知的好奇心がすくすく育つ学びスポット!
南海和歌山市駅から徒歩5分ほどの「和歌山市立こども科学館」には、子どもから大人まで遊びながら科学に興味を持てる仕掛けがいっぱい詰まっています。「たんけん!宇宙ひろば」をはじめとする様々なコーナーでは、見て聞いて触れて、頭も体もフル活動!常設プラネタリウムでは、和歌山の本日の星空解説と子ども向けの番組が楽しめて、大人もリラックスできますよ。小学校就学前の幼児にも人気がある科学館の見どころをたっぷり紹介しましょう!
子どもの知的好奇心は身近な“学びスポット”で育む!
子どもの脳の発達の原動力となり、将来の可能性を広げてくれるのが知的好奇心。その知的好奇心を育むスポットは関西エリアにたくさんあります。脳医学者の瀧 靖之(たき やすゆき)先生、そして宇宙・動物・昆虫・アートなどの各テーマの“達人”たちと選んだ関西エリアにある “学びスポット”を紹介します。どこも、「知るのが楽しい!面白い!」と思わせてくれる、工夫にあふれた施設ばかり。コロナ禍が続くいまだからこそ輝く身近な“学びスポット”へ出かけてみませんか。
監修:瀧 靖之(たき やすゆき)先生
東北大学加齢医学研究所教授
医師。医学博士。東北大学加齢医学研究所および東北大学東北メディカル・メガバンク機構で脳のMRI画像を用いたデータベースを作成し、脳の発達や加齢のメカニズムを明らかにする研究に従事。読影や解析をした脳MRIはこれまで16万人以上にのぼる。
知的好奇心で培われる、8つの“育つ力“
子どもの知的好奇心を刺激することで培われる力を、瀧 靖之先生が8つ選定。「洞察力」「思考力」「想像力」「発想力」「思いやり」など、施設ごとに“育つ力”を付記しました。
» 脳医学者の瀧 靖之先生に聞く!「知的好奇心」で育つ8つの力
»「国立科学博物館」は知的好奇心をくすぐる展示や学びの仕掛けが満載!
和歌山市立こども科学館で育つ子どもの力
知的好奇心が育つと、子どものどんな力が伸びるのかをチェック!和歌山市立こども科学館では、とくにどんなところが子どもの好奇心をくすぐるのか見ていきましょう。
和歌山市立こども科学館ってどんなところ?
入口で迎えてくれるのは じゃんけんロボットみらいくん(左)とスタンプロボットみどりちゃん(右)
和歌山市立こども科学館(以下、こども科学館)は、1981(昭和56)年に国際児童年と和歌山市制90周年を記念して開館しました。地元の幼児や小学生だけでなく、隣接する大阪府下などからもファミリーが訪れる人気の施設です。
初めて訪れた方はフロア案内(1階中央部に設置)も参考に
館内の1階から3階までは、展示物で遊びながら科学の知識や考え方などが身に付くようになっており、4階は常設プラネタリウムという構成です。子どもと一通り体験するのにかかる時間の目安は、2時間ほどです。
エレベーター内には鏡をつかってどこまでも空間が続くように見える“むげん空間”が!
赤ちゃん連れのために、1階の多目的トイレにはオムツ交換台(男女利用可)が、2階には授乳できるスペース(保健室、スタッフさんへ声かけ要)が用意されています。エレベーターもあるのでベビーカーでの移動も楽々です。
- 入館料:大人300円、こども(小・中学生)150円、未就学児無料 ※当日に限り再入場可
宇宙への夢が広がる「たんけん!宇宙ひろば」
迫力のこども宇宙ステーション
1階手前中央にあるコーナー「たんけん!宇宙ひろば」は、宇宙たんけんの旅をイメージして作られた遊べるひろばです。入館するとまず目に飛び込んでくる「こども宇宙ステーション」(以下、宇宙ステーション)から探検開始!
