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東京農業大学第一高等学校中等部を取材!「知耕実学」で好きを見つける6年間【個性を伸ばす中学校選び】

東京農業大学第一高等学校中等部(東京都/世田谷区)

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東京農業大学に隣接する東京農業大学第一高等学校中等部(以下、農大一中)は、教育理念「知耕実学」のもと、本物にふれる体験を軸にした学びを実践しています。校舎から数秒の場所に広がる雑木林、生き物の気配であふれる生物実験室。歩くほどに「体験の入り口」が見つかる。そんな学校をるるぶKids編集部が、学校インフルエンサーのがくパパと共にお話を伺ってきました。

» 子どもの個性を伸ばす進路・学校選び

目次(index)

がくパパ著者:がくパパ
「偏差値だけで学校を選ばない」をモットーに首都圏の中学受験校100校以上を独自に調査し中学受験校を分かりやすく解説しているインスタグラムを運営中。学校が好きすぎて、私立校の講師も経験した学校ヲタク。今は3児(5歳・2歳・1歳)のパパ。
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東京農業大学第一高等学校中等部の基本情報

校門/東京農業大学第一高等学校中等部(東京都/世田谷区)

東京農業大学第一高等学校は、東京農業大学を母体として1949年に創立。2005年には中等部が開校しました。教育理念は「知耕実学」。隣接する大学の環境も活かした体験型の学びで、生徒一人ひとりの「やりたい」を育てています。

住所 東京都世田谷区桜3-33-1
アクセス 小田急線「経堂」駅徒歩15分/東急世田谷線「上町」駅徒歩15分/東急田園都市線「桜新町」駅徒歩20分/渋谷駅・用賀駅からバス「農大前」下車徒歩3分
生徒数 中学校776名、高等学校709名(令和8年度5月1日現在)
中高一貫校
タイプ
共学・完全中高一貫型
クラス編成 8クラス前後
文化祭 桜花祭(9月26日〜9月27日)
土曜授業 有り
クラブ活動 運動系20クラブ、文化系13クラブ、同好会4クラブ

入試情報(2027年度)

2027年度入試から、回数と募集人数が変わります。試験科目などの詳細は後日公開の募集要項で発表される予定です。

  • 受験科目:
    ・第1回(2月1日午前)
    ・第2回(2月1日午後)
    ・第3回(2月2日午後)

参考として、2026年度入試は第1回(2月1日午前)が4教科(国算理社)、第2回(2月1日午後)・第3回(2月2日午後)が算数・理科/算数・国語の選択、第4回(2月4日午前)が4教科でした。第4回は2027年度から廃止されます。

※最新の詳細は学校公式サイトでご確認ください。

東京農業大学第一高等学校中等部はズバリどんな学校?

校舎を出て数秒の雑木林が、理科の教室になる

雑木林/東京農業大学第一高等学校中等部(東京都/世田谷区)

校舎を出て30秒で雑木林

農大一中の1年生の理科は、週4コマ。そのうちなんと、2〜3コマが実験にあてられています。授業の途中で「じゃあ行こうか」と、そのまま雑木林へ観察に出かけることもあるのだそう。

例えば雑木林にある山椒の葉をちぎって、香りを嗅ぐ。芳醇な香りから、その植物は傷つけられると、身を守るために特有の成分を出すことを学ぶ。身近な香りから植物の仕組みへと興味が広がっていきます。観察をしていると、クヌギの木でクワガタを見つけることもあるような環境です。

広報部長の赤井先生/東京農業大学第一高等学校中等部(東京都/世田谷区)

広報部長の赤井先生

「本を読んで身につけたものより、体験を通じて身につけたもののほうが、ずっと身になるんです」

実学とは、本校では役に立つ学問というより、体験や本物に触れて学ぶこと。それが結果として知を耕していく。教育理念「知耕実学」の意味を、入試広報部長の赤井先生はそう説明してくれました。

「これがやりたい」を持って入学してくる生徒が多い

生物実験室で飼育されている生きものたち/東京農業大学第一高等学校中等部(東京都/世田谷区)

