子どもの習い事「空手」はいつから始める?道場・流派の選択肢や費用、5つのメリットをご紹介

空手(イメージ)/子どもの習い事
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「子どもに空手を習わせたいけれど、何歳から始めるのがいいの?」「費用ってどのくらいかかるの?」そんなふうに気になっているママパパも多いのではないでしょうか。

空手は、運動能力や技術だけでなく礼儀作法や集中力を養うことができる習い事です。形や組手の稽古を通じて、心と身体の両面を鍛えられます。

この記事では、空手の始め方・4つの流派・適した年齢・メリット・費用について解説します。空手教室の選び方や準備の参考にしてください。

目次(index)

空手の習い事、どんな選択肢がある?

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子どもが空手の習い事を始める場合、通う場所の選択肢は主に2つあります。

  • 地域の空手道場に通う
  • スポーツクラブの空手教室に通う

それぞれに特徴やメリット・デメリットがあるため、子どもの目的や家庭の状況に合わせて選ぶことが大切です。

地域の空手道場に通う

最も一般的な選択肢は、地域の空手道場に通う方法です。

空手道場は、伝統的な稽古スタイルで本格的な指導を受けられる場所です。多くの道場では、礼儀作法から突き・蹴りなどの基本的な動作、形や組手まで段階的に学べるカリキュラムが組まれています。

道場によっては全日本空手道連盟に加盟しているところも多く、昇級・昇段審査や大会への参加機会も豊富です。地域に根ざした道場では、異なる年齢層の子どもたちと一緒に稽古できる点も魅力です。

道場の公式ホームページや地域の掲示板などで生徒募集をしていることが多いので、まめにチェックしてみましょう。道場だと年齢制限やクラス分けなどがなく、親子で一緒に通うことも可能です。親子で競い合い励ましあうのもおすすめですよ。

スポーツクラブの空手教室に通う

総合的なスポーツクラブが開講している空手教室も選択肢のひとつです。

スポーツクラブの空手教室は、比較的カジュアルな雰囲気で始められる点が特徴です。施設が充実しているため、広い練習スペースやシャワー設備なども利用できます。

スポーツクラブであれば、空手以外のさまざまな競技やプログラムがあることが多いため、他の習い事と併用しやすいメリットがあります。ただし、本格的な競技志向よりも、健康づくりや運動の一環として空手を学びたい子どもに向いているでしょう。

空手の主な流派は4つ

空手には数多くの流派がありますが、伝統的な流派として、下記の4つがあります。

  • 剛柔流:攻撃の「剛」と受け流しの「柔」の美しいバランスが特徴
  • 糸東流:技が多彩で形の種類が多いのが特徴
  • 松濤館流:力強い技が多用され、直線的かつダイナミックな動きが特徴
  • 和道流:柔術の動きを取り入れた、相手の技を受け流す戦法が特徴

これらは全日本空手道連盟が公式に認定し、同じ土俵でたたかえるように統一ルールが策定されている流派です。それぞれ、基本動作である突き・蹴りの立ち方の違いや習得する形が異なります。通う道場によって教えている流派が異なるため、体験レッスンの際に確認しておくとよいでしょう。

空手の習い事を始めるのはいつ頃がいい?

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子どもが空手を習い始める時期は、年齢によって適した指導内容や身につきやすいスキルが異なります。多くの空手道場では3歳頃から受け入れを行っていることが多いです。

  • 3歳〜5歳
  • 6歳~9歳(小学校低学年)
  • 10歳~13歳(小学校中・高学年)

3歳〜5歳

幼児期は、基本的な礼儀作法や身体の使い方を自然に身につけやすい時期です。遊びの延長のような楽しい雰囲気の中で稽古を行うことができます。道場では挨拶や返事、道着のたたみ方など、日常生活に役立つ礼儀なども繰り返し教えてもらえるため、自然と習慣づけることができるでしょう。

稽古内容は、基本的な突きや受け、蹴りなどの動作を学ぶものが中心です。集中力が続きにくい年齢のため、ひとつの動作を短い時間で切り替えながら進めていきます。

体力面では、まだ筋力が十分に発達していないため、柔軟性を高める運動や体幹を使った動きを中心に行います。早い時期から始めることで、身体の柔軟性アップが期待できるでしょう。

6歳~9歳(小学校低学年)

