子どもたちが大好きな昆虫界のキング的存在“カブトムシ&クワガタ”の昆虫採集の仕方をご紹介します!道具や服装・簡単な仕掛けの秘伝レシピ・捕まえ方・飼育方法までを、昆虫芸人の堀川ランプさんが解説。初めての昆虫採集を成功させて、親子の夏の楽しい思い出を!
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(監修プロフィール)堀川ランプ
昆虫大好き芸人。変形菌にも詳しい。日本大学大学院生物資源科学研究科修士課程修了。理系の研究発表を模した白衣スタイルでおこなうフリップ芸が人気。Youtubeで「堀川ランプの昆虫列伝」を配信中。日本変形菌研究会会員。成虫の会メンバー。当記事のイラストはすべて堀川ランプさん本人のよるもの!
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【服装・道具】網はなくても可! 虫かごは紐付きが◎
昆虫採集を楽しむために、まずは服装や道具のポイントを。
- 服装:
動きやすく汚れてもいい恰好で、帽子を必ず着用しましょう!草むらに入ることもあるので、なるべく長ズボンを履くのがおすすめ。 - 靴:
たくさんの昆虫に出会うためには、靴は重要なポイント!たとえ舗装された公園でも、昆虫採集では草むらや木の茂みに入るので、素足が出るサンダルは避けた方が安全。履き慣れたスニーカーを。 - 虫かご:
100均などで売っている虫かごでOK。子どもは昆虫探しに夢中になると、虫かごをどこに置いたか忘れてしまう場合があるので、取っ手や肩掛けひもがあるタイプが◎。 - 網:
今回のカブトムシ・クワガタの場合は、網はなくてもOK(網を使わずに採集できるコツを、下記で解説します!)。
とはいえ、網は昆虫採集の気分が出るので、持ちたがる子も多いですね。もし用意する場合は、ホームセンターなどで1000円程度で買えるものがおすすめ!100均などの安価なものは網が浅いのが多く(ザリガニすくいには最適)、あまり高価なものは、作りがしっかりしている分、子どもには重くて持ちにくい場合があります。 - 飲み物など熱中症対策を:
外で動き回るので水分補給はこまめに。夏の昆虫採集では、汗の水分とミネラルを求めて、チョウが自分から人間によってきてくれることもあります!
【時期】カブトムシを捕まえるのにおすすめの時期
カブトムシの成虫は6月下旬ごろから姿をあらわしはじめ、9月中旬ごろまで見ることができます。
シーズンの最初の方は、カブトムシの数が少ないため簡単には捕まえられません。反対にシーズンの最後の方は、寿命が残り少ないカブトムシばかりになっているので、元気な個体が数多く見つけられる7月中旬~8月上旬までがカブトムシ採集のベストシーズンです。
【木を探そう】カブトムシ・クワガタが好む木は?
カブトムシ・クワガタが好む木は、クヌギとコナラ。どちらも縦に深い溝が入った樹皮と、縦長でふちがギザギザした葉っぱが特徴なので、探してみましょう。
クヌギもコナラもドングリがなる樹なので、根元にドングリが落ちていたら間違いなし! コナラのドングリは楕円形で帽子をかぶった典型的なドングリの形、クヌギのドングリは丸っこく、トゲトゲした帽子をかぶっていますよ。
【場所】カブトムシのおすすめ採集ポイント
ポイントがわかればより探しやすくなります!
樹液まわり
カブトムシは全てのクヌギやコナラにいるわけではありません。エサとなる樹液がしみ出している場所と、そのまわりだとよく見つけられます。カブトムシを採集する時は明るいうちに下見をして、樹液が出ている場所をあらかじめ見つけておいてから、夜に採集しに行くのがおすすめです。
木の根元
カブトムシは夜行性。日中は落ち葉の下で休んでいる場合が多いです。夜に採集に行けない場合は、樹液が出ている木の根元近くの落ち葉をどかしてみると、カブトムシが見つけられることも!
