小田急電鉄の歴代ロマンスカーがずらりと並ぶ「ロマンスカーミュージアム」。小田急線海老名駅下車すぐ、とアクセスも抜群! 細部まで作り込まれたジオラマや、運転士気分になれるシミュレーター体験、子ども向けのアスレチックなど、鉄道ファンだけでなく子どもも大人も楽しめるミュージアムです。グッズやランチ情報など気になる情報もまとめて、「ロマンスカーミュージアム」の魅力を徹底紹介!
ロマンスカーミュージアムとは?
エントランス脇にある木製ロマンスカー(写真提供:小田急電鉄株式会社)
「ロマンスカーミュージアム」は、小田急電鉄初の鉄道ミュージアム。開業当時の車両をはじめ、小田原・箱根へのアクセス特急として親しまれてきた歴代のロマンスカーを展示しています。「“子ども”も“大人”も楽しめる鉄道ミュージアム」がコンセプトで、小田急電鉄やロマンスカーの歴史を楽しみながら学べるのが魅力です。展示ゾーンは1階の「ヒストリーシアター」「ロマンスカーギャラリー」、2階の「ジオラマパーク」「キッズロマンスパーク」の4つに分かれています。
海老名駅や、車両の検査・整備を行う海老名検車区に隣接して建てられたミュージアムは洗練されたデザイン。エントランスは2階にあり、改札を出てすぐアプローチできます。さらに、現在は予約なしで入場できるので、気軽におでかけできますね!
エントランス前には歴代ロマンスカーを模した自動販売機が!
券売機またはインフォメーションで入館チケットを購入します。入館チケットには歴代ロマンスカーの写真が。どの車両になるのかはその時のお楽しみ!
館長の高橋孝夫さん。駅係員、車掌、運転士などの現業職場や小田急研修センター副所長を経て、ロマンスカーミュージアムの初代館長に就任。なんと今回展示しているすべてのロマンスカーを運転してきたそう。「お子さまたちが楽しめる展示もたくさんあります。ロマンスカーに親しみを持っていただければうれしいです」と話してくれました。
右後ろのLSE(7000形)は、高橋館長がかつてロマンスカーの運転士になるための試験で乗った車両形式で、特に思い入れがあるのだそう。ちなみに「ホームウェイ」「はこね」など列車の名称は時々変わります。
1階の歴代ロマンスカー車両展示は必見!
ヒストリーシアター(1階)
まずはエスカレーターで1階へ。チョコレート色のレトロな車両は小田急電鉄の前身、「小田原急行鉄道」開業当時の車両「モハ1」。現在の電車より車体が小さく、丸い前照灯が特徴的。1927年(昭和2)製造ですが、部品などは大正時代に製造されたものも多かったそうです。車内に入ることはできませんが、のぞき込んでみると木の床や室内灯、つり革や椅子などに歴史を感じます。
昔は横書きでも右から左に書いていました。ちなみに、車体側面の行き先板にある「稲田登戸」は、現在の登戸駅ではなく向ヶ丘遊園駅のことです(1955年に改称)。
「モハ1」の隣にある「ヒストリーシアター」ではショートムービー「ロマンスカーは走る」を上映。タップダンスとジャズで表現した楽しく見られる映像で、ロマンスカーの歴史を紹介しています。
ロマンスカーギャラリー(1階)
「ロマンスカーミュージアム」のメインとなる展示がココ。時代を彩ったロマンスカー5車種の車両を常設展示しています。 左からSE(3000形)、NSE(3100形)、LSE(7000形)。この3車種が横並びになっているエリアは写真日付パネルもあり、記念撮影におすすめのフォトスポットです。
普段は撮影できない高い位置からNSE(3100形)とLSE(7000形)と記念撮影が出来る「上からロマンスフォトスポット」(撮影は無料、写真データの購入は500円)も。
5車種の形式と愛称は以下の通り。
- SE(3000形)Super Express 1957年~1992年
- NSE(3100形)New Super Express 1963年~1999年
- LSE(7000形)Luxury Super Express 1980年~2018年
- HiSE(10000形)High Super Express 1987年~2012年
- RSE(20000形)Resort Super Express 1991年~2012年
戦後、新宿~小田原間を走る高性能車両の開発が進められ、1957年にSEがデビューし、ロマンスカーが一躍人気の存在に。その後も箱根・江ノ島方面への行楽やビジネスにと親しまれ、現在までに10車種のロマンスカーが就役しています。ミュージアムではそのうちの5車種を至近距離で見ることができます。
LSE以外の車両は、一部通路または連結部通路のみ入ることができるので、車内の様子を見ることができます。パパママだけでなく、おじいちゃんおばあちゃんにとっても懐かしい車両があるかもしれません。絶好の記念撮影スポットでもあります。
HiSE(10000形)
HiSE(10000形)の車内
HiSE(10000形)は天井に注目。この上に運転室があり、はしごを使って運転士さんは出入りしていたのです。現役のロマンスカーで展望席や、上部に運転室があるのは最新のGSE(70000形)のみです。
こちらはNSE(3100形)。中には入れませんが、はしごが降りており、外から運転席の様子がのぞけるようになっています。
HiSE(10000形)の後ろにまわると車輪や台車も見られます。
RSE(20000形)はJR御殿場線にも乗り入れていました。高床式のハイデッカー車両だけでなく、2階建てのダブルデッカー車両もあります。
こちらも車内に入ることができ、運転台の後ろの席に座ることができます。
RSE(20000形)の2階建て車両。1階はセミコンパートになっていて、ファミリーやグループ客に好評でした。ビュッフェカウンター(売店)などもあったのだそう。
2階は圧巻のジオラマが見どころ!
