乾貴士選手から学ぶ!子どもの可能性を広げる子育てとは? Jリーグ選手113名に聞いた子ども時代の過ごし方も紹介

清水エスパルス所属・乾貴士選手

るるぶKidsライターのアイコンるるぶKidsライター

清水エスパルス所属・乾貴士選手にるるぶKidsが単独インタビュー!子ども時代から夢を叶えるまでの道のりや、現在の子育てまで貴重なお話を伺いました。さらに、現役Jリーグ選手113名にるるぶKids独自アンケートを実施!プロで活躍する選手たちの子ども時代を徹底調査しました。

目次(index)

乾貴士選手が語る子ども時代と子育て

ⒸJ.LEAGUE

乾貴士選手
1988年6月2日生まれ、滋賀県出身。Jリーグ・清水エスパルス所属。テクニカルなドリブルとパスでチームの攻撃を牽引するリーグ屈指のMF(ミッドフィルダー)。欧州でのプレー経験も長く、日本人として初めてラ・リーガ(スペイン)で通算100試合出場・2桁得点・2桁アシストを達成。日本代表としても活躍し、2018 FIFA ワールドカップロシア大会では4試合に出場。

好きだった教科は算数!活発だった小学生時代

清水エスパルス所属・乾貴士選手

滋賀県近江八幡市で小学生時代を過ごした乾貴士選手。「めちゃくちゃ活発でした」とご自身の子ども時代を振り返ります。とにかく体を動かすことが大好きな子どもだったそうですが、小学校では好きな教科は算数だったとか。「理由は分からないんですけど、算数は好きでしたね。車のナンバープレートを見て、引き算や足し算ばかりやっていた記憶があります」。

一方で、苦手だったのは国語。「書くのも読むのも嫌いでしたね。だから、いまも字が汚いんですよ。もっと国語を勉強しておけばよかった」と苦笑い。宿題についても「あまりやらない(笑)。4つ上のお姉ちゃんに手伝ってもらっていました。末っ子なんで甘やかされていましたね」と、微笑ましいエピソードを教えてくれました。

いろいろなスポーツや遊びに触れ、可能性が広がった

プロサッカー選手として国内外で活躍してきた乾選手ですが、子ども時代にはサッカー以上に夢中になっていたスポーツがありました。「野球が大好きでしたね。まわりの友達がみんな野球をやっていたのもあって、すごく楽しくて。小学校を卒業する時、野球とサッカー、どっちをやるか迷ったくらいです」と当時を語ります。

実は、この野球で遊んでいた経験が、サッカーのプレーにも生かされているそうです。「野球でボールの落下地点に入る感覚が、サッカーで浮いたボールを競り合う時に役立っているなと感じます。子どものとき、いろいろな遊びやスポーツをするのは良いことだと思いますね」。

厳しい練習に耐えた小学生時代

清水エスパルス所属・乾貴士選手

サッカーのクラブチームに入団したのは小学1年生の時。「7つ上の兄がサッカーをやっていたので、自分もやりたくて。小学校の少年団は小3からしか入れなかったので、クラブチームに入りました」

このクラブチームで小中学校の9年間プレーしますが、当時は辞めたくて仕方なかったと振り返ります。「とにかく監督が厳しくて、練習に行くのが嫌でしたね。『辞めたい』と言っても、母に『ダメ』と言われて。辞めさせてくれなかったんです。後々聞いたところによると、監督が『アイツはプロになるから辞めさせるな』と言っていたらしいですけどね(笑)」
子ども時代から光るものがあった乾選手。プロへの可能性を見出すうえで、監督やお母さんなど、周囲の力添えもとても重要でした。

そんな厳しい環境で、サッカーを続けることができた秘訣は何だったのでしょうか。
「監督は厳しいんだけど、その分褒めてくれたときは本当に嬉しかった!まさにアメとムチですね(笑)。それと、サッカー自体が純粋に楽しかったというのもあります。今思うと、この小中学生時代に厳しくされていた経験があったから、プロになってからの苦しい時期も乗り越えられたと思います」。
現在の活躍につながる貴重な子ども時代の経験だったと語ります。