黄色いチューブはぐるぐるスライダー
くつをぬいで宇宙ステーションの入口から階段を登ります。緑色の通路から見上げると宇宙空間が広がっていますよ。通路の先には大きなチューブ「ぐるぐるスライダー」の入口です。中をのぞくと黄色い壁だけでここからは出口が見えません。すべりおりるとその隣には「ぐるぐるトンネル」の出入口があります。大きくカーブした白色のぐるぐるトンネルは腰をかがめたり、ハイハイして進みます。
青・緑・赤・黄色のラッパ形の伝声管を見つけられるかな
宇宙ステーションのあちらこちらにあるラッパの形をした「伝声管(でんせいかん)」を使うと、離れた人と話ができます。同じ色のラッパを見つけたら、パパやママと秘密のお話をしてみてね。ラッパは近くにあるものから上下に離れているものなどがありますが、一対が同色でわかりやすくなっています。
宇宙ステーションの天井には素敵な「コスモファンタジー(天井画)」が描かれています。本物の宇宙と見間違えそうな作品は、スペースアートを数多く制作されている池下章裕さんの手によるものです。
地球や人工衛星、惑星などの天井画を背景に、記念撮影も楽しいですよ。子どもたちは宇宙ステーションの上の方に登って、撮影するパパやママは床面に近いところから撮ってみてくださいね。
ふしぎな宇宙船は、つい見入ってしまいます
次は、宇宙ステーションの回りを探検しましょう。こども科学館入口近くの天井に目を向けると、たくさんの金属パーツを組み合わせた「ふしぎな宇宙船」がゆらゆらと上下しています。よく見ると動力は付いていません。それ自体の重さで動くふしぎな展示物です。重力があるから動き続けるのだそう。プロペラやアンテナなどがどのように動いているのか、じっくりと観察しましょう。
ふしぎな宇宙船の作者・永沼理善さんは、和歌山大学教育学部教授で「自重力」をテーマに創作活動をされています。
宇宙コースター
ふしぎな宇宙船の隣にある大きな「宇宙コースター」。ボールがあちらこちらへ寄り道しながら転がり落ちるボールコースターです。下にあるボールを上へ運ぶ機械は左右に1種類ずつ。左側はスイッチを押すとスパイラルリフトが動き始めます。右側は手でハンドルを右向きに回してゴンドラで運び上げます。中央のハンドルで月を動かせば、月に溜まったボールがコロコロと落ちてきます。
宇宙コースターの隣には「ふしぎな宇宙」があります。特定の方向の光だけを通す偏光板の仕組みが、一目で分かる仕掛けです。スイッチを押すと、惑星が現れたり消えたり…あら不思議!
くうきロケット
中央の宇宙ステーションを挟んでふしぎな宇宙の反対側にも、圧縮空気の力で飛び上がる「くうきロケット」やハンドルを回すとプロペラが勢いよく飛び上がる「ヘリコプター」などもあるのでお見逃しなく。
遊びながら学べるコーナーがいっぱい
郷土の自然
受話器で説明を聞くので、説明に集中できます
1階の奥にあるコーナー「郷土の自然」は、自然が大好きな子どもたちにおすすめ。野鳥のはく製や紀の川の魚、いろんな種類の切り株などが展示されています。「和歌山市の自然」を紹介する展示では、一人ずつマウス操作でモニターを操り受話器からの音声で説明を聞ける仕組みです。
1階から2階へは恐竜と一緒に上ろう!
館内は1階から順に、遊びながら上のフロアへ進むのがおすすめです。各フロア中央にある階段の壁にも展示物があるので楽しみながら登れます。
ふしぎ体験!科学広場
博士くんのクイズに挑戦!