生物実験室で飼育されている生きものたち

文化祭で先輩の姿を見て「私もあそこに参加したい」、説明会で運営の先輩に説明されて「入学したらあんなことをやりたい」。農大一中は、やりたいことを決めて入ってくる生徒が多いのだそうです。特に多いのは、生きものが好きな生徒たち。

取材中に立ち寄った生物実験室で、生物部の中学3年生が話してくれました。

生物部の中学3年生の生徒さん/東京農業大学第一高等学校中等部(東京都/世田谷区)

「生き物全般、特に魚が小さい頃から大好きで。ほぼ狙い撃ちでここに来ました」

生物部は中学生と高校生を合わせて約150人が所属する大所帯。雑木林の竹を研究して生物学コンテストで優勝した生徒や、キンギョのデメキンの視野を研究して水産学会で賞を受けた生徒もいるといいます。

中学入試に一本化。多様な仲間が早くから混ざり合う

農大一中は2025年度入試より高校募集を停止し、中学入試に一本化しています。小学校を卒業したばかりの、生活の習慣がまだ固まりきらない時期こそ、いろいろな子が混ざり合える。そんな考え方からだそうです。

2025年度には、併設の東京農業大学稲花小学校から初めての入学生も迎えました。入試では性別を分けず、成績順に合格を決めているため、男女比は年によって変わります。以前は女子が多い傾向でしたが、近年は男子がやや多くなってきているといいます。

生徒による美術作品/東京農業大学第一高等学校中等部(東京都/世田谷区)

こうした生徒による美術作品が校舎のあちこちに!

いろいろな入り口からそれぞれの得意を持って農大一中に入学した生徒たちが学内で混ざり合うことで、互いに刺激を受け合う相乗効果が生まれている。

「みんなの得意が、いい感じで掛け算になっているんです」

と、赤井先生は話してくれました。

東京農業大学第一高等学校中等部ならではの教育内容

農大一中の体験型の学びを象徴するのが、身近な「食」をテーマにした学年行事。中等部の開校以来、ずっと続いているのだそうです。

鮭・稲作・味噌。食を入り口に、学年ごとに深まる体験

自然体験研修の様子/東京農業大学第一高等学校中等部(東京都/世田谷区)

1年生では、北海道・網走方面での自然体験研修を実施しています。一人1匹の鮭を渡され、自分で包丁を入れて内臓を取り、塩をして、パックにして家へ送ります。

ほかにも1年生は、1年を通して稲作にも取り組みます。田植えだけで終わるのではなく、素足で田んぼに入り、除草、収穫、脱穀までを自分たちの手で行うのだからびっくり。取材で訪れた日は、ちょうど全員が田んぼへ出かけ、除草作業に取り組んでいるところでした。秋には収穫した米をパックに詰め、自宅へ持ち帰って味わいます。

2年生で学ぶのは「お米の科学」。道路を渡った先の東京農業大学で、教授の講義を受け、顕微鏡ででんぷんを観察します。新米と古米で成分がどう違うのかまで調べるのだそうです。

3年生は、大豆から味噌を作ります。菌を落とすシャワーを浴びてから、無菌室のような部屋へ。朝、納豆を食べると、納豆菌が強くて発酵がうまくいかないこともあるのだとか。熱々の大豆を潰し、塩を入れて半年寝かせて、冬に持ち帰って食べます。持ち帰った味噌は、置いておくとどんどん発酵が進んで、味が変わっていきます。「市販のものと違う」を、体で知る学びです。

教科書の知識を、自分の手で確かめる理科

理科の授業の様子/東京農業大学第一高等学校中等部(東京都/世田谷区)

また、高校進学後の理科では、ひとり1個、豚の目玉を解剖します。水晶体を取り出して、像が逆さまに見えることを自分の手で確かめるのだそう。
メダカのオスとメスの判別も、ヒレの知識で終わらせません。ヒレが切れていたらどう判別するのか。遺伝子を調べる検査(新型コロナで知られたPCR検査)の機材が校内にあり、実際に判定までやってみます。

