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ママ落語家・柳亭こみち師匠直伝!子どもにおすすめの落語 想像力や集中力がUP!

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日本の伝統芸能「落語」を楽しむ親子のイラスト

世界的な評価も高い日本の伝統芸能。子どもにもぜひ触れさせたいですよね。今回は、江戸時代から伝わる大衆文化である「落語」に注目。身振り手振りだけで聴かせるシンプルな話芸だからこそ、実は子どもにも親しみやすい魅力がたくさんあります。二児のママであり、真打落語家として活躍中の柳亭こみち師匠に、落語の楽しさや子どもにおすすめの落語を教えてもらいました。(イラスト とつかりょうこ、撮影協力 らくごカフェ)

目次(index)

柳亭こみちさん柳亭こみちさん
早稲田大学卒業後、社会人を経験したのち、2003年に柳亭燕路に入門。2006年二ツ目昇進。2017年、二児の母として落語界初の真打昇進を果たす。正統派の古典落語はもちろんのこと、古典落語を女性目線でアレンジしたり、唄と踊りと落語を組み合わせるなど、個性豊かな感性と情感あふれる語り口が多くのファンに支持されている。
http://komichinomichi.net/

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1. 落語とは?子どもに聞かせたい魅力・効果

落語家の柳亭こみちさんは、現在8歳と6歳のお子さんを育てるママ。親子寄席や学校寄席での豊富な経験からも「子どもは大人が思う以上に想像力があり、すごく落語を楽しめますよ」と話します。落語とはどんなものか、子どもにもぜひおすすめしたい落語の魅力を教えてもらいました。

目でわかる!身振り手振りの伝統芸能

落語は江戸時代から伝承された話芸で、日本の伝統芸能のひとつ。高座(舞台)には、座布団に座った演者が一人だけ。身振り手振りで登場人物を演じ分け、噺(物語)が進みます。芝居や歌舞伎のような舞台装置や豪華な衣装はありません。シンプルな分、小さな子どもでも、演者に集中して視聴できる良さがあります。

落語は笑える!オチがある!

落語は、ずばり「笑い」です。登場人物たちの小気味良い会話は子どもの耳にもなじみがよく、言葉あそびのような笑いがいっぱい。ほろりとさせる温かな人情噺でも、お化けが出てくる怪談噺でも、必ず笑いどころがあることが落語の大きな特徴。また、噺の最後には遊び心の利いた「オチ」があるのがお約束。子どもが大好きなダジャレも多く、肩の力を抜いて思わず笑ってしまうのが落語の魅力です。

落語の愛されキャラに学ぶ、ポジティブ思考

落語には、そそっかしく失敗ばかりする「粗忽者(そこつもの)」がよく登場します。その粗忽ぶりはとてもコミカルに描かれ、どこか憎めない愛されキャラが多いのです。また、失敗や小さな嘘に翻弄されながらも、最後には笑ってOK!とする人間の温かさ、度量の広さも多く描かれています。窮地に立たされても、あらゆる切り返しでポジティブにすり抜ける知恵にスカッとすることも。ストレスの多い現代こそ、落語を聴くと元気がもらえます!

自分で想像して楽しむ力に!

今の子どもたちは、さまざまな演出を凝らしたエンターテインメントに慣れているので、たった一人が演じる落語は楽しめないのでは?と思うかもしれません。しかし、子どもの想像力は大人が思うよりずっと豊か!シンプルだからこそ集中して聴き入り、歴史的な背景や言葉の意味が少々わからなくても子どもなりの自由な想像力を繰り広げて楽しむ力をもっていると感じます。落語に親しむことを通して、想像力や集中力はよりいっそう育まれていくでしょう。

コミュニケーション力に満ちた演芸

落語は、登場人物たちの会話を軸に噺が成り立っています。SNSでの交流がさかんな現代ではつい忘れがちな、「人の目をみて対話をすることの大切さ」が落語には満ちているのです。高座のお客さんは、演者の所作の先に、見えない相手を自然と想像して見ています。対話に盛り込まれたバカバカしくも楽しい言葉あそびや機転のきかせ方など、今のネット時代こそ、落語から学べるコミュニケーション力が多々あるかもしれません。

2.知っておくと楽しい!落語の豆知識

高座

落語会は、演芸場や寄席、公民館やホールのほか、蕎麦屋の座敷や学校の体育館などで開かれるケースも多々あります。どんな場所であっても共通する伝統芸能としての落語の豆知識を、教えてもらいました。高座体験をする前に知っておくと、より楽しめるかも?!

高座ってなあに?

落語家がしゃべる場所は「高座(こうざ)」と呼ばれます。高座には、毛氈(もうせん)と呼ばれる赤い布が敷かれ、座布団がひとつ置かれています。座布団の横には、演者の名前が書かれた「めくり」があります。

めくりの文字に注目!

