参加型のアートで遊びながら世界と繋がる! JICA横浜が親子で楽しめる施設にリニューアル

2階の一角を占める、藤浩志の作品「メッセンジャー」/JICA横浜(神奈川県/横浜市)
2階の一角を占める、藤浩志の作品「メッセンジャー」。ガラステーブルには中南米地域の日系人、JICAボランティアなどから集めたエピソードが書かれています。Photo : Ken Kato

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2002年に横浜・みなとみらい地区にオープンした「JICA横浜」(独立行政法人 国際協力機構 横浜センター)がこの夏、大幅リニューアル。国際協力がテーマのアートワークを取り入れた新たなコンセプトのもと、大人も子どもも楽しみながら国際協力や日系人社会支援について知ることができる施設に生まれ変わりました。

目次(index)

日本と世界をつなぐアーティストたちの作品を展示

2階エントランスのガラスドア/JICA横浜(神奈川県/横浜市)

2階エントランスのガラスドアには、日系ブラジル人二世のアーティスト、大岩オスカールが描いた、20世紀初頭の横浜大さん橋が。Photo : Ken Kato

大岩オスカールの作品/JICA横浜(神奈川県/横浜市)

大岩オスカールの作品は吹き抜けの柱にも。Photo : Ken Kato

今回のリニューアル最大の目玉は、国内外で活躍するアーティストやクリエイターによる、JICA横浜のために作られた作品を展示していること! 2階のエントランスと吹き抜け空間に面する5つの大きな柱には、ニューヨークを拠点に活躍する日系ブラジル人二世のアーティスト、大岩オスカールによる作品が。柱に展示されている「トラベリング・アラウンド・ザ・ワールド」は、日本からさまざまな国に向かう移住者たちを乗せた7隻の実在した移民船が描かれたもの。また、2階エントランスには、20世紀初頭の横浜大さん橋と、羽織袴で帽子を被った人々の姿が描かれています。横浜大さん橋は目と鼻の先、というこの施設のロケーションもあり、さまざまな思いを胸に祖国を離れた当時の移住者の人々の気持ちに思いを馳せることができます。

触り心地が気持ちがいいカピバラたち/JICA横浜(神奈川県/横浜市)

触り心地が気持ちがいいカピバラたち。未来へのメッセージは木にぶらさげて作品の一部に。

エピソードがかかれたガラステーブル/JICA横浜(神奈川県/横浜市)

エピソードのひとつひとつが面白い! 子どもたちと話しながら作品を鑑賞して。

2階には青年海外協力隊員として活動したこともあるアーティストの藤浩志による、中南米地域の日系人や日系社会ボランティアなどの関係者から集めた開拓時の苦労話や、動物と遭遇した時のエピソードなどをもとにして制作された作品「メッセンジャー」が。カピバラやアルマジロ、アリクイやナマケモノなどは、現地の声を日本の私たちに届けてくれる“メッセンジャー”というわけです。また、彼らからのメッセージを受け取った私たちが未来に向けてのメッセージを書き、その紙を木に飾れるようにもなっていて楽しい。カピバラの背中には乗ることもできます。

イクタケマコトによるぬり絵作品「日系移民の歩み」/JICA横浜(神奈川県/横浜市)

イクタケマコトによるぬり絵作品「日系移民の歩み」。Photo : Ken Kato

塗り絵に使うホワイトボード用のペン/JICA横浜(神奈川県/横浜市)

塗り絵に使うホワイトボード用のペン。消毒用アルコールも常備してあります。

また、同じ2階には横浜市在住のイラストレーター、イクタケマコトが日本人の海外移住の歴史や、海外での暮らしの様子などをリサーチして描いた、ホワイトボードのぬり絵作品が。絵の中央あたりには多くの移住者が出港したJICA横浜周辺のランドマークが描かれています。なお、ペンが置かれた作品前の台には、家に持ち帰って楽しめるようにと、紙のぬり絵も用意。くれぐれもホワイトボード用のペンで紙にぬり絵はしないように!

パラソル付きのテラス席もあり。広々快適なレストラン

3階のレストラン「Port Terrace Cafe」/JICA横浜(神奈川県/横浜市)

3階のレストラン「Port Terrace Cafe」の3本の柱に展示された、ジェームズ・クドウによる「テリトリアル・ディスプレイスメント」。Photo : Ken Kato

子どもの食べられるメニューも充実/JICA横浜(神奈川県/横浜市)

子どもの食べられるメニューも充実。カジュアルな価格も嬉しい!