ジオラマパーク(2階)
ジオラマパーク(写真提供:小田急電鉄株式会社)
ミュージアムのもうひとつの目玉が「ジオラマパーク」。設置面積約190平方メートルという巨大ジオラマです。新宿から箱根まで、ロマンスカー10車種と通勤電車5車種が走っています。時間の経過とともに街の表情が変わっていく「小田急沿線の1日」は約30分と見応えたっぷり。合間には、映像・音響・照明で演出するジオラマショー「時間と距離のロマンス」を実施。プロジェクションマッピングなどを駆使した最新の演出に驚かされます。
階段状のデッキスペース「ジオラマビューテラス」から俯瞰するのもよいですが、近くで精巧な模型を見るとあちこちに楽しい演出があり、話が弾みますよ。
箱根湯本駅の駅舎や周辺の風景も見事に再現されています。
江ノ島の水族館ではイルカのショーが! 実は昼と夜では演出が変わるんです。ぜひ確認してみて。
え!?ドラえもんに、どこでもドアも!? 向ヶ丘遊園駅近くには「川崎市藤子・F・不二雄ミュージアム」があります。
芦ノ湖の箱根海賊船もバッチリ再現!
本物の運転台で、ジオラマ内の列車を運転することができます(3分100円)。
子どもが主役のフロア「キッズロマンスカーパーク」(2階)
キッズロマンスカーパーク(写真提供:小田急電鉄株式会社)
子どもたちにイチ押しなのがココ。男の子も女の子も、さまざまな年齢の子どもたちが楽しめる空間です。
ロマンスカーシミュレーター“LSE(7000形)”(2階)
運転台は、かつて活躍していた本物のLSE(7000形)を活用して作られています。映像は実際に運転席から撮影したもので、ハンドルも本物だけあって重厚な操作感。流れていく景色や速度計などを見ながら、リアルな運転体験ができちゃいますよ!
レベルは入門、初級、上級から選択。コースは「秦野→本厚木」「本厚木→町田」「成城学園前→新宿」の3コースから選択しましょう(入門レベルは成城学園前→新宿のみ)。
- 料金:500円/1回(15分)
- 参加方法:当日受付
- 販売時間:10時より10時30分~14時の回まで販売、14時より14時15分~16時45分の回まで販売
※体験時間の指定は不可
※全ての体験時間枠が完売次第、受付を終了します
※体験は1度の会計につき1回分の購入となります。2回目以降は、受付列の最後尾に都度お並びください
インタラクティブアート“電車とつくるまち”
手の動きに合わせて線路が引かれていくという非接触型のインタラクティブアート。大きく手を動かしながら、夢いっぱいの風景を創り出すことができます。小さな子も夢中になっちゃいますね。
「ロマンスカーアスレチック」では、木で作られたロマンスカーの中にある「てんぼうせき」で記念写真を撮ったり、「2かいのうんてんせき」でヘッドライトを点灯させたり、運転士さんの気分を味わったり、すべり台やネット遊具などで体を動かしながら遊べます。
ネットをよじのぼると、運転台に行けるので勇気を出して挑戦してみて。
木で作られたおにぎりや厚焼き卵、いちごなどがおいしそう!
「はしるきっさしつのおべんとう」のコーナーでは、ロマンスカーで実際に提供していたお弁当箱に、木でできたおかずを詰めるごっこ遊びも(現在休止中)。
また、ハイハイし始めたばかりの子には「あかちゃんゆうせんせき」もあります。
- 料金:大人(中学生以上)200円、子ども(3歳以上)300円、3歳未満無料/45分間
- 対象年齢:小学生まで
- 定員:20名(時間ごとの入れ替え)
- 参加方法:当日申し込み
※大人のみ、子どものみの利用はできません
※あかちゃん優先席あり
※土足、飲食不可
隣接した「こうさくしつ」では、ロマンスカーやおうちを作るペーパークラフト体験を楽しめます。写真を参考にしてもいいし、自分で好みの色を塗ってもOK! 鉄道に限らず、工作や絵が好きな子どもたちが楽しめるので、創造性を育んでくれそう。
ペーパークラフトの車両は紙で作られたキッズジオラマ内を走らせることができます。どんな仕組みで走るのかは、実際にやってみてのお楽しみ!