めくりに書かれた独特の文字は「寄席文字」と呼ばれるもの。江戸時代から伝わる伝統的な書体で、「太く、隙間をできるだけ少なく、右肩あがり」なのが特徴です。これには、少しでも多くのお客が集まり、縁の切れ目がないようにとの願いが込められているんですよ。

衣装は着物 小道具は扇子と手ぬぐいのみ

衣装は着物 小道具は扇子と手ぬぐいのみ

落語家は、着物を着て高座にあがります。落語家には、修行時代からプロになるまでに「前座、二ツ目、真打」という身分段階があり、二ツ目になると、着物の上に羽織をはおれるようになります。また、二ツ目、真打は紋付きの着物を着ることができます。知っておくと、落語家を見分ける目安にもなりますね。
使う小道具は、扇子と手ぬぐいのみ。扇子が手紙になったり、箸になったり…見立て遊びが得意な子どもたちは、頭の中で大きく想像力をふくらませていきます

「まくら」からスタート

落語家が高座にあがるときは、出囃子(でばやし)と呼ばれる音楽が鳴ります。落語家自身の雰囲気や持ち味を表す登場曲です。長唄を元にしたもの、自分の出身地に因んだもの、流行歌を使ったものなど、それぞれに自分らしさを表すものが選ばれているので、注目して聴いてみると面白いです。

座布団に座って一礼をしたら、いよいよ高座スタート。ですが、いきなり本題の演目には入りません。その日のニュースや世間話をはじめたり、演目に関連する小咄(こばなし)をやったりします。これを「まくら」と呼びます。落語家は、まくらへの反応でその日のお客様の傾向をみて、本題に入れる笑いどころを考えたりもするのです。

一人何役もこなす「上手、下手」の使い分け

演劇や歌舞伎などの舞台芸術では、客席から見て右が「上手(かみて)」、左が「下手(しもて)」と呼ばれます。舞台に家のセットを組むときは、下手が玄関、上手が座敷になります。また、上手が上座とされ、年長者や身分の高い登場人物が座る場所とされるルールがあります。

落語もこうした舞台のルールにならっています。例えば、家に入る場面では上手の方を向いて戸を開けるしぐさをしたり、大家と職人の会話では、年かさの大家が上手にいる設定になります。声音や表情からも区別は自然とつきますが、落語に慣れてきたら上手下手も意識して聞いてみると、想像がよりリアルに広がっていきそうですね。

下手(向かって左)の職人に話しかけている大家さん。

下手(向かって左)の職人に話しかけている大家さん。

3.落語は何歳から楽しめる?

子どもは何歳から落語を楽しめるのでしょうか? 子どもの年齢に応じて、落語への親しみ方を教えてもらいました。

2歳ぐらいから寄席デビューする子も

年齢制限がない落語会や親子向けの寄席では、2歳ぐらいの子が見られます。落語は大きな音響や照明の演出がないので、小さな子でも落ち着いて視聴しやすいですね。かといって、無理に早くから生の落語にこだわる必要はありません。親子向けの寄席であっても、高座は「騒がずに聞けること」がルール。アニメで落語を楽しめるテレビ番組やYouTube、紙芝居や絵本の読み聞かせから親しむのがおすすめです。

3歳~ 読み聞かせや音読で、言葉あそびを楽しんで

落語には、日本語ならではの言葉遊びが多くでてきます。子どもが大好きなダジャレやコミカルな言葉のリズムは耳になじみがよく、むしろ大人よりも自由に楽しめることも。字が読めるようになると、落語絵本を音読して覚えてしまう子もいます。未就学時期は、言葉の意味や細かな物語の筋よりも、言葉遊びをぜひ親子で楽しみましょう

小学生~  生の落語を聴いてみよう

小学校の芸術鑑賞授業の一環として開催される学校寄席は、小学校3年生または4年生がもっとも多いです。集中力や想像力、理解力がついてきて、落語をより深く楽しめるようになる時期。ぜひ高座に足を運んで、生の落語に触れてみてください。演者の表現の迫力や、客席がどっと笑いにわく臨場感は、やはりライブならではの楽しさがありますよ。

4.小さな子でも楽しめるおすすめの落語は?

江戸時代から伝承されてきて落語は、数百もの演目があります。子どもでも楽しみやすいおすすめの落語の演目を教えてもらいました。

狸札(たぬさつ、たぬきのさつ)

子どもにおすすめの落語「狸札」のイラスト

命を助けてもらった子狸が、恩返しに訪れる噺。狸がしゃべったり化けたり、子どもたちの頭のなかでは想像力がフル回転!狸の愛嬌あるかわいらしさも存分で、落語の楽しさが詰まった演目です。

寿限無(じゅげむ)

生まれた子どもの幸せを願うばかりに、縁起の良い言葉を全部名前にしてしまう噺。子どもにもわかりやすい笑いどころがいっぱい。言葉のリズムの面白さで、子どもが覚えたがる落語のひとつ。

お菊の皿

お菊という幽霊がでてくる怪談噺。「皿屋敷」の題名で呼ばれることもあります。お皿を「いちまーい、にまーい」と数える有名な場面は、緊張感が高まり、ぐっと引き込まれます。怪談噺ではあるものの、落語特有の笑いや明るさがあふれ、オチにつながります。

5.落語が聴ける場所はどこ?

寄席や落語会は、会場や演者、演目によって、入場可能な年齢はさまざまです。「騒がずに落ち着いて聴けること」をマナーとして、子どもにあった場所を選ぶことが鉄則!「子ども寄席」「親子寄席」といった名前で開催しているものを探してみるのもおすすめです。ぜひ、親子で楽しい高座体験をして、落語に親しんでくださいね。

都内の4大寄席はここ!

寄席は、落語だけでなく、マジックや紙切りなど、いろいろな芸を楽しむことができます。出演者や演目は定期的に変わるので、公式サイトで「番組表」をチェックしてみましょう。