3階の開放感あふれるレストラン「Port Terrace Cafe」には、日系ブラジル人三世のアーティスト、ジェームズ・クドウが中南米の自然から着想を得て描いたカラフルで楽しく、リラクゼーション感いっぱいの作品「テリトリアル・ディスプレイスメント」が。海のそばのこの場所にぴったりの、国境を超えた繋がりを感じられる作品です。メニューには和食もあれば、「JICA横浜」に滞在している海外からの研修員のために考案された、エスニックなメニューやハラール対応メニューもあり。子ども向けのメニューとしては「お子様プレート」「お子様カレー」「お子様パンケーキ」などが用意されています。テラス席にはパラソル付きの大きなテーブルが。スイーツ類も充実しているほか、物販コーナーではコーヒーや紅茶、お菓子などの物販もあります。

子ども向けの絵本なども充実したライブラリーや企画展示コーナーも

2階にあるライブラリー/JICA横浜(神奈川県/横浜市)

2階にあるライブラリーの様子。Photo : Ken Kato

1階ギャラリー/JICA横浜(神奈川県/横浜市)

1階ギャラリーの展示の中にも絵本コーナーが。Photo : Ken Kato

国際協力や開発教育に関する図書と映像資料を収める2階のライブラリーには、子ども向けの絵本なども。以前は多言語による読み聞かせ会も開いていましたが、新型コロナ禍にある今は読み聞かせ動画の動画配信を行なっています。
また、1階と2階には「JICA横浜」の事業を紹介するギャラリーがありますが、この1階の展示の中にも絵本コーナーが。建築家ユニット、dot architectsが手がけたこのギャラリーの展示デザインは、世界の海と大陸、島などを表現したもので、回遊しながら展示内容を追っていけるのが楽しい。好きなところに腰掛けて本を読んだりすることもできます。

さらに、館内には南北アメリカを中心とした日本人の海外移住の歴史および移住者と日系人の現在をテーマにした資料館「海外移住資料館」も。現在は2021年11月21日(日)までの会期で企画展示「日系人のレシピ-受け継がれる日本の味と家族の記憶」を開催しているので、こちらも要チェックです。

横浜の観光スポットも歩いてすぐ。ちょっと休憩にもぴったり

「Port Terrace Cafe」のテラスの前に広がる風景/JICA横浜(神奈川県/横浜市)

「Port Terrace Cafe」のテラスの前に広がる風景。左手に見切れているのが「横浜ハンマーヘッド」、右手の白い建物が「MARINE & WALK YOKOHAMA」。右奥にはベイブリッジが。

「JICA横浜」の近くには、新港ふ頭客船ターミナルのある「横浜ハンマーヘッド」や「カップヌードルミュージアム 横浜」、「MARINE & WALK YOKOHAMA」、「横浜ワールドポーターズ」、それに「横浜赤レンガ倉庫」などの観光&ショッピング施設が目白押し。周辺を巡る際の拠点としても活用できそうです。「JICA横浜」はベビーカーでもゆったり入れるほか、おむつ交換台が女性用・男性用・多目的の各トイレに設置されているのも嬉しいポイント。授乳室も2室あります。展示や食事を通じて日本と世界の繋がりを感じながら、気軽にアートにも触れられる、絶好のスポット、一度訪れたら必ずやリピートしたくなること請け合いです!

JICA横浜の外観(神奈川県/横浜市)

Photo : Ken Kato

JICA横浜(独立行政法人 国際協力機構 横浜センター)

住所 神奈川県横浜市中区新港2-3-1
問合先 045-663-3251(代表)
料金 無料
営業時間 10時~18時(入館は17時30分まで)
定休日 不定休・年末年始(12月29日〜1月3日)※「海外移住資料館」は毎週月曜日(祝祭日と重なる場合は翌日)休館・2021年11月29日(月)〜2022年3月31日(木)臨時休館予定
アクセス JR桜木町駅より徒歩約15分/みなとみらい線馬車道駅より徒歩約8分
URL

https://www.jica.go.jp/yokohama/index.html