東京・上野にある「国立科学博物館」は、宇宙・地球・生物・恐竜などの自然科学分野をまるごと楽しめる国立で唯一の総合科学博物館。国立科学博物館でしか見られない独自の展示方法や知的好奇心をくすぐる学びの仕掛けがいっぱい! 脳医学者の瀧 靖之先生と子どもたちのリアル体験レポでご紹介します。親子で楽しむ「問いかけポイント」も必読。
- 国立科学博物館で育つ子どもの力って?
- 国立科学博物館ってこんなところ!
- 【地球館1F】宇宙・生命・人類のつながりを体感!
- 【地球館B1F】世界中の恐竜ファンが訪れる!大人気の恐竜フロア
- 【地球館B2F】恐竜絶滅後の生物の進化がまるわかり
- 【地球館3F】動物たちと目が合う展示法が、知的好奇心を刺激!
- 【日本館3F北翼】日本最大級の化石コレクション!
- 【日本館2F北翼】リアルな再現像が、知的好奇心をくすぐる!
- 【日本館2F南翼】日本ならではの昆虫や植物に会える!
- 国立科学博物館ならではの体験にトライ!
- 子連れにおすすめ!館内の立ち寄りスポット
- 小さい子ども連れファミリーに嬉しい、施設や設備
- 『るるぶKids こどもの知的好奇心がすくすく育つ学びスポット 東京周辺』
監修 瀧靖之先生(東北大学加齢医学研究所教授)
医師。医学博士。東北大学加齢医学研究所および東北大学東北メディカル・メガバンク機構で脳のMRI画像を用いたデータベースを作成し、脳の発達や加齢のメカニズムを明らかにする研究に従事。読影や解析をした脳MRIはこれまで16万人以上にのぼる。
国立科学博物館で育つ子どもの力って?
知的好奇心が育つと、子どものどんな力が伸びるのかをチェック!国立科学博物館では、とくにどんなところが子どもの知的好奇心をくすぐるのか、実際に瀧先生と子どもたちが行ってきました!親子の会話が知的好奇心をいっそうアップするので、親の「問いかけポイント」もぜひ参考に!
» 脳医学者の瀧 靖之先生に聞く!「知的好奇心」で育つ8つの力
国立科学博物館ってこんなところ!
1877(明治10)年に創立された国立で唯一の総合科学博物館。子どもたちに人気の高い宇宙や恐竜、動物など、地球全体のつながりや進化を体感できる「地球館」、日本列島の自然や歴史を学べる「日本館」の2つの建物で構成されています。常設展示だけでもおよそ2万5000点もあるそうです!
所要:4時間
おすすめの年齢:4歳〜
住所 | 台東区上野公園7-20 |
---|---|
電話 | 050-5541-8600(ハローダイヤル) |
営業時間 | 9〜17時、最終入館は閉館30分前 |
定休日 | 月曜 |
料金 | 常設展630円 高校生以下無料 |
アクセス | JR上野駅から徒歩5分 東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅、京成線上野駅から徒歩10分 |
駐車場 | 館内駐車場はなし |
<施設データ>
- 子ども用トイレ:✕
- おむつ替え:〇
- 授乳室:〇
- ベビーカー利用:〇
- ベビーカー貸出:✕
- コインロッカー:〇
- 館内飲食店:〇
- 館内売店:〇
おすすめのアクセス方法は?
電車はJR上野駅(公園口)から徒歩5分、東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅(7番出口)から徒歩10分、京成線「京成上野」駅(正面口)から徒歩10分。国立科学博物館は上野公園の敷地内にあるので、どの路線を利用しても「上野公園」の表示を目指せばわかりやすいです。車の場合は、館内に駐車場はないため、周辺駐車場を利用のこと。上野公園併設の「上野公園第一駐車場」はバス・身障者専用なのでご注意を。
おすすめの遊び方&過ごし方
じっくりみようと思うと、丸一日でも回りきらないほど。小さな未就学児の場合は、事前に公式サイトをチェックして、みたいフロアや目的を決めて行くのがおすすめ。上野動物園や美術館も有する上野公園内にあるので、もしはしごをしたい場合は計画的に!
