2023⁻24年冬の感染症  プール熱が流行拡大  インフルエンザの状況は? 症状と予防法

冬の感染症2023

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子どもがかかりやすい夏風邪として知られている「プール熱(アデノウイルス)」の患者数が、2023年11月現在、急増しています。例年冬に流行する「インフルエンザ」も今年は9月に流行拡大したように、季節外れの感染症の流行がみられています。るるぶKidsでは、今一度、プール熱とインフルエンザの予防や症状について、まとめました。

※本記事は以下の記事から抜粋し、再編集しています。

>子どもの夏の感染症 症状や治療、予防法を解説
>子どものインフルエンザワクチン 年齢と接種回数

目次(index)

プール熱(アデノウイルス感染症)とは?

プール熱の症状は?

プール熱は、アデノウイルスが引き起こす風邪のひとつで、「咽頭結膜熱」と呼ばれます。プール熱は5歳以下の子どもがかかることが多く、とても感染力が強い感染症です。

喉が炎症を起こして痛み、39〜40℃の高熱が4〜5日続くことに加え、目が充血したり、目やにが出るなど結膜炎の症状がでます。また、下痢、吐き気、腹痛などを伴うこともあります。(結膜炎の症状だけの場合は「流行性角結膜炎」といいます)

熱が下がり、結膜炎の症状が治まってから2日間は登園や登校ができません。

大人にも感染する?

アデノウイルスはウイルスの種類が非常に多く、飛沫感染、接触感染するため、大人にも感染します。感染力が非常に強いため、子どもが感染すると家庭内で感染するケースも珍しくありません。子どもと同様に発熱が見られますが、目やになど結膜炎の症状がひどい場合は、眼科を受診しましょう。。

プール熱の治療方法は?

アデノウイルスに効く薬はありません。安静にしてしっかり休養をとればよくなりますが、子どもの場合はできるだけ早く受診をして、つらい症状を緩和させてあげることがおすすめです。病院では、高熱が続く場合は解熱剤、結膜炎の症状を抑える点眼薬が処方されることがあります。

インフルエンザの状況と予防法は?

今年のインフルエンザの状況は?

今年2023年のインフルエンザは、早くも9月に患者が急増しました。例年11月や12月にするワクチン接種の前に流行してしまったことで、10月にはさらに流行が拡大。子どもの学校が学級閉鎖になったという声も多く聞かれました。

厚生労働省の報告によると、11月に入り患者数はやや減少傾向にあるものの、まだ学級閉鎖がでている学校施設も多く、引き続き注意が必要です。

インフルエンザの症状は?

インフルエンザは、インフルエンザウイルスによって引き起こされる感染症です。38℃以上の高熱、頭痛や関節痛、全身の倦怠感などの症状があらわれます。また、普通の風邪と同様に、喉の遺体、鼻水、咳などの症状もみられます。年齢が小さな子は、重症化するとインフルエンザ脳症を引き起こす場合もあるため、様子を注意深くみてあげましょう。

インフルエンザの予防にはワクチン接種が有効

ワクチン接種は流行抑制にとても有益です。インフルエンザワクチンは、発病予防だけでなく、重症化を予防できるケースも多いので、ぜひ接種をすることをおすすめします。

接種してから効果が出るまでは2週間ほどかかり、その後の免疫の持続期間は5~6か月程度です。春先以降の流行の可能性もゼロではないため、今からでもできるだけ接種をしておくのがおすすめです。また、今シーズンすでに一度かかったという方でも、別の型にかかってしまう可能性があるので、ワクチンは接種しておいた方が安心です。感染後1~2週間後からワクチン接種ができます。

6カ月未満の赤ちゃんはワクチン接種ができない

生後6カ月未満の赤ちゃんはインフルエンザワクチンを接種できません。この年齢の赤ちゃんに接種してもあまり有効性が認められないからです。家族の方など、周囲の人が接種して赤ちゃんを守りましょう。

インフルエンザ予防接種と、他のワクチンとの接種間隔は?

子供の予防接種の接種間隔

子どもは定期予防接種が多いので、インフルエンザワクチンとの接種間隔が気になるところですが、インフルエンザは不活化ワクチンなので、他の予防接種との間隔を気にする必要がありません

プール熱やインフルエンザ、冬の感染症対策は?

ウイルスによってはアルコール消毒がききにくいものがあるため、「石鹸での手洗い」をしっかりおこないましょう。また、アルコール消毒をする際には、手が濡れている状態では効果が半減してしまうので、しっかり乾かしてからにしましょう。

<アルコール消毒が有効なウイルスは?>

  • アルコール消毒がきかないウイルス:アデノウイルス・ノロウイルス・ロタウイルスなど
  • アルコール消毒がきくウイルス:新型コロナウイルス・RSウイルス・インフルエンザウイルスなど

マスクは2023年3月の規制緩和以降は個人の判断となりましたが、感染症流行時期にはやはりマスク予防は有効です。人混みに行く場合などには、できるだけ着用するのがおすすめです。

また、少しでも体調がすぐれないときは無理をせず休養をとることも大切です。睡眠や食事をしっかりとり、規則正しい生活を心がけて、寒さやウイルスに負けずに冬をのりきりましょう。

<冬の感染症 4つの予防対策>

  • 石鹸での手洗い
  • アルコール消毒
  • 人混みでのマスク着用や、人混みの回避
  • 規則正しい生活

<参考>
厚生労働省「インフルエンザの発生状況」
厚生労働省「インフルエンザQ&A」