
自然豊かな地方の保育園での一時預かりをはじめ、宿泊、ワークスペースがパッケージ化されたサービスを展開する「保育園留学」。滞在中の過ごし方や「どんな保育園で過ごせるの?」「子どもが園に慣れなかったときは?」といった親の不安を解消するシステムなど、理想の親子ワーケーションができる魅力についてたっぷり取材しました。
- 「保育園留学」の特長
- └ 北海道から九州まで、自然豊かな約50地域の園と連携
- └ 夏は海・川遊び、冬は埋もれるような雪体験ができる
- どんな保育園がある?人気の保育園を紹介!
- └ のびのびと大自然を満喫できる「認定こども園 はぜる」(北海道)
- └ 本土最南端の地で生きる力を育む「はまゆう保育所」(鹿児島県)
- 違う保育園で子どもはなじめる?独自のサービスも!
- └ 保育園選びはプランナーがサポート
- └ 留学前に園と直接面談
- └ 留学先選びから親子で楽しむことが成功のカギ
- └ 子どもが慣れるには時間のゆとりも大切
- └ 受け入れ枠数が多い地域では、交流が生まれる
- 滞在期間や費用はどう?
- └ 留学費用を抑えるポイントは?
- 滞在中のスケジュールは?
- └ 1週間のスケジュール
- └ 1日の流れ
- └ お迎え時に保育園で一品夕食のお惣菜を受け取れる「おむかえテイクアウト」
- よくある質問
- └ 完全リモートワークができないと参加できない?
- └ 滞在直前や滞在中に子どもの具合が悪くなってしまったら?
- 親もチャレンジ!「一緒に楽しもう」の気持ちが大切
お話をうかがったのは
(株)キッチハイク広報 長谷部由梨さん
ご自身も保育園留学を経験された1児のママ。「新しい土地、保育園の滞在は親子ともに緊張するものです。体調面でも子どもには何が起こるかわからないところもあるので、仕事もスケジュールもゆとりをもって参加されるといいと思います。ぜひ、地域の暮らしを親子で楽しんでください」
「保育園留学」の特長

「認定こども園 はぜる」の園庭
「わが子に、大自然の中でのびのびと遊んでほしい!」という自らもパパであるキッチハイク代表の、子どもとの移住体験からスタートした「保育園留学」。1~2週間、家族で地域に滞在。保育園での一時預かり、家族の宿泊施設、設備の整ったワークスペースをセットにした、暮らすように仕事も子育てもできる地方滞在のスタイルです。子どもの自然体験を軸に、さまざまな地域で仕事と育児をかなえることができます。
北海道から九州まで自然豊かな約50地域の園と連携

北海道「浦河フレンド森のようちえん」
園舎のすぐ裏にある広大な森が子どもたちの遊び場
留学先の保育園は、北海道から九州地方まで日本全国約50地域、20都道府県以上にあり、さらに連携地域は拡大する予定だそう。都市部からの利用者が増えています。
夏は海・川遊び、冬は埋もれるような雪体験ができる

熊本県天草市「もぐし海のこども園」
きれいな海のすぐそばにある
地域の自然がそのまま園の環境や生活に活かされているところが多いので、留学先によって子どもの多様な体験が可能に。夏は海に近い地域の園、冬は降雪量の多い地域の園といったように、季節に応じた体験ができる保育園を選ぶこともできます。
留学先として人気が高いのは、「園庭が広い園」「森遊びができる園」だそう。地域の子どもたちと一緒に、大自然のなか思い切り遊ぶ日常を過ごすことができます。
どんな保育園がある?人気の保育園を紹介!
認定こども園 はぜる(北海道/厚沢部町)
のびのびと大自然を満喫できる

北海道厚沢部町にある「認定こども園 はぜる」では、広い園庭で大自然に触れられるのが最大の魅力。室内にも、ブリッジキャッスルやボルタリングなど、体をめいっぱい動かすことができる工夫が随所にされており、こどもの個性が発揮できる環境が充実しています。
滞在施設のメインは、こども視点で設計された保育園留学専用のログハウス。木を基調とした室内は広々していて、ロフトもあってワクワク感が詰まっています。
はまゆう保育所(鹿児島県/南大隅町)
本土最南端の地で生きる力を育む

鹿児島県南大隅町にある「はまゆう保育所」は、本土最南端に位置する地域にあり、少人数制での温かな保育が特徴。保育所から一歩外に出ると、山と海に囲まれた大自然。四季折々の自然遊びや特産物の収穫、農業体験など、手つかずの自然と隣り合わせだからこその特別な体験が待っています。
南の島のような南国の気候なので、滞在中は釣りや海水浴などマリンアクティビティを楽しむのもおすすめ!
違う保育園で、子どもはなじめる?独自のサービスも!
幼少期にこそ本物の自然を味わってほしいと思うのが親心。けれど、一時的とはいえ普段と違う保育園に、子どもがなじめないのでは…という心配も。そんな親の不安に寄り添い、サポートしてくれる「保育園留学」独自のサービスも注目です!
保育園選びはプランナーがサポート

留学に対する不安や、家族の予定と希望に合わせた保育園選びの相談は、専属の保育園留学プランナーがサポート。候補の園がどんなところなのか、具体的に園でどんな体験ができるのか、現地での暮らしや環境はどんな様子かなど、LINE相談またはオンライン面談で丁寧に教えてもらえます。
「初めての留学」「費用を抑えたい」「現地まで車で移動できない」などリクエストに応じて、無理のない留学先を提案してもらえるのはうれしいところ。
留学前に園の先生と直接面談も
保育園留学では、留学前に必ず園との面談も実施。園の先生に、園の様子や必要な持ちもの、食事のことなどを直接聞くことができます。不自由な点があるなど、配慮が必要な子どもに対する相談も事前にできるので安心です。
留学先選びから親子で楽しむことが成功のカギ