「本校の卒業生は、みんなPCR検査に詳しいんですよ」

体験を入り口にして、専門につながる深さまで用意されている。それが農大一中の理科です。

同じ体験から、それぞれ違う興味が生まれる

同じ鮭をさばいても、興味の向く先は生徒それぞれです。「温暖化で鮭が川をのぼる時期が変わったのでは」と考える子もいれば、漁獲量をめぐる国際関係や、缶詰を作る地域の経済が気になる子もいるそうです。

「ひとつの体験の中で、どんなことに興味を持つかはみんな違う。だから体験の場をいっぱい用意してあげたほうが、自分のものの見方が見えてくるんです」

学校が答えを先に渡すのではなく、体験から生まれた疑問を、次の学びにつなげていく。子どもそれぞれの「もっと知りたい」を芽生えさせる教育は、大人も学びたいと思えるほど興味深い内容ばかりです。

「これがやりたい」を見つけ、深める探究文化

体験で見つけた「好き」を深めるための仕掛けも、農大一中にはたっぷり用意されていました。

予約なし、紙が貼ってあるだけでいつでも参加できる「一中一高ゼミ」

企業の方が来校して実施することもある一中一高ゼミ

学年も教科も超えた、自由参加の学びの場である「一中一高ゼミ」。予約はありません。教室に「今月はこんなことをやります」とお知らせが貼ってあるだけで、生徒たちはいつでも参加できます。

その内容は多彩そのもの。合唱コンクールに向けた指揮の練習。建築家・安藤忠雄さんの初期の住宅「住吉の長屋」の模型を3か月かけて作る講座。長距離走大会に向けて、箱根駅伝を走った選手に話を聞く回もあったそうです。

「100人集まるものもあれば、10人のものもある。1日限りのスペシャルもあれば、3か月がかりのものもあるんです」

日傘の会社とのグループディスカッションや、建設会社の案内で建設中の校舎を見学する回など、企業が加わることもあります。生徒の「やりたい」がゼミになることもあり、お店を開きたい子の発案で、実際に調理をしながら研究する回も生まれたそうです。

疑問を研究に変える「課題研究」

興味の入り口を増やすのが一中一高ゼミなら、見つけた疑問を自分で調べて形にするのが「課題研究」です。中学1年生から高校1年生の期間、生徒全員が取り組み、自分の「なぜ?」からテーマを選んで、研究内容をまとめた資料を作り、発表します。

授業でよく使う卵の殻に「何か使えないかな」と目をつけた生徒がいました。殻を粉にして水槽に入れると、金魚の傷ついたヒレがくっつく。その再生力に着目した研究は、民間企業との共同研究に発展したこともあります。

テーマ選びは自由で、「どうやったらモテるか」を社会調査で研究した子もいるのだとか。疑問を実験や調査で確かめて、結論を出し、また新しい疑問につなげる。そのサイクルを一度しっかり体験することが大切なのだそうです。

「全部やらなくていい」から、自分で選べる

廊下の作品/東京農業大学第一高等学校中等部(東京都/世田谷区)

廊下にはこんな作品も!

これだけ豊富なプログラムがありながら、農大一中には大切にしている前提があります。

「すべてのプログラムを、全員が6年間でやる必要はないんです」

実は、一中一高ゼミに参加することなく卒業する生徒もいます。部活の試合が近いから、今日はそちらを優先する。そんな選び方も認められています。

プログラムの多さではなく、たくさんの選択肢の中から自分で選べること。その積み重ねが、次のステップへの夢につながっていきます。

東京農業大学第一高等学校中等部に伺う「面倒見の良さ」とは?