小学校低学年頃になると、先生の指示をある程度理解して動けるようになり、本格的な空手の稽古を受けることができるでしょう。
基本稽古に加え、形の稽古も本格的に始まります。決められた動作の順番を覚える必要があるため反復練習が主となります。集中力や記憶力アップも期待できるでしょう。

組手の稽古も始まり、相手との間合いや、攻撃と防御のタイミングを学ぶことで瞬発力なども鍛えられます。

10歳~13歳(小学校中・高学年)

小学校中・高学年は理解力や体力が備わっているため、基礎の習得スピードも速く効率よく上達できる時期です。決して始めるのに遅すぎるということはありません。

小学校中~高学年はゴールデンエイジと呼ばれ、筋力や体力が著しく発達する時期。形の稽古では、技の強弱やリズム、キレを意識した演武が求められるようになり、表現力も鍛えられます。

組手の稽古も、防具を着用した実戦形式の練習に。ルールを守りながら、相手の動きを読み、教わった技を瞬時に判断する力が育ちます。

空手を習い事にする5つのメリット

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空手は、前述したように身体面だけでなく精神面や基本的な礼儀作法も身につけることができる習い事です。主なメリットは下記の5つです。

  1. 礼儀作法や挨拶の習慣化
  2. 形の練習を通じて集中力が養われる
  3. 組手で実践的な護身技術が学べる
  4. 体幹やバランス感覚が鍛えられる
  5. 昇級審査や試合経験などの成功体験から自信が身につく

それぞれのメリットについて詳しく説明していきます。

1:礼儀作法や挨拶の習慣化

空手など武道の稽古では、「心・技・体」を重視した指導が行われます。「心=精神」「技=技術」「体=身体」の3つをバランスよく高めていくという考え方で、単に体を鍛えたり技術を磨くばかりでなく、礼儀作法を重んじ落ち着いた精神や集中力を伸ばしていく指導内容が特徴です。

道場に入る時や稽古の始めと終わりに必ず礼をする決まりや、先生や仲間に対してはっきりとした声(「押忍」「はい」など)で挨拶すること、姿勢を正して話を聞くことなどが求められます。

このような所作を子どものころから繰り返すことで、日常生活や大人になってからも役立つ礼儀正しさが習慣化されるでしょう。道着をきちんとたたむ、靴を揃えるといった細かな習慣も身につきやすい環境です。

2:形の練習を通じて集中力が養われる

形とは、攻撃と防御の動作を一連の流れとして行う競技です。決められた順番通りに動作を行うため、常に次の動作を頭の中で考えながら身体を動かします。この繰り返しによって、集中力が鍛えられるでしょう。

形の完成度を高めるには、何度も反復練習が必要です。地道な努力を続ける忍耐力も育まれやすい環境といえます。

3:組手で実践的な護身技術が学べる

組手は、2人1組で突きや蹴りなどを繰り出しながらたたかう実戦形式の競技です。相手の攻撃をかわしたり、すきを見て攻撃をしたりするため、相手との間合いの取り方や、攻撃のタイミングを見極める力、瞬発力が身につきます。この力は、万が一の時に自分を守る護身技術としても役立つでしょう。

多くの道場では、防具を着用して稽古や試合を行いるので安全面も配慮されていますよ。

4:体幹やバランス感覚が鍛えられる

空手の基本動作である突きや蹴りは、体幹やバランス感覚を鍛えるのに効果的です。

突きの動作では、膝を軽く曲げた状態で床を踏みしめ、腰を回転させながら拳を前に出します。強く突くためには、腕の力だけでなく体の中心である体幹から力を伝える意識が重要です。

蹴りの動作は、片足立ちでバランスを保ちながら行います。この時、軸足でしっかりと身体を支える必要があるため、バランス感覚も養われるでしょう。こういった基本動作を反復して練習するため、自然と体幹やバランス感覚が鍛えられます。

5:昇級審査や試合経験などの成功体験から自信が身につく

空手には帯の色で表される級位制度があります。昇級審査に合格することで帯の色が変わり、子どもの努力や成果が視覚化されるのが特徴です。白帯から色帯へ、そして黒帯を目指す過程で、目標に向かって努力する姿勢が育ちます。

道場では試合形式の稽古なども多く、緊張感の中で自分の練習した成果を発揮する経験ができます。

このように定期的な昇級審査や試合経験など評価される機会が多く、目標がスモールステップで設定されているため、子どもの自信やモチベーションにつながりやすいです。

空手の習い事にかかる費用

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空手の習い事にかかる費用は、月謝だけでなく、入会金や道具の購入費など、さまざまな費用がかかります。

  • 入会金や月謝の目安
  • 道着や防具などの用具代
  • 昇級審査や試合参加にかかる費用

それぞれの費用について詳しく説明していきます。

入会金や月謝の目安

空手道場の場合、基本的には入会金と月謝が必要です。

費用項目 金額の目安
入会金 5000〜1万円程度(無料の教室もあり)
月謝
(週1回コース)
5000〜8000円程度
月謝
(週2回以上コース)
9000〜1万3000円程度

月謝は通う回数によって異なるほか、地域や所属する団体によっても差があります。入会前に、年間でかかる費用の目安を聞いておくと安心ですよ。

道着や防具などの用具代

空手を始めるには、道着をはじめとした用具を揃える必要があります。

用具 金額の目安
道着
(上下セット・帯付き)
1万〜1万5000円程度
防具一式
(拳サポーター・足サポーターなど)
5000〜1万円程度
スポーツ保険料(年間) 800〜2000円程度

※金額は教室や購入する道着の品質によって異なります。

道着ははじめのうちはジャージなどの動きやすい恰好でもOKな場所が多いです。防具についても、教室によっては貸し出しを行っているところもあります。どちらもゆくゆくは自分専用のものを購入することが多いため、あらかじめ費用感を把握しておくことをおすすめします。スポーツ保険料は、万が一の怪我に備えた補償制度です。

昇級審査や試合参加にかかる費用

空手を続けていくと、昇級審査や試合参加の機会があり、それぞれ費用がかかります。

費用項目 金額の目安
昇級審査料
(1回あたり)
3000〜6000円程度
試合参加費
(1回あたり)
3000〜5000円程度
団体年会費 3000〜1万2000円程度

※金額は所属する団体や審査・試合の規模によって異なります。

昇級審査は、帯の色を上げるための審査で、年に2〜4回程度実施されます。審査に合格すると新しい帯がもらえますが、その費用も審査料に含まれている場合と別途必要な場合があります。

空手道場に通う場合、全日本空手道連盟に所属している道場も多いです。その際は、団体年会費が別途必要になるため、あらかじめ確認しておきましょう。

空手の習い事を始める前に準備するもの

空手を始める際には、いくつかの用具を準備する必要があります。

必ず必要なもの

  • 道着(空手着)

組手の稽古がある場合に必要なもの

  • 拳サポーター
  • 足サポーター
  • ヘッドガード
  • ボディプロテクター
  • マウスピース(防具着用がない場合のみ)

道着は上衣とズボンのセットで、入会時に購入することが多いですが、検討段階のうちはジャージで参加可能な場合も。帯は級位によって色が変わり、最初は白帯から始まります。

組手の稽古を行う教室では、安全のために防具が必要です。防具の貸し出しを行っているところもありますよ。

必要な用具や防具は道場や空手の流派によって異なります。入会前に必ず確認しましょう。

空手と他の習い事の掛け持ちは可能?

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空手と他の習い事の掛け持ちは、もちろん可能です。小学生の習い事は平均2つ以上で、多くの子どもが複数の習い事をしています。

空手は体幹が鍛えられ正しい姿勢が身につくため、他の運動系の習い事との相性も良いでしょう。また、学習塾や英会話といった勉強系の習い事や、工作やプログラミング教室など、運動以外の習い事との組み合わせもおすすめです。

ただし、掛け持ちをする際は親の意志だけで決めることは避け、子どもの体力や意欲を考慮することが大切です。習い事が増えると家族で過ごす時間が減ったり、睡眠時間が不規則になったりする恐れもあります。子どもの負担にならないよう、決して無理はせず楽しいと思える範囲で掛け持ちを検討するとよいでしょう。

空手の習い事まとめ

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空手は、今後の人生においても役立つ礼儀作法や挨拶などの習慣化と、体幹やバランス感覚といった身体能力の向上を同時に期待できる習い事です。

まずは気軽に体験レッスンに参加してみると、子どもが楽しめるかどうかや、無理なく通えるか、費用はどのくらいかなどの気がかりが確認できるのでおすすめです。子どもに合った教室に出合って、親子で一緒に成長を楽しんでくださいね。