ひな祭りの食べ物は? ちらし寿司、ハマグリ、菱餅など 行事食の意味や由来を解説

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春の到来を感じさせる3月3日のひな祭り。行事食となるちらし寿司やハマグリのお吸い物はもちろん、桃の節句らしいお料理を囲んでお祝いしたいですね。かわいらしくて華やかなひな祭りの食べ物には、実はさまざまな願いが込められています。それぞれの意味を知って、より楽しく味わってみませんか?

目次(index)

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「行事食」とは?

日本には、季節の行事やお祝い、お祭りの時に幸せや健康を願う意味を込めて、いつもと違う特別な料理「行事食(ぎょうじしょく)」を食べる習わしがあります。行事食という言葉は聞きなれないかもしれませんが、お正月に食べるおせちやお雑煮、端午の節句のかしわ餅、冬至のかぼちゃ料理、大晦日の年越しそばなど、私たちにお馴染みのものばかり。3月3日のひな祭りには、ちらし寿司やハマグリのお吸い物などを食べますが、これらも行事食になるんですよ。

【人日の節句の行事食、七草粥について、詳しくはこちら!】
» 七草粥はいつ食べる? 由来や意味、春の七草の種類

ひな祭り定番の食べ物とその意味、由来は?

ちらし寿司

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ちらし寿司は、ひな祭り独自の由来があるわけではありませんが、彩りが良く、縁起の良い具材がたくさん食べられることから、お祝いの食べ物として好まれています。子どもが小さなうちは、魚介や卵などアレルギーの注意も必要なので、家庭ごとにオリジナルの具材で楽しむ方も多く見られます。ちなみに、ちらし寿司の代表的な具材には、それぞれ意味が込められています。

●ちらし寿司の具材の意味

  • エビ:エビは「長寿の象徴」とされる縁起の良い食材。エビの姿のように、腰が曲がるまで長生きをする願いが込められています。
  • レンコン:レンコンの断面にたくさんの穴があるため、将来をよく見通せるという意味があります。
  • 豆:豆には、健康でマメ(=豆)に働くことを願う意味が込められています。
  • 錦糸卵:薄焼き卵を細く切った黄身と白身が金銀財宝を表しており、錦糸卵を食べることで金運、財運がアップすると考えられています。
  • ニンジン:根がしっかりと張っていることから、安定を願う意味がニンジンにはあります。

ハマグリのお吸い物

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ハマグリのお吸い物も、ひな祭りの定番料理。ハマグリは、もともと対だった2枚の貝がらだけがぴったりと合うことから、仲の良い夫婦を彷彿させる縁起の良い食べものとされています。ちょうどひな祭りの時期は旬にあたるので、身が厚くて栄養たっぷりのハマグリを味わうことができます。ハマグリの代わりに、同じ2枚貝のアサリやシジミを用いて、お吸い物を作ることもあります。

菱餅(ひしもち)

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菱餅は名前の通り、菱の形をした緑、白、ピンクの3色で構成されるお餅のお菓子。カラフルできれいな見た目は、雪の下で緑の新芽が元気に育ち、桃の花が咲く瞬間を表現しています。それぞれの色にも、「緑=元気で長生き」「白=ピュアで清潔」「ピンク=魔除け」といった意味があります。

●菱の形は、繫殖力の強いヒシの実をイメージ

    菱餅の菱の形は、植物のヒシの実がモチーフ。ヒシは繁殖力が強いため、子孫繁栄や長寿の願いを込めて、この形になったそうです。ヒシの実の尖った部分には、厄除けや魔除けの意味もあるのだとか。

ひなあられ

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かわいらしい色合いのひなあられは、女の子のお祝いにぴったりのお菓子。菱餅とおなじ「緑、白、ピンク」の3色のもの、さらに「黄」を加えた4色のものとがあります。4色のものは春夏秋冬の四季を表し、一年を通して子どもの健やかな成長を祈るという意味があるとされています。

●関東と関西では、ひなあられが違う?

    ひなあられは、大きく分けて2種類。関東地方でよくみられるのは米をはぜて作ったポン菓子。砂糖でお米をコーディングして甘く仕上げたてあります。関西地方でよく食べられているのは、醤油や塩で味付けしたおかき。甘いのとしょっぱいの、どちらも食べたいですね!

白酒(しろざけ)

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ひな祭りの飲み物といえば、白酒。みりん、焼酎などにもち米や米麹を仕込んだ甘みの強いお酒です。白酒はアルコール飲料なので、大人限定の楽しみ。子どもは白酒と同じく米を使った飲み物、甘酒を楽しみましょう。白酒も甘酒も、白く濁りとろみがあって、見た目はそっくりですが別物です。子どもが白酒を甘酒と間違えて飲まないように注意してくださいね。

各地に伝わるひな祭りの郷土料理

全国各地に、その土地独自のひな祭りの料理があります。岩手県のひなまんじゅう、愛知県のいがまんじゅう、岐阜県のからすみ、愛媛県のしょうゆ餅、鳥取県のおいりなど、名前を聞いただけでも見た目や味が気になるものばかり。どんな料理なのか、ぜひ子どもと一緒に調べてみるのも楽しそうですね。

最近はちらし寿司をケーキ風に作ることも

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最近では、ちらし寿司をケーキ風に作るちらしケーキをはじめ、洋風や中華風にアレンジしたお祝いメニューを作る家庭も多いようです。伝統的な行事食をヒントにしながら、自由に楽しむのも素敵ですね。ひな祭りで何よりも大切なのは、女の子の幸せな成長を心から願う気持ち。子どもが笑顔になれるようなごちそうを作ってあげてくださいね!

行事食には、それぞれ意味や願いが込められ、大切に伝えられたものばかり。菱餅やひなあられのカラフルな色の意味など、ぜひ子どもにも伝えたいものですね。家族で楽しいひな祭りを過ごしてくださいね。