
その可愛い仕草で水族館のアイドル的存在のラッコ。実は、2025年2月現在で、ラッコに会える日本の水族館は、わずか1つしかないのです。世界的にも絶滅危惧種となっているラッコは、日本の水族館でもかなり希少な存在なのです。そんなラッコの性格や生態、食事や貝を割る行動などについて解説します。もちろん、貴重な2頭のラッコもご紹介しますよ。
ラッコってどんな生きもの?
ラッコのキホン
ラッコはイタチやカワウソの仲間
ラッコはイタチ科のカワウソ亜科です。つまり、イタチ科のうちで水中で生活するようになったのがカワウソたち(カワウソ亜科)で、その中で海に進出したのがラッコというわけです。そういわれると、イタチやカワウソにどことなく似ている気がしますね。
- 【学名】Enhydra lutris
- 【分類】食肉目 イタチ科 カワウソ亜科 ラッコ属
- 【生息地】北アメリカ陸~千島列島の沿岸
- 【サイズ】体長100~140cm/体重15~45kg
- 【寿命】10~20年

可愛い仕草で人気の「鳥羽水族館」のラッコ
ラッコの名前の由来
ラッコはアイヌ語! 英語では“海のカワウソ”
アイヌ語で“rakko(ラッコ)”と呼んでいたことに由来しているといわれています。英語では“Sea Otter”といいますが、Otter=カワウソなので“海のカワウソ”という意味ですね。

そういえば、カワウソにも似ているかも
ラッコの食事
貝を石で割るのが可愛い!“マイ石”をポケットにキープ!?
ラッコは肉食です。貝類や甲殻類、ウニ類などを、甲羅やトゲなども気にせずバリバリ食べます。もちろん魚類も食べます。よく知られる、貝を石で割る行動はラッコの習性で、割るための石をお腹のたるみ部分にある“ポケット”にをしまい込んでおくんですよ。

食事をもらってうれしそうな「鳥羽水族館」のラッコ
ラッコの性格
デリケートでこだわりが強い&道具を使えて賢い
自分のお気に入りの石をキープすることからみても、こだわりが強くデリケートな性格だといわれています。そして、道具を使えるというのは、かなり賢いということですね。

お茶目なポーズを見せてくれた「鳥羽水族館」のラッコ
ラッコのカラダ
短い前肢がキュート! 8億本ある体毛をいつもお手入れ
平らで短い尾と水かきがついた後肢は水中を泳ぐためですが、前肢は短く貝などをつかむのに好都合なようです。もっとも大きな特徴は体毛の多さで、ラッコ1頭につき8億本もの体毛が生えています。そういえば、毛づくろいをする姿をよく見かけますね。この毛づくろいは、キレイにしておくことで空気が毛の間に入り込み、水面に浮くことができるのだそうです。つまり、浮袋をつけている感じですね。

前肢と後肢の形状が異なります。毛深いのもラッコの特徴です
ラッコの生態
キレイ好きのラッコはほとんど水中・水上で生活
ラッコはほとんど水中・水上で生活し、眠るときも海藻をカラダに巻いて、流されないようにして休みます。頻繁に行う毛づくろいは、浮くためのほか防寒効果を高める意味でカラダを清潔にしているようです。ラッコはキレイ好きなんですね。

水の中で生活する「鳥羽水族館」のラッコ 写真提供:鳥羽水族館
ラッコがいる水族館
鳥羽水族館(三重県/鳥羽市)
とばすいぞくかん
日本で初めてラッコの赤ちゃんが誕生したことでも知られる「鳥羽水族館」。現在はメスの“メイ”と“キラ”の2頭が暮らしています。食事の時間の、ガラス面に投げられたエサをジャンプしてとるパフォーマンス「イカ耳ジャンプ」や、おもちゃで遊ぶ姿が必見です。
- 【ラッコが初めて来たのは】1983年
- 【会える場所は】Iコーナー「極地の海」
- 【現在の飼育数は】メス2頭

このカメラ目線の表情がなんとも可愛い“メイ” 写真提供:鳥羽水族館
●メイ(メス)
- 【生まれた場所】鳥羽水族館
- 【生年月日】2004年5月9日
- 【ココにいるのは】2004年から

では、食事の時間のジャンプをご覧ください

ガラス面にくっついたイカに向かってジャンプ

おもちゃをガラスにコンコンしてくれます
●キラ(メス)
- 【生まれた場所】アドベンチャーワールド
- 【生年月日】2008年4月21日
- 【ココにいるのは】2021年から

“キラ”の立ち姿 写真提供:鳥羽水族館
問合先 | 0599-25-2555 |
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住所 | 三重県鳥羽市鳥羽3-3-6 |
料金 | 【入館料】大人2800円/小・中学生1600円/3歳以上幼児800円/2歳以下無料 |
ラッコがいる水族館が1館だけとは、正直ビックリしてしまいました。本当に希少なラッコ。その可愛い仕草を見ていると、水槽の前から離れられなくなるかも。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。変更される場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。