七五三を迎える皆様、おめでとうございます！ママパパたちは「七五三って何をすればいいのだろう？」「七五三の準備、複雑で大変……」と心配もあるかもしれません。七五三の意味や由来を知ると、よりいっそう子どもの成長行事を深く楽しむことができます。七五三の時期、服装、写真撮影など、よくある疑問もたっぷりと解説。万全な準備をして、安心して当日を迎えてくださいね。
七五三とは｜意味・由来・なぜ祝うのか？
七五三は、子どもの健やかな成長を祝い、将来の幸せを願う日本の伝統的な行事です。対象となるのは3歳・5歳・7歳の節目を迎える子どもたちで、それぞれ年齢や性別によって異なる意味合いを持ちます。
ここでは、七五三の由来や儀式の背景、「髪置き」「袴着」「帯解」の儀式の意味について詳しく解説しています。
七五三の由来と儀式の背景
七五三の由来は平安時代から鎌倉時代にかけて行われていた宮中行事にあります。
当時の日本では医療技術が未発達で、幼児の死亡率が非常に高い状況でした。そのため「七歳までは神の子」という言葉があるほど、子どもが無事に成長することは貴重だったのです。
こうした背景から、3歳、5歳、7歳という成長の節目に、子どもの健康と長寿を願う特別な儀式が生まれました。これらの儀式は最初は公家社会で行われていましたが、江戸時代には武家や裕福な商人の間に広がり、明治時代以降に庶民にも浸透していきました。現在の「七五三」という名称が定着したのは、実は1960年代と比較的最近のことです。
「髪置き」「袴着」「帯解」の儀式の意味
七五三の起源となった3つの儀式には、それぞれ深い意味と象徴性があります。これらの儀式は単なる通過儀礼ではなく、子どもの成長段階に応じた社会的な意味を持っていました。
髪置き（かみおき）｜3歳の成長儀式
髪置きは3歳の男女が行う儀式です。平安時代には病気予防のため2歳まで髪を剃る習慣があり、3歳になって初めて髪を伸ばし始めることで、健康な成長を願いました。この儀式は、子どもが病気に負けない強い体に成長したことを祝う意味があります。現在でも3歳の七五三では、髪飾りやかんざしなどで髪を美しく飾る習慣として受け継がれています。
袴着（はかまぎ）｜5歳男の子の自立への第一歩
袴着は5歳の男の子が行う儀式です。この年齢で初めて袴を身に着けることで、男性としての自立への第一歩を祝いました。袴は当時の男性の正装であり、社会の一員として認められることを意味していたのです。現代の5歳男児の七五三でも、羽織袴姿で凛々しく着飾る伝統が続いており、男の子の成長を象徴する重要な節目となっています。
帯解き（おびとき）｜7歳女の子の女性への成長
帯解きは7歳の女の子が行う儀式です。それまで着物を紐で結んでいた子どもが、大人と同じように帯を締めるようになることで、女性としての成長を祝いました。この儀式により、子どもから大人への移行が象徴的に表現されていたのです。現在の7歳女児の七五三でも、美しい帯を締めた振袖姿で参拝する姿は、女の子の成長を祝う重要な儀式として大切にされています。
七五三はいつ行う？対象年齢と2025年のおすすめ時期
七五三は毎年11月15日に行われる行事ですが、実際の参拝時期や対象年齢については柔軟に考えることができます。七五三を迎える年齢や、最適な時期について正しく理解しておくことが大切です。
＜2025年11月 祝い事によいお日柄の日＞
- 大安：4日（火）、10日（月）、16日（日）、22日（土）、27日（木）
- 先勝：6日（木）、12日（水）、18日（火）、23日（日・祝）、29日（土）
- 友引：1日（土）、7日（金）、13日（木）、19日（水）、24日（月）、30日（日）
男の子と女の子の対象年齢
七五三の対象年齢は男の子と女の子で異なります。男の子は3歳と5歳でお祝いするのが一般的です。ただし、地域によっては3歳の男の子は行わない場合もあります。5歳の男の子の七五三は「袴着の儀」に由来し、男性としての成長を祝う重要な節目とされています。
女の子は3歳と7歳でお祝いします。3歳は「髪置きの儀」、7歳は「帯解きの儀」がそれぞれの由来となっています。特に7歳の女の子の七五三は、子どもから大人への移行を象徴する重要な儀式として位置づけられています。
| 年齢 | 男の子 | 女の子 |
