手足口病といえば、夏の感染症として知られていますが、今年2024年は10月にも感染者増が報じられています。都道府県によっては警報レベルとなっていて注意が必要です。小さな子どもが罹りやすいイメージがありますが、大人にもうつることがあります。症状や感染経路、治療法を小児科医の髙原先生にお聞きしました。
※当記事は2023年6月1日の取材に基づき、再編集をしています。
(監修)髙原麻里子先生(かるがも藤沢クリニック)
浜松医科大学卒業。慶應義塾大学病院小児科、伊勢原協同病院などを経て、2015年より現職。
手足口病とは
手足口病の症状は?
手足口病の症状は、手のひらや足の裏、口の中に小さな水ぶくれができるのが特徴です。手足口病という名前ではありますが、おしりやひざまわり、ひじにできることもあります。口の中が痛くて食べられない、痛みやかゆみがあることもあります。治ってから1か月くらいして、つめが割れたりはがれり、指の皮がむけたりすることがあります。
5歳以下の子どもがかかることが多く、原因となるウイルスがいくつもあるため、一度かかっても再びかかることもあります。熱は3日以内に下がることが多いでしょう。熱がなく元気で食欲があれば、登園・登校できます。
大人にも感染する?
小学生以上や大人でも感染します。大人の場合は足が痛い、手が痛いという症状を訴えることが多く、子どもよりも症状が重くなりがち。また、高熱になりやすいのが特徴です。
手足口病の治療方法は?
手足口病は、原因となるウイルスに効く薬はありませんが、基本的には安静にしていれば治ります発熱があれば解熱剤を処方します。水ぶくれは、かゆみなどがなければ特別な治療や塗り薬の処方は行いません。
手足口病のホームケア
脱水症状に気をつけて
手足口病は、口の中や喉に症状がでるため、食事が十分にとれないことがあります。脱水症状にならないよう、水分をこまめに補給しましょう。少量ずつ、こまめに飲むのがコツです。おしっこの回数や量、色(濃くないかどうか)をみて、脱水になっていないかチェックしてください。
食事は、熱いもの、酸っぱいもの、塩からいもの、固いものは避け、喉越しがよく、刺激が少ないものを与えましょう。食べられるものを食べていれば大丈夫です。年齢が小さい子でなら、冷ましたおじややうどん、うらごししたバナナ、ゼリー、豆腐などがおすすめです。
お風呂はどうする?
お風呂は、高熱がなく元気であれば入ってかまいません。感染を避けるためには、できるだけ一緒に入ることはさけるのがよいです。1人で入れない年齢の場合は、湯船には最後につからせるようにするのがよいでしょう。
予防法は手洗い・うがいがマスト
手足口病には、先述のようにワクチンや特効薬がありません。感染予防には手洗いとうがいをしっかり行うことが一番です。子どもが罹ってしまうと、親は接触を避けることが難しいですが、お世話のときにもまめに手洗いうがいをして、予防を心がけてくださいね。