一生に一度のランドセル選び。6年間の小学校生活で毎日使うアイテムだからこそ、慎重に後悔なく選びたいですよね。「ラン活」という言葉に焦りを感じたり、選択肢が多すぎて調べるほど迷ってしまう…という方も多いようです。『るるぶKids』では、読者の皆様からいただいた声をもとに、ランドセルの基本の選び方についてまとめました。
ランドセルの素材って?
ひとくちに「ランドセル」と言っても、その種類はさまざま。まずは「素材」から。ランドセルの素材は大きく分けて3つ。3つの素材のそれぞれの特徴をまとめました。特に「本革(天然皮革)」と「人工皮革」で迷う、という声がとても多く聞かれます。最近はハイブリッドモデルも発売されています。
天然皮革(本革)
ランドセルに多く使われている天然皮革は「牛革」です。繊維の密度が高いので、とても丈夫です。また、独特の深みのある色合いは、天然ならではの上質感があります。
馬の革である「コードバン」を使ったランドセルもあります。コードバンは牛革の2~3倍もの強度があります。光沢のある素材感は高級感たっぷりです。
人工皮革
人工皮革は、軽くて撥水性に優れています。ランドセルの素材としてよく知られる「クラリーノ」は、化学繊維メーカーのクラレが開発した世界初の人工皮革。カラーバリエーションやデザインが豊富なことや、手入れのしやすさが人気です。
<ランドセル型リュックはどう?>
現在は、軽くて扱いやすいランドセルリュックも増えてきました。子どもが通う予定の小学校の規定に差しさわりがなければ、こちらもおすすめ。主な素材は、ポリエステル、ナイロン、帆布(はんぷ)など。重さは900g前後で、価格帯は2~3万円代とリーズナブルです。
<編集部おすすめ!ランドセル型リュック>
ランドセルはどこで買う?購入場所やブランドは?
次に、ランドセルのブランドやメーカーなど、購入先の種類をみてみましょう。ランドセル商品は、大きく分けて「工房系」「国内ランドセルメーカー」「量販系」「百貨店系」の4つがあります。
工房系
各工房のこだわりのデザインを、職人が一点一点つくりあげるのが工房系ランドセルの魅力。受注生産が多いため、カタログ申し込みや受注受付が入学の前年度からはじまるケースも見られ、人気の商品やカラーは早期に完売してしまうことも。早めのチェックを。
<人気の工房>
土屋カバン、鞄工房山本、中村鞄製作所、黒川鞄工房、五十嵐製作所、MOGI(モギカバン店)、萬勇鞄など
国内ランドセルメーカー
商品の種類や価格帯がとても豊富なのが特徴。各メーカーの工夫が施され、軽量化や機能面に優れたものが多く登場しています。工場生産が多いので、工房系と比較すると購入予約はしやすいです。
<代表的な国内メーカー>
セイバン(天使のはね)、ハシモトBaggage(フィットちゃん)、協和(ふわりぃ)、ナース鞄工(KIDsAMI キッズアミ)、羅羅屋(ララちゃんランドセル)、カザマ(カザマランドセル)
老舗百貨店系
春になると、各百貨店でランドセル売り場が展開され、オリジナルランドセルやコラボランドセルがずらりと並ぶのが風物詩。オリジナル商品は、老舗百貨店ならではの上品さと高級感のあるものが多く、三世代にわたってのファンというご家庭も。
<代表的な百貨店>
量販店系
低価格でも必要機能はしっかり搭載!全国に店舗も多く、購入のしやすさもポイント。オリジナル商品のほか、ランドセルメーカーとのコラボ商品もあり。今や数あるランドセルブランドにもひけをとらない人気です。
<代表的な量販店のランドセル>
イトーヨーカドー(ラクラクランド)、イオン(かるスポ)、ニトリ(わんぱく組)など
★こちらもおすすめ
製造メーカーや流通以外が手掛けるランドセル商品があります。子どもの趣味嗜好が合えば、お気に入りが見つかるかも。気になる方は、ぜひWebサイトなどをチェックしてみて!
●セレクトショップの「ビームス」
●「プーマ」×「セイバン」
●女の子のアパレルメーカー「プライベートレーベル」「MEZZO PIANO(メゾピアノ)」のオリジナルランドセル
など
ランドセルの色、デザインは?