留学をよりスムーズにするために、留学先を選ぶところから親子で一緒に楽しむといいかもしれません。
「保育園留学をしている家庭の多くが、子どもに留学先の説明をしている」と長谷部さん。定期的に滞在先や園の写真を見せたり、「どんなことしたい?」と親子で話したりすると、子どももイメージがわいて、楽しみな気持ちになるでしょう。
子どもが慣れるには時間のゆとりも大切

広島県竹原市「中央こども園」での園外活動
通い始めは留学先の園でどろんこ遊びができなかった子も、数日たつと在園児と子どもに混じって一緒に遊べるようになるという体験談も。子どもが園での生活を存分に楽しみ、豊かな経験にするためには、ゆとりある2週間の滞在がおすすめだそう。焦らず、子どもの順応力を信じて見守る時間と気持ちのゆとりが親にも必要なんですね。
受け入れ枠数が多い地域では、交流が生まれる
北海道厚沢部町、山形県庄内町、岐阜県美濃市の3つの地域では、宿泊施設として保育園留学専用の宿泊寮も選べます。北海道厚沢部町では、同じ時期に留学した子どもたちが庭で一緒に遊んだり、家族でバーベキューをしたりなどして過ごすことも。その後も一緒にリピート留学したり、自宅に帰ってからも繋がったりと交流も生まれるそう。同じ子育て家族の仲間がつくれるのも魅力です。
滞在期間や費用はどう?

快適に仕事ができるコワーキングスペースが利用できる地域も
- 対象年齢
未就学児(0歳~5歳児)
※留学先の園、空き状況により受け入れ可能な年齢が異なります。また保育園留学とのセット利用で小学生を対象にした小学生留学も実施 - プログラムの期間設定と料金の目安
1週間(6泊7日)大人1人子ども1人 9万8000円~
2週間(13泊14日)大人1人子ども1人 13万4000円~
※大人1名・子ども1名の2名1家族。保育料、宿泊料、宿泊施設に備えている備品、Wi-Fi使用料が含まれます。留学先によって、3週間・4週間のプランあり - 目安料金以外に準備しておくといい費用
往復の移動交通費・現地での食費、移動費(レンタカー) - 滞在する宿泊施設
家族滞在がしやすい宿泊施設に滞在。
1棟貸スタイルの宿泊施設、保育園留学専用の宿泊施設、アパートメントホテルなど
※滞在施設は地域により異なります
留学費用を抑えるポイントは?
留学費用以外に大きな割合を占めるのが、移動費。現地までの家族分の交通費をはじめ、地域によっては滞在期間中にレンタカーが必要なことも。移動費にかかる総額が、留学費用全体に大きく影響してきます。
徒歩登園や園バスが利用できる地域を選んだり、無料や特別価格でレンタカーの貸し出しがある地域を選んだりして、費用を抑えることも可能です。
また、ふるさと納税の返礼品を留学費用に充当できる留学先もあります。留学に行きやすくなるのと同時に、留学先の地域を応援することができるのもうれしいシステムですね。
滞在中のスケジュールは?

島根県江津市「里山子ども園わたぼうし」
子どもたちが薪割りから火起こしを体験
滞在期間は1~2週間が基本。すべて日曜日チェックイン、土曜日チェックアウトに設定されています。
1週間のスケジュール
初日(日曜日) | チェックイン |
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2日目~6日目 | <子ども>登園 <大人>リモートワーク・地域観光など |
最終日(土曜日) | チェックアウト 帰路の途中に周辺観光など |
1日の流れ
8時30分 | 登園 <子ども>在園児と同じ園生活 広い園庭でどろんこ遊び・園の菜園で収穫体験・海でのお散歩 地域の食材を使った給食など留学先の特色ある体験 <大人>宿泊施設や連携しているコワーキングスペースでリモートワーク |
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16時30分 | お迎え 宿泊施設で家族と過ごす |
お迎え時、保育園で一品夕食のお惣菜を受け取れる「おむかえテイクアウト」

一部の地域では、地域の食堂などと協働して、お迎え時に保育園でお弁当を一品受け取れる「おむかえテイクアウト」を実施。保育園留学の利用者だけでなく、在園児も利用できるシステムで、地域の子育て家族にも歓迎されているのだそう。滞在中も買い物や調理の負担が減る、働く親には有難いサービスです!
よくある質問
完全リモートワークができないと参加できない?
滞在中、親は必ず仕事をしていなくてはいけないということはありません。有給を使って夏休みに利用するケースやママの育休を利用するケースも。また、夫婦、祖父母の交代も可能です。
滞在直前や滞在中に子どもの具合が悪くなってしまったら?
出発直前の子どもの体調不良などにも安心な、キャンセル料100%補償の保険加入もおすすめ。また、どの留学先でも事前に近隣病院のアナウンスがされ、一部の地域ではオンライン診療とも連携しています。滞在中は子どもの具合が悪くなった場合は、園のルールに沿って登園はできない場合もありますが、家族での宿泊は可能です。
親もチャレンジ!「一緒に楽しもう」の気持ちが大切
保育園留学を利用した家族の多くが、2回目・3回目利用のリピーターになるそう。新たな園に子どもを預けるのは、親のチャレンジでもあります。親の不安な気持ちばかりが先だって、子どもの経験、可能性を狭めてしまうよりも「大丈夫、一緒に楽しもうね!」という心持ちでいてください。きっと子どもの世界を広げることができるはずです。
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