそこへ向かってさらに伸びていこうとしているように見えます。

ほかにも太陽の塔にはみどころ満載!

太陽の塔制作時の展示/太陽の塔(大阪府/吹田市)

生命の樹を鑑賞したら、別の螺旋階段を使って1階のフロアに戻ります。途中、太陽の塔を制作した時のことや、一般公開にいたるまでの過程を知ることができるパネルなどが展示されています。地底の太陽や生命の樹を鑑賞した後だと、とても興味深く感じられるはず。

スリット状の隙間から見える太陽の塔(大阪府/吹田市)

また、入館してすぐ地底の太陽に向かう途中の通路には不思議な覗き窓があります。塔の真下から塔の一部を仰ぎ見ることができるスリット状の隙間からは、また一味違う太陽の塔の姿を見ることができるので、こちらも要チェック。

万博記念公園は親子で丸一日楽しめるスポット

万博記念公園/太陽の塔(大阪府/吹田市)

太陽の塔がある万博記念公園には、ほかにも多くの施設があります。国立民族学博物館や大阪民芸館、巨大立体アスレチック迷路、日本庭園などに加えて、緑豊かな東の広場など四季を通して親子で丸一日楽しむことができます。

過去・現在・未来という3つの顔を持つ太陽の塔。その姿は大阪のシンボルとして広く知られた存在ですが。内部に広がるワンダーランドはあまり多くの人に知られていません。一見すると子どもには少し難解な世界に感じるかもしれませんが、アート、生命、歴史など多くのジャンルの知的好奇心を刺激するきっかけの役割を果たすパワーがある造形物です。ぜひ機会を作って親子で訪れてみてください。

●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。

『るるぶKids こどもの知的好奇心がすくすく育つ学びスポット 関西』

るるぶKids こどもの知的好奇心が”すくすく”育つ学びスポット 関西

子どもたちの知的好奇心を刺激してくれる“学びスポット”全83施設をピックアップ。図鑑などでもお馴染みの「恐竜」「動物」「昆虫」「宇宙」「乗り物」、日常の延長として親子のコミュニケーションを楽しめる「アート」「絵本・アニメ」「にほんの歴史」「学べる工場」を加えた9テーマに分けて紹介しています。

監修者である脳医学者の瀧 靖之先生、そして各テーマの“達人”たちと選んだ“学びスポット”は、どこも子ども心をくすぐる工夫にあふれた施設ばかり。また巻頭には、瀧 靖之先生による「知的好奇心の伸ばし方」も収録していますよ。

子どもの成長にとって大事な知的好奇心を育てるスポットの数々。本書を参考に家族でおでかけしてみませんか。

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