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アリを観察!小学生の自由研究アイデア(学年別)や場所・種類・特徴などの解説

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アリを観察!小学生の自由研究アイデア(学年別)や場所・種類・特徴などの解説

アリは、人間と同じように家族を持ち、各役割をもって社会生活を営んでいることを知っていますか? 昆虫芸人の堀川ランプさんが、今回はアリの生態を解説!アリは身近な昆虫なので、小学生の夏の自由研究にもおすすめ!低学年・中学年・高学年別の自由研究アイデアをご紹介します。ぜひ参考にしてみてね。

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堀川ランプさん(監修プロフィール)堀川ランプ
昆虫大好き芸人。変形菌にも詳しい。日本大学大学院生物資源科学研究科修士課程修了。理系の研究発表を模した白衣スタイルでおこなうフリップ芸が人気。Youtubeで「堀川ランプの昆虫列伝」を配信中。日本変形菌研究会会員。成虫の会メンバー。当記事のイラストはすべて堀川ランプさん本人のよるもの!
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1.アリはコロニーで生活!

私たちが道端で見つけるアリの巣はとても小さな穴ですよね。ですが、巣の中にはたくさんの部屋があり、しっかりと役割分担をして家族の暮らしを営んでいます。

アリはコロニーで生活!

コロニーって何?

アリの最大の特徴は「家族でお互い協力しあって生活している」ということ。アリの家族のまとまりを専門用語で「コロニー」といいます。

巣の中にはいくつかの小部屋とそれらをつなぐ通路が作られ、コロニーの暮らしが営まれています。小部屋は餌を貯めるための貯蔵庫、ゴミ捨て場、幼虫や蛹を育てる部屋、女王アリのための部屋といったように、用途によって使い分けされています。

女王アリ、働きアリ、兵隊アリがいる!

ほとんどの種類のアリは、巣の中で「女王アリ」を中心とした家族で生活をしています。女王アリは多くの場合、それぞれのコロニーに1匹ずついます(※種類によっては数匹女王アリがいることもあります)。また、女王アリはコロニーの中で唯一卵を産むことができる存在です。つまり、女王アリはコロニーの全てのアリのお母さん!コロニーのアリたち皆、女王アリの子どもなのです。

女王アリが産んだ卵は、そのほとんどがメスで、オスは繁殖のための限られた時期にしか生まれてきません。生まれたメスのアリたちは、そのほとんどが「働きアリ」になります。働きアリは、巣の中の女王アリや卵・幼虫の世話、巣の修理や拡大工事、さらには外に餌を探しに行ったりとあらゆる仕事をこなします。アリのコロニーの大半は、この働きアリが占めています。

働きアリの中には、他のアリたちよりも体が大きいものがいる場合があります。この大きい働きアリのことを特に「兵隊アリ」とよびます。兵隊アリは、名前のとおり巣を敵から守る仕事をするほか、大きな餌の運搬など力仕事も担当する頼もしい存在です。

道端にいるのはおばあさんアリ?

働きアリたちは、体の大きさだけではなく、年齢によっても役割が分かれています。まだ若い働きアリは巣の中で女王アリや卵・幼虫の世話などの仕事を担当し、年を取った働きアリは外で餌を探す仕事などを担当します。これは、まだ若いアリを巣の外の世界の危険にさらさないための工夫だと言われています。つまり、私たちが普段道端や公園で何気なく目にするアリの多くはおばあさんアリなのです。

2.アリは、実はハチの仲間

アリは実はハチの仲間

アリは、ハチの仲間だと聞くとびっくりしませんか? 図鑑などで調べてみると、「ハチ目」と分類されていることがわかります。家族で協力しあって生活していることや、甘い蜜が大好きなところ、くびれた体つきなど、言われてみれば意外と共通点はたくさんありますね。

アリは実は、飛ぶことをやめて地上で生きていくために進化していったハチのグループなのです。アリが元々ハチの仲間だったという証拠に、オスのアリや交尾を済ます前の新女王アリには翅があって空を飛ぶことができます。これら翅のあるアリを「羽アリ」と呼んだりもします。

飛ぶことをやめるという進化は、人間から見ると「不便じゃない?」と思うかもしれません。しかし、アリは飛ぶための翅を動かす筋肉がいらなくなった分、他の筋肉を大きく発達させることができるようになりました。その結果、アリは自分の体重の何十倍もの重さの物を持ち上げられるような怪力を手に入れたのです。アリの小さな体には、こんな進化の歴史が詰まっているんですね!

