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子どものインフルエンザワクチン(2021冬)年齢と接種回数、新型コロナとの関係など解説

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子どものインフルエンザワクチン(2021冬)年齢と接種回数、新型コロナとの関係など解説

インフルエンザの予防接種のシーズンが到来し、今年の流行が気になる時期ですね。従来、インフルエンザワクチンは13歳未満の小児は2回接種が厚生省の基準とされていますが、今年はワクチン供給量の問題から、9歳以上は1回接種とする医療機関もあるようです。気になる流行の見通しや、新型コロナウイルス対策との関係などを、小児科医で3児のパパでもある黒澤先生にお聞きしました。

※本記事は取材時(2021年10月14日時点)の情報に基づいています

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目次(index)

(監修)黒澤照喜先生(帝京大学医学部附属溝口病院小児科)
東京大学医学部卒業。同大学附属病院小児科、都立府中病院、わだ小児科・循環器内科医院などを経て、2017年より現職。

今年のインフル流行は? やっぱり予防接種は打つべき?

Q. 昨年はあまり流行しなかったインフルエンザ、今年の流行は?

A.インフルエンザは、新型コロナウイルスと同様、3密回避・マスク・手洗いなどの「新しい生活様式」によって感染を減らすことができます。
一方で、このような対応でも増加してしまった新型コロナウイルス感染の第5波が終息に向かった大きな要因として、ワクチン接種が挙げられます。

新型コロナウイルスワクチンと比べて、残念ながらインフルエンザワクチンは有効性がそこまで高くないのですが、接種によって自分や周りの大切な人々を守ることに役立ちます。「手洗い・消毒」+「ワクチン」で、今年も少しでもインフルエンザの流行を抑制したいですね。

Q.予防接種はやはり打つべきですか?

先述のように、ワクチン接種は流行抑制にとても有益です。また、インフルエンザワクチンは、発病予防だけでなく、重症化を予防できるケースも多いので、ぜひ接種をすることをおすすめします

なお、生後6カ月未満の赤ちゃんはインフルエンザワクチンを接種できません。この年齢の赤ちゃんに接種してもあまり有効性が認められないからです。家族の方など、周囲の人が接種して赤ちゃんを守りましょう。

Q.一般的な接種時期はいつ?効果は?

例年のインフルエンザの流行はだいたい12月ごろから始まり、1月から3月にピークとなることが多いので、11月中に接種が終わっていることが理想的です。ただ12月以降でも打てるなら打っておいた方がよいでしょう。接種してから効果が出るまでは2週間ほどかかり、その後の免疫の持続期間は5~6か月程度です。

インフルエンザ予防接種と、他のワクチンとの接種間隔は?

Q.【12歳以上〜大人の場合】新型コロナワクチンとの接種間隔は?

A.現時点では12歳以上で新型コロナウイルスワクチンの接種が可能です。相互作用の可能性から新型コロナウイルスワクチンを接種した前後2週間は他のワクチンを接種しないこととされており、これにはインフルエンザワクチンも含まれます。

また、それぞれのワクチンを複数回受けるときには、有効性を高めるため(免疫を十分につけるため)、最適な接種期間が定められています。

<ワクチンを複数回受けるときの接種期間>

  • インフルエンザワクチン:およそ2~4週間(できれば4週間)
  • 新型コロナウイルスワクチン(ファイザー):およそ3週間
  • 新型コロナウイルスワクチン(モデルナ):およそ4週間
  • 新型コロナウイルスワクチン(アストラゼネカ):およそ8週間(4~12週間)

Q.【12歳以上〜大人の場合】インフルエンザと新型コロナ、優先すべき予防接種はどっち?

A.インフルエンザと新型コロナウイルスは、特に初期の症状が似ていて区別がつきづらいこと、本人のみならず周囲への影響が大きいウイルスであることから、どちらのワクチン接種も同じくらい重要です。特に12歳の子はインフルエンザワクチンも原則2回接種(詳しくは後述)とされており、これから両方とも2回ずつ接種する場合は、スケジュールが複雑になります。かかりつけの先生と相談して適切なスケジュールを決めるようにしましょう。

Q.【子どもの場合】他の定期接種(MRや日本脳炎など)と、インフルエンザ予防接種との接種間隔は?

子供の予防接種の接種間隔

2020年10月から多くのワクチンの接種間隔の規定がなくなりました(以前は生ワクチン接種後4週間、不活化ワクチン接種後1週間は他のワクチンの接種ができませんでした ※1)。現在では、注射の生ワクチンの後に別の注射の生ワクチンを接種する場合のみ4週間以上の間隔をあけるとされています。
小児の注射の生ワクチンの代表はMRワクチン・水痘(水ぼうそう)ワクチン・BCGワクチン・おたふくかぜワクチンなどです。
インフルエンザワクチンは不活化ワクチンなのでこのルールに当てはまらず、他のワクチンとの接種間隔を気にする必要がなくなりました(先述の新型コロナウイルスワクチンは除く)。

インフルエンザワクチン、供給不足は大丈夫? 年齢と接種回数は?

Q.今年のインフルエンザワクチンは、供給量不足のニュースも聞かれますが、現状は?

