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宮崎県の特産品おもしろ雑学|畜産環境に恵まれた南国で、すくすく育つブランド鶏

宮崎県の特産品「ブランド鶏」

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47都道府県それぞれの代表的な「特産品」をクローズアップ。【知る】【つくる】【学ぶ】の3つの視点から、特産品と各都道府県の関係をひも解きます。各地の歴史や風土だけでなく、意外な理由で生まれた特産品は、知れば知るほどおもしろい!

宮崎県で紹介するのは「鶏」。おいしい若鶏や地鶏を育む宮崎県と鶏との関係を、豆知識も交えながら紹介します。同県発祥のチキン南蛮のレシピや、現地の直売店などもチェック!

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目次(index)

【知る】温暖な気候&県のプロジェクトで畜産王国へ

宮崎県を代表する特産品である鶏(鶏肉)は、都城(みやこのじょう)市や日向(ひゅうが)市を中心に、広く県内で飼育されています。ブロイラー(若鶏)の生産量は、全国屈指。古くから、正月やお祝い事などで鶏肉を食べる風習や、チキン南蛮、鶏の炭火焼といった名物料理もあるため、県民の年間鶏肉購入数量も全国の上位に入っています。

宮崎県は地鶏も有名です。特にブランド商品として認定され、特許庁に登録されている「みやざき地頭鶏(じとっこ)」は、品質・味に優れた日本を代表する地鶏といえます。

卵を産む鶏と食肉の鶏は違うの?

宮崎県の特産品「ブランド鶏」

鶏には、卵をたくさん産むように飼育される採卵鶏(さいらんけい)と、おいしい肉になるように飼育される食用鶏に分けられます。どちらとも祖先は同じニワトリですが、長い年月をかけて品種改良が行われ、採卵鶏が細身で小柄、食用鶏は大型という傾向があります。採卵鶏のオスは卵を産めませんので、オスのヒヨコは肥料や飼料の原料に用いられることが多いです。

日本で流通する食用鶏は、「ブロイラー」「地鶏」「銘柄鶏」の3種類あります。ブロイラーは「若鶏」とも呼ばれ、より早く出荷させるために餌の量を増やすなど成長を促し、大量生産されます。一般的に羽の色は白です。

地鶏は、両親または片親が在来種(明治時代までに日本に導入され定着した鶏)で、飼育期間80日以上(ブロイラーは50~60日)、平飼い(地面を自由に動き回れる環境)で育てるなど、決まった方法で飼育されています。

銘柄鶏は、厳密な規定はありません。ブロイラーより飼育期間を長くしたり、良質なエサを与えたりして、味がよくなるよう工夫されています。そのなかでも羽の白い「若鶏系」と羽の赤い「赤系」に分類されます。

宮崎県の鶏の飼育が盛んなワケ

画像:PIXTA

宮崎県の日照時間や快晴日数は、全国トップクラス。平均気温が年間約17℃と高く、温暖な気候で鶏、豚、牛の畜産環境に恵まれています。

県内に広がるシラス台地の存在も、畜産が盛んになった一因です。シラス台地は、軽石や火山灰によってできた土壌のため、水分を保ちにくく、水田には適しません。豪雨や台風といった天災も多く、農業経営は長年不安定でした。そこで宮崎県は昭和35年(1960)に、畜産業を後押しするプロジェクト「防災営農計画」を発表。ちょうど同じ頃に、日本のブロイラー産業もスタートし、昭和40年代からブロイラーの飼養羽数が急激に伸びたのです。

宮崎県は地鶏への思いも強く、長年にわたり研究、交配試験を繰り返しました。そして、おいしいだけでなく、生産者にも飼いやすい「みやざき地頭鶏」が誕生し、2007年に宮崎県認証「みやざきブランド」として認定されました。

