2020年6月、東武鉄道の隅田川橋梁に歩道橋「すみだリバーウォーク」が開通し、高架下には商業施設「東京ミズマチ(R)」が開業。東武スカイツリーライン(伊勢崎線)の列車を鑑賞しながら散策できるスポットとして話題です。紹介するのは、浅草駅からすみだリバーウォークで隅田川を渡り、東京スカイツリー(R)を眺めながら東京ミズマチ(R)を散策し、東京ソラマチ(R)へと向かうおさんぽルート。約1.5kmありますが、「リバティ」「スペーシア」「りょうもう」といったカラフルな特急車両も間近に見られるので、鉄道好きの子どもと一緒なら楽しく元気に楽しめるはず!
※各施設の営業時間などは通常時のものです。新型コロナウイルスの感染拡大防止などにより変更となる場合がありますので、おでかけ前に各施設にご確認ください。
すみだリバーウォークを渡ってみよう!
特急「リバティ」。上を走るのは首都高速。東京ミズマチ側
東武鉄道の歴史は古く、今回紹介する隅田川橋梁が架けられたのは、1931(昭和6)年。浅草雷門(現在の浅草駅)〜業平橋(なりひらばし、現在のとうきょうスカイツリー駅)間が開通したときに竣工しました。もとは鉄道専用の橋だったのですが、2020年、浅草寺~北十間川エリア~東京スカイツリータウンを最短で結ぶ動線を整備することで、より観光しやすくなるようにと、歩道橋「すみだリバーウォーク」が作られました。
既存の鉄道橋下流側に、歩道橋を添架。つまり、川に築かれた橋脚の部分には大きな手を加えていません。昔、橋梁が作られた際、車体の重いSLが渡ることを想定して設計され、強度が確保されていたためにこのような歩道橋が実現したのです。
古くから桜名所の隅田川。橋梁は景観にも配慮され、さらに車窓からの視界を遮らないように設計されているのが大きな特色です。
すみだリバーウォーク開業の際、橋や東京ミズマチの高架部分は、東京スカイツリーに採用している「スカイツリーホワイト」を基調とした色に塗り替えられ、より明るい印象になりました。
すみだリバーウォークから見られる車両はこれ!
カーブを描いて浅草駅に入線していく10000型
浅草~とうきょうスカイツリー間で主に見られる車両は、新型特急「リバティ」(500系)、東武特急でおなじみ「スペーシア」(100系)、赤×白のカラーリングの「りょうもう」(200型)、そして一般列車の10000型です。
東武線の浅草駅から川岸までは徒歩3分。入口は鉄橋の上流側にあります。スロープがあるので、ベビーカーや車いすでもアクセスできます。バイクは不可。自転車は手押しであれば通れます。
歩道橋はウッドデッキになっていて、距離は約160m、通路幅2.5m。浅草駅に到着・出発する列車が次々と脇を通っていきます。橋の上にポイント(渡り線)が設置されている珍しい構造で、なおかつ急カーブになっているため、列車は速度を落として走っています。その分、車両をゆっくり鑑賞できます。
風が強い日は帽子などが飛ばされないように注意です。
手すりの下は金網になっており、子どもの目線でも屋形船や水上バスを見ることができます。
列車の時刻は「東武線アプリ」で調べると便利です。時刻表に表示されない回送や臨時がやってくることもあるので、運がよければ目撃できるかも!
また、東武鉄道キッズサイト TOBU Kids(と~ぶキッズ)は子ども向けのコンテンツが大充実。車両の紹介、鉄道のおしごとの解説、ペーパークラフト、塗り絵などがありますよ。
TOBU Kids:https://www.tobu-kids.com/
「隠れソラカラちゃん」を探そう!
目線の低いキッズのほうが見つけやすいかも!?
すみだリバーウォークには東京スカイツリー公式キャラクターの「ソラカラちゃん」が2カ所隠れていますので、ぜひ探してみてくださいね。実は撮影に立ち会ってくれた東武鉄道の広報担当の方(5歳の男の子のパパ)に、「この近くにありますよ!」とヒントをもらったのですが、なかなか見つけられませんでした…。
こちらはかなり難易度高し!見つけられたらラッキーです
途中、床が透明ガラスになっていて、川の風景が見られます。スリル満点!
