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2021年、withコロナの夏休み

杉山愛さんに聞く!東京オリンピック·パラリンピック 子どもと楽しむ秘訣や注目競技は?

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杉山愛さん親子

東京2020オリンピック(7/23〜8/8)·パラリンピック(8/24〜9/5)は、時差がなくオンタイムで競技観戦が楽しめるので、ぜひ親子で観戦を楽しみたいですね。オリンピック・パラリンピックの子どもとの楽しみ方や伝え方、注目競技などについて、オリンピアンであり、二児のママでもある杉山愛さんにお聞きました。

<杉山愛さんプロフィール>
4歳でラケットを握り、15歳で日本人初の世界ジュニアランキング1位に輝く。17歳でプロに転向し、34歳まで17年間のプロツアーを転戦。2009年10月、東レパンパシフィックオープンを最後に現役を引退。情報番組のコメンテイター、グランドスラムのコメンテイター·解説など多方面で活躍。2015年に長男、2021年7月に長女をご出産。

目次(index)

1.杉山愛さんに聞くオリンピックの魅力

杉山愛さん

オンライン取材が行われたのは、第二子ご出産間近というタイミング!

元プロテニスプレーヤーとして世界を舞台に活躍し、現在は二児の母でもある杉山愛さん。オリンピックにはアトランタ・シドニー・アテネ・北京の4大会連続出場をされています。

―― 杉山さんが経験されたオリンピックの魅力とは?

杉山:テニスには世界選手権や四大大会(グランドスラム)などの大きな大会がありますが、オリンピックはやはり“4年に一度”というスペシャル感があります。4年に一度しかないチャンスに自分のピークをもっていくことは、どんな選手にとっても容易ではなく、運にも大きく左右されます。4年という長い年月をかけて挑む思いは、やはりオリンピック特有のものがありましたね。

また、テニスの大会は観戦·応援している人は基本的にテニスファンですが、オリンピックは世界中のアスリート、世界中のスポーツファンが集まります。色とりどりの国旗がはためき、多国語がとびかう光景は、テニスだけの大会とは異なるもの。独特の熱気に「国を代表している」という意識がいっそうかきたてられた舞台でした。

2.東京2020オリンピック・パラリンピックの親子の楽しみ方

テニスをする息子の悠くん

テニスをする息子の悠くん(杉山愛さんのInstagramより)

今年のオリンピック・パラリンピックは、6歳の長男・悠くん、そして7月に誕生したばかりの赤ちゃんとのテレビ観戦となる杉山さん。

オリンピックは、スポーツ興味への入口

ボルダリング

子どもたちがなじみのあるボルダリングもオリンピック種目

―― オリンピックは、どんなふうに親子で楽しみたいですか?

杉山:普段はなかなか見る機会のない競技をたくさん見られるのがオリンピックの楽しさです。子どもにとっては、あらゆるスポーツに触れる初めての機会、そして世界に触れる機会ですよね。今年は自国開催なので、時差なく観戦できるのも親子には嬉しいところ。世界地図を広げて開会式を一緒に見たり、国の名前や国旗を覚えたり、自作の応援グッズを作ったりなど、いろいろな楽しみ方ができると思います。あらゆる競技の世界最高峰のパフォーマンスが見られる機会ですから、エンターテインメントとして楽しみたいですね。

―― 特に注目している競技は?

杉山:やはり杉山家としては『テニス』『ゴルフ』などの球技は欠かせません。そして、子どもがそれ以外のスポーツにどんな反応するのかも、とても楽しみなんです!
花形の『陸上』や『水泳』は、子どもたちにも身近なスポーツですし、速さを競うものは採点競技よりもわかりやすいと思います。公園遊具としてなじみがある『ボルダリング』も、オリンピック競技です。普段あそんでいるボルダリングが、スポーツ競技になると全くちがうものとして子どもの目にうつると思います。ボルダリングは日本が得意な競技でもあるので、ぜひ家族で観戦したいですね。
また、普段触れることのないマイナースポーツは、「どんなルールなのかな?」と話しながら、一緒に知る楽しみがあります。

パラリンピックは、神業の連続!