2階は「ふしぎ体験!科学広場」。クイズを出してくれる「博士くん」がお待ちかねです。大きな声で話しかけてみましょう。
わくわくたいけん広場
幼児に人気なのが、音を出したりボールを転がしたりブロックなどで遊べる「わくわくたいけん広場」や「ジオラマ」です。博士くんの左側へ進むとすぐの場所にあります。
地震の体験
わくわくたいけん広場のほかには4つのコーナーがあります。台に乗って地震の揺れを体験できる「地震の体験」や、「雷のおこるわけ」「リニアモーターカー」などの身近な不思議を教えてくれる装置が合計で56種類あります。
光と音のくに
大変身は“ほっそりと見える”とママに人気のミラーも
3階の「光と音のくに」では、6面の見え方が異なるミラー「大変身」をはじめ22種類もの遊びができます。
プラネタリウムは幼児も大人も満足のプログラム
4階のプラネタリウムは、2019年にリニューアルされました。高解像度4Kデジタル投影機2台でドーム全体に投影され、122ある座席からはより本物に近い星空を眺めることができます。
※定員は状況に応じて制限する場合があります。
1回の観覧時間は約45分で、星空解説(約15分)とプラネタリウム番組(約30分)で構成されています。星空解説で映し出されるのは、当日の和歌山市の星空です。スクリーンの下には和歌山市の街並みが映し出されその上には美しい星空が…。元小・中学校教員の方々による星空解説は、子どもたちにも分かりやすく、飽きずに楽しむことができます。
プラネタリウム番組は、常時2種類上映されています。子ども向け番組は季節ごとに、大人も楽しめる番組は1年サイクルで変わります。
子ども向け番組は、親しみやすいキャラクターが登場して宇宙や科学を楽しく学べる内容となっています。ヒーリング音楽といっしょに本物の宇宙にこだわった映像が楽しめる大人向けの番組は、星空を学び始める小学4年生くらいから最後まで興味を持って鑑賞することができるでしょう。いずれも年齢制限はないので好みの番組を自由に選んでくださいね。プラネタリウム番組の詳細は公式サイトをご確認ください。
ロボットみたい!プラネタリウム投影機(2018年まで使用)
プラネタリウムの入口前には、宇宙に関する展示があり、2018年まで使用されていたプラネタリウム投影機や、私設プラネタリウムで使用されていたという古い投影機などを見ることができます。
“星の色パズル”もあるパズルコーナー
自由に遊べるパズルコーナーや、出口近くの壁にはホログラムの展示もあり、鑑賞後も余韻に浸れます。
■プラネタリウム
- 投影開始時刻:
平日/11時、14時、15時30分(和歌山市の小・中学校の長期休業中は13時も投影)、土・日曜、祝日/11時、13時、14時、15時30分 ※場内飲食不可、途中入場不可 - 観覧料(1回):
大人300円、こども(小・中学生)150円、未就学児無料 ※1階窓口で入館料支払い時に、希望の投影時間を伝えプラネタリウム観覧料を支払う。再入場不可
実験工作や自然観察会、天体観測会などの科学教室も人気
教室内入口付近に展示されたミニサイエンスの作品
3階にある実習室などで、様々なテーマの“教室”が開催されています。こちらでは、ほんの一部をご紹介します。
※現在、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、イベントや教室は当面中止となっています。
ミニサイエンス
「ミニサイエンス」は、約20分の工作体験を通して、身の回りの科学をやさしく解説してもらえます。年齢制限はないので小さな子どもたちはパパやママと一緒に参加しましょう。内容は月変わりです。
- 開催場所:和歌山市立こども科学館 3階 実習室
- 開催日:日曜
- 開催時間:15時~(約20分)
- 対象:年齢制限無 ※保護者同伴
- 定員:子ども先着12人
- 参加費:無料 ※入館料別途
- 申込:開始時刻までに3階教室前へ並ぶ
9歳までに身につけたい科学教室
「9歳までに身につけたい科学教室」では、9歳までに身につけることが必要な自然の事物や現象を実際に体験します。
- 開催場所:和歌山市立こども科学館 3階 実習室
- 開催日:土曜
- 開催時間:9時40分~10時50分、14時10分~15時20分
- 対象:5歳~小学校2年生 ※保護者同伴
- 定員:各子ども8人
- 参加費:無料 ※入館料別途