宮崎県で飼育されている主な鶏の種類

宮崎県で飼育されている主な鶏の種類/宮崎県の特産品「ブランド鶏」

宮崎県には、ブランド鶏と呼ばれる地鶏や銘柄鶏が10種類以上います。その代表的な4種類を紹介します。

「みやざき地頭鶏」は、鶏肉特有の臭いが少なく、柔らかな肉質ながら適度な歯ごたえと弾力を感じることができる地鶏です。さらにうま味が凝縮し、豊かな味わいを楽しめます。

同じく地鶏の「妻地鶏(つまじどり)」は、引き締まった肉質でうま味もありつつ、あっさりとした味と評判。炭火焼にして食べるとおいしいですよ。

銘柄鶏では「日向鶏(ひゅうがどり)」「霧島鶏(きりしまどり)」がおすすめ。日向鶏は、飼料にミネラルなどの栄養素を含んだ海藻類をブレンド。低脂肪で低カロリー、さらに低コレステロールと、健康志向の人にぴったりの肉質です。

県内の契約農家で育てられる霧島鶏は、通常の若鶏よりも強いコクが感じられ、高タンパクかつ低カロリー。飼料にハーブを混ぜており、臭みが抑えられているのもポイントです。

朝一番にコケコッコーと鳴くのはボスのニワトリ?

画像:PIXTA

鶏(ニワトリ)は、朝に「コケコッコー」と大きな声で鳴きますが、その習性があるのはオスだけって知っていましたか?

大昔、森の中で暮らしていた鶏の祖先は、最も住みやすい場所を力のあるオスのグループが占拠しました。すると、ほかのオスのグループに対し、朝鳴くことで縄張りを主張。その名残から今も朝鳴くのはオスのみで、同じ群れ同士の鶏でも縄張りを主張するために、大きな声で鳴くのだと考えられています。

群れの中でも最初に鳴くのは、一番強いボスの鶏です。続いて、強い鶏の順に鳴いていきます。これは群れの中での序列(ポジション)を、確認するためだといわれています。ちなみに、メスは小さな声で「コケコッコ」と抑えるように鳴くのが特徴です。

【つくる】宮崎県が誇る鶏肉料理レシピ

宮崎県には、おうちでも作れる鶏肉を使った郷土料理があります。体を作るタンパク質が豊富な鶏肉は、成長期の子どもにぴったり。普段の食事のレパートリーに加えてみてください。

「チキン南蛮」を作ってみよう!

チキン南蛮

出典:農林水産省Webサイト

宮崎県北部の延岡(のべおか)市発祥の料理が「チキン南蛮」です。昭和30年代に市内の洋食店で、まかない飯として作られたのが始まりとされていて、今では宮崎県のソウルフードに。

南蛮酢の材料は、唐辛子の代わりにケチャップを使うと子どもが食べやくなりますよ。

簡単レシピを紹介

  1. キュウリ、タマネギ、砂糖、ゆで玉子、マヨネーズ、ケチャップを混ぜてタルタルソースを作ります。
  2. 南蛮酢の材料のしょうゆ、みりん、酢、砂糖、七味唐辛子を混ぜ合わせ、火にかけて一度沸かします。
  3. 鶏ムネ肉に塩、コショウを振り、薄力粉をまぶし、とき卵を絡めて170℃の油で揚げます。揚がったら南蛮酢に浸してください。
  4. 皿に汁気を切った鶏ムネ肉を盛り付け、タルタルソースをかければ完成!

シンプルでおいしい! 宮崎県の農家ご飯「とりめし」

とりめしを作ってみよう/宮崎県の特産品「ブランド鶏」

季節の野菜と鶏肉の炊き込みご飯「とりめし」も、宮崎県のソウルフード。農家では昔からおにぎりにして、畑仕事の合間に食べる習慣があります。お祭りなど大勢の人が集まるときには、大釜で炊いて振る舞われるそうです。

野菜も一緒にとれて栄養価が高いご飯なので、野菜が苦手の子どもにもおすすめ!