中学生時代に芽生えた「スペインでプレーしたい!」という夢

乾選手がプロサッカー選手になることを意識したのは、中学生のころだったそう。「プロになりたいというより、まずはじめに『スペインに行きたいな』って思いましたね。サッカーを始めたきっかけでもある兄がスペインサッカーが好きで、一緒に見ているうちにいつかスペインでプレーしてみたいな、と。それで、おのずとプロを目指し始めました」。

夢を声に出すことが実現への第一歩

プロへの道が現実味を帯びてきたのは、高校2年生のころ。「高1の全国大会には出場できなかったので、どうしたら自分を見つけてもらえるんだろう、プロになれるんだろうとずっと考えていました。ひたむきに練習を重ねるうちに、高2の夏の国体で3位になり、そこで初めてプロの練習に参加できたんです。実際にプロの世界を身近に感じて『もしかしたら、自分もプロになれるかもしれない』と現実的に考えるようになりました」。

努力が実を結び、高校3年生でJ1チームからオファーを受けた乾選手は、2007年に横浜F・マリノスに入団。Jリーグで活躍を続け、2011年にドイツのチームへ移籍。そして2015年、中学生の頃に夢見たスペインのクラブチームへの移籍が実現し、長年の夢を叶えました。「たまたまですよ(笑)」と本人は謙遜しますが、スペインへの思いは常に心にあり、その志を言葉に出し続けていたそうです。「(スペインに行きたいと)とにかくずっと言っていましたね。横浜F・マリノスでの入団会見でも言っていますから(笑)叶った時は本当に嬉しかった!」夢や目標を実際に声に出すことで、よりいっそうのブレない軸となり、努力を下支えしてきたのかもしれません。

多忙な中での子どもとの向き合い方

清水エスパルス所属・乾貴士選手

乾選手は、中学3年生の男の子と小学1年生の女の子がいる二児のパパ。現在は静岡県で単身生活を送っているため、家族と一緒に過ごす時間はほとんどないそう。「家族と過ごせるのは、静岡に遊びに来てくれた時くらいなので、親らしいことはあまりできていないかもしれませんね」と語る乾選手。「久しぶりに会うと、娘はまだ小さいので『パパ、パパ』って甘えてくるのがかわいい(笑)上の子は、時間があれば一緒にサッカーをしたりして過ごしています」と、子どもとの関係性を教えてくれました。

子育てで特に意識しているのは、「子どもに甘くしすぎないこと。」と乾選手は話します。子どもが何かをやりたいと主張した時は、「どうしてそれをやりたいのか」理由を尋ね、納得できる理由があるかしっかり確認するそうです。

現在、長男の夢は乾選手と同じプロサッカー選手。会えたときは実際に2人でボールを蹴りながら、「いまこのポジションをやっているなら、こういう動きを意識したほうが良いんじゃない?」と具体的なアドバイスをすることもあるそう。「プロになるのは本当に難しい道だけど、自分で決めた夢に向かって頑張っているので、全力で応援してあげたいと思いますね」。
現在もプロサッカー選手としてかっこいい背中を見せ続けながら、父親として子どもの夢を見守り、時間が許す限りできるサポートをする。子どもの可能性や夢を応援する気持ちはすべてのママパパと同じであることがうかがえますね。

現役Jリーグ選手113名の小学生時代を調査!

プロサッカー選手たちは、どんな小学生時代を過ごしてきたのか。J1からJ3に所属する113名の選手を大調査!やっていた習い事、親に感謝していること、家族でのおでかけ先など、子育てのヒントになる回答も多く集まりました。
※所属クラブは2025年6月末時点のものです。

小学生時代について

得意だった教科、苦手だった教科は?

小学生時代得意だった教科

得意だった教科で、堂々の1位となったのは「体育」!Jリーグ選手たちは、小さいころから体を動かすことが大好きだったことが分かります。次に多かったのが「算数」。ピッチの上で瞬時に最適なパスコースを見つけたり、相手の動きを読んでポジショニングを変えたりする能力は、算数で育つ論理的な思考力と共通点があるのかもしれません。3位にランクインしたのは「社会」。地理や歴史に興味を持つことは、サッカーが世界中で人気の高いスポーツであることと関係があるのかも!?