川を渡りきると、東京ミズマチ側の入口に到着します。すぐ近くに公衆トイレもありますよ。
高速道路と線路、水路が交差する風景が見られます。写真の車両はスペーシアの「粋」編成。
◆すみだリバーウォーク
開門時間 | 7時~22時 |
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休み | 無休 |
料金 | 無料 |
おしゃれな高架下、東京ミズマチを楽しもう
高架の下に店舗が並びます
すみだリバーウォークから横断歩道を渡った目の前は、東京ミズマチ。北十間川に面した鉄道高架下が、おしゃれな水辺の街になっています。線路や川に沿って遊歩道が整備され、東京スカイツリーが一望できます。反対側は隅田公園に面しており、芝生が広がっています。
東京ミズマチ:https://www.tokyo-mizumachi.jp/
カフェや休憩スポットも充実
LAND_Aのキッズプレート(写真提供:LAND_A)
飲食店もあります。店内で食べるほか、テイクアウトも対応しています。電車を見ながら隅田公園でピクニックを楽しむのもよさそうです。
LAND_A(ランドエー)は、すみだリバーウォーク側から入ってすぐ、枕橋たもとにあるカフェ&ダイニング。イタリアンベースの料理を中心にラインナップ。テラス席もあります。キッズプレート(平日11時~14時30分、土日祝11時~15時30分、1650円)が用意されているのがうれしいですね。
途中、横断歩道があります。電車がよく見えるので子どもは夢中になってしまうかもしれません。渡る際は手を離さないようにしてくださいね!写真の車両はスペーシアの「雅」編成。
さらに歩いていくと、「デハ5」と書かれたお店があります。ここは「shake tree DINER(シェイクツリーダイナー)」。地元で人気の、グルメバーガーが自慢のお店です。アメリカンダイナーらしい雰囲気と、昔の東武鉄道の車両デザインを融合させた外観がユニークです。
ちなみに「デハ5」とは、デハ1形5号電車のこと。東武鉄道が1924(大正13)年に、浅草(現在のとうきょうスカイツリー)~西新井間を電化した際に走った電車で、茶色い木造の車両でした。本物は東武博物館(東向島駅隣接)に保存されています。
shake tree DINERの料理(イメージ)
»「shake tree DINER」公式サイト
»東武博物館(東京都墨田区)電車とバスの運転体験ができる体験型博物館
東京ソラマチには無料の鉄道鑑賞スポットが!
東京スカイツリータウン(R)4F スカイアリーナ
東京ソラマチは、東京スカイツリーの足元に広がる商業施設。実は展望台にのぼらずとも、無料で鑑賞できる鉄道ビューポイントがあるのです。ビルの中なので空調も行き届き、バリアフリーでトイレなどもすぐ近く。さらに駅直結というのが大きな魅力です!
東京ソラマチ:https://www.tokyo-solamachi.jp/
穴場のビュースポットは30階!
遠くまで眺めるなら30階がおすすめです。ここは「ソラマチダイニング スカイツリービュー」というレストランフロアなのですが、眺望スペースもあります。
正面に東京スカイツリー、とうきょうスカイツリー駅、東京ミズマチ、隅田川橋梁(すみだリバーウォーク)と線路がつながっている様子がわかります。
逆方向。左に曲がっていくのが東武スカイツリーラインの曳舟・北千住方面、右側に分岐していくのが京成電鉄押上線です。京成線は都営浅草線や京浜急行、北総鉄道などにも乗り入れているので、こちらもさまざまな車両が見られます。タイミングが合えば東武亀戸線が走る姿もちらりと見えます。
5階にもおすすめポイントが。ここは子ども用のテーブルと椅子があり、休憩しながら楽しむことができます。窓の向こうには留置線があり、車両が停まっていることも。奥は東武鉄道の本社です。周辺は再開発が進んでいます。
東京ソラマチの飲食店は和洋中、エスニックとジャンルが多彩で、好みや予算に応じて選べます。おみやげやお惣菜、スイーツショップもたくさんありますよ。
ベビールームも完備
6階のベビールームは、真正面に東京スカイツリーの構造が見えます。
おむつ交換台には紙製使い捨てシートが用意されているのがうれしいですね。授乳室は2部屋。ミルク用の給湯器、電子レンジも置いてあります。
帰りは電車で浅草へ
とうきょうスカイツリー駅。帰りは電車で浅草まで戻れば、来た道を車窓から振り返ることができます。ここも撮影スポットですよ!
取材協力/東武鉄道、東京スカイツリータウン