3.アリを探そう!アリがいる場所・種類・特徴

アリは、住んでいる場所によって種類が異なります。身近な場所でよく見られるアリの種類を紹介しましょう。

公園や学校の校庭によくいるアリ

公園や学校の校庭によくいるクロヤマアリとクロオオアリ

【クロヤマアリ】

身近でよく見られるアリの代表は、クロヤマアリ。体長4.5~6mm。明るくて開けた場所の地中や倒れた木、石などの下に巣を作ることが多いです。アブラムシが出す甘い蜜や虫の死骸をよく食べます。

【クロオオアリ】

日本最大級のアリのひとつで、体長7~12mm。明るくて開けた場所の地中に巣を作るので、こちらもよく目にすることができるアリの種類。働きアリには大型のものと小型のものがいます。クロヤマアリとは、サイズの違いのほかにも、クロオオアリの方が腹部の毛が目立つことで見分けられます。アブラムシが出す甘い蜜や昆虫の死骸はもちろん、小さな他の昆虫を襲って食べることもしばしば。

庭や草むらによくいるアリの種類

庭や草むらによくいるクロナガアリとサムライアリ

【クロナガアリ】

植物の種が大好きなクロナガアリは、草むらの地中に巣を作ります。活発に活動するのは、草の種が実りの時期を迎える秋だけ。それ以外の季節は、基本的に巣穴をふさいで地下で生活していますが、オスアリと新女王アリの出会いの場である結婚飛行のために春の限られた期間は巣穴を開けます。体長4~5mm。

【サムライアリ】

体長7mm前後で、鋭い牙が特徴のサムライアリ。勇ましい名前ですが、実はそれとは相反するような生態の持ち主。夏の午後、集団でクロヤマアリの巣を襲い、繭や大きく成長した幼虫を奪って巣に持ち帰ります。サムライアリの巣で羽化したクロヤマアリの成虫は、サムライアリが自分をさらった相手だと気づかないまま、奴隷として働きます。サムライアリ自身は、自分たちでは幼虫や女王の世話はおろか、餌を食べることすらできないので、身の回りの世話は全てさらってきたクロヤマアリに任せるのです。

山や森林によくいるアリの種類

山や森林によくいるムネアカオオアリとトゲアリ

【ムネアカオオアリ】

クロオオアリと並んで日本最大級のアリで、体長7~12mm。名前の通り、胸から腹の付け根にかけて色が赤いのが特徴。土の中にはあまり巣を作らず、主に倒れた木の幹や、木の腐った部分に巣を作るので、山や森林に多くいます。

【トゲアリ】

胸の部分が赤く、名前の通りトゲが生えているのが特徴のトゲアリ。体長7~8mm。木の空洞、特に根元近くにある空洞に巣を作ります。また、トゲアリの女王アリは、クロオオアリやムネアカオオアリの巣を乗っ取ることが知られています。結婚飛行を終えたトゲアリの女王は、クロオオアリやムネアカオオアリの働きアリを捕まえてその匂いを体につけ、仲間のふりをして巣に侵入。その後、女王アリを殺して元々の女王アリと入れ替わるのです。元々いたクロオオアリやムネアカオオアリの働きアリは、女王がトゲアリの女王に入れ替わると、トゲアリの女王や卵を自分の家族だと勘違いしたまま世話をしてしまうので、コロニーの中のトゲアリの働きアリの割合はどんどん増えていきます。そして、最終的には元々いた働きアリが寿命を迎え、完全にトゲアリの女王とその働きアリのコロニーになってしまうのです。トゲアリの働きアリは、サムライアリの働きアリと違い、自分で餌をとったり幼虫や女王の世話をできるので、他のアリに頼って生活するのは最初だけです。

いろいろなところに生息するアリ

【アミメアリ】

体長2.5mmで赤茶色の小さなアミメアリ。ほとんどのアリが一定の場所に巣を作ってずっと住み続けますが、アミメアリは決まった場所に巣を作らず、餌を求めてその都度移動しながら石の下や木の隙間などに仮住まいし、餌がなくなってきたらコロニー全員で引っ越しをします。また、アミメアリには女王アリが存在せず、それぞれの働きアリが卵を産んでみんなで世話します。身近な場所で普通に見られますが、世界的にも変わった生態を持ったアリなのです。

シロアリはアリじゃない!