簡単にレシピを紹介

  1. 鶏肉の脂の部分を取り除き、細切りにします。
  2. 干しシイタケを1時間ほど、水につけて戻した後に千切りにします。
  3. ゴボウはささがきにして水につけて、ニンジンもささがきに。
  4. 鍋に鶏を入れて、火にかけて炒めます(サラダ油は不使用)。
  5. シイタケ、ゴボウの順に入れてしばらく炒め、シイタケの戻し汁少量と砂糖を加えます。さらに炒めてしょうゆを追加し、味が染み込むまで炒めたら、冷まします。
  6. 炊飯器に米、冷ました具、ニンジンを投入、軽く混ぜ合わせてから炊いてください。
  7. 炊きあがったら約15分蒸らし、ご飯全体を軽く混ぜます。再びふたをして、味をなじませたらできあがり!

【学ぶ】美味しくて新鮮な鶏が購入できるスポット

宮崎地鶏を現地で購入したい人にイチ押しの直売所と、テイクアウトもできる鶏肉グルメの専門店を紹介。両店とも鶏肉の解体や加工を行う会社の直営店なので、味は間違ありません!どのように解体や加工がおこなわれているのか、親子でおうちで調べてみてもいいですね。

みやざき地頭鶏直販店 鶏愛(宮崎県/都城市)

みやざき地頭鶏直販店 鶏愛(宮崎県/都城市)

「みやざき地頭鶏」の生産から解体、加工販売まで一貫して行っている会社の直売店「鶏愛(けいあい)」。毎朝、加工処理をした鮮度抜群の商品が並んでいます。

おすすめは、表面を香ばしくあぶって自家製タレにつけて食べる「みやざき地頭鶏タタキ小(1~2人前)」550円。いろんな部位を味わえる「みやざき地頭鶏盛合せ」700円も、予約必須の人気商品です。

<施設データ>

住所 宮崎県都城市山田町山田4645-1
問合先 0986-64-2758
営業時間 10時30分~18時※売り切れ次第閉店
定休日 日曜、月曜の祝日
アクセス 公共機関:JR万ヶ塚駅から徒歩15分
車:宮崎自動車道都城ICから11km16分
駐車場 あり/4台/無料
URL

http://www.miyazaki-keiai.com

宮崎かしわや(宮崎県/国富町)

鶏の炭火焼を主とした加工品を、製造・販売している平和食品工業の直営店舗が「宮崎かしわや」です。平日は店内奥のガラス越しに作業風景が見られ、特に大型の七輪で炭火焼を焼く際に上がる炎に驚くはず。

店舗での飲食はランチのみ。鉄板に盛られたアツアツの「鶏の炭火焼ランチ」900円や大人気の「醤油ニンニク唐揚げ」850円をはじめ、さまざまな味の唐揚げが楽しめます。唐揚げのテイクアウトや真空パックやギフトも購入可能です。

住所 宮崎県東諸県郡国富町大字竹田962-1
問合先 0985-75-6744(平和食品工業)
営業時間 10時~18時30分、ランチ11時~13時30分(LO)
定休日 日曜、祝日※お盆・GW・年末年始は不定休
アクセス 公共機関:JR宮崎駅から宮崎交通バスで40分、バス停:保坂から徒歩すぐ
車:東九州自動車道国富スマートIC から8.3km15分
駐車場 あり/16台/無料
URL

https://heiwask.co.jp/top/miyazaki_kashiwaya/

【SDGs】宮崎県の鶏を自由に食べたり守ったりするために

SDGsアイコン17種

宮崎県で生産される鶏は、環境にも配慮しながら飼育が行われています。この先も、鶏を変わらず自由に食べたり守ったりするためにはどのようなSDGsを意識すればいいのか、親子で話し合ったり、考えてみるといいですね。

宮崎県の子ども向けSDGsの取り組み

1:貧困をなくそう/SDGsの目標3:すべての人に健康と福祉を/SDGsの目標4:質の高い教育をみんなに/SDGsの目標10:人や国の不平等をなくそう/SDGsの目標17:パートナーシップで目標を達成しよう/SDGsの目標

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