【仕掛け】秘伝レシピ&仕掛ける時間帯
簡単!仕掛けの秘伝レシピ
カブトムシ、クワガタを確実に捕まえるために、仕掛けをしましょう。仕掛けの秘伝レシピはとっても簡単。バナナ・焼酎・砂糖をビニール袋などに入れて混ぜ合わせ、半日~1日、常温で放置したら完成!
出来上がったら、ストッキング(排水溝などの目の細かいネットでもok)にうつしかえ、クヌギやコナラの木を見つけて、紐で木の幹にくくりつけます。
<仕掛けのポイント>
- 焼酎の代わりにコーラやカルピスを入れる例もありますが、アルコールが蒸発するときにバナナの甘い香りが漂うので、昆虫を引き寄せる効果大!
- 釘を使って仕掛けをつるすのは、木を傷つけるのでNG!生きている木の命を粗末にしてまで昆虫採集をすべきではありません。
- 採集が終わったら、仕掛けの回収は忘れずに(結構忘れがち!)。
仕掛けの時間帯は?
お子さんは昼間の時間帯が動きやすいと思いますが、日中に仕掛けると、甘い香りに誘われてスズメバチがやってきたり、カナブンがネットに穴をあけてしまう可能性も。カブトムシやクワガタだけを確実に狙いたいのであれば、できれば夕方に罠を仕掛けて、夜または明け方に回収するのがベストです。
仕掛けにカブトムシやクワガタがかかるかは、運にも左右されます。もし一匹もかからなかった場合は、時間をずらしてチャレンジしてみましょう。それでも昆虫が寄ってこなかった場合は、場所を変えてみてください。
【カブトムシの捕まえ方】ポイントはおしり!?
昆虫は、頭・胸・腹の3つに分かれています。そのうちの「胸」の部分をつまんで持ちましょう。カブトムシのオスは、胸の上にある小さい角をつまんで持っても大丈夫です。
つかもうとすると、虫が木にしがみつくことがよくあります。力ずくでとると、カブトムシやクワガタの爪が欠けて、弱ってしまう場合があります。その場合は「おしり」をやさしくつついてみてください。昆虫はおしりが急所なので、さわると驚いて足の力を弱めます。その隙に木からとりましょう。
おしりを触る方法は、クワガタに指を挟まれた時にも有効です。無理にはさみをこじ開けずに、おしりを触って、驚いたクワガタが力を緩めた時に外しましょう。
つかむのが怖い時は?
親子どちらもつかむのが少し怖い場合は、慌てず網をかぶせて、つかまらせるようにしましょう。力まかせに木から振り落とすと昆虫が傷ついて弱ってしまうので、避けてくださいね。
【採集しよう】傷つけないように持ち帰ろう
採集した昆虫は、そのままケースに入れて持ち帰ったのでは傷ついてしまいます。採集した場所の近くにある落ち葉を敷いて、その上に乗せてあげましょう。公園の土や砂を持ち帰りたくなる気持ちはわかりますが、実はNG。野外の土は家庭飼育に向かないので、飼育の際は腐葉土または市販の「昆虫マット(飼育用マット)」を敷いてください。
捕まえたけど、逃がしたい。そんな時は?
一度捕まえて少し観察し、その場で逃がすのは問題ありませんが、持ち帰ったあとに「育てられないから」と採集した場所に戻すことはやめましょう。一度人間の手で育てると、自然界にはない菌にふれるため、戻すことで生態系を壊してしまいます。
生き物の飼育には責任がともなうので、ちゃんと最後まで大切に飼うことができるか、親子で事前にきちんと話し合ってくださいね。
昆虫採集は、仕掛けなどの準備から飼育観察まで、ずっと親子でワクワク楽しめる体験です。ぜひチャレンジしてみてくださいね!!
カブトムシの成虫飼育はこちら
» カブトムシ成虫の育て方は?エサや飼育ポイントを初心者向けに解説
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詳しい付録の作り方や使い方はこちら
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定価 | 1650円(10%税込) |
判型 | AB判、本誌96ページ(ソフトカバー)、別冊付録32ページ(いずれもオールカラー) |
発売日 | 2023年6月23日(金) |
発行 | JTBパブリッシング |
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