8月24日からはパラリンピックがはじまりますが、障がい者スポーツの見方を難しく感じる声も聞かれます。

車いすテニス 日本代表の国枝慎吾選手と杉山愛さん

車いすテニス 日本代表の国枝慎吾選手と(杉山愛さんのInstagram より)

―― パラリンピックは、親子でどんなふうに楽しむのがいいですか?

杉山:障がい者スポーツは、子どもは純粋にかわいそうという感想もあるかもしれません。ですが、競技を見ればわかりますが、パラリンピックは神業の連続です。同じテニスでも、オリンピックのテニスとパラリンピックの車いすテニスの技術力は異なりますし、その巧みな動き、コントロールの仕方などは圧倒されます!

ですから、「この機会にハンデキャップの大変さを伝えよう」というよりは、オリンピック同様、エンターテインメントとして楽しくパラリンピックを観戦してみてください。すばらしいパフォーマンスに「すごいすごい!」「こんな難しいことできるだね!」と自然と会話もはずむと思います。

身体障がいは、誰にでも起こりうる人生の変化。そこに向き合い、戦ってきた者ならでは「心の強さ」もプレーに溢れでていますし、そうした感動を、純粋に肌で感じることが大人にも子どもにも一番なのではないでしょうか。

―― パラリンピックの注目競技は?

杉山:オリンピック種目と共通する『車いすテニス』や『車いすバスケ』などの種目は、親子で楽しみやすいですね。障がい者とは思えない大迫力ですよ! 選手の障がいの重度によって点数が違うなど、パラリンピック特有のルールも一緒に学ぶとより楽しいですね。

パラリンピックならではの競技では『ゴールボール』。子どもにもわかりやすく、おもしろいですよ。『ボッチャ』は、積極的な普及活動で身近になってきているので、名前を聞いたことがあるお子さんも多いのではないでしょうか。最近はさまざまな障がい者スポーツを体験できるスポーツイベントなども増えているので、パラリンピックでの観戦をきっかけに、ぜひそうした体験機会にも参加してみてほしいです。

3.子どもの「やりたい」「好き」を見つける機会に

親子でウインブルドンを観戦

親子でウインブルドンを観戦!

せっかくオリンピック・パラリンピック観戦を、子どもの成長に寄与する体験にしたいと思っているママパパも多いようです。

―― オリンピック観戦を通して子どもに伝えたいことは?

杉山:オリンピックには確かにフェアプレー精神や世界平和などの大切な理念もありますが、あまり難しく考えずに、一番は「親子で観戦を楽しむこと」。

親が楽しく見ていれば、子どもも自ずと興味をもちます。世界最高峰のパフォーマンスを純粋に楽しみながら、「今のプレーすごいね!」「この選手はがんばりやさんだね」などと、子どもの年齢に応じて興味をひく会話をしたいですね。

概念や正解よりも、「わくわくすること、がんばること、がんばることの成果、感動すること」といった、“肌で感じること”を大切にしたいです。

そして、オリンピック・パラリンピック観戦を通して「これやってみたい」という興味がわいたら、ぜひ体験をさせてあげてください! もちろん、いきなり本格的にやる必要はありません。年齢に応じて、簡単なボール投げでもいいんです。ママパパが得意でなくても大丈夫。「ママより上手だね!」と褒めたら子どもはもっとその気になるかもしれませんね。競技と考えずに、あそびとして、コミュニケーションとして、体を一緒に動かす気持ちよさ、楽しさを味わってほしいです。幼児期に体を動かすことは、脳の発達にもとても良い影響がありますよ。
今は無料体験ができる教室、クラブ、自治体イベントなども数多くあるので、ぜひ積極的に利用してほしいです。

テニスボールであそぶ息子の悠くん

テニスボールであそぶ息子の悠くん(杉山愛さんのInstagramより)

杉山:私は小さい頃は、体操・バレエ・フィギュア・水泳など、興味があるスポーツをたくさんやらせてもらい、一番好きなテニスに出会えました。テニスをずっと続けられたのは、「好き」があったから。もちろん苦しいことも辛いスランプもありましたが、原点の「好き」に立ちかえれる環境やサポートがあったから、乗り越えられたのです。

オリンピック・パラリンピック観戦は、「子どもがどんなスポーツに興味を示すかな」と、親としてもわくわくできる機会。同じ目線で楽しんで、「やってみたい」「これが好き」に出会える入口になるといいと思います。「好き」は、最強の未来を生きる力になりますから。