|---|---|---|
| 3歳 | △（地域による） | ○ |
| 5歳 | ○ | △（地域による） |
| 7歳 | － | ○ |
数え年と満年齢、どちらで祝うべき？
七五三は数え年と満年齢のどちらで祝っても問題ありません。
伝統的には数え年で行われていましたが、現代では満年齢で祝う家庭が多くなっています。数え年とは生まれた年を1歳とし、正月を迎えるたびに年齢が上がる計算方法です。一方、満年齢は生まれた日から1年経過するごとに年齢が上がる現在一般的な計算方法です。
どちらを選ぶかは、家庭の事情や子どもの成長具合に合わせて決めることができます。例えば、早生まれの子どもの場合、数え年だとまだ体が小さく着物が大きすぎることがあるため、満年齢で行う方が適している場合があります。また、兄弟姉妹がいる場合は、一緒に祝うために年齢を調整することも可能です。
| 計算方法 | 2025年に 3歳になる子 |
2025年に 5歳になる子 |
2025年に 7歳になる子 |
|---|---|---|---|
| 数え年 | 2023年生まれ | 2021年生まれ | 2019年生まれ |
| 満年齢 | 2022年生まれ | 2020年生まれ | 2018年生まれ |
七五三の服装｜子ども・両親・祖父母のコーディネート
七五三では、お祝いの場にぴったりな服装を選ぶことが大切です。主役の子どもはもちろん、パパママやおじいちゃんおばあちゃんも、素敵な服装で参加しましょう。
七五三の服装選びで大切なことは3つです。
- 子どもは着物かきれいな洋服を選ぶ
- パパ・ママは子どもより目立たない上品な服装
- おじいちゃん・おばあちゃんは歩きやすくて写真映えする服装
子どもの服装（着物・洋装）の選び方
子どもの七五三では、着物か洋服のどちらかを選べます。
着物を選ぶ場合、男の子は袴（はかま）、女の子は振袖を着るのが一般的です。3歳の女の子は被布（ひふ）という上着を着て、7歳になると大人と同じように帯を締めます。
着物はとても写真映えしますが、着るのに時間がかかったり動きにくいなどの懸念点もあります。
洋服を選ぶ場合は、お出かけ用のきれいな服を選びましょう。女の子はワンピースやドレス、男の子はスーツやジャケットがおすすめです。洋服は着物より動きやすく、子どもに負担が少なく過ごせます。ただし、お祝いの日にふさわしいきちんとした服を選ぶことが大切です。
また、衣装を借りるか買うかでも費用面で違いが出てきます。一般的に着物の場合は購入すると3～10万円、レンタルの場合1～5万円程度が目安です。洋服の場合はもう少し予算を抑えられることも。
髪型で悩む3歳の女の子の七五三
七五三の悩みでよく聞かれるのが、3歳の女の子の髪型。3歳では髪の毛がまだ少なく、短いこともあり、髪型のアレンジがしにくいことが悩みの理由です。さらに小さい子どもの場合、セットのために長時間じっとすることが難しく、動き回るので髪型も崩れやすいです。
3歳の七五三では、親子ともに負担を減らすため、簡単にできる髪型をチョイスしてはどうでしょうか。
●かわいいざかりの3歳児。あえて普段の髪型で！
髪の量や長さは足りないのも、まだまだ小さい子どもの証拠。ヘアアレンジは先の楽しみにとっておき、普段の髪型でどうでしょう。髪飾りをつけてあげれば、いつもより華やかな印象になります。かわいい盛りの3歳児ならではの姿を撮影しましょう。
●帽子をかぶったコーディネートも◎
服装と色をあわせた帽子をかぶるのも、簡単にできる七五三の髪型対策です。最近は、和装でも違和感のないおしゃれな帽子がセットとしてレンタルされていることもあるので探してみては？七五三の時期は気温も下がってくるので、寒さ対策にもなります。
親の服装マナーとおすすめスタイル
親の服装は、子どもより控えめで、きちんとした服装を選ぶのがマナーです。
パパはスーツを着る方がもっとも多いです。紺色やグレーなどの落ち着いた色のスーツに、ワイシャツとシンプルなネクタイを合わせましょう。着物を着る場合は、子どもより目立たないように気をつけることが大切です。
ママは着物・洋服のどちらでも大丈夫です。着物の場合は、お祝い事にぴったりな柄の訪問着などを選びましょう。洋服の場合は、ワンピースやスーツで、あまり肌を見せない上品なデザインを選びます。色は紺、グレー、ベージュなどの優しい色がおすすめです。アクセサリーは控えめにして、子どもが主役であることを忘れずに。