国立科学博物館 フロアマップ
画像引用:国立科学博物館ホームページ
画像引用:国立科学博物館ホームページ
【地球館1F】宇宙・生命・人類のつながりを体感!
地球館の入口を入ると、まずは宇宙・生命・人類の壮大な時間旅を体感できる「地球史ナビゲーター」がお出迎え。フロアを進むと昆虫、動物、海洋生物など、多種多様な地球上の生物展示がズラリ。生き物のつながりが実感できます。
地球史ナビゲーター
円形大型アニメーションで、138億年前の宇宙誕生から、地球の誕生、人類の誕生を一望できます。エリア中央には日本で初めて展示されたの恐竜の全身骨格標本であるアロサウルスも。
系統広場
生物の進化と多様化がわかる系統広場。床に近縁グループを示すラインが光り、子どもにもわかりやすい!
マッコウクジラ
約14mマッコウクジラの天井展示は大迫力。全身骨格に模型を組み合わせ、反対側から見ると巨大な頭部の内部や肩甲骨、肋骨などの構造がわかるようになっています。
★問いかけポイント★
目にしたものをそのまま言葉にするだけでも、子どもは見入ります。大きさや数字、色などは、小さな子でもわかりやすいですね!
【地球館B1F】世界中の恐竜ファンが訪れる!大人気の恐竜フロア
B1F「地球環境の変動と生物の進化-恐竜の謎を探る-」は、子どもたちに大人気の恐竜骨格がお出迎え!
ティラノVSトリケラ
世界でも珍しいと言われているしゃがんだ姿勢のティラノサウルスは国立科学博物館オリジナルのもの。トリケラトプスを待ち伏せしているかのような配置にドキドキ!
世界一のトリケラ標本
トリケラトプスの右半身骨格。尾以外の大部分が実物化石で、地面に埋まっていた側が展示され、「世界一状態の良いトリケラトプスの標本」として、世界中から見にくる人がいるのだそう。頭と胴体がつながった状態で見つかったトリケラトプスの化石は世界に2体しかなく、そのうちの1体がここに!
パキケファロサウルス
パキケファロサウルスは、茶色の部分が実物化石、白い部分は復元したものに色分けされており、これも国立科学博物館ならではの珍しい展示方法。以前は頭突きで敵を倒していたと考えられていたが、化石から、頚椎が華奢で頭突きには耐えられないことが判明。
★問いかけポイント★
比べる質問を投げかけると、子どもなりの答えがかえってきます。さらに「どうしてそう思う?」と理由をきくと、「歯がキザギザで痛そう」「こっちの方が足が速そう」などと会話がはずみます。「わからない」と言われてもok。正解よりも、一緒に観察することを楽しんで。
【地球館B2F】恐竜絶滅後の生物の進化がまるわかり
B2Fは「地球環境の変動と生物の進化-誕生と絶滅の不思議」をテーマに、恐竜絶滅後の生物たちに会えるエリア。リアルで迫力ある復元展示の数々が、大昔への想像をかきたてること必須。私たちの祖先である人類の誕生も!
陸上から水中へ還った生き物
陸上で進化したあと、水中へと還った生物も。右のティロサウルスは中生代の爬虫類、左のバシロサウルスは新生代の哺乳類。時代も種類も異なるのに、とても似た形でびっくり!
マンモスの骨の住居
3万~1万年前にあったとされる、マンモスの骨を利用した住居の復元。マンモスの骨の大きさと、人類の知恵にびっくり。キャンプのテント程の大きさで、暖かそう。
古代人の復元
誰も見たことのない大昔の人々は、化石や石器などの証拠からの研究に多くの想像力も加味して、姿形だけでなく、表情までもを復元。
★問いかけポイント★
子どもの自由な気づきに「どうしてそうなのかな?」と考える質問をすると、前頭葉が刺激され、さらに発想力や思考力が広がります。正誤よりも、「なるほど」と子どもの視点を楽しみましょう。
【地球館3F】動物たちと目が合う展示法が、知的好奇心を刺激!
「大地を駆ける生命」は、動物の剥製がズラリ。子どもたちに大人気のエリア!