小学生時代に苦手だった教科

苦手だったという回答が最も多かった教科は「国語」でした。興味深いことに、乾選手の回答と同じ結果に。得意だった教科で2位だった「算数」が、苦手な教科でも同じく2位にランクイン。得意な人と苦手な人がはっきりと分かれる教科といえそうです。注目したいのは、「体育」が苦手だったと答えた選手が一人もいなかったこと。小学校の頃の好きだったことや得意だったことが、現在の職業にも強く結びついていることがわかります。

好きだった遊びは?

小学生時代に好きだった遊び

好きだった遊びは、「球技(サッカー、野球、ドッジボールなど)」がダントツの1位でした。遊びの中でも積極的にボールと触れ合っていたようです。2位には、体を動かす遊びの定番の「鬼ごっこや缶蹴り、かくれんぼ」がランクイン。遊びを通していろいろなスポーツや公園遊びで体を動かすことは、子どもの可能性を広げるうえでも重要だと言えそうですね。

習い事は何をしていた?

小学生時代にやっていた習い事

こちらの回答も予想通り、1位となったのは「サッカー・フットサル」。続いて2位にランクインしたのは意外にも「水泳」でした。全身運動であり、心肺機能や体幹を鍛える水泳の経験は、サッカーでの持久力や柔軟な動きにつながっているのかもしれません。

将来の夢は?

小学生時代の将来の夢

Jリーグ選手113名のうち、なんと106名が「サッカー選手」と回答。この圧倒的な数字は、彼らが子どものころから「プロのサッカー選手になる」という夢を持ち、それに向けて努力を重ねてきたことの証拠ともいえます。

プロサッカー選手という職業について

プロサッカー選手を意識した時期、きっかけは?

プロを意識したのはいつ頃?

現在の職業であるプロサッカー選手を意識し始めた時期として、最も多かった回答は「高校生」でした。高校を卒業するタイミングでプロ入りするケースが多いことを考えると、この時期にプロを具体的に意識し始めるのは自然な流れと言えます。次に多かったのは「小学校低学年」。小学校低学年から高学年と回答した人は、合計すると1位の「高校生」よりも多い結果となりました。小さいころ、スタジアムやテレビでプロの選手たちのプレーを見て、「自分もあんな風になりたい」と強く憧れるケースも多かったようです。

清水エスパルス所属・乾貴士選手

ⒸJ.LEAGUE

プロサッカー選手を目指したきっかけとして、多くの選手が共通して挙げていたのが、スタジアムでのサッカー観戦。

  • 「地元のチーム、北海道コンサドーレ札幌を生観戦した時に、かっこいい選手とたくさんのサポーターを見て、プロサッカー選手になりたいと思いました」
    (水戸ホーリーホック・松原修平選手)
  • 「ガンバ大阪の試合を観て、ピッチに立ちたいと思いました」
    (鹿島アントラーズ・濃野公人選手)
  • 「清水エスパルスの試合を見に行ったのがきっかけ」
    (清水エスパルス・北川航也選手)

上記の回答からも分かるように、子どものころに実際にプロの選手たちのプレーや生で見ることは非常に大きな刺激となったようです。
ほかにも

  • 「V・ファーレン長崎が身近にあったから」
    (V・ファーレン長崎・安部大晴選手)
  • 「地元にJリーグチームができた」
    (栃木シティ・表原玄太選手)

などの回答も見られ、身近にプロのサッカーに触れられる環境があったことも、プロを意識する大きな要因だったと考えられます。Jリーグには、全国各地にある計60クラブが参加しています。身近にプロ選手のプレーを感じることができるのも魅力です。

家族との関係性について

思い出深いおでかけや旅行体験は?

