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令和の子育て資金術をシリーズでお届け!投資を賢く活用することで、借金1000万を完済し、その後もお金を増やし続けている一児の親がおくるリアル体験談です。第4回は、「つみたて投資枠」の投資信託について。NISA初心者にもっともおすすめのはじめ方をご紹介しましょう。
▼まだ間に合う!はじめての子育て投資術シリーズ
» 第1回 教育費や住宅費はいくらかかる?
» 第2回 抑えておくべき基本と口座開設まで
» 第3回 成長投資枠で株を買うポイント!成功例も紹介
(著者)ないとーえみ
福岡県生まれ。過去に借金1000万円を背負うも投資の活用で完済し、その後もお金を増やし続けている一児の親。著書に、お金や経済のことを学ぶ小学生向けの学習ノベル『俺のマネースキルが爆上げな件』(1、2巻。ともに税別1100円、JTBパブリッシング)などがあります。元新聞記者。初インタビューは故・浜田幸一(通称ハマコー)元衆議院議員でした。
投資信託とは?
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子どもの未来のために、資金のやりくりを日夜考える愛ある子育て世代の皆さん、こんにちは。前回は「株」についてお話しました。第4回目の今回は「投資信託」についてご説明します。第2回で紹介した通りNISAの「つみたて投資枠」では、年120万円の上限で、投資信託を購入することができます。
大人気の「オルカン」とは?
みなさんは「オルカン」という言葉を聞いたことがありますか?これは三菱UFJアセットマネジメントが運用する「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」の愛称で、世界中の会社の株に投資をする投資信託の商品です。大変な人気で、日本経済新聞(web版)によると2024年12月には総資産残高(その投資信託の規模を表します)が5兆円を超えました。
投資信託とは、つまり「プロにお任せ!」のこと
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画像:PIXTA
このオルカンに代表されるように、多くの人から集めたお金を一つの大きな資金にしてまとめて、運用の専門家が株や債券などに投資して運用するのが投資信託商品です。平たく言えば「プロにお任せ!」。投資する側は投資先などの内容を見てお金を出します。
NISAで買える投資信託の商品数は?
投資信託の商品数は約5800本あります(2024年11月現在)。このうち金融庁の基準を満たしNISAの「つみたて投資枠」で扱われているものは242本(2024年10月現在)。「オルカン」もそのひとつです。
投資信託は「インデックスファンド」がおすすめ!
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次に種類をみていきましょう。投資信託は、大きく分けて2種類あります。「インデックスファンド」と「アクティブファンド」です。インデックスファンドは、第3回でご紹介したさまざまな株価指数に連動するように運用されるものです。アクティブファンドは指数以上の成果を目指すものです。
インデックスファンドが人気の理由
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画像:PIXTA
勝率で見ると、インデックスファンドに軍配が上がります。詳細は、投資を扱った名著『ウォール街のランダム・ウォーカー 株式投資の不滅の真理』(バートン・マルキール著、井手正介訳・日本経済新聞出版)に譲りますが、市場の動きは人知を超えるようです。
また、投資信託は運用や管理にあたり信託報酬を払わなければなりません。投資信託を持っているだけで発生する費用と考えてください。インデックスファンドに比べて、アクティブファンドの方が高い傾向にあります。信託報酬は年数%のものから年0.0数%のものまでさまざまです。散財を繰り返し「リボ払い上等」だったころの私なら「大して変わんないねー」と考えたかもしれません。もちろん、みなさんはそうではないはずです。長期の投資であればあるほど、大きな差が生まれます。
こうしたことからインデックスファンドが人気を集めています。特に先ほど挙げた「オルカン」(信託報酬を含む管理費0.05775%、2024年12月30日現在)はもちろん、それよりさらに総資産残高が大きな「eMAXIS Slim 米国株(S&P500)」(信託報酬を含む管理費0.09372%、2024年12月30日現在)などが大人気です。「eMAXIS Slim 米国株(S&P500)」の総資産残高は6兆円を超えます(2024年11月現在)。
投資信託は、株より低リスク!
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これらの投資信託が人気を集める理由には、第2回でご紹介した「分散」の観点もあります。1社の株だけ持っていると、そこがどうなるか分かりませんが、全世界やアメリカの多くの企業に投資できるのであれば安心というわけです。
アメリカの会社を見た場合、マイクロソフトやアップル、アマゾンなど名だたるグローバル企業が近々バタバタと倒れていく光景は、なかなか想像できません。そんな世界になったら、もはや投資どころか日常生活が危ぶまれます。もちろん、これらの企業全ての株を自分で買って投資できればいいのでしょうが、それは至難の業です。
そこで投資信託の出番となります。ちなみに「オルカン」には日本の会社も含まれていますが、比率は5%ほどで、アメリカの会社が60%ほどを占めます(2024年5月現在)。
投資信託は少額スタートで、こつこつと!
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画像:PIXTA
投資信託は、証券会社によっては100円から始められるところもあるなど、少額からスタートが可能です。毎月決まった額をこつこつ投資していくのが、第2回でご紹介した「長期」や「積立」の観点からもおすすめといわれています。
私自身も「オルカン」を毎月、NISAの「つみたて投資枠」で購入しています。「eMAXIS Slim 米国株(S&P500)」と迷ったのですが「アメリカ株が60%を超えてるから事実上そんなに違わないけど、でもアメリカ一辺倒よりは…」という、ほとんど趣味のような理由から「オルカン」にしました。
投資ですので、投資信託にも上がったり下がったりはあります。それでも個別の株に比べれば気をもむことが少なく、精神衛生上もおすすめです。また個別の株は会社の業績などさまざまな要因を、それこそ個別に考える必要がありますが、投資信託は、少額からたくさんの会社の株を「プロにお任せ」ですので「こんなもんかなー」と貯金感覚で始められます。
これらのことから、NISAを始めならまずは「つみたて投資」枠で投資信託、中でもインデックスファンドからスタートするのがよいと言われています。
次回は本シリーズ最終回 2/20配信! 失敗しないための投資NG行動集をお送りします。ぜひ参考にしてくださいね。
※当記事は投資を勧めたり投資の利益を約束したりするものではありません。投資は自己責任で行ってください。
NISA無双への近道は?
投資のことを深く知りたい方は、私が尊敬してやまない投資の師匠・東山一悟さんの著書『投資で2億稼いだ社畜のぼくが15歳の娘に伝えたい29の真実』をぜひご覧ください。なぜ投資なのか、なぜ株(投資信託)なのか、きちんと理解するのがNISA無双への近道です。
子どもにもマネースキルを!
生きる上で大切なお金。でも学校ではなかなか学べません。子どものうちからお金や経済を知るための学習ノベル『俺のマネースキルが爆上げな件』1,2巻。さくさく読める爆笑の物語でお金も経済も丸分かり。毎日小学生新聞の好評連載の書籍化で、中学受験にもぴったりです。