大型動物の剥製
115体の大型動物剥製が円形に配置された展示は、「どこから見ても動物と目が合う」という国立科学博物館ならではの展示手法。特に子どもの低い目線には迫力満点!壁には絶滅のおそれがある生物種のレッドリストがあり、ジャイアントパンダやトラ、ホッキョクグマなど、子どもたちに身近な動物も絶滅危惧にあることがわかります。
ニホンオオカミ
絶滅したニホンオオカミの剥製標本は世界に4体しかなく、そのうちの1体がこちら。
コウノトリ・トキ
日本の特別天然記念物に指定されているコウノトリ。
野生復帰が進められているトキ。
★問いかけポイント★
博物館の展示の良さは、動かないのでじっくり観察ができること。子どもにわかりやすい言葉で特徴や見所に目線を誘導してあげるといいでしょう。写真撮影可なら、一番気に入ったものを写真にとったり、スケッチするのも○。帰宅後の振り返りの会話にも役立ちます。
【日本館3F北翼】日本最大級の化石コレクション!
私たちが暮らす日本列島の歴史や自然と人間の関わりを体感できる日本館。3F北翼の「日本列島の生い立ち」は、人気のフタバスズキリュウと日本最大級のアンモナイト化石が必見!
フタバスズキリュウ
ドラえもんの漫画や映画に登場することで知られ、子どもからの人気が高いフタバスズキリュウ。展示は、白亜紀に生息していた首長竜の復元骨格。化石を発見した鈴木直氏は当時高校生。長い年月をかけて標本研究がされた様子の動画も見られます。
アンモナイト化石
日本近海に生息したアンモナイトとしては最大級のパキデスモセラス。間近で見ると「ここはどうなってるの?」と興味津々。
日本最古の化石
岐阜県奥飛騨で発見された日本最古の化石を含む可能性がある珪質岩(けいしつがん)。
★問いかけポイント★
図鑑などで見たことがあるものは「これ知ってる!」と前のめりになります。化石だからといって、科学や生物にまつわること問いかけである必要はありません。関連するものが登場する絵本やアニメ、発見された都道府県、生きていた時代のことなど、大人が幅広くとらえると会話がより広がっていきます。
【日本館2F北翼】リアルな再現像が、知的好奇心をくすぐる!
「日本人と自然」のエリアは、暮らしと自然の関わりがリアルに伝わるユニークな展示が見所。
歴史を旅する日本人
旧石器時代から近世人までの暮らしのひとこまが再現されたブース。体つきや顔つき、衣食や家族のはぐくみが精密に再現され、時代ごとの変化がリアルに伝わる。最後には「現代人」のブースがあり、来場者が入って展示標本になれる楽しい仕掛けも。
忠犬ハチ公
日本人と犬の関わりのコーナーでは、忠犬ハチ公(秋田犬)の剥製が!亡くなったご主人を渋谷駅で待ち続けたことで知られるハチ公。ハーネスについた金属製プレートには、「ハチ号」と刻印された文字がはっきりと読み取れる。すぐ近くには『南極物語』で知られるジロ(樺太犬)の剥製も。
★問いかけポイント★
スマートフォンを利用した展示ガイドや音声ガイド、解説つきツアーを実施している博物館の場合には、大いに利用してみるのも手。予想以上に子どもが楽しめるケースもあります。感想を言い合ったりなど、またちがった会話が広がるきっかけにも!
【日本館2F南翼】日本ならではの昆虫や植物に会える!
「生き物たちの日本列島」のエリアは、日本独自の生物を紹介。島国の日本は、固有の昆虫や植物がいっぱい。体験型ブースは知的好奇心がアップ!
ノコギリクワガタ属の分布
子どもたちに人気の昆虫であるクワガタの分布。島が多い日本列島の複雑な自然環境に適応しながら、独自の分化を遂げたことがわかります。
セミの鳴き声比較
ニイニイゼミやツクツクボウシなど、6種類のセミの鳴き声を聴き比べることができます。
★問いかけポイント★
もしも、その場で答えられない高度な質問をされた場合は「あとで一緒に調べてみよう」がベスト。大切なのは「一緒に向き合う」こと。予習だけでなく、帰宅後にさらに図鑑で調べたり振り返ったりすることで、知的好奇心はいっそうアップします!
