私たちが住む家など、建物の完成した姿を想像して設計図をかいたり、工事の管理をしたりする仕事です。何もない場所に建物を建てるには、どうしたらいいのでしょうか。
この記事は、『るるぶKids 何になりたい？未来をみつけるおしごと大図鑑』 からの抜粋です。人気＆イマドキの職業や憧れの職業を約160種類掲載している、わかりやすく読んで楽しいオススメの一冊です。
取材したのは…
株式会社日建設計 アソシエイトアーキテクト 團野浩太郎さん
建築士のお仕事内容って？
建築士はどんなお仕事？
お客さんの要望を聞いて、家やビルなどの建物を設計したり、工事の整理をしたりします。
どこで働くの？
建築士事務所や設計事務所、住宅メーカーなど建物を作る会社で働いています。
あると便利な特技は？
人の話す聞く力や、かんがえることを絵に書くなどして伝える力があると役立ちます。
お仕事で欠かせないアイテムや服装って？
■三角スケール
形が「三角柱」になっているものさし。縮尺のある図面を手でかくときや読むときに使います。
■メジャー
どこでも長さを測ることができるように持っています。 測った長さはスケッチブックにメモしておきます。
■パソコン
図面をかいたり、メールを送ったり、提案資料や説明資料を作ったりするときに使います。
■スケッチブック
建物のイメージをかくときや、思いついたアイデアをメモしたいときに使います。
＜調査報告！こんな人に向いているよ＞
- 人の話を聞ける人
- 建築物に興味のある人
- 感謝を忘れない人
＜おしごとデータ＞
- 働く時間：9：00～20：00
（ほかの勤務パターンあり） - 資格：国家資格が必要
- 給料：年収約620万円
（企業規模10人以上） - アクティブ度：★★☆
※厚生労働省「令和２年賃金構造基本統計調査」
建築士の1日に密着！
9:00 出勤
出勤したらメールやカレンダーを見て、今日のスケジュールを確認します。担当している建築物の図面をかきます。
10:00 図面をかく
建物の完成形をイメージして設計。日ごろからスケッチブックにアイデアを書き出しています。
建築は人の思いを作り上げるものだから関わる人の話をよ～く聞いて、設計の図面をかいているそうです！
12:00 昼休憩
13:00 お客さんとの打ち合わせ
社員やお客さん、メーカーの人などたくさんの人と打ち合わせをします。複数の仕事が同時に進むので、スケジュールはこまめに確認します。
15:00 進行状況の確認
いろいろな人が関わっているから、担当から進行状況を聞いて、共有するのが大事です！
18:00 提案を考える
夕方以降はお客さんに渡す資料をつくったり、イメージを立体的な模型におこしたりする仕事が多いです。
19:00 模型を作る
20:00 退勤
家やビルを作っている建築現場にも足を運んで、進行状況を確認するそうです。
建築士にあれこれ聞いたよ！Q&A
建築士になるために、どんなことをやってきたのかな？ よかったことも聞いてみました。
Q：目指したきっかけは？
母親が建築士で、家にはいつも模型や建築雑誌がおいてあったから、自然と興味を持ちました。
Q：なるためにやったこと
多くの建築物を見て考えることです。そして自分の提案について人と意見を交換することです。
Q：やりがい教えて
できあがった建物がその地域に根づいて、人々に楽しそうに使われているのを見たときです。
★取材協力 » 株式会社日建設計
こんなにあるよ！家をつくるお仕事
住宅やビルの建築には、建築士だけでなく、インテリアのアドバイスをする人や、実際に家を建てる大工、壁や塀をつくる職人、工事監督する人などたくさんの人たちが関わっています。
建築士
●いろいろな工程に関わる
建物の企画から設計、施工管理まで役割が広い。要望に合わせて家のイメージをかんがえます。
★ちょこっとメモ
依頼主の思いや建築に関わる人たちの話をよく聞いて、イメージを固めて行きます。
インテリアコーディネーター
●設備などのアドバイスをする
お客さんの希望を形にするため、居住空間の照明や壁紙、台所の設備など細かいインテリアについてアドバイスを行う仕事です。
CADオペレーター
●ソフトを使って図面を作成
建築士やデザイナーの指示に従って、CADという専用のソフトを使い、パソコンで建築用の図面や設計図を作成したり修正したりする仕事です。
左官
●壁を塗り仕上げる職人
土や砂、石灰など自然の素材を使い、壁や床を塗る職人。コテという専用の道具を使って仕上げる高い技術が必要です。
大工
●実際に家を建てる
建築施工管理技士の指示を受けながら、実際に建てたものを組み立てていく職人です。家屋の大工や宮大工など専門によってわかれます。
★ちょこっとメモ
家をつくり上げるのは、年月をかけて技を磨いた熟練の職人たちです。それぞれの工程で手際よく作業をしています。
測量士・土地家屋調査士
●土地の形を正しく測る
建物を作る最初の工程です。測量士は工事予定地の形や高低差などを専門の機械を使って正確に測ります。土地家屋調査士は測量に加えて、登記のために境界を確認する仕事です。
建築技巧管理技士
●工事全体を監督する
工事全体の計画を立てたり、工程を管理したり、安全管理に努めるなど、作業の監督や指導をしたりする仕事です。
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「将来の夢はなに?」
そう聞かれる機会が、幼稚園や小学校でも増えています。ですが、将来どんな仕事をしたいかというのは、未就学児～小学生には見つけるのが難しかったり、「これになりたい!」と思っても、実際にどんな職業なのかわからなかったり…。そもそも「こんな職業があったんだ! 知らなかった! 」ということもよくありますよね。
本書では、「好きを仕事に」「ものづくりの仕事」「人に関わる仕事」「未来の仕事」という4つのテーマで、約160種類のお仕事を紹介しています。取り上げているのは、スポーツ選手、アナウンサー、獣医師、モデル、パティシエといった定番や、ユーチューバー、ゲームクリエイター、eスポーツ選手といった最新の職業など。現在活躍中のプロたちに取材しています。
わかりやすくて読んで楽しい一冊を、ぜひ親子で一緒にご覧ください。