アリの名前が付く昆虫の中で代表的なものに「シロアリ」がいますが、実はシロアリはゴキブリに近い仲間の昆虫で、ハチに近い仲間であるアリとは全く別の昆虫です。シロアリの社会にも女王アリや働きアリがいますが、アリの仲間にはない「王アリ」という役割のオスがコロニー内にいたり、オスもメスもほぼ同じ割合で生まれてくることなど、大きな違いがいくつかあります。全く違う昆虫同士なのに、いつの間にか似たような姿、似たような暮らしぶりに進化していったというのは、なんとも不思議ですね。

4.アリの観察を小学生の自由研究に!学年別アイデア紹介

身近な昆虫であるアリは、自由研究のテーマとしても最適です!アリを題材としたオススメの自由研究のテーマを、学年別に紹介しましょう。

【1.2年生向け】アリの巣を観察しよう

いろいろなアリの姿を観察しよう

巣から出入りするアリ、草木の枝にとまっているアリ、地表を歩いているアリがそれぞれ何をしているか観察してみましょう。巣穴を掘った時に出た砂の粒を巣の外に捨てていたり、持って帰ってきた大きい餌を巣に無理やり入れようと奮闘していたり、アブラムシを触覚でつついて蜜をおねだりしていたりと、いろいろなアリの姿を見ることができると思います。何をやっているか分からない行動を見つけた時は、自分なりに何をしているか想像してみるのもいいでしょう。

【3.4年生むけ】アリの好きな食べ物ランキングを作ろう

アリの巣の周りにいろいろな食べ物を餌として置いて観察しよう

これは、僕が実際に小学生時代にやった自由研究です。アリの巣の周りにいろいろな食べ物を餌として置いて、どんな餌にアリがたくさん寄ってくるか調べてみましょう。アリは甘いものが好きなイメージがありますが、本当にそうなのでしょうか? いろいろな気づきや発見があるかもしれません!

アリの巣の周りにいろいろな食べ物を餌として置いて観察しよう

観察が終わったら、自分なりに、なぜこの餌は人気があったのか、逆になぜこの餌は人気がなかったのかなどを考えてまとめてみましょう。

自由研究を発表する小学3年生のランプ少年

自由研究を発表する小学3年生のランプ少年。餌の配置をわかりやすく記す工夫も!

【5.6年生むけ】①アリの道しるべフェロモンの観察実験

アリの道しるべフェロモンの観察実験

道端でアリの行列を時々見ることがありますよね。「アリたちはなぜ道に迷わないの?」と疑問に思ったことはありませんか? 実はアリはおしりから「道しるべフェロモン」というにおい物質を出していて、行列のアリたちは前を歩くアリたちが道しるべフェロモンを出した跡をたどりつつ、自分も道しるべフェロモンを地面に付けながら歩くことで道に迷うことなく行列を作ることができるのです。
そんな道しるべフェロモンの効き目を、いろいろな方法で調べてみましょう。例えば、霧吹きで行列の一部に水をかけて地面を湿らせてみたら道しるべフェロモンの効果は薄まるのか?行列をふさぐように紙を置いてみたらどうなるか?しばらくしてからその紙をどかすとどうなるか?においの強いものを近くに置いたらどうなるか?などなど。いろいろな方法で道しるべフェロモンの効果を試してみましょう。これは、かの昆虫学者ファーブルも行ったことのある実験なんですよ。

【5.6年生むけ】②ぼくの近所のアリ図鑑

アリは狭い範囲の中でも複数の種類が住み分けている

アリは、日当たりや湿度、地面なのか木の穴なのかなどの条件の違いごとに、狭い範囲の中でも複数の種類が住み分けていることがよくあります。自分の身の周りにはどんな種類のアリたちが生息しているのか、「近所のアリ図鑑」を作ってみるのも楽しいでしょう。

見つけたアリの種類を図鑑で調べながら種類と場所、そして日付を記録していきましょう。その場で調べるのが難しい場合は、写真や動画で記録し、後から調べるのもオススメです。調べても種類が分からなかった場合でも、大きさや質感、形や色などの特徴を記録しておくだけでも価値のあるデータになります。

アリは、日本だけでも270種類以上が生息していると言われています。その中には全国的に分布しているけど数の少ない種類もいくつか含まれます。もしかしたら、自由研究をする中でそのような珍しいアリの新しい生息地を発見できちゃうかもしれません!

