お正月飾りはいつから飾る?門松・しめ飾り・鏡餅の意味や飾り方も知ろう

お正月飾りはいつから飾る?門松・しめ飾り・鏡餅の意味や飾り方も知ろう

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お正月になると、街や玄関には門松やしめ飾り、リビングには鏡餅が並びますよね。この記事ではそれぞれの由来や込められた願い、飾る&しまうタイミングまでわかりやすく解説。きちんと意味を知りながら、親子でお正月の準備を楽しみましょう♪

目次(index)

お正月飾りの種類や由来

日本では、新年に「年神様(としがみさま)」という神様が各家庭を訪れ、その年の幸福や健康、豊作をもたらすと考えられてきました。お正月飾りは、その年神様を迎えるための目印であり、宿ってもらうための「依り代(よりしろ)」とされています。そのため、年末に玄関や室内に飾り、神様をお迎えする準備をしてきました。
ここからは、代表的な3つのお正月飾り「門松・しめ飾り・鏡餅」の意味と由来を紹介します。

門松

門松は、家の門や玄関先に飾るお正月飾りで、松や竹に梅などを合わせて左右一対で立てるのが一般的です。昔から、年神様が家を訪れるときの目印であり、降り立つ拠り所と考えられてきました。起源は平安時代の宮中行事「小松引き」までさかのぼるとされ、新年最初の「子の日」に若い松を抜いて持ち帰り、長寿を祈って門に飾ったことが始まりとされています。

門松に使われる植物の意味

◆松
寒い季節でも葉を落とさない常緑樹で、その生命力の強さから「不老長寿・永遠の若さ」の象徴とされてきました。また、「祀る(まつる)」という言葉にも通じることから、神様が宿る木と考えられてきました。

◆竹
ぐんぐんとまっすぐに伸びる性質から、「成長・繁栄・生命力」を表す縁起物とされています。雪の重みにもしなやかに耐える姿から、「強さ・しなやかさ」がある植物とされています。

◆梅
寒い冬を超えていち早く咲くことから「忍耐・生命力・長寿」や、春の訪れを告げる「希望・開運」の象徴とされています。紅白の花の色には、魔除けの意味が込められているとも言われます。

しめ飾り

しめ飾りは、しめ縄に縁起物を付けたお正月飾りで、主に玄関の扉の上などに飾ります。もとになっているしめ縄は、神様が降り立つ神聖な場所とそれ以外の場所を分ける境界を示すもので、悪いものを寄せつけない魔除けの役割があるとされています。玄関に飾るのは「ここが年神様をお迎えする家ですよ」という印にし、家の中を清めるためです。裏白、譲葉、橙、紙垂などが組み合わされていることが多く、それぞれに意味があります。

しめ飾りに使われる主な縁起物の意味

◆裏白(うらじろ)
シダの一種で、葉の裏側が白く見えることからこの名前がつきました。常緑であることから「長寿」を表し、葉が向かい合って生える姿から夫婦円満の象徴とされています。

◆橙(だいだい)
柑橘類の一種で、木から落ちずに長く実る性質と、「代々(だいだい)」という言葉に通じるところから、家が代々栄えるようにという意味を持つ縁起物とされています。

◆紙垂(しで)
白い紙をジグザグに折ったもので、神社のしめ縄にもよく付けられています。稲妻の形に見立てられ、稲妻の力で悪いものを払い、神聖さや清浄さを表すとされています。

鏡餅

鏡餅は、丸いお餅を二段に重ね、上に橙などをのせたお正月のお供えです。昔の銅鏡の形に似ていることから「鏡餅」と呼ばれ、年神様の魂が宿る依り代として、一年の健康や豊作を祈って飾られてきました。伝統的な飾り方では、三方(三宝)という台に四方紅という紙を敷き、その上に裏白や譲葉、二段の餅と橙、干し柿を竹串などに刺した串柿、白い紙をジグザクに折って木の棒に付けた御幣などを重ねて飾ります。

鏡餅に使われる主な縁起物の意味

◆四方紅(しほうべに)
周囲を赤く縁取った紙で、東西南北と天地の災いを払い、一年の繁栄を願う意味が込められているとされています。

◆三方(さんぽう)
神社や家庭の神棚でお供え物を載せる脚付きの木の台です。鏡餅を三方に載せるのは、鏡餅が「神様への正式なお供え」であることを表しています。

お正月飾りを飾る時期と飾り方は?

お正月飾りを準備し始める目安とされるのが、12月13日の「正月事始め(しょうがつことはじめ)」です。この日は年神様を迎える準備を始める日とされ、大掃除(すす払い)などを行ってきました。今では、クリスマス後の26日ごろから飾る家庭が多く、なかでも末広がりの「八」で縁起が良いとされる28日や、きりの良い30日に飾るケースがよく見られます。

飾るのに縁起が悪い日も

一方で、飾るのを避けたほうが良いとされる日もあります。12月29日は「二重苦(にじゅうく)」を連想させることから、縁起が良くないとされています。また、31日は大みそかに一夜だけ飾る「一夜飾り」となってしまうため、年神様をお迎えする準備が直前になりすぎて失礼にあたる、という考え方があります。

それぞれの正月飾りの飾り方・注意点は?

門松は、門や玄関の両側など外から見える場所に一対で飾るのが一般的です。しめ飾りは、玄関ドアの上など出入り口の高い位置に飾るほか、地域によっては台所や神棚、車などにも飾られます。鏡餅は、床の間や神棚のほか、家族が集まるリビングの目立つ場所に飾る家庭も多く見られます。いずれの場合も安定した場所に置き、直射日光や高温を避けると安心です。

赤ちゃんの初正月には「破魔弓」や「羽子板」も

赤ちゃんが生まれてから最初に迎えるお正月は「初正月(はつしょうがつ)」と呼ばれ、特別にお祝いする習わしがあります。男の子には「破魔弓(はまゆみ)」、女の子には「羽子板(はごいた)」を飾り、破魔弓には「魔を打ち破る」、羽子板には「悪いものをはねのける」という意味が込められているとされています。どちらも邪気から赤ちゃんを守り、健やかな成長と無病息災を願うお守りです。

お正月飾りを片付けるタイミング

お正月飾りを片付ける時期は、一般的に「松の内」が終わってからとされています。松の内は、関東では1月7日ごろまで、関西では1月15日ごろまでとする地域が多いと言われています。ただし、地域や神社、家庭の習慣によって違うこともあるため、地元の決まりや毎年参拝している神社の案内があれば、それに従うのが安心です。

お正月飾りの正しい処分方法

役目を終えたお正月飾りは、普通のゴミとしてではなく、感謝を込めて処分するのがよいとされています。主な方法は、①小正月(1月15日)ごろに行われる「どんど焼き」「左義長(さぎちょう)」でお焚き上げしてもらう、②神社の古札納所に納めてお焚き上げをお願いする、③どちらも難しい場合は自治体のルールに従い、プラスチックや金具を外して分別し、わらや紙は塩で軽く清めて家庭ゴミとして出す、の3つです。

お正月飾りは、見た目を楽しむだけでなく、年神様を迎え、一年の幸せを願う大切な役割があります。今年は、門松・しめ飾り、鏡餅の意味や飾るタイミングを親子で話しながら準備をしてみませんか?その時間が、子どもにとって日本の文化に親しむきっかけになるはずです。