生徒が見つけた「やりたい」を、先生たちはどう支えているのか伺いました。手取り足取り管理する面倒見とは、少し違うかたちがそこにありました。

「大学みたい」。夢の実現を一緒に考えるサポート

「本校の面倒見は、大学みたいなんですよ。いろんなプログラムを用意して、『どんどん使ってね』という関わり方です」

大学みたい、といっても放任ではありません。進路指導でも「この大学を受けなさい」とは言わないそうです。たとえば「宇宙に行きたい」という生徒がいたら、研究がしたいのか、宇宙そのものに行きたいのかを一緒に整理して、本人のやりたいことから道を組み立てていきます。

生徒によって得意も弱点も違うから、一人ひとりに合わせて支え方を変える。それぞれの夢をどう実現するかを一緒に考えるのが先生の仕事だ、と赤井先生は話します。

朝7時15分から開く自習室と、いつでも質問できる廊下

広々とした廊下とワークスペース/東京農業大学第一高等学校中等部(東京都/世田谷区)

広々とした廊下とワークスペース。ここで勉強したり、生徒同士が会話を楽しめるラウンジとなっています。

生徒の登校は朝7時15分から。登校した生徒は自習室で勉強を始めます。廊下には広いテーブルが並び、先生が構えていて、わからないところをその場で質問できます。

集中してこもることのできる防音の個人自習室もあります。ここには大学生になった卒業生がチューター(相談役)として常駐し、勉強や進路の相談に乗ってくれます。この仕組みは「在校生に恩返しがしたい」という卒業生が、校長先生に直談判して始まったのだそうです。

講習をぎゅうぎゅうに詰め込むより、いつでも勉強できて、いつでも質問できる環境のほうが伸びる。そんな考え方で、夏期講習・冬期講習も無料で用意されています。

卒業生が後輩に経験を手渡す、縦のつながり

大学受験を終えた高校3年生は、高校2年生に向けて「大学入試とはこういうものだ」と話す講演会を実施します。卒業生が母校に戻り、後輩の面接練習に付き合ってくれることもあるそうです。

学年の枠を外した学びの場も多く、先輩と後輩の距離が近いのがこの学校の日常。説明会で学校紹介を担当した先輩に憧れて入学した子が、今度は自分が説明会に立つ。そんな循環が生まれています。

東京農業大学第一高等学校中等部ならではの施設を紹介

赤井先生と校内を歩くと、あちこちに「体験の入り口」がありました。特に印象に残った場所を紹介します。

生物実験室と生き物部屋

生物部が育てる金魚/東京農業大学第一高等学校中等部(東京都/世田谷区)

生物部が育てる金魚

扉を開けると、生き物の気配に包まれる生物実験室。何種類ものカメ、ヘビ、ニワトリ、江の島で採ってきた海水魚、そしてたくさんの金魚。生物部の顧問の先生が金魚を専門に研究しているそうで、育てた金魚は文化祭の金魚すくいで来場者のもとへ旅立っていきます。春に生まれたアカハライモリの卵もあり、夏休みも毎日、生徒の誰かが世話に来るのだそうです。

ビオトープ

ビオトープ/東京農業大学第一高等学校中等部(東京都/世田谷区)

雑木林の隣には、ビオトープ(生き物のための池や水辺)と畑があります。奥の竹林では竹の成長の研究も。落雷で折れた木さえ、年輪を調べる研究材料になります。敷地全体が理科の教材のような環境です。

美術室・書道室・陶芸室(知耕実学棟 2号館)

美術・書道・陶芸の専用教室がそろい、陶芸は窯を使って作品を焼き上げます。廊下には美術部のワイヤー作品やマスキングテープで描いた絵が飾られ、芸術系の学びの厚さも伝わってきます。

新校舎(2026年秋完成予定)

新校舎(2026年秋完成予定)/東京農業大学第一高等学校中等部(東京都/世田谷区)
新校舎(2026年秋完成予定)/東京農業大学第一高等学校中等部(東京都/世田谷区)

取材時、敷地の奥では新校舎を建設中でした。完成すると、約300人が入れる講堂、図書館、科学実験室・生物実験室・中等部実験室が揃う予定だそうです。

こんな子が向いている

「これがやりたい」を持ってチャレンジできる子

やりたいことに向かう途中に苦手なことがあっても、挑戦したい気持ちがある子。そういう子がハマったときには、一気に伸びていけるフィールドがあります。

本を読むだけでなく、実際にやって確かめたい子

雑木林のクワガタ、生物実験室のカメや金魚、陶芸の窯。「好き」の対象が校内のあちこちにある学校です。気になったことを自分の手で確かめたい子には、6年間の毎日が宝探しになりそうです。