【全学年向け】女王アリや働きアリの飼育観察

アリを採集して、飼育観察をするのも立派な自由研究になります。
女王アリを採集することができれば、コロニーを作る様子を長期に観察できます。ですが、女王アリは普段は巣の奥深くにいて、簡単には見つけることができません。地上に出てくるのは新女王アリとオスアリが繁殖のために巣から飛び立つ「結婚飛行」と呼ばれる行動が見られる限られた時期だけ!結婚飛行は、春から夏にかけて行われるので、ぜひ事前に調べてチャレンジしてみてください。
また、働きアリだけを採集して、巣穴を掘る様子や餌を運搬する様子を観察してみるのもいいでしょう。

こちらの記事で、女王アリの結婚飛行の時期や捕まえ方、巣作りケースの作り方を詳しく解説をしていますので、ぜひ参考にしてくださいね。
» 女王アリを捕まえてコロニーを飼育観察!結婚飛行の時期は?働きアリだけの観察は?

5.アリの観察で気をつけること

クロオオアリ

クロオオアリ

アリを傷つけない

アリはとても小さいので、むやみに指でつまむと弱ってしまうことが多くあります。基本的には触らないで観察してあげましょう。動き回るアリをしっかり見て観察したい時は、小さな透明のプラケースなどに誘導して観察するのがいいと思います。

観察を終えたら、必ず「元の場所」へ放す

アリを採集する場合には必ず守ってほしい鉄則があります。それは「同じコロニーから採集し、元いた場所へ戻す」こと。アリは同じ種類でも巣ごとに体のにおいが違います。このにおいの違いは人間にはわかりませんが、アリには違いがはっきりわかるようで、違う巣からやってきた働きアリは、たとえ同じ種類だとしても一斉に攻撃されてしまいます。ですので、観察のために一時的に採集したアリは、観察が終えたら、他のアリの巣に間違って入って攻撃されてしまうことがないように、必ずそのアリを採集した時と同じ場所に放してあげましょう

夏は蚊や熱中症に注意

自由研究シーズンの夏は、活発に活動するアリの種類が多く、観察には最適の季節です。しかし、アリの観察に集中しすぎるのは禁物!長時間外で観察をしていると熱中症になってしまう危険があります。帽子を被ったり、こまめな水分補給と休憩をとるなどの熱中症対策はしっかりとりましょう。また、茂みに入ってアリの観察をする時、蚊に刺されてしまうことが多いので虫除けスプレーなどで対策をする必要がありますが、観察中にスプレーを使うと周りにいるアリが弱ってしまうため、家であらかじめ虫除けスプレーをつけてから観察をしに行くのがオススメです。

ヒアリの心配は?

ここ数年、ニュースなどで度々話題になっている特定外来生物の「ヒアリ」。攻撃的な上に毒を持っていることなどの危険性が報道され、「このアリがヒアリだったらどうしよう」と不安になる方も多いかもしれませんが、現時点ではヒアリの侵入は水際での駆除がしっかりされ、定着していないので、神経質になりすぎる必要はないでしょう。

ヒアリと似た「キイロシリアゲアリ」は無害!

在来種のアリに「キイロシリアゲアリ」というアリがいます。このアリは毒針を持たず人間には無害なのですが、体の色がオレンジ色っぽくおしりの先がとがっていることから、ヒアリと間違われて駆除されてしまうことが多くあります。

<キイロシリアゲアリとヒアリを見分けるポイント>

  • キイロシリアゲアリはおなかの先を上に反らすことができるが、ヒアリはできない
  • キイロシリアゲアリの働きアリは大きさが2~3mmでだいたい同じ大きさなのに対し、ヒアリは2~6mmまでバラバラな大きさであることを参考にしてみてください。

キイロシリアゲアリの結婚飛行は9月の夕方に行われることが多く、夜になるとよく街灯や自動販売機の明かりに大量に集まっているのが見られることがあります。この結婚飛行で集まっている時も、キイロシリアゲアリのことを知らない人からヒアリと間違われ駆除されてしまうことがあるので、とても気の毒です。
キイロシリアゲアリには、何匹かの新女王で集まって協力しながら新しい巣を作るという習性があります。秋の夜、近所でキイロシリアゲアリの結婚飛行が見られたら、怖がらずにその様子を観察したり、何匹か持ち帰って飼育したりしてみてはいかがでしょうか?

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