貨物列車の種類やコンテナの中身、貨物専用駅って? 親子で知りたいキホン

貨物列車の種類やコンテナの中身、貨物専用駅って? 親子で知りたいキホン

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たくさんのコンテナを運ぶ貨物列車、力強くてかっこいいですよね!ホームで電車を待っているときや踏切の前にいるときなどに見かけるながーい列車、好きな子どもも多いのではないでしょうか。
日本の貨物鉄道輸送は2023年で150年を迎えました。そこで今回は「貨物を引っ張っている列車って何?」「コンテナってどうなっているの?」「貨物列車専用駅があるってほんと?」など、親子での貨物列車ウォッチングがもっと楽しくなる、貨物列車の魅力と基礎知識をご紹介します!

この記事は、『JTB時刻表12月号(11月20日発売)』を抜粋・一部加筆のうえ掲載しています。

目次(index)

貨物列車のキホン

日本国内の貨物列車ネットワークを網羅しているのがJR貨物。JR東日本やJR西日本などと同じく、1987年の国鉄分割民営化で設立された貨物輸送の鉄道会社です。

貨物列車はエコで力持ち

発送元から出発駅までトラックで運び、主に中・長距離区間を列車で輸送、そして到着駅から届け先までトラックが担うというのが輸送の基本の流れ。貨物列車は、運転士1人で荷物を大量に運べるのが強みで、しかも定時運転率は92%。貨物鉄道とトラックが協力しあって、日本の輸送を支え、最近話題のモーダルシフト(輸送手段の転換)やトラック運転手の働き方改革にも欠かせない存在になっています。
さらにCO2排出量は営業用トラックの11分の1と少なく、エコな輸送手段でもあります。

JR貨物自慢の機関車の種類

コンテナなど貨車を運ぶための機関車にもさまざまな種類があり、地域や線路事情に合わせた機関車を導入しています。中には愛称がついているものもあるんですよ。日々活躍している主な機関車をご紹介します。

EF210形式 「ECO-POWER桃太郎」

EF210形式 「ECO-POWER桃太郎」

東海道線など本州や、四国の予讃線などを走ります。デビュー当初、岡山機関区に導入されたのが名前の由来。桃太郎やその仲間たちのイラストが描かれた車両もあるんです。

EH500形式 「ECO-POWER金太郎」

EH500形式 「ECO-POWER金太郎」

東北線、常磐線、山陽線、そして九州の鹿児島線で活躍。車体の重さは約134.4と最重量級。まさに金太郎の名にふさわしいパワフルな走りです。

EF510形式「ECO-POWERレッドサンダー」の301号機

EF510形式「ECO-POWERレッドサンダー」

こちらは2023年5月に登場したばかりの301号機です!他の車両は赤色ですがこちらはシルバーのレア車両。九州で活躍していて、運が良ければ見られるかも。

DF200形式「ECO-POWERレッドベア」

DF200形式「ECO-POWERレッドベア」

北海道を中心に、東海道線、関西線でも走っています。電気式ディーゼル機関車で、力強い走りが魅力です。

コンテナってどうなってるの?

よく見かけるコンテナ。でも、中がどうなっているかは知らない人も多いのでは?

「JR貨物コンテナ」

コンテナにはさまざまな種類があります。上の「JR貨物コンテナ」はもっともよく使われる12フィートタイプです。

「JR貨物コンテナ」扉を開けた例

扉を開けた例。たっぷり入りそうですね。1両の貨車に5つ積めます。扉の側面と妻面(車両が連結する側)が開くコンテナや、両側面が開くタイプのコンテナもあります。

ほかにも冷凍・冷蔵機能を搭載したコンテナや換気が可能な「通風コンテナ」、従来より背が高いコンテナなど機能や大きさもさまざま。
オーダーメイドのものもあり、会社によっては自社ロゴやキャラクターデザインが入ったかわいらしいものもあるので、見かけたらチェックしてみて。

人は利用できない貨物専用駅って?

日本最大の貨物駅、東京貨物ターミナル駅

日本最大の貨物駅、東京貨物ターミナル駅

貨物を取り扱う「貨物駅」は、実は全国に約130カ所もあります。駅では貨物列車が輸送するコンテナの積み込みや取り下ろしなどの「荷役(にやく)作業」を行っています。
東京都内には、荒川区に「隅田川駅」、品川区に「東京貨物ターミナル駅」という日本を代表する大きな2つの貨物専用駅があります。

隅田川駅

こちらは隅田川駅。JR南千住駅の近くにあります。

構内ではトップリフターやフォークリフトが活躍し、トラックへのスムーズな積み込みや取り下ろしの作業を行っています。荷役機器を扱うオペレーターさんのワザが見事!JR貨物では鉄道コンテナ輸送の総合システムとして「IT-FRENS&TRACEシステム」を使用しており、コンテナに取り付けられたIDタグをフォークリフトで読み込み、GPSで管理することにより、コンテナの位置情報を把握しています。

普段は入れない貨物駅ですが、JR貨物では隅田川駅など全国の施設で不定期に公開イベントを行っているので、会社のホームページの告知をマメにチェックしてみるのがおすすめです。

『JTB時刻表12月号』は、南田マネージャーが貨物列車ウォッチングの魅力を紹介!

JTB時刻表1月号

『JTB時刻表1月号』は、「鉄道BIG4」の1人である、芸能事務所ホリプロのマネージャー・南田裕介さんが隅田川駅を取材。ここでは掲載しきれなかった貨物列車ウォッチングの魅力やトリビアを紹介します!さらに人気急上昇中のJR貨物グッズ最新アイテムも登場。また年末年始の臨時列車も掲載しています。

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写真提供/JR貨物、マシマ・レイルウェイ・ピクチャーズ