ワクチン供給量は、厚生労働省の情報によれば「ワクチン製造株の増殖性等の影響などから、供給量の多かった昨年より少なくなりますが、例年の使用量に相当する程度は供給される見込みです」とされています(※2)。したがって、昨年よりは少ないものの、例年通りの本数は供給されると考えてよいと思います。ただし、新型コロナウイルスの流行下で、インフルエンザワクチン接種希望者が増えるとワクチンが不足気味になる可能性はあります。できれば早めの接種が安心です。

Q.今年は「9歳以上は1回接種」とする医療機関もあるようですが、接種回数の違いがあるのはなぜ?

今シーズンのインフルエンザワクチン接種回数については、日本感染症学会が「インフルエンザワクチン接種は、昨シーズン同様、13歳以上の小児で1回、12歳以下で2回」と明記しており、例年通りの接種回数が原則となります(※3)。

一方で、WHO(世界保健機関)や米国では、生後6か月~8歳まで(9歳未満)が初めて接種を受ける場合は2回接種ですが、翌年からは毎年1回の接種を続けるよう勧めています(※4)。このグローバルスタンダードに合わせ、かつ、ワクチン不足を見込んで限られた数のワクチンをより多くの人に接種するために、1回接種の年齢を引き下げる医療機関も出てきているようです。

インフルエンザワクチンは、すでにかかった人に対して接種すると免疫がしっかりつくため1回接種で構わないのですが、まだかかったことのない人では免疫がさほどできないため2回接種がよいとされています。赤ちゃんや年齢の小さいお子さんはインフルエンザにかかったことがないことが多く、大きなお子さんや大人はインフルエンザにかかったことがある人が多いため、推奨接種回数に差があります。

Q.9歳以上で接種回数が選べる場合、どちらがいいのでしょうか? 2回打った方がより予防が高まりますか?

ワクチンが変わったわけではなく、標準的な接種回数は先述したように従来通りです。個人の予防という観点では2回接種したほうが抗体価(免疫)はより上昇するため、インフルエンザにかかりにくくなるのですが、1回で十分な免疫が得られているならば2回目は不要と言えます。
また、ワクチンの接種回数を減らせば、その分他の人に接種することが可能であり、社会全体を守ることにつながります。
このあたりを天びんにかけ、各医療機関ごとに接種回数の原則の方針が示されています。ただし、お子さんごと、家庭ごとに状況・事情はさまざまでしょうから、適切な接種回数については事前にかかりつけの先生に相談するのが良いと思います

インフルエンザワクチン接種回数のメリット・デメリット

インフルエンザ以外に気をつけたい冬の感染症と予防法

Q.昨夏はRSウイルスが大流行しましたが、今冬も流行の可能性はありますか?

可能性はゼロとは言えません。ただし、私見になりますがこの冬はRSウイルスの流行はそれほどないのではと考えております。理由としては、

  • 感染の流行が元来の秋~冬の時期から、この5年程度夏に変わった
  • この夏の大流行で多くの子どもたちがかかったため、まだ免疫が残っている可能性が高い

もちろん、RSウイルスがいなくなったわけではないですし、免疫を持っていてもかかる可能性はあります。大流行とならなくても、引き続き、手洗い・うがいは行っていきましょう

Q.インフルやRS、新型コロナの他にも、冬に気をつけたい感染症はありますか?

2020年の夏は、RSウイルスだけでなく、パラインフルエンザウイルス感染症の流行も確認されました(※5)。パラインフルエンザとはインフルエンザの仲間ではなく、5歳までにほぼすべての子どもが一度はかかると言われる風邪ウイルスのひとつです。現在、この感染は落ち着いていますが、今後寒くなり、さまざまなウイルスにかかりやすい時期となります。昨年は新型コロナウイルスの影響で人流が抑制されていたため、他の感染症もほとんど流行しませんでした。その結果として、さまざまな病原体に対する社会全体の免疫力はやや低下した状態です

一方、今年は新型コロナウイルスが落ち着いていくと、さまざまな活動が例年に近い形で行われる可能性が高く、人々の行動範囲も広がり、ひとたび感染が起こると流行につながる可能性もあります。

現行の「新しい生活様式」を続けながらも、体調が悪い時には外出や人と会うのを控えるなど、ちょっとした配慮を今まで同様に大切にしていきましょう

Q.インフルエンザや他の感染症にも、手洗い、アルコール消毒、マスクは予防対策になりますか?

新型コロナウイルス・RSウイルス・インフルエンザウイルスなどの多くの鼻・のど風邪の病原体は「マスク・手洗い・うがい・アルコール消毒」が有効です。一方で、ノロウイルス・ロタウイルスなどの胃腸炎の病原体にはアルコール消毒は無効で「石鹸手洗い」が有効です。
なお、石鹸手洗いをした後、手が濡れたままでアルコール消毒しても効果が半減してしまいます。しっかりと乾かしましょう。

<参考>
(※1)厚生労働省 ワクチンの接種間隔の規定変更
(※2)厚生労働省「ワクチンの供給状況について」
(※3)日本感染症学会「2021-2022年シーズンにおけるインフルエンザワクチン接種に関する考え方」
(※4)NPO法人 VPOを知って子どもを守ろうの会「インフルエンザワクチン」
(※5)国立感染症研究所 パラインフルエンザ3分離・検出報告数