- 料金:1回500円
- 参加方法:当日申し込み
※対象年齢は3歳以上、小学生未満は保護者の同伴が必須となります
子ども連れにうれしい設備・サービス
ベビールーム
トイレは2階のみなので、心配であれば1階に行く前に済ませておきましょう。また、近くにベビーカー置き場、ベビールーム、みんなのトイレ(多機能トイレ)があります。ベビールームにはおむつ交換台(みんなのトイレにもあり)、授乳室のほか、ミルク用のお湯が用意されています。コインロッカーもあります。
屋上テラスや限定グッズが買えるショップ、カフェメニューも要チェック
本物の列車を眺められる!「ステーションビューテラス」(屋上)
「ステーションビューテラス」からの眺め
海老名駅に面したテラスでは、ロマンスカーや通勤車両を見ることができます。掲示されているロマンスカーの時刻表を車種や時刻の参考にしてみてくださいね。タイミングが合えば、海老名検車区から出てくる車両が見られるかも?ベンチも設置されています。
ミュージアムショップ「TRAINS」(2階)で限定グッズをチェック
小田急電鉄のミュージアムショップ「TRAINS(トレインズ)」では、模型やおもちゃ、雑貨など小田急グッズが勢ぞろい。ミュージアム開業記念商品やミュージアム限定商品も販売しています。ロマンスカーに用いられているバーミリオンオレンジのカラフルな店内には、キッズから大人も欲しくなるアイテムが盛りだくさん!
ロマンスカーミュージアム限定:「てちゅした3Pセット」(RSE、NSE、SE)1320円
ロマンスカー柄の子ども用の靴下は、自宅用にもプレゼント用にもおすすめ。
ロマンスカーミュージアム限定:「チョコチップクッキー」1300円
NSE(3100形)のエンボス缶は、食べた後には道具箱などに使えそう!
海老名駅を一望!「ROMANCECAR MUSEUM CLUBHOUSE」
ロマンスカーを愛する人たちなどが集う場に、と作られたミュージアムカフェ。ミュージアムに入館しなくても利用できます。営業時間は10~20時。ミュージアムには再入場可能なので、ランチタイムや休憩にも便利です。
フード類はハンバーガーとカレーがメイン。キッズのナンバーワンは「GSEミニハンバーガーセット」。「キッズスパイスカレー」は子どもが食べやすい味に仕上げています。そのほか、本格的な「RMCバーガー」や、代替え肉を使った「RMCゼロミートベジバーガー」などもあり、大人も納得の味わいです。
「GSEミニハンバーガーセット」1793円
GSE(70000形)のお弁当容器にミニバーガー、ミニベジゼロミートバーガー、フライドポテトを詰め込んだセット。容器も持ち帰り可能。
「キッズスパイスカレー」748円(ポテト、サラダ、キッズドリンク付き)
植物性の食材のみで作った、甘口ながらも本格的なスパイスカレー。
「日東紅茶とクールケーキのセット」814円
ドリンクやデザートも充実。長年にわたり親しまれていた、飲み物と軽食を座席まで届けるシートサービス「走る喫茶室」で人気だったメニューを再現。往年のロマンスカーファンにも好評です。
「飲める車両図鑑」各704円
また、歴代のロマンスカーの写真をプリントしたスペシャルドリンク「飲める車両図鑑」も人気です。
チケット購入方法は?予約なしでOK?混雑時間、アクセス、駐車場は?
以前は事前予約制でしたが、2023年3月現在は当日入館OK。混雑しやすい時間は午前および休日15時頃まで。比較的空いているのは平日の夕方とのこと。運転シミュレーターなど体験コンテンツを希望の場合は、早めに入館して受付をするのがおすすめ。「ROMANCECAR MUSEUM CLUBHOUSE」は、オープン時と夕方以降が狙い目です。
小田急線新宿駅から海老名駅までは最速37分、海老名駅から徒歩すぐとアクセスしやすさも魅力。専用駐車場はないので、公共交通機関の利用がおすすめです。車利用の場合は近隣の提携施設の駐車場を利用しましょう。「ららぽーと海老名」「ビナウォーク」は、「ロマンスカーミュージアム」入館時に受付に駐車場を提示すると、駐車場のサービス券(1時間無料券)がもらえます。詳しくはこちらで確認を。
■ ロマンスカーミュージアム
住所 | 神奈川県海老名市めぐみ町1-3 |
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電話番号 | 046-233-0909(受付時間:営業日の10~17時) |
営業時間 | 10~17時 ※季節により変動の場合あり、クラブハウスは20時まで |
定休日 | 毎週火曜 ※別途設ける場合あり |
料金 | 大人(中学生以上)900円、子ども(小学生)400円、幼児(3歳以上)100円 ※3歳未満は無料 |
アクセス | 小田急線海老名駅直結。JR、相鉄海老名駅から徒歩3分 |
駐車場 | 専用駐車場はなしのため、公共交通機関を利用を推奨 車の場合は近隣の提携駐車場を利用。詳しくはこちら |
URL | https://www.odakyu.jp/romancecarmuseum/ |
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