子どもが苦手になりがちな野菜には、苦い、辛いといった理由があることが多く、切り方や調理法のちょっとした工夫が実は大切。この記事では苦手野菜を克服できる調理法やレシピを、子ども料理研究家のごはんさんが伝授! 第三弾は「なす」。主食の万能肉味噌やおやつ感覚で食べられるチップスなどをご紹介します。
子ども料理研究家 ごはん
予約のとれない訪問調理師として大人気。1500軒以上のお宅を訪問し、好みやアレルギーの有無、家族構成に合わせた身体に優しい料理を日々提案中。
なす嫌いな子どもが食べるレシピを動画で紹介!
なす肉味噌
なすチップス
なす嫌いな子どもが多いのは、ぐにゅっとした食感やアクのえぐみが理由
なすのグニュッとする独特の食感や、皮が硬く、舌に残って噛み切れない点に苦手意識を持つ子が多いようです。皮の色味の黒や紫を、本能的に警戒色だととらえてしまうことも考えられます。また、独特の香りやアクのえぐみを感じて、舌がピリピリする子もいるようです。
なすの克服ポイント 油と合わせるとトロトロ食感に♪
■油と合わせる
なすは油を吸いやすい食材です。油分の強いものと合わせると、とろけるような食感になり、食べやすくなります。
■皮をむく
黒や紫色の皮という見た目のインパクトをなくすことで、ハードルが一気に下がります。栄養価は下がってしまいますが、「食べられた!」とう心理的な面ではとても有効です。
■アクをしっかりと抜く
断面を大きめにして切り、水に漬ける、塩で揉む、油通しをすることで、アクを抜くことができます。
■鮮度の高いナスを選ぶ
意外と知られていませんが、夏野菜であるなすは暑い時期に育つので、冷蔵庫で長時間保存すると、冷害によってスカスカになったり、変色したりします。買ったらなるべく早く、萎びてしまう前に使うのがいいでしょう。鮮度のいいプリッとしたなすを使うと、油なじみがよく、食感もトロッと仕上がります。
◆知ってる?なすが特産物の都道府県
各都道府県には特産物として知られる野菜がいろいろあります。旅行に出かけた時に、その土地の食べ物をおいしく感じるのは、気分だけではなく、作るのに適した土地で栽培され、採れたてで新鮮なものが多く出回っているため。いつもは苦手な食材も旅先で食べたり、産直センターなどで買ったり、通販で取り寄せてみたりすると、克服できるかもしれません。
<なすの収穫量ランキング>
1位:高知県
2位:熊本県
3位:群馬県
ごはんさんが伝授!なすをおいしく食べられる簡単レシピ3選
これから紹介するのは、ごはんさんが実際に訪問調理先で子どもたちに大人気だったレシピばかり。「今まで全然食べなかったのにこれは食べてくれた!」という親御さんの声も多いのだとか。簡単に作れて、なるべく材料が少ないレシピを選定しています。
親子で一緒にできる工程には、写真にこのマークをつけています。子どもが自分で作ると、達成感から克服のきっかけになるかも!
1.なす肉味噌
なすを細かい角切りにして、たっぷりのにんにくとしょうがと合わせて、こってりとした肉味噌を作る超簡単レシピ。ジャージャー麺やビビンバ風混ぜご飯など、いろいろなメニューに使えます。
<調理時間>約20分
<材料>※親子4人分の目安です
なす 3本
豚ひき肉 200g
ごま油 大さじ1
★にんにく(チューブ) 大さじ1
★しょうが(チューブ) 大さじ1
★味噌 大さじ1
★砂糖 大さじ1/2
★オイスターソース 大さじ1/2
<作り方>
① なすはタテ半分にカットして、水に10分さらす。
【ポイント】
断面を大きく切り、水に漬けることで、苦手なポイントとなるアクを抜きます。
② ①を5mmの角切りにカットする。
③ フライパンにごま油を中火で熱し、豚ひき肉を炒める。肉の色が変わったら、②を入れて3分炒める。
④ ★をすべて入れて炒め、水気が飛んだら完成。
【ポイント】
なすがとろっとするまで炒めるのがコツ!食べやすさが格段に変わってきます。
2.なすチップス
薄切りにしたなすを塩で揉み、水気を絞ってから、片栗粉を薄くまぶして、カリッと揚げるだけ。塩を軽く振ったり、カレー味にしたり、お好きな味付けで楽しめます。
<調理時間>約15分
<材料>※親子4人分の目安です
ナス 3本
塩 小さじ1/3
片栗粉 適量
揚げ油 適量
カレー粉など 適量
<作り方>
① なすは2mm幅にカットして、塩を振って軽く揉み、10分置いてから優しく水気を絞る。
【ポイント】
キッチンペーパーを使って絞ると、簡単に水気が絞れます。
② ビニール袋に①と片栗粉を入れて、空気とともにシャカシャカと振り、まんべんなく粉をまぶす。
③ 揚げ油を180度に熱し、②を入れて、2分程カリッとなるまで揚げて完成。
【ポイント】
180度の目安は、菜箸を鍋底につけて絶えず気泡が上がるくらい。あまり低すぎると、なすの水分が抜けずに、ぺしゃっとした食感になってしまうのでご注意を。また、揚げてから時間が経つと、水分が出てきてしまうので、食べる直前に調理するのがおすすめ!
3.なすの唐揚げ
ナスを乱切りにし、水にさらしてからしょうが醤油に漬け込み、片栗粉をまぶして、からりと揚げます。皮をむけば、一見、鶏の唐揚げのように見えるので、食べられる子が多く、大人気のメニューです。
<調理時間>約40分
<材料>※親子4人分の目安です
なす 3本
★にんにく(チューブ) 小さじ1
★しょうが(チューブ) 小さじ1
★醤油 大さじ1
★砂糖 小さじ1
片栗粉 適量
揚げ油 適量
<作り方>
① なすは小さめの乱切りにして、水に10分さらす。
② ①の水分を切り、ビニール袋に★とともに入れ、空気を抜いて30分漬け込む。
【ポイント】
時間がない場合は30分間漬け込まなくても大丈夫ですが、時間を置けば置くほど味が染みて、おいしく仕上がります。
③ ②のビニール袋に片栗粉を入れてまぶし、180度に熱した揚げ油で2分ほど揚げて完成。
ご飯のお供にぴったりの肉味噌や、なすと相性のいい油で揚げたチップス&唐揚げ。これなら、なすに苦手意識を持つ子も喜んで食べてくれそうです。さっそく試してみては?
子どもが食べる野菜レシピ!リンク
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