子どもにとってのランドセル選びのポイントは、やはり「色」と「デザイン」。今はカラーバリエーションが豊富で迷ってしまいますが、まずは子どもの好みを聞いてみることをおすすめします。6年間使うことを考え「流行に左右されないカラーを」と思うのが親心ですが、一方で、まずは子どもが小学生生活を楽しくスタートできることもとても大切です。親子でよく相談して決められるとよいですね。
2024年度の人気カラーは何色だったのでしょうか?こちらもぜひ参考にしてみてくださいね(一般社団法人 日本鞄協会 ランドセル工業会調査)
<2024年度 ランドセルの人気カラー>
デザイン
女の子に人気のハートやレースの刺繍があしらわれている商品や、男の子に人気のスポーツメーカーのコラボ商品など、実にいろいろなデザインがあります。カラー同様、子どもの好みを聞きながら、まずはカタログを取り寄せるなどして、いろいろと見比べてみるのがおすすめです。
★鉄道ファンなら、こんなランドセルも!
ランドセル選び、大事なチェックポイント
ランドセル選びをスタートするにあたって、小学生の持ちものを簡単にまとめてみたのが上図です。
ママパパの時代にはなかった持ちものと言えば「PC(またはタブレット)」! 文部科学省が2019年に開始した「GIGAスクール構想」のもと、今では全国の公立小・中学校の児童に「1人1台端末」が整備されました。PCを持ち帰る頻度は学校や学年によってさまざまですが、これが意外に重いもの…。子どもの学校道具のひとつにPCがあることを事前に認識しておくとよいでしょう。
教科書についても、持ち帰る頻度や冊数は学校によってさまざまで、特に低学年のうちは宿題に必要なものだけ、というケースも多く見られます。教科書の重さは平均して150g程度と言われています。プリントファイルなどはA4サイズのものも多いです。ランドセルのサイズはA4対応のものをおすすめします。
ランドセル選びの基本的なチェックポイントは上図のとおり。持ちものを入れるイメージをしながら、子どもが使いやすいものはどんなランドセルなのか、親子で一緒に考えてみてください。
ランドセルはいつ買う?ラン活って必要?
「ラン活」という言葉を聞くと、親はつい焦ってしまい、ランドセル選びを始める前から苦痛に感じてしまうこともありますね。ランドセル選びは子どもの入学準備の第一歩。ストレスに思わず、親子で前向きに選ぶために、おおよその見通しをもってみましょう。
<ランドセルの検討開始時期>
各工房やランドセルメーカーがカタログの受付をスタートするのは、だいたい年中さんの12月時期です。上図の「23年度のランドセルの検討開始時期」からも、この時期に検討をはじめる方が多いことがわかります。よって、工房系に興味がある方は、いったん年中さんの後半時期を目安として、各Webサイトをチェックしてみるとよいでしょう。今は多くの場合が、Webサイトで商品カタログを取り寄せや、出張店舗のスケジュール確認、来店予約をすることができます。
検討開始時期としてもっとも多いのは年長さんの4月。進級すると、いよいよ卒園・新入学のイメージが具体的になってきますね。ゴールデンウィーク前後の時期は、各地で出張店舗やランドセル予約会などが多く開催される時期です。混みあうことも予想されるので、進級前の春休みぐらいに予約を意識するとよさそうです。
<ランドセルを購入した時期>
春の時期を逃したとしても、夏休みぐらいまでは予約受付が可能なケースは多くあります。また、カタログだけで決めきれずにいたものが、実際にランドセル売場や販売会などに行ってみたら、親子ともにイメージが具体化したという声も多くあります。事前にコレ!というお目当てが定まっていない段階でも、行きやすい場所やタイミングの販売会などがあれば、一度足を運んでみるのもよいでしょう。ひとつ気にしておきたいのは、ランドセルは製造期間がかかるということ。予約から届くまでの期間は各工房やメーカーによってさまざまですが、年長2月頃、遅くても3月上旬には届くようにすると安心です。
『るるぶKids』は、ランドセル選びは競争ではなく「親子で小学校生活をイメージするはじめの一歩」と考えます。ラン活という言葉に惑わされることなく、親子で楽しく向き合えることを願います。一生に一度のランドセル選び、ぜひ親子でたくさんお話して、お気に入りのものを選んでくださいね。