祖父母の服装の配慮と写真映えする装い
おじいちゃん・おばあちゃんの服装は、年齢にふさわしい上品な服装で、歩きやすいものを選ぶことが大切です。
おじいちゃんは紺色やグレーのスーツが一般的。おばあちゃんは落ち着いた色合いの訪問着か、きれいなワンピースやスーツがおすすめです。どちらも足腰に不安がある場合は、歩きやすい靴を選んで、無理をしないことが大切です。
写真を撮るときは全員の服装の色がバラバラにならないよう、事前に家族で相談しておくとより素敵な写真が撮れますよ。
七五三の写真撮影｜スタジオ・出張撮影・費用と予約のコツ
七五三の記念写真は、子どもの成長を残す大切な思い出になります。撮影方法には大きく分けてフォトスタジオと出張撮影があり、それぞれに特徴があります。
七五三の写真撮影で知っておきたいポイントは3つです。
- フォトスタジオと出張撮影それぞれの特徴
- 前撮り・当日・後撮りなど適切な撮影時期
- 費用相場を理解して節約のコツを活用
フォトスタジオと出張撮影、どちらを選ぶ？
七五三の写真撮影は、フォトスタジオまたは出張撮影のどちらかを選ぶ方が多いです。
フォトスタジオでの撮影は、プロの照明や背景を使って美しい写真が撮れることが最大のメリットです。衣装のレンタルやヘアメイクもセットになっていることが多く、手ぶらで行っても安心です。また、天候に左右されないため、雨の日でも予定通り撮影できます。ただし、スタジオ内での撮影になるため、背景のバリエーションが限られることがあります。
出張撮影は、神社やお寺などの実際の参拝場所で撮影できることが大きな魅力です。自然な表情や家族の様子を撮影でき、参拝の様子も一緒に記録できます。しかし、天候に左右されやすく、衣装やヘアメイクは別途手配をする必要があります。
撮影時期の選び方
七五三の写真撮影は、前撮り・当日撮影・後撮りから選ぶことができます。七五三は11月15日が正式な日とされているため、11月は参拝と撮影の予約が集中し、非常に混雑します。
前撮りは9月から10月に行う撮影で、もっとも人気のある選択肢です。11月の混雑を避けられるため、ゆっくりと撮影でき、料金も安く設定されていることが多いです。また、参拝当日は参拝に集中でき、子どもの負担も軽減されます。
当日撮影は参拝と同じ日に撮影する方法です。一日ですべてが完了するため効率的ですが、子どもにとっては長時間になり疲れてしまう可能性があります。出張撮影を選ぶ場合は、参拝の様子も一緒に撮影できるメリットがあります。
後撮りは11月下旬から12月に行う撮影です。混雑が落ち着いており、割引料金で撮影できることもあります。ただし、子どもの成長は早いため、七五三当時とは少し印象が変わってしまう場合があります。
費用相場と節約のコツ
七五三の写真撮影にかかる費用は、撮影方法や内容によって大きく異なります。
フォトスタジオの費用相場は、撮影料が1万円から3万円、商品代（アルバムや台紙）が2万円から10万円程度です。衣装レンタルやヘアメイクが含まれるプランを選ぶと、総額5万円から15万円になることが多いです。
出張撮影の費用相場は、撮影料が2万円から5万円程度で、データをすべてもらえることが一般的です。ただし、衣装レンタルやヘアメイクは別途費用がかかります。
節約のコツとしては、早期予約割引や平日割引を活用することです。また、商品を最小限に絞り、後日データを購入する方法もあります。兄弟姉妹がいる場合は、同時撮影割引を利用すると費用を抑えられます。前撮りや後撮りを選ぶことで、繁忙期の料金を避けることも可能です。
| 撮影方法 | 費用相場 | 節約ポイント |
|---|---|---|
| フォトスタジオ | 5〜15万円 | 早期予約・平日割引・商品厳選 |
| 出張撮影 | 2〜5万円 | 前撮り・後撮り・兄弟同時撮影 |
七五三の初穂料とマナー
七五三では、神社やお寺で子どもの健康と成長を祈祷してもらうのが一般的です。その際に必要な初穂料や参拝マナーについて、事前に正しく理解しておくことが大切です。
七五三の初穂料とマナーで知っておきたいポイントは3つです。