国立科学博物館ならではの体験にトライ!
日本館の建物は重要文化財!回廊も楽しんで
1931(昭和6)年に完成したネオルネサンス様式の建物で、国の重要文化財に指定。天井ドームとステンドグラス、繊細なレリーフが施された白い壁など、その美しさにうっとり。実は上空から見ると、施工当時の科学技術の象徴だった飛行機の形をしています。館内を歩きながら、形を想像して楽しんでみて。
江戸時代の女性のミイラ
「ほんの少し前の祖先」と題されたコーナーに展示されている200年前の江戸時代の女性のミイラは、国立科学博物館ならではの見所のひとつ。人格を持った死者の尊厳を十分に考慮したうえで、大変貴重な学術的資料として、一般公開をしているとのこと。最先端の科学技術によって、どんなことが解明されたかを紹介する動画も必見。写真撮影は禁止。
世界最大の生物、シロナガスクジラ!
現在地球上に生息する最大であるシロナガスクジラ。全長30mの巨体を海面から深く潜行させようとしている姿が再現されており、迫力満点。2013年には、胴体に斑紋を散在させ、眼球を義眼に変更するなど、最新の研究成果に基づいた修復が行われています。
子連れにおすすめ!館内の立ち寄りスポット
国立科学博物館内にある、子連れで訪れたいスポットをご紹介!
レストラン「ムーセイオン」
地球館中2階にあり、ハヤシライスやハンバーグなど子どもが好きなメニューを取り揃えた洋食レストラン。天井からは大星雲の照明が照らし、雰囲気も抜群。特別展にちなんだ楽しい期間限定メニューもあり!
- 問合先:03-3827-2080
- 場所:館内 地球館M2階
- 営業時間:10:30~17:00
画像提供:国立科学博物館
(参考)国立科学博物館 レストラン「ムーセイオン」
ハーブガーデン
地球館屋上では、薬用・食用・染料・香味料などのハーブが植えられた美しい庭が楽しめる(天候不良時は閉鎖)。数々の香りにうっとり!
画像提供:国立科学博物館
小さい子ども連れファミリーに嬉しい、施設や設備
館内には授乳室・おむつ交換台があります。詳しくは国立科学博物館ホームページをご確認ください。
(参考)国立科学博物館バリアフリー情報
コインロッカーは地球館1F出入口付近と日本館B1Fにあります。100円硬貨を入れて使用し、使用後は返却されるので実質無料なのも嬉しいところ。硬貨の取り忘れにはくれぐれもご注意を!
国立科学博物館の展示品をモチーフにしたオリジナル商品や、化石や鉱物などの実物標本、実験や工作キットなど、多数の商品がズラリ。ここでもまたひとたび、子どもの目がキラキラとするはず。ぜひお土産を買って、帰宅後も知的好奇心をぐんぐん育みたいですね。
貴重な展示が豊富なうえ、展示方法にも並々ならぬ工夫や仕掛けがいっぱいの国立科学博物館。世界中の研究者も訪れるという日本屈指の博物館が、東京の好アクセスな場所にあるなんて、親子で訪れない手はありません!小さな子どもから大人まで、知的好奇心をぐんぐんかきたてられる博物館です。
『るるぶKids こどもの知的好奇心がすくすく育つ学びスポット 東京周辺』
子どもたちの知的好奇心を刺激してくれる“学びスポット”全89施設をピックアップ。図鑑などでもお馴染みの「恐竜」「動物」「昆虫」「宇宙」「乗り物」、そして日常の延長として親子のコミュニケーションを楽しめる「アート」「絵本・アニメ」「にほんの歴史」を加えた8テーマに分けて紹介しています。
監修者である脳医学者の瀧 靖之先生、そして各テーマの“達人”たちと選んだ“学びスポット”は、どこも子ども心をくすぐる工夫にあふれた施設ばかり。また巻頭には、瀧 靖之先生による「知的好奇心の伸ばし方」も収録していますよ。
子どもの成長にとって大事な知的好奇心を育てるスポットの数々。本書を参考に家族でおでかけしてみませんか。