知的好奇心がすくすく育つ学びスポット!
阪神・淡路大震災記念人と防災未来センターは、1995年1月17日に起きた阪神・淡路大震災の経験と教訓を後世に伝え、備えを学ぶ災害ミュージアム。館内は、西館と東館に分かれており、西館では被災者から提供された震災関連資料展示や、映像やジオラマを使って震災体験を紹介しています。2021年6月に東館3階を「BOSAIサイエンスフィールド」としてリニューアル。住居やコンビニで避難行動をトレーニングする「ミッションルーム」やVR映像と音声で地震や津波を体験する「ハザードVRポート」など、6つのエリアが新設されました。
子どもの知的好奇心は身近な“学びスポット”で育む!
子どもの脳の発達の原動力となり、将来の可能性を広げてくれるのが知的好奇心。その知的好奇心を育むスポットは関西エリアにたくさんあります。脳医学者の瀧 靖之(たき やすゆき)先生、そして宇宙・動物・昆虫・アートなどの各テーマの“達人”たちと選んだ関西エリアにある “学びスポット”を紹介します。どこも、「知るのが楽しい!面白い!」と思わせてくれる、工夫にあふれた施設ばかり。コロナ禍が続くいまだからこそ輝く身近な“学びスポット”へ出かけてみませんか。
監修:瀧 靖之(たき やすゆき)先生
東北大学加齢医学研究所教授
医師。医学博士。東北大学加齢医学研究所および東北大学東北メディカル・メガバンク機構で脳のMRI画像を用いたデータベースを作成し、脳の発達や加齢のメカニズムを明らかにする研究に従事。読影や解析をした脳MRIはこれまで16万人以上にのぼる。
知的好奇心で培われる、8つの“育つ力“
子どもの知的好奇心を刺激することで培われる力を、瀧 靖之先生が8つ選定。「洞察力」「思考力」「想像力」「発想力」「思いやり」など、施設ごとに“育つ力”を付記しました。
» 脳医学者の瀧 靖之先生に聞く!「知的好奇心」で育つ8つの力
»「国立科学博物館」は知的好奇心をくすぐる展示や学びの仕掛けが満載!
阪神・淡路大震災記念人と防災未来センターで育つ子どもの力
知的好奇心が育つと、子どものどんな力が伸びるのかをチェック! 阪神・淡路大震災記念人と防災未来センターでは、とくにどんなところが子どもの好奇心をくすぐるのか見てみましょう。
【歴史の達人】伊藤賀一さん
いとうがいち●リクルート運営のオンライン予備校「スタディサプリ」で中学・高校の社会9科目を担当。「日本一生徒数の多い社会科講師」として知られる。著書・監修書は50冊以上。
■伊藤賀一さんコメント
兵庫県は1995年1月17 日に「阪神・淡路大震災」を経験。日本の歴史で避けて通れない、自然災害の理解に必要不可欠な施設です。
阪神・淡路大震災記念人と防災未来センターってこんなところ!
日没から月替わりでライトアップしています
おすすめの遊び方&過ごし方
館内は西館、東館に分かれています。まずは西館4階の震災追体験フロアで、阪神・淡路大 震災の地震のすさまじさを映像と音響で体感し、西館3階の震災の記憶フロアで震災からの復興をたどります。そのあと東館3階に移動し、避難行動を学ぶ「ミッションルーム」などで、いざという時どのように判断し、行動するかを身につけましょう。
おすすめのアクセス方法は?