- 初穂料の相場と正しいのし袋の書き方
- 神社とお寺の参拝方法や呼び方の違い
- 当日の子どもの体調や機嫌を考えた準備
それぞれ説明していきましょう。
初穂料の相場とのし袋の書き方
神社で七五三の祈祷を受ける場合、初穂料（はつほりょう）という謝礼金を納めます。
初穂料の相場は5000円から1万円程度です。神社によっては金額が決められている場合もあるため、事前に確認しておきましょう。兄弟姉妹で一緒に祈祷を受ける場合は、それぞれの分を用意します。
のし袋は紅白の蝶結びタイプを使用し、上段に「初穂料」または「御初穂料」、下段に子どもの名前をフルネームで書きます。お金は新札を用意することがマナーです。
お寺の場合は「祈祷料」または「御祈祷料」と書きます。
神社とお寺の参拝マナーの違い
神社とお寺では、参拝方法に違いがあります。
神社では「二拝二拍手一拝」が基本です。鳥居をくぐる前に一礼し、手水舎で手と口を清めてから参拝します。拝殿前では2回お辞儀、2回手を叩き、祈った後に1回お辞儀をします。
お寺では手を叩く拍手は行いません。静かに合掌して祈ります。山門をくぐる際に一礼し、手水舎での清めは神社と同じです。どちらも神聖な場所なので、静かに参拝することが大切です。
お参り時の注意点と子どもへの配慮
七五三当日は、子どもの体調や機嫌を最優先に考えることが大切です。
着慣れない着物や長時間の外出で、子どもが疲れてしまうことがよくあります。参拝前には十分な睡眠と食事をとらせ、当日も適度に休憩を取りましょう。体調が悪くなった場合は、無理をせずに洋服に着替えることも検討してください。
子どもが機嫌を損ねた場合に備えて、お気に入りのおもちゃやお菓子を持参しておくと安心です。参拝時間は午前中の涼しい時間帯を選び、平日や11月15日以外の日にすることで混雑を避けられます。
七五三のよくある質問（FAQ）
七五三について多くの方が疑問に思うことや迷いがちなポイントをまとめました。初めて七五三を迎える家庭でも安心して準備できるよう、よくある質問にお答えします。
神社、それともお寺？
どちらでも問題ありません。家族の都合や希望に合わせて選べます。
神社でもお寺でも七五三の参拝は可能です。有名な神社やお寺でも、地元の氏神様でも構いません。選ぶ際は、アクセスの良さや混雑状況、祈祷の予約の取りやすさを考慮しましょう。事前に祈祷の受付時間や初穂料を確認しておくと安心です。
▼七五三で有名な全国のスポット
» 平安神宮（京都府／京都市）
» 伊勢神宮（三重県／伊勢市）
» 熱田神宮（愛知県／名古屋市）
» 宇佐神宮（大分県／宇佐市）
七五三は兄弟姉妹で同時に祝ってもいいの？
同時にお祝いできます。兄弟姉妹で一緒にお祝いすることで、家族の負担軽減や費用削減ができます。写真撮影も一緒にでき、素敵な家族の思い出になります。
年齢が合わない場合は、数え年と満年齢を使い分けることで調整してもよいとされています。初穂料はそれぞれの分を用意します。
地域による七五三の風習の違いは？
基本的な祝い方は全国共通ですが、細かい部分で地域差があります。
関東では男の子は5歳のみ、関西では3歳の男の子もお祝いすることがあります。北海道では寒さを考慮して10月に行う地域もあります。引っ越しなどで地域が変わった場合は、その土地の風習に合わせても、元の地域の方法を続けても問題ありません。
まとめ｜七五三の準備は早めに計画的に！家族の思い出を素敵に残そう
七五三は、子どもの健やかな成長を祝い、これからの幸せを願う大切な行事です。古来から続く伝統的な儀式が現代にも受け継がれ、家族の絆を深める特別な一日となります。
七五三を滞りなくお祝いするためには、早めの準備と計画がおすすめです。対象年齢の確認から始まり、服装選び、写真撮影の予約、参拝先の決定まで、やることがたくさんありますが、晴れの日を迎えることを楽しみにこなしていけるとよいですね。人気のフォトスタジオや有名な神社は早めに予約が埋まってしまうため、3カ月前からの準備をおすすめします。
七五三は一生に何度とない貴重な体験。服装や撮影方法、参拝先など、選択肢が多く迷うこともあるでしょう。しかし、もっとも大切なのは家族みんなが笑顔で過ごせることです。子どもの体調や機嫌を最優先に考え、無理のない範囲で計画を立てましょう。