画像:PIXTA

子どものころの家族とのおでかけや旅行の思い出についても、さまざまな回答がありました。

  • 「キャンプやグランピング(長崎県や兵庫県)に行っていたこと」
    (ガンバ大阪・黒川圭介選手)
  • 「海外にたくさん行った。セブ島、バリ島、サイパンなど」
    (RB大宮アルディージャ・市原吏音選手)
  • 「車で静岡や埼玉などにいき、海やアウトレットなどたくさんお出かけをしたこと」
    (京都サンガF.C.・川﨑颯太選手) ※所属クラブは2025年6月末時点のものです

週末の身近なお出かけや、遠出をした家族旅行など、色々な土地に行った楽しい思い出が残っているようです。
また、

  • 「家族で味スタに、FC東京と横浜F・マリノスの試合を観に行ったこと」
    (ツエーゲン金沢・大谷駿斗選手)

など、家族で行ったスタジアムでのサッカー観戦が大切な思い出という声も聞かれました。

プロになったいま、親に感謝していることは?

画像:PIXTA

この質問の回答で、特に目立っていたのはサッカーに専念できるよう、自身を温かく見守ってくれた家族への感謝の気持ちです。

  • 「自由に楽しくやらせてもらった」
    (川崎フロンターレ・三浦颯太選手)
  • 「反対されたことがない、自分のやりたいことをさせてくれた」
    (ヴィッセル神戸・扇原貴宏選手)
  • 「何かを強制された記憶がなく、常に自分の考えを尊重してくれた」
    (アビスパ福岡・秋野央樹選手)

といった声が、多くの選手から聞かれました。
また、

  • 「忙しい中で試合や練習の送り迎え、サッカー用具を揃えてくれた」
    (アビスパ福岡・碓井聖生選手)
  • 「父にひたすら1対1の練習につきあってもらったこと」
    (RB大宮アルディージャ・藤井一志選手)

など、日々のサポートへの感謝の声も。さらに、

  • 「何回もサッカーを辞めようとしたけど引き留めてくれたこと」
    (ヴァンフォーレ甲府・三平和司選手)
  • 「負けず嫌いな心を育ててくれた」
    (東京ヴェルディ・綱島悠斗選手)

という回答もあり、乾選手のインタビューにもあったように、甘やかすばかりでなく、時には厳しく接してくれたことにも感謝の気持ちが向けられていました。夢を叶えるべく、親子二人三脚で向き合ってきた様子が伝わります。

親から言われた印象的な言葉は?

画像:PIXTA

この回答で多く見られたのは、

  • 「謙虚さ、感謝の気持ちを持ちなさい」
    (レノファ山口FC・河野孝汰選手)
  • 「箸の持ち方やご飯の食べ方、挨拶など厳しかった」
    (FC町田ゼルビア・中島裕希選手)
  • 「必要最低限のことはしっかりやること。自分で言ったことはやる」
    (ザスパ群馬・青木翔大選手)

など、サッカーに直接かかわることでなく、人として身につけておくべき基本のことや、自主性や責任感など日々の行動に対するアドバイス

  • 「とにかく勉強しなさいとよく言われていました」
    (鹿島アントラーズ・知念慶選手)
  • 「口酸っぱく勉強しろと言われていた」
    (ガンバ大阪・鈴木徳真選手)

など、スポーツと学業の両立をうながす言葉も目立っていました。子どもの可能性を広げるという意味でも、サッカーだけでなくさまざまなことに対して真剣に取り組む姿勢を重要視していたママパパが多かったようです。

無料招待実施中!夏休みは親子でサッカー観戦へ行こう

この夏、Jリーグを観に行こう!

ⒸJ.LEAGUE

今夏、各Jクラブでは、無料招待キャンペーンを実施中。実際に、プロの試合を見たことでプロサッカー選手という夢を志したJリーガーが多くいるように、子どもの可能性を引き出すことや大きな刺激につながるきっかけになるかもしれません。プロの試合を生観戦できる貴重な機会、ぜひ夏休みのお出かけ候補にいかがでしょうか。

» 無料招待キャンペーン詳細はこちら

Sponsored by J.LEAGUE