好きなことを、体験しながら見つけたい子

多くの子が小学4年生ごろから、いろいろなことを我慢して受験勉強に取り組んできます。だからこそ入学後は、やれるだけの体験をしてほしい。それがこの学校の出発点にある思いです。まだ「好き」が決まっていなくても、たくさんの体験の中から自分の「もっと知りたい」を見つけていけます。

学校選びのアドバイス

見るべきは、進学実績でも校舎でもなく「生徒」

/東京農業大学第一高等学校中等部(東京都/世田谷区)

「学校選びの一番のポイントは、進学実績でもなく、校舎でもなく、プログラムでもなく、間違いなく生徒です」

実際に学校まで足を運んで、そこで過ごしている生徒を見たときに、「うちの子もこの制服を着て、こんな活動をしていそうだ」と想像できるか。偏差値ではなく、「このコミュニティの一員になりたい」と思えるかが、第一志望を選ぶときに一番重要なことだそうです。子ども自身が「ここでやりたい」という気持ちを持てるかどうかは、受験の最後まで頑張り抜けるかにも直結するといいます。

保護者へのメッセージ

最後に、保護者へのメッセージを伺いました。

「どうしても親目線では、設備・教育プログラム・進学実績を見ると思うんです。でも、実際に通うのは子どもですから」

ガラス張りの教室/東京農業大学第一高等学校中等部(東京都/世田谷区)

廊下から中の様子が見えるガラス張りの教室

農大一中の見学はとてもオープンです。公式サイトのカレンダーに印がついた日なら、予約なしで授業見学ができます。教室は廊下からガラス張りで、普段の様子がそのまま見えます。お昼どきまでいれば、生徒と言葉を交わす機会もあるそうです。

説明会では、登壇する先生よりも生徒のほうが多いのだとか。学校紹介をしたい生徒が30人ほど集まり、課題研究の発表や道案内を担当します。「どこの塾に行っていましたか」といった質問まで、生徒に直接聞ける雰囲気なんですよ。

また、農大一中では不安ごとを支える体制も整っています。カウンセラーが3人体制で毎日交代で常駐し、生徒本人はもちろん、保護者も電話で予約して相談できます。先生・カウンセラーそれぞれの立場から、生徒を見守る環境です。

中学受験を終えた子どもたちに、のびのびと、やれるだけの体験をしてほしい。全部をやる必要はなく、体験の中から自分の「もっと知りたい」を見つけて、深めてほしい。学内のプログラムのすべてが、その思いから組み立てられていました。

<がくパパの取材コメント>

取材の最後、雑木林で赤井先生がふと口にした言葉が頭に残っています。

「こういう体験が、教育にとって一番大事なんじゃないですかね。もっと実現できる方法を作っていきたいです」

校舎を出れば数秒で虫のいる雑木林があり、道路の先には大学の専門施設がある。一人一匹の鮭をさばき、味噌を半年寝かせ、卵の殻から研究が始まる。この学校のすごさは、体験の多さそのものではありません。体験から生まれた「もっと知りたい」を、ゼミや課題研究で自分から深めていけるところにあると感じました。

親はつい、設備や実績で学校を比べたくなります。でも、「うちの子はここで何にワクワクするだろう」と想像しながら歩くと、学校の見え方が変わってきます。授業見学は予約なしでOKというオープンさも、この学校の自信の表れです。

昔は家庭や地域の中で自然にできていた、虫を探すこと、土に触れること、食べ物を自分の手で作ること。今は、家庭だけでそうした体験を用意するのが難しくなっています。

だからこそ、身近な体験を日常の学びとして積み重ねられることに、この学校の大きな価値があると感じました。気になる方はぜひ一度、足を運んで、この学校の空気を感じてみてください。