- 申込:電話受付(073-432-0002、9時~16時30分)/抽選 ※後日、当選者へ電話連絡
身の回りの自然に興味や関心を持ったら、「親子生き物博士教室」や「親子天体観察会」にも参加してみましょう。
親子生き物博士教室
干潟の生き物観察
現地に出かけて自然とのふれあい体験をする「親子生き物博士教室」は、干潟や公園に出かけて、自然についての理解や観察の方法、安全への意識などを家族で楽しく学べます。普段見逃していることに気が付く良いきっかけになるでしょう。
- 対象:子どもとその保護者
- 定員:10家族
- 参加費:無料 ※現地までの交通費は各自負担(現地集合・解散)
- 申込:電話受付(073-432-0002、9時~16時30分)/抽選 ※後日、当選者へハガキで案内を送ります。
「親子生き物博士教室」やその他の教室の詳細は、公式サイトをご確認ください。
ランチは和歌山城周辺で
和歌山城の前に建つ和歌山城ホールは2021年10月開館
こども科学館から南へ5~6分歩くと和歌山の文化交流拠点「和歌山城ホール」があります。1階に併設されたカフェでは、ホットサンドやカレー、ランチボックスからスイーツまで楽しむことができますよ。
屋上庭園からは遮るものなく和歌山城が望めます
和歌山城ホール5階の屋上庭園からは、和歌山城を見渡せるテラスや芝生広場があり、飲食の持ち込みが可能です。5階には子ども用トイレが、1階インフォメーション奥には授乳室があるので、小さな子ども連れには嬉しいスポットです。
和歌山城ホールの目の前にあるバス停(公園前西)からは、JR和歌山駅や南海和歌山市駅行きの和歌山バスに乗車できます。
キーノ和歌山
天候が良くない場合は、こども科学館近くのラーメン店や、徒歩約5分の南海和歌山市駅前にある、和洋中からスイーツまで揃うフードホールを備えた「キーノ和歌山」がおすすめです。隣には子どもたちにも人気の和歌山市民図書館・こどもとしょかんもありますよ。
和歌山市民図書館の記事はこちら
» 赤ちゃん・子どもが笑顔に!「和歌山市民図書館」は遊び場やイベント、カフェも充実
アクセスは?電車利用も便利
途中にある“勝海舟寓居地”石碑
- 電車・バスを利用:
南海和歌山市駅から徒歩5分。
※南海和歌山市駅から南東へ約300m歩くと右角に“勝海舟寓居地(かつかいしゅうぐうきょち)”石碑があります。そのまま右に曲がり直進すると突き当り手前左がこども科学館
- 車利用:
阪和道和歌山ICから国道24号経由7km15分
駐車場:駐車場あり(無料、8台) ※和歌山市営城北公園地下駐車場利用時は1時間補助あり(窓口で駐車券提示)、近隣に民間有料駐車場多数
「見よう ためそう みんなの夢」をテーマに開館した「和歌山市立こども科学館」。未来をになう子どもたちの夢を広げてくれるだけでなく、親にも“気づき”を与えてくれます。子どもたちから自然や科学について「なぜ?」「どうして?」と聞かれたら、家族そろって訪れたいこども科学館です。
■和歌山市立こども科学館
開館時間 | 9時30分~16時30分 |
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休館日 | 月曜(祝日と重なる場合は次の平日)、年末年始 ※臨時に休館する場合あり |
入館料 | 大人300円、こども(小・中学生)150円、小学校就学前の幼児は無料 |
プラネタリウム観覧料 | 大人300円、こども(小・中学生)150円、小学校就学前の幼児は無料 |
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『るるぶKids こどもの知的好奇心がすくすく育つ学びスポット関西』
子どもたちの知的好奇心を刺激してくれる“学びスポット”全83施設をピックアップ。図鑑などでもお馴染みの「恐竜」「動物」「昆虫」「宇宙」「乗り物」、そして日常の延長として親子のコミュニケーションを楽しめる「アート」「絵本・アニメ」「にほんの歴史」「学べる工場」を加えた9テーマに分けて紹介しています。監修者である脳医学者の瀧 靖之先生、そして各テーマの“達人”たちと選んだ“学びスポット”は、どこも子ども心をくすぐる工夫にあふれた施設ばかり。また巻頭には、瀧 靖之先生による「知的好奇心の伸ばし方」も収録しています。
子どもの成長にとって大事な知的好奇心を育てるスポットの数々。本書を参考に家族でおでかけしてみませんか。