知的好奇心がすくすく育つ学びスポット!
1904年(明治37)から1972年(昭和47)までの約70年間、横浜市民の足として活躍した市電。横浜市電保存館には、7両の保存車両のほか、停留所標識、敷石などが当時のままに保存されています。市電が走っていたころのノスタルジックな街の雰囲気を感じに出かけてみませんか?
子どもの知的好奇心は身近な“学びスポット”で育む!
子どもの脳の発達の原動力となり、将来の可能性を広げてくれるのが知的好奇心。その知的好奇心を育むスポットは東京周辺にたくさんあります。脳医学者の瀧 靖之(たき やすゆき)先生、そして宇宙・動物・昆虫・アートなどの各テーマの“達人”たちと選んだ東京周辺にある “学びスポット”を紹介します。どこも、「知るのが楽しい!面白い!」と思わせてくれる、工夫にあふれた施設ばかり。コロナ禍が続くいまだからこそ輝く身近な“学びスポット”へ出かけてみませんか。
監修:瀧 靖之(たき やすゆき)先生
東北大学加齢医学研究所教授
医師。医学博士。東北大学加齢医学研究所および東北大学東北メディカル・メガバンク機構で脳のMRI画像を用いたデータベースを作成し、脳の発達や加齢のメカニズムを明らかにする研究に従事。読影や解析をした脳MRIはこれまで16万人以上にのぼる。
知的好奇心で培われる、8つの“育つ力“
子どもの知的好奇心を刺激することで培われる力を、瀧 靖之先生が8つ選定。「洞察力」「思考力」「想像力」「発想力」「思いやり」など、施設ごとに“育つ力”を付記しました。
» 脳医学者の瀧 靖之先生に聞く!「知的好奇心」で育つ8つの力
»「国立科学博物館」は知的好奇心をくすぐる展示や学びの仕掛けが満載!
横浜市電保存館で育つ子どもの力って?
知的好奇心が育つと、子どものどんな力が育つのかをチェック!横浜市市電保存館では、とくにどんなところが子どもの知的好奇心をくすぐるのでしょう?
レトロでかわいい車両は実際に中に入ることができ、現役で走っていた当時の風情が感じられます。昭和30年代の横浜の街並みを再現したジオラマをOゲージ車両が走りぬけ、迫力満点!横浜の歴史を自然に学ぶことができます。
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横浜市電保存館ってこんなところ!
横浜市電保存館があるのは横浜市磯子区。JR根岸駅や上大岡駅、横浜駅東口からバスで訪れるのがいいでしょう。最寄りのバス停は「市電保存館前」か「滝頭」。館内はそう広くはありませんが、市電7両が展示される車両展示コーナーや鉄道ジオラマ、市電の歴史を中心に、横浜の成り立ちが分かる歴史展示コーナーなど、充実した展示が楽しめます。市電のシミュレーターは、子どもだけでなく大人もついつい熱中してしまいますよ。
所要:1~2時間
おすすめの年齢:2歳~
住所 | 神奈川県横浜市磯子区滝頭3-1-53 |
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電話 | 045-754-8505 |
営業時間 | 9時30分~17時(最終入館は閉館30分前) |
定休日 | 月曜(祝日の場合は翌日。春休み、夏休み、冬休み期間中は月曜も開館)、年末年始 |
料金 | 高校生以上300円、3歳~中学生100円 |
アクセス | JR根岸駅から市営バスで約7分の「市電保存館前」下車すぐ |
駐車場 | 16台(無料) |
<施設データ>
- 子ども用トイレ:〇
- おむつ替え:〇
- 授乳室:〇
- ベビーカー利用:〇
- ベビーカー貸出:✕
- コインロッカー:〇
- 館内飲食店:✕
- 館内売店:〇
おすすめのアクセス方法は?
横浜市電保存館はどの駅からもやや距離があるのでバスを利用すると良いでしょう。JR根岸駅からは市営バス21系統市電保存館行・78系統磯子駅行・133系統上大岡駅行で約7分、「市電保存館前」下車すぐ。上大岡駅からは市営バス133系統根岸駅行で約20分、「市電保存館前」下車すぐです。駐車場は16台あり無料ですが、土・日曜、祝日は満車になることが多いので公共交通機関の利用がおすすめです。
おすすめの遊び方&過ごし方
子どもの興味がおもむくままに気になるところを見て回りましょう。入ってすぐのフロアに展示されるかつての市電車両。そのすぐ隣にあるOゲージ鉄道ジオラマではJRや私鉄、市電などが走行する様子を見ることができます。歴史や地理に興味がでてきたら、歴史展示コーナーを読み込むだけでもかなりの時間がかかるはず。フロアいちばん奧の多目的コーナーには、鉄道好きが高じて、生涯を通じて鉄道模型を制作・収集した故吉村栄氏のコレクション展示や市電シミュレーター、みなとみらいや横浜の街を走る人気車両が運転できるNゲージなどがあります。
車両展示コーナーは必見
車両展示コーナーに置かれているのは、1904年(明治37)から1972年(昭和47)の約70年間にわたり活躍した市電車両。「ちんちん電車」と呼ばれ、市民の足として愛されていました。パステルカラーのかわいらしい車両の中は、白熱灯色の優しい光りに照らされたレトロな空間。市電が街を走っていた頃の風景を想像してみましょう。展示されているのは、500型、1000型、1100型、1300型、1600型、1500型、無蓋貨車の7種類。写真は1957年(昭和32)に製造され、1970年(昭和45)に廃車となった1600型。各車両には説明があり、スペックや歴史などを知ることができます。
歴史展示コーナーで横浜の歴史を知る
幕末の開港を皮切りに国際貿易都市としての歴史を歩んできた横浜。震災や戦禍を乗り越え、重工業都市、住宅都市として発展していく過程には市電の存在が欠かせませんでした。横浜の成り立ちを、市電を中心とした横浜の都市交通と合わせて知ることができます。
迫力のOゲージ鉄道ジオラマショー
Oゲージとは軌間32mmの鉄道模型の規格の総称。Nゲージ(9mm)より大きく、迫力ある走行が魅力です。横浜市電保存館のOゲージジオラマでは、昭和30年代の横浜の街並みを、JR、地下鉄、私鉄の車両が駆け抜けます。市電の模型電車も走っているので探してみて!運転ショーを見たり、自分で運転することもできます(市電は無料、地下鉄運転は1回100円)。
ほかにも知的好奇心をくすぐる貴重な体験!
横浜市電保存館は、ほかにも体験型のコンテンツが充実しています。
●市電シミュレーター
歴史展示コーナーでは、CGで再現された昭和40年代の横浜の街並みを見ながら市電の運転体験ができます(無料)。停留所に上手に停めるのはなかなか難しい!
●Nゲージ
Nゲージとは、軌間9mmの鉄道模型のこと。みなとみらいや新横浜の街を再現したジオラマで、新幹線や私鉄を走らせることができます(100円3分間)。
●シアター
多目的コーナーにあるシアターでは「横浜市電の歩み」「市電の最盛期」「さよなら市電」など市電にまつわる映像を11本用意。好きなものを選んで観賞することができます。
子連れにおすすめ!館内の立ち寄りスポット
横浜市電保存館には電車大好きキッズにはたまらないミュージアムショップがあります。
●ミュージアムショップ
入口付近にあるショップは、鉄道・バス好きにはたまらない品揃え。クリアファイルや模型、靴下などが揃います。
- 【営業時間】施設に準ずる
- 【定休日】施設に準ずる
小さい子ども連れファミリーに嬉しい、施設や設備
館内に授乳室、オムツ交換台完備。小さな子供連れでも安心して利用できます。
車両展示コーナーの一角にコインロッカーがあります(100円/使用後返却)。
館内に飲食店はありませんが、100%果汁のジュースやアイス、スナック菓子を販売する自動販売機があります。購入したものは、手前の休憩コーナーのテーブルで食べることができます。
横浜市電保存館は、貴重な保存車両を間近で見られるだけでなく、交通の変遷とともに横浜の歴史を学べるスポット。鉄道好きをきっかけに、地理や歴史についての知的好奇心も養うことができますよ。
●掲載の情報は予告なく変更になる場合があります。おでかけ前に各スポットへご確認ください。
●旅行中は「新しい旅のエチケット」実施のご協力をお願いします。
『るるぶKids こどもの知的好奇心がすくすく育つ学びスポット 東京周辺』
子どもたちの知的好奇心を刺激してくれる“学びスポット”全89施設をピックアップ。図鑑などでもお馴染みの「恐竜」「動物」「昆虫」「宇宙」「乗り物」、そして日常の延長として親子のコミュニケーションを楽しめる「アート」「絵本・アニメ」「にほんの歴史」を加えた8テーマに分けて紹介しています。
監修者である脳医学者の瀧 靖之先生、そして各テーマの“達人”たちと選んだ“学びスポット”は、どこも子ども心をくすぐる工夫にあふれた施設ばかり。また巻頭には、瀧 靖之先生による「知的好奇心の伸ばし方」も収録していますよ。
子どもの成長にとって大事な知的好奇心を育てるスポットの数々。本書を参考に家族でおでかけしてみませんか。