車の場合は、阪神高速道路神戸線摩耶ランプから約4分、または阪神高速道路神戸線生田川ランプから8分ほど。施設の駐車場は有料ですが、西館1階総合案内(チケットカウンター)で駐車券と入館チケットを提示すると割引があります。
公共交通機関では、阪神電鉄岩屋駅、春日野道駅のどちらからも徒歩10分。またはJR神戸線灘駅の南口から徒歩12分でアクセスできます。どの駅にもエレベーターが設置されているのでベビーカーで訪れても安心です。
所要:1〜2時間
おすすめの年齢:6歳〜
住所 | 兵庫県神戸市中央区脇浜海岸通1-5-2 |
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電話 | 078-262-5050 |
営業時間 | 9時30分〜17時30分、最終入館は閉館1時間前 |
定休日 | 月曜(祝日の場合は翌平日) |
料金 | 600円。大学生450円(東館のみ観覧の場合は300円、大学生200円)、高校生以下無料 |
アクセス | 阪神岩屋駅、阪神春日野道駅から各徒歩12分 |
駐車場 | 有料15台 |
<施設データ>
- 子ども用トイレ:✕
- おむつ替え:〇
- 授乳室:〇
- ベビーカー利用:〇
- ベビーカー貸出:〇
- コインロッカー:〇
- 館内飲食店:◯(2023年春オープン予定)
- 館内売店:〇
- 持ち込み:✕
阪神・淡路大震災記念人と防災未来センターマップ
西館2階から連絡通路が出ており東館へ移動することができます。見学は西館4階→3階→2階→東館3階→1階と順路が決まっています。
「震災追体験フロア」で地震破壊のすさまじさを体験
この施設のスタート地点である西館4階の震災追体験フロア「1.17シアター」。大型スクリーンに映し出される7分間の映像と音響で、阪神・淡路大震災の地震破壊のすさまじさを体験することができます。
- 【上映時間】毎時00・20・40分
「震災直後のまち」は、「1.17シアター」上映後に通り抜ける、震災直後のまち並みの実物大ジオラマです。地震によってどのような被害を受けたのかをリアルに表現しているので、地震の威力や恐怖を実感することができます。
「震災の記憶フロア」で復興までの道のりを知る
西館3階の震災の記憶フロアでは震災発生から復興までの道のりを、パネル展示や被災者の体験談とともに展示しています。写真の「震災から復興をたどるコーナー」では人の暮らしや町並みの復興過程がひと目でわかるように、ジオラマ模型と被災者のインタビュー映像を交えて紹介しています。
「震災の記憶を残すコーナー」では、壁一面にずらりと写真が展示されており、当時の震災の悲惨さがひしひしと伝わってきます。
「BOSAIサイエンスフィールド」で自然災害に備える力を身につけよう
2021年6月にリニューアルした東館3階BOSAIサイエンスフィールドは、南海トラフ地震などの巨大災害や風水害に備える力、最新の防災知識を楽しみながら学べるエリアです。
「ハザードVRポート」では、360度広がる迫力満点のVR映像や座席の振動装置、音声を使って地震や津波、風水害の3つの災害現場に実際にいるかのような疑似体験ができます。体験の内容は実施時間によって異なるので、公式サイトを確認してください。
「クエスチョンキューブ」では、地震、風水害時の場面を体験しながらクイズに答えることで、楽しく防災の知識を深められるスポットです。自然災害に遭遇した時、自分や大切な人たちの命を守るための最善の行動を身につけることができます。
「こころのシアター」で避難や備えの大切さを学ぶ
東館1階にある「こころのシアター」は、“にげよう−大切な命を守るために”というタイトルの15分の作品。語りを人気声優の下野紘さんが担当しています。
災害列島といわれる日本で暮らす人々が実際に災害に遭遇したとき、自らの命を守ることができるのか、そのためにはどうすべきかを問いかける映像作品です。CGや実際の映像などで災害の恐ろしさを学び、避難や備えの大切さを学びます。
- 【場所】東館1階
- 【実施】火〜日曜の毎日
- 【時間】10時〜17時00分の20分間隔で上映
子連れにおすすめ!館内の立ち寄りスポット
東館1階にあるミュージアムショップでは、防災ずきんなどの防災グッズをはじめ、防災関連の本の販売もしています。親子で話し合いながら、いざという時のための防災グッズを準備しておきましょう。ほかにも神戸のおみやげなど幅広い商品が揃っています。
- 【電話】078-251-8166
- 【場所】東館1階
- 【営業時間】10時30分〜15時30分
- 【定休日】施設に準ずる
小さい子ども連れファミリーに嬉しい、施設や設備
館内のトイレは各フロアの6カ所にあります。すべてのトイレにおむつ交換台と多目的トイレがついています。西館1階の総合案内には授乳室もあるので、小さな子ども連れファミリーも安心です。
阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センターは、阪神・淡路大震災を中心に災害について学べる施設です。今後、災害が起きてしまった時にどのように備えるのか、考えるきっかけになるでしょう。ぜひ家族で出かけてほしいスポットです。
●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。
『るるぶKids こどもの知的好奇心がすくすく育つ学びスポット 関西』
子どもたちの知的好奇心を刺激してくれる“学びスポット”全83施設をピックアップ。図鑑などでもお馴染みの「恐竜」「動物」「昆虫」「宇宙」「乗り物」、日常の延長として親子のコミュニケーションを楽しめる「アート」「絵本・アニメ」「にほんの歴史」「学べる工場」を加えた9テーマに分けて紹介しています。
監修者である脳医学者の瀧 靖之先生、そして各テーマの“達人”たちと選んだ“学びスポット”は、どこも子ども心をくすぐる工夫にあふれた施設ばかり。また巻頭には、瀧 靖之先生による「知的好奇心の伸ばし方」も収録していますよ。
子どもの成長にとって大事な知的好奇心を育てるスポットの数々。本書を参考に